アウトドア


最近はそうでもないが、我々の夏の風物詩の一つに
キャンプというものがある
最初の頃は、ちゃんとキャンプ場まで行き
キャンプらしいことをしていたのだが
最近は近くの川原で済ませてしまう体たらく
困ったもんだ・・・

そんな中でも初めて行ったキャンプは
生涯忘れることの出来ない大事件の連続だった
すこし長文になるが紹介したいと思う



我々は、初物に弱い(爆)
そう、何か初めての行動を起こすと必ずといって良いほど

事件

が起こるのだ

確か19歳くらいだと思う
どういうきっかけかは分からないが、突然キャンプに行こうということになった
友人が一つハウス型のカッコイイテントを持っており
ワシがもともと叩き売りで買うた三角テントをもっていたこともあり
あと1個は現地で借りればいいだろうと一路キャンプ地に向かった
その時の人数は8人だったのだが、現地へ向う時の車は

トレノ(定員4だが、5人乗った)



ヴォルクス・ワーゲン・ビートル
(定員2だが、3人乗った)


であり、というどっちも大の大人がギューギュー詰め状態での
時間を余儀なくされた

RV車といったシャレたものなどなく、数少ないスペースを使い、
鉄板やらクーラーバッグやら、まるで日帰りバーベキューでもしに行くような
装備しかもっていかずに行ったことは今では到底考えられないほど
無謀であった(爆)

キャンプ地に到着後、設営料と貸しテントを一つ借りる
その後はテント設営の場所探し
だが木陰になる良い場所は全て占領されてしまっている・・・

が、1人がある場所を指差した

「あの高台どうだ?
海が一望できて、

バーベキュー用の石も転がってるし、
風通しも良いし、ここにしないか?」


少しでもアウトドアを齧ったことの有るひとなら、これがいかに

素人な考え

か一目瞭然だろう
当時は特に反対する理由も知らず(ああ、無知って恐ろしい)
何の疑いも無しに高台へ設営することにしたこのことが、

後の大事件に発展する

とはその時点では誰も夢にも思ってなかった・・・

さて、なにもかもが初物尽くしであるテントを設営するのも一苦労
火を起こすのも一苦労

今なら着火材&着火マンの黄金コンビは
不動の存在

なのだが、当時は小枝を集め、新聞紙くるめて100円ライターで火を着けるという

原始人さながらの行動

をしていたものだ

悪戦苦闘の末、どうにか火を起こすことに成功
早速、バーベキュー開始
しかし、苦労しただけのことはある単純に鉄板でバーベキューをしている
だけなのに

なんと美味しいことか!!
これぞアウトドアの醍醐味!!


その日はピーカン天気で澄み渡る夏の青空
当然のことながらみんなで海水浴
雲一つない晴天ではあったが、風が強いので波が結構高い
が、ワシらにとっては波も格好の遊び道具
当然の如く、日本海の荒波に向かってプランチャー(プロレスの技)を
するのであった
ゴムボートに乗ったりして、潜水艦で戦艦撃沈よろしく、重いきり
童心に帰り、水遊びを楽しんだのだった

さて、夕日で光る素晴らしい日本海を眺めながらビール&焼きそば
これがまた、ごくごく普通の焼きそばなのになんと美味しいことか
やはり、人間自然に帰るのが一番

夜はお待ちかねの花火大会
思う存分、打ち上げ・噴出し・ロケット花火を打ちまくった
あたり一面火薬の煙が立ち込めていたがなにも我々だけがこんなこと
していたわけではなく、周り中の人々がやっていた
今だったら、絶対マナー違反だろう

さて、夜になってもやはり海は美しい
水平線の彼方には稲光が見えるなんと自然は美しいのだろう

「おーっ綺麗だなぁ、あんなに
はっきり雷って初めて見たよ」


と、感動しきりであった
この時点までは・・・

夜も0時を過ぎ、夏の夜には欠かせない肝試しを始める
が、周りがキャンプ地ということもあって民家の明かりが結構あり
ムードも何もない
ちょうどそのころから風が強くなってきたので早々にテントへ戻った
そしてしばしの歓談の後、我々は眠りについたのだった


ふと、物凄い風音で目が覚める
さっきからの風が強さを増しているようでテントが吹き飛ばされないか
心配になってくる

そう、

高台にテントを設置している為
風をモロに受けてしまうのだ


そして神はさらに我々に試練を与える
先ほどまでは突風だけで済んでいたのが

激しい雨が降りはじめてきた

テントの中は水浸しになり、我々の気分は一気にブルー
とりあえず、今外へ出る訳にも行かず雨が止むのをひたすら待つしかなかった

が・・・神は非情である

目を覚ましたのが3時くらいだが朝の7時頃になっても
雨脚は弱まるどころかより一層強さを増しているようだった
そして、気がつくと昨日あれだけいたキャンパーが誰もいないのだ

そう、

我々だけが取り残されているのだ

そして、我々はラジオを通じて恐ろしい
報道を聞くことになる

「現在、石川県能登地方に大雨・洪水
強風警報が出ています」


顔面蒼白・・・
回復の見込みが無いことを知ると流石に我々も重い腰を起こし
スブ濡れになりながらテントの撤収&片付けを行った

帰りの車の中では会話が一切無かったことはいうまでもない・・・

さらに、後から分かったことだが、この時の雨は

1時間でなんと80mmという
記録的な大雨


だったらしい

やはり水平線でみた稲光が全ての予兆だったのだろう
初めてのキャンプで、良い面と悪い面の全てを体験できたのは
財産だろう・・・(と思いたい)



ところで、普通だったら、こんな経験するともう2度とキャンプに行きたくないと
思う人もいるかもしれないが、私は今もキャンプ大好き人間である

何故か

やはり、屋外で作る・食べる・騒ぐ

これにつきるからだろう









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