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平成24年1月9日

 谷川俊太郎さんが「成人の日に」と題した詩の一節につづっている。〈成人とは人に成ること もしそうなら/私たちはみな日々成人の日を生きている〉と

 完全な人間はどこにもいない、人間とは何かを知りつくしている者もいない。そう言って詩人は続ける。〈だからみな問いかけるのだ/人間とはいったい何かを〉。この世に生を授かり、あの世へ旅立つまで、答えに少しでも近づこうと歩む日々が人生そのものなのだろう

 明治から平成の時代に生きた55人が20代でつくった詩を集め、『二十歳の詩集』も編んだ。ページを開くと、草野心平が〈しのびなきしてゐた俺の心を。/だれがしるか。〉と嘆き、壺井繁治は〈疲れたのか、/生きながらミイラとなったのか、〉と苦悩している。誰もが思い当たる魂の叫びが伝わってくる

 金子光晴は〈中傷の矢ぐるま。嫉(そね)みのとりかぶと。/どんなうとましい日も、人生はこぼれる花花〉と前を見据えている。谷川さんは、10代の終わりごろの傾向として「周りの社会からの圧力を感じるようになっているんです」と書いている。あつれきを乗り越えて人は成長していく

 「成人の日」のきょう、県内はおよそ1万人の若者が節目を迎える。〈永遠に終わらないおとなへの出発点〉ではあるけれど、輝かしい前途が開かれんことを。そして旧成人もともに前へ進んでいこう。


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