平成11年8月11日

 

   過日、一昔前のアマチュア無線仲間であるJH9JOS局長と、二人でぶらっとどこか

   へ行きたいねという話になった。福井は?・・なんか原子力発電所の事故が・・

   やめよう。高山は?・・JOSさんがこの所雑草と格闘していて田畑はあまり見たくな

   い心境・・やめよう。金沢は?・・ぶらっとには丁度いいかも・・で、決定した。

   私の休日である8月11日(水曜日)に金沢駅で10時半頃合流する。どこへ行こう

   かと相談し彼女の提案で駅のバス案内所へ行った。忍者寺として有名な妙立寺は、

   行ってみたいけれど予約がいるはずだしと言い合っていると、案内所の人が「当日

   でも大丈夫だと思いますよ。」とアドバイスしてくれた。近くの公衆電話の所にしっ

   かりと妙立寺の電話番号を書いた紙が貼ってあった。    

   まずは「妙立寺」拝観。加賀百万国前田家の祈願所で出城としての役割も持って

   いたそうだ。外観は2階建てだが内部は4階7層建てで、23個の部屋、29個の階

   段、落とし穴2カ所という大変な建物だ。忍者とは何の関係もないのだけれど、い

   ろいろな仕掛けや工夫の為に「忍者寺」と呼ばれると、案内係のお姉さんがまじめ

   に丁寧に説明してくれる。 

   この日まで20日ばかり雨には縁がなかったにのに、拝観途中から土砂降りになった。

   外へ出る頃には小降りになったのだが、JOSさんは「私は雨女だから・・・」と近

   所の土産物店でビニ−ルの傘を買った。

   次は近くのはずの「西の茶屋街」に向かう。「るるぶ」を見ながらも右往左往して、

   ようやくその小さな通りに到着する。

              

 

        

   コ−ヒ−(300円)かお抹茶(お菓子付500円)をたのめば、昔ながらのお茶屋

   さんの中を見学させてもらえる。「るるぶ」では公開は月一回と書いてあったがい

   つでも大丈夫のようだ。丁度おいでだったご主人に丁寧に説明して貰えたり、今も

   営業しているというお話に「さすが古都百万国の街金沢」と納得してしまった。

    

 

  ぶらぶら中心街の方に歩いていくと犀川べりのお寺さんの前に、

  お地蔵さん達が並んでいる。室生犀星が7才の時に養子にな

  った「雨宝院」という寺院に偶然行き当たったようだ。このお

  地蔵さんはとてもスマ−トで口元はアルカイックスマイル?

 

 

   お昼を食べてさらに金沢駅に向かって歩く。雨の心配はもうない。

   最後に見学した尾山神社。加賀藩初代藩主前田利家公が祭られて

   いる。クリスタルグラスのような五色のギヤマンをはめこんだ3層作

   りの神門はかつて灯台代わりになっていたと「るるぶ」に書いてあ

   った。

 

 

   駅で買い物をしてから帰りの電車に乗り込む。途中では雨が降っている場所もあり

   「歩いている途中じゃなくてよかったね。」「庭や畑に水をまかなくてすむね。」

   と彼女の買った白玉あずきを食べながら会話がはずむ。高岡は晴れていて「また

   どこか行こうね。」と言いながら彼女が下車した。私の降りる駅では 土砂降りだ

   った。駅前に置いておいた自転車に飛び乗って大急ぎで帰った。ほんの少しの距

   離なのにびしょぬれですぐにお風呂に飛び込んだ。

 

   雨女は「私」だった。