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相談記録未記入/求職者の立場で改善急げ 平成24年2月6日

 不況が長引き、公共職業安定所(ハローワーク)を訪れる人は、何とか働き口を見つけたいと切実な思いでいるはずだ。求職者のそんな気持ちをないがしろにしかねない職業相談業務の実態が明らかになった。

 求職者からの相談内容が記録されず、放置されている割合が7割に上り、後の相談業務に生かされていないとの調査結果を総務省が公表した。

 全国のハローワーク545カ所のうち31カ所で求職者930人、求人1395件を抽出して調べた結果、1万682件の相談に対し、71%に当たる7589件の記録は日付だけだった。求職者の希望する勤務地を知らないケースが117人分、希望する仕事を把握していないケースも67人分に上っていた。

 相談は「顧客ニーズ」を把握する機会でもある。内容を記録するのは基本業務である。基本をおろそかにして成果が上げられるとは思えない。求職者の身になった早急な改善が必要だ。

 求職者から職業紹介や職業訓練の相談を受けると、担当者はどんな相談だったのか、具体的な内容をシステムに入力することになっている。就業に結び付くまで何度も相談を重ねていく上でベースとなるものだ。これが「白紙」のままでは同じやりとりを繰り返さねばならないことになる。

 厳しい雇用状況を打開するため、緊急経済対策や雇用対策が近年相次ぎ打ち出された。求人拡大に向けハローワークの求人開拓推進員を増強したり、求職者支援制度では相談業務と並行して職業訓練を受けてもらい、適性を探りながら就業に結び付けるといった施策である。

 ところが、就業支援の最前線で「次の相談者を待たせられない」「相談者が希望する仕事を決められない」などの理由で相談記録を残していないというのでは、施策の効果も半減であろう。職務に対する姿勢にも疑問符が付く。

 ハローワーク富山(富山市)には35の相談窓口があり、相談員が1人ずつ配置されている。約7割が非常勤職員だが、ほとんどが労務管理やキャリアコンサルティングなどの実務経験者だ。

 配属時には相談内容を短時間で簡潔にまとめるための研修を行い、その後も指導役の職員がつき、業務と並行してスキルアップに努めている。「相談内容を残さないのは、サービスとしてはまずいこと」とシステムへの入力を徹底しているが、待ち時間は30分以内に抑えているという。

 まずは、こうした実績を挙げているところに学ぶなど自助努力による業務改善に取りかかるべきである。30%と低迷しているハローワークを通じた就職率を高め、雇用問題の焦点となっているミスマッチを解消していくには、相談業務を通じ、求職者と向き合っている現場の声が反映されるべきだからだ。

 昨年12月の有効求人倍率はわずかに改善したものの0・71倍と低調で、完全失業率は4・6%に悪化した。親身になって求職者と接し、支援施策を最大限生かす現場であってほしい。


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