かまぼこの話

 

   「かまぼこ」には板が付いてるって??? 「うっそ〜」

   富山の食品売り場のどこを探してみても板の付いたかまぼこなんて売っ

   ていませんよォ。富山の蒲鉾は赤、青、緑の色でうずまきになっている

   のが当たり前です。昆布で巻いた黒いのもありますが、これは値段が高

   いのです。渦巻きだけではなく、板付き蒲鉾のスタイルで上に焼き色を

   つけた「やき」、中にきざみ昆布を入れた「しぐれ」、平たい楕円形の

   「やわらか」などというものもありますが、どれにも板なんかついてい

   ません。

        ほらねっ。

 

     

 

   富山の婚礼には「細工かまぼこ」が引き出物に使われます。大きな鯛や

   宝船、縁起物などが、デコレ−ションケ−キの飾りをつける要領でカラ

   フルに絞り出されて作られますが、それにだって板なんかついていませ

   ん。という言い方は正確ではありません。実は板がついています。但し

   版画が彫れるようなあんな厚さはありません。薄板と呼ばれるほとんど

   かんなくずのような薄い板です。もっとも、あれに板が付いていたら重

   くてお持ち帰りがさらに大変でしょうね。

 

   では、富山の食品売り場に全く「板付蒲鉾」はないのでしょうか?・・

   実は、年に一度だけあらわれます。お正月用の金太郎飴状態のかまぼこ

   がそれです。中に松竹梅や富士山、キャラクラ−の顔があって、どこを

   切ってもそれが出てくるかまぼこです。これらのメ−カ−は富山のもの

   ではありません。「旅の」かまぼこです。

 

 

   最近は細工蒲鉾も婚礼用だけではなく、色々と楽しいデコレ−ションの

   ものが発売されています。

    

   薬都富山ならではの「薬膳かまぼこ」、海老やカニ、あなご等を乗せた

   「寿司かま」、子供達が喜びそうなチュ−リップの形のものなど、この

   かまぼこ屋さんの直売場はおいしさ満載でした。