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’10参院選・農業、食料政策/連動性 継続性が必要だ 平成22年7月7日

 コメの価格は低落傾向が続き、多くの農家や生産法人は厳しい経営を強いられている。農業収入だけでは生活もままならない状況では兼業化せざるを得ず、担い手の高齢化も進む。農業の経営環境や基盤が弱体化する中で、食料自給率の向上や、生産から流通や販売までを一体的にとらえた農業の6次産業化などの旗をむやみに振って、望む効果が挙げられるのか、はなはだ疑問である。

 土地の流動性を高め、経営体の体力増強を目指した自公政権の政策から、中小・零細農家も網羅できる所得補償を行う民主党政権による政策転換で、農政は相も変わらないめまぐるしい変化を印象づけた。そこに色濃く見えるのは、日本農業の将来ビジョンよりも、やはり、農家・農村票獲得に向けた政党の選挙戦略と言わざるを得ない。

 みそやしょうゆ、豆腐の原材料となる小麦や大豆などの穀物は、ほぼ米国からの輸入である。土地を耕し、農産物を栽培するにはトラクターなど化石燃料を使った機械を使う。担い手不足、高齢化を補う省力・省人化の面からは必然的な流れであろう。

 海外相場によって食料品の原材料価格が決まり、原油価格の変動が農業の生産現場を直撃する。こうした中で、カロリーベースによる自給率議論にどれほどの意味があるのか。

 新たな食料・農業・農村基本計画は、旧計画で27年度に45%(カロリーベース)としていた自給率目標を新計画では20年度に50%(同)に設定した。達成に向けた生産目標を小麦は32年度に180万トン、飼料用米は70万トンなどとしている。小麦は21年度の2倍、飼料用米は約78倍になる。はたして現実的な数字なのか。日本の農業・食料政策は、液状化した不安定な地面に高層マンションを建設するような議論となってはいないか。

 足腰の強い農業を育て、安定した食料需給体制を築くには、土地活用から担い手確保など生産体制の強化から、市場で輸入農産物に対しても競争力のある農産品を供給できる政策の連携・連動、継続が必要である。

 例えば、耕作放棄地の増大に歯止めをかけ農地の有効活用を図る目的で、昨年12月に改正農地法が施行された。企業による農業参入が容易になることで、担い手の確保、土地の荒廃防止、農産品ニーズの掘り起こし、多様な商品開発、販路拡大などが期待できる。生産拠点となる地域の活性化、商工活動の刺激にもなるだろう。

 要は、政策を打ちっ放しにしないことである。企業参入によって零細な農家の経営が脅かされないよう配慮しながら、参入を促進する営業活動は、だれが、どこまでどうするのか。成り行きに任せていては、いずれ形骸(けいがい)化する。

 減反を条件にコメを作れば、10アールにつき年1万5000円を助成する戸別所得補償制度についても、農政全体のどこに位置づけるのか明確にし、他の政策と連動性を持たせることで、実効が上がるようテコ入れが必要であろう。


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