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| 志賀原発の安全評価/再稼働安全確保が大前提 | 平成24年2月4日 |
北陸電力が、定期検査中の志賀原発2号機(石川県志賀町)について、再稼働の前提となるストレステスト(安全評価)の1次評価結果を経済産業省原子力安全・保安院に提出した。再稼働への手続きが一歩進んだ格好だが、運転再開に向けては安全の確保が大前提になるのは言うまでもない。
今後、国の審査が始まる。北電としても富山県民を含めた地域住民から拙速と受け止められることのないよう、慎重に取り組んでいく必要がある。
ストレステストは、原発が地震や津波にどこまで耐えられるかをコンピューターで計算し、設計の想定に対してどの程度の余裕があるかを調べる。
では、2号機に関する今回の1次評価結果はどうだったのか。北電の報告によると、原発の主要設備が、地震には想定の約2倍、津波の高さは約3倍の15・3メートルまで耐えられるとした。地震に関して言えば、2007年の能登半島地震の4倍の力に耐えられるという。
さらに、福島第1原発事故の引き金とされる全電源喪失という事態に陥った場合でも、東日本大震災後の緊急対策で配備した電源車の電力供給や消防車の注水により、外部支援がなくても約70日間は原子炉と燃料プールを冷却し続けることができ、燃料の損傷を防げると説明。こうした結果を踏まえ「重要な施設・機器の安全性は十分に余裕がある」としている。
確かに、安全評価は大震災後の緊急対策を検証し、原発の現状を把握する上で一定の意味はある。
だが、福島原発事故では想定外の事態が重なって大事故を引き起こしており、あくまで必要条件の一つであって、これで安全が十分に担保されたということにはならないだろう。
実際、志賀原発の地元・志賀町の小泉勝町長は「再稼働を判断する一つの基準になると思うが、すべてではない」、石川県の谷本正憲知事も「(再稼働について)判断できる材料はまだない」と指摘している。
原発が立地する他県の自治体も、現在想定されている「安全評価の審査」→「首相らによる判断」→「地元の同意」という一連の再稼働シナリオに対しては概ね慎重な構えだ。原発事故の知見を反映した新たな安全基準を求める声も強く、現実問題としては、追加的な何らかの手立てが必要だろう。
同時に、再稼働への議論で欠かせないのが、日本経済の現状など踏まえた冷静な視点だ。もちろん、原発の安全性最優先を揺るがすものであってはならないが、幅広い視点からの総合的な議論も大切になる。
今回の安全評価の提出は、北電としては初めてだが、既に東京電力や関西電力など7社15基で提出されている。言ってみれば、北電は“後発組”だ。
国の審査など今後の手続きや再稼働に向けた取り組みは先行事例の状況を見極めながらの対応になりそうだが、北電には、何より地元自治体や住民の理解を十分に得られるよう、一連の課題に真摯に向き合っていく姿勢を強く望みたい。