昭和30年代の
映画館
つい先日、シンプル・プランを見に行った時のことだ
富山にはあまり映画館は多くないので
興行収入が大きなものを見込めるもの以外の映画は
地方の小規模の映画館でほそぼそと上映されている
もともとシンプル・プランはアメリカでも
上映場所・期間限定のプレミア上映だった
東京でもかなり小規模の上映だったらしい・・・
富山では9月に公開される予定が
10月まで延期されるというアクシデント・・・
しかも、富山県の中で上映されるのは
「高岡ピカデリー」
という場所1箇所のみ・・・
つるぎは30年余り富山に住んでいるが
未だにこの「高岡ピカデリー」は足を踏み入れたことがない
そして、その映画館は
ボロいことで有名らしいのだ
まず最初にチケットを購入するのだが
受付のお姉ちゃんのやる気のないことといったら・・・
文庫本を読みながらこちらを
チラリとも見ないで
映画チケットを出してくるのだ
怒るのを通り越して呆れ返ってしまった
それだけではない
普通映画館には必ず売店があるはずだ
ガラスのショーケースの中には所狭しとお菓子や
各種キャラクター・グッズが店頭販売されている
しかし
「高岡ピカデリー」のショーケースには
全く何も入っていないのだ
ただただ唖然・・・
流石に自動販売機は置いてあったのを見てちょっと安心する
(ちなみに値段は良心的な120円)
気を取り直して映写室の中へ入ると
ここでもまた驚く出来事が・・・
普通上映時間までの待ち時間は
その映画に纏わるサントラが流れているのが普通で
そうでなくても何かしらのBGMがかかっているはずだ
しかし、「高岡ピカデリー」には
一切BGMの類は無い・・・
ひたすら静寂が映写室を支配しているのだ
昭和30年代の映画館ってこんな感じだったのかもしれないなぁ
なんてことを見たことも無いのに想像してしまった
勿論
ドルビーステレオサラウンドシステム
等という洒落た音響設備が
あるはずが無いのは
言うまでもあるまい・・・
いざ映画が始まるとまあ、それなりに見ることはできるのだが
困ったことがもう一つ有った
それは映写室内のエアコンの動作音である
ブーンという物凄い轟音を立てており
一瞬映画の中の効果音と
間違えてしまったほどだった
勘弁してくれよぉ・・・
これでは人が入らないのも納得である
やる気が全く感じられないのだ
そんな信じられないもの尽くしの中で唯一感心したことがあった
椅子の設置場所の工夫である
最近の洋画は字幕スーパーが画面下部に出るものが圧倒的に多い
一般的は映画館は下記ような配置だろう
スクリーン
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(■:客席)
上記のようだと自分の席の前に座高の高い奴が座ったら
悲劇である・・・
しかし、「高岡ピカデリー」は
スクリーン
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のような配置をしてあるのだ
これは他の映画館にも是非見習ってもらいたアイデアである
しかし、多分もう2度と行かないだろう
今回のように、どうしても見たい映画が
「高岡ピカデリー」にしか上映されない場合は除くが・・・
だって、あまりにもボロすぎるもん!!
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