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| 平成24年2月6日 |
東日本大震災で津波に襲われた岩手県宮古市田老(たろう)地区は、明治と昭和の三陸大津波でも壊滅的な被害を受け、「津波太郎(田老)」とも呼ばれた。作家の吉村昭さんが著作で紹介している。人間の営みを瞬時に壊す津波の恐ろしさとともに語り継がれてきたのだろう
災害にまつわる地名は他にもある。静岡県沼津市の平目平(ひらめだいら)。標高36・4メートルの地点だが、室町期の「明応東海地震」で津波が達し、ヒラメが打ち上げられたとの言い伝えに由来するという。先人たちが子孫に注意を促すため名付けたようにも思える
地名に込められた意味は「警告」ばかりではない。町の成り立ちや、昔の人々の暮らしぶり…。それぞれの土地の記憶が深く刻まれている。そうした名称が市町村合併などに伴って消えた
旧町名と呼ばれる古くからの地名を歴史遺産と位置付け、よみがえらせようとする動きが高岡市で出てきた。挙げられているのは28町。おけ職人が多くいた「桶屋町(おけやちょう)」、八丁道の石灯籠をともす油を供給していた「油町」などだ。江戸期に名付けられたものが多いという
復活の目的を観光振興のみにとどめてはもったいない。名前の由来に思いをはせ、先人のメッセージに耳を傾けてはどうだろうか。地域のルーツを知り、ふるさとを愛する気持ちが盛り上がれば、震災を機に見直された住民の絆を強めることにもなる。