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平成24年1月8日

 <身長でも体重でもなくみどりごの測られてゐる放射線量>。本紙の北日本文芸歌壇で昨年の年間賞「天位」に選ばれた平岡和代さん(砺波市)の歌だ。短歌は、社会的に大きな事件に取材する「機会詩」の側面もある。選者の歌人、佐佐木幸綱さんは「原発事故に遭遇した時代の異常性を具体的に指摘した鋭い一首」と評した

 昨年は短歌に限らず東日本大震災を扱う文芸が相次いだ。未曽有の災害を前に「書かねばならない」との思いに駆られたのだろう。富山ゆかりの作家、宮本輝さんもその一人。3・11以後、公式ホームページに書き込む内容を変えた

 読む人の気持ちが明るくなればとジャズや落語の話を交え、人間賛歌のメッセージを発信し続けている。昨年末には「ネット上で消えていくのは惜しい」と新潮社が「真夜中の手紙」と題して単行本にまとめた

 そんな宮本さんの連載小説「田園発 港行き自転車」が本紙で元日から始まった。毎週日曜掲載で富山が舞台になっている。「私は自分のふるさとが好きだ」で始まる第1回は、冒頭から富山への賞賛がおもはゆいほど続く

 取材で県内をくまなく見て歩き「書かねばならない」と感じた思いが下敷きになっている。「富山の人は自分たちの豊かさを認識しなきゃいけませんよ」と宮本さん。物語を楽しむだけでなく足元を見つめ直す機会にしたい。


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