・・・ハバード星人、シオンのことです・・・よろしかったら、どうぞ深みに・・・


研究所のこと
 
 シオンが、“研究所で・・・貴重なサンプルで・・・耐えられなくて・・・”ってところも、気の引かれることなのに、シオン自身の、それについてのわだかまりみたいな話題を見ることはできなかったなぁ。
 猫背気味の姿勢や、まるっこくしゃがみ込むポーズなんかは、状況に耐えながら育った異星人のイメージと合ってるし、つらそうな時のお山おすわりなんかも、とーっても可愛くて、見ていてぞくぞくくるんだけど。

 38話でも、睡眠中のデータとかを採られずに自由な気持ちで眠れたのは初めてのことになるんじゃないかって、ついつい思ってしまうんだけど、そういうことには、一切、触れられなかったなぁ。

 ユウリ、アヤセ、ドモンは、ほんの少しだけでも、30世紀での自分のことと、その時の気持ちとかを竜也に語ったことがあるのに(ドモンはけっこう語ったようだ)シオンだけは、そういうことなくて。タックの言った「研究所を出た」って話だけでは、家出同然なのか、責任者の承諾を得てのことなのかもわからないし。
 
 





 つい想像がいきやすいネタで、研究所には、地球に着きながらも脱出カプセルの中で死亡していたハバード星人の遺体が、数体保存されてるんじゃないか?とか、サンプリングデータのための無意味な知能テストかなんかの後に、グラップの試合をテレビで見ながらストレス解消してるシオンとか、出て行ったシオンを連れ戻したいと思ってる所長さんとかが思い浮かぶ・・・。
 でも、あくまで想像、真実はわからないまま。

 正直なところ、倉貫匡弘さん演じるシオンの、研究所でのことを、1シーンでもいいから見たかった。27話を見るくらいまでは期待してたんだけど、使いまわしのシーンがあったところで「あ、これはもうナイな」と感じました。
 その代わり?35話にて、直人さんが第三総合研究所で、うんざりしてたなぁ〜(^^;)
 
 





 興味のあるところを見せないことで、「もっと知りたい!」と思わせて、引き込んでいくってのは、いろんなところで応用されているテクニックで、私もすっかり制作者さんの意図にのせられたわけよね。自覚はしっかりある。
 でも、やっぱ、物語の内側モードになって・・・。
 

 興味があります。
 シオンの、睡眠時の脳波のデータ。レム睡眠とノンレム睡眠の周期や覚醒時の脳波との比較。CTスキャンの輪切り映像。記憶力、思考力、運動能力などのテスト結果。などなどなど。
 データを採取されてる時のシオンの様子だって、データについて云々やってる研究所員の様子だって、盗み見たいよ。

 私、シオンを誘拐できるナバルになりたいとか、一緒にお風呂に入れるロボターになりたいとか、いろいろ思ったけど、シオンのことを研究できる人になりたいとも思ったし。
 ・・・これではシオンに嫌われそうね。
 

 30世紀にも、NHKでやるような番組があったら、佐渡の保護センターのトキや、霊長類研究所だかで学習能力の研究をされているチンパンジーの親子みたいに、題材になりそうな感じだし、最後のハバード星人としてレッドデータブック(宇宙生物版とか)にも載っていそうで、そのテのことに関心がある人には、シオンは有名なのかもしれないよ?

★↑これを書いた2001年には、佐渡保護センターのトキは生存してました。
2003年10月に死亡し、日本産のトキは絶滅してしまったそうです。

 
 

ハバード星人のこと
 

 で、あらためて、ハバード星人特有の、睡眠期のことから・・・。
 5話にネタふりをして38話までじらしてくれちゃって。(竜也も「とうとうきたな」って感じで嬉しそうだったねー。宇宙人の存在を確実に認識した時の、遠い目を思い出しちゃう)

 眠いのに闘わなくてはならないって状況はよかったけど、まるごと夢の中だったのはちょっぴり残念。
 とはいえ、奔放な話運びでとってもおもしろかった。
 それに、夢の話なのに夢オチにせず、形勢逆転のための伏線が張ってあるってのは、まじめな話作りをしている、というか、シオンの思考が結局は論理的であることの証明?というか・・・。

 シオンって、この頃にも、ああいう夢を見るほどに、自分が仲間たちに迷惑かけていないか、役に立っているかって気にしているのね〜。ただ、最初の頃と違って、仲間たちに大切にされて認められてもいるって自信がついてきてたかな。
 
 

 

 睡眠期が“一年に一回、一週間”であったことに、浮かんだ疑問は、「なぜ、異星人の身体の周期が、地球の自転、公転を基準にした時間
の単位にぴったり合っているの?」。
 でも、「だいたい一週間ぐらい」と言ってたのがミソで、シオンが実際眠っていたのは、11月27日から12月6日のおおよそ8日半だったから、“一年”というのも大雑把なことで、必ずしも毎年11月末頃に眠くなるってわけではないかもしれない。

 ハバード星人は、眠ってから数日で起こされたら、やっぱし「睡眠不足〜」とかって一年くらいの間、ボーっとしてたり、お昼寝感覚でまる一日眠ったりするってことも、ありかな?
 
 





 「ハバード星人は、なぜ、年に一回しか眠らないのか?」について、私と、だんなのSHINちゃんが立てた仮説は、まるっきり違ってましたっ。(ノンフィクション派なのに、『タイムレンジャー』に関してだけは、一時期私につきあってくれただんな^-^。勝村美香さんの口元が好きで写真を壁紙にしてるし、滝沢直人のことを「タッキー」と呼ぶ・・・* -*;)

 SHINちゃんの説は、「ハバード星の自転、公転の関係で、地球の一年くらいの時間が一昼夜(それを一日という単位にしていたかは別として)で、そのうち一週間くらいの時間が、夜だったのではないか」というもの。
 恒星と、ハバード星の地軸と海と陸地の位置なども考えに入れると、人類が生活する域に、長い長い昼と短い夜が存在するのもありえそう。それに適応した身体の周期としての睡眠、というマクロな説。

 私のは、それに比べるとミクロな説で、「ハバード星人の脳の構造によるもの」というの。惑星の昼、夜のことは、考えてなかった。
 睡眠って、身体よりも、脳を休ませるためのものだっていうから。
 ハバード星人の脳は、その機能に対して、メイン、サブの二重構造になっていて、普段はこまめに交互に休みをとっていて・・・その交互にスイッチする機能を含めた脳全体を休ませるために睡眠期があるのではないかと。

 どっちにしても、地球のしくみがベースにある説で、地球人的発想の域でしかないんだけど。

 でも、お互いの仮説は、同じ作品を見ているのにもかかわらず、対極になってておもしろかった。

 SHINちゃんの説だと、ハバード星人は、みんな同じ時期に起きていて、夜がきたら同じように睡眠期に入るってわけで、優秀なのにどこかズレているシオンって、昼夜の時間帯が全く異なった地球で生活しているがゆえの“時差ぼけ状態”になっているのでは(地球に来てからずっと!?)ってことになるの。
 つまり、ハバード星人の中で、地球で生きているシオンだけが「頭いいのか悪いのか・・・?」なわけね。

 それに対して、私の仮説だと、脳全体を休ませる周期は同じでもそれが訪れる時期は個人によって違っていて、昼夜に左右されず起きている人もいれば、眠りに入っている人もいる。そして、脳の機能のメイン、サブがスイッチする時に起こる何かの状態(信号機でいう全赤状態になる部分があるとか?・・・いーかげんだけど^^;)のせいで、シオンだけでなく、ハバード星人全体の特徴としての「天然ぼけ」ってことになるの。
 

 「優秀で名高い」っていうのに、戦争を回避できずに星ごと滅亡した、なんて、どこの星の人たちよりも愚かしい末路をたどったハバード星人たちは、ほんと、頭いいんだか悪いんだかって思うよ。

 破壊力の高い兵器を製造できる優秀さと、自己中心の感情を理論で正義にすりかえられる思考力があれば、結局のところ愚かな方向に針は向くってことなのかな。(地球もこの先どうなるかわかんなくて怖い、と思う時もある。)

 しかーし。
 たまたま他の星にいて、難を逃れたハバード星人がいないということは、他の星と一切交流していなかった、排他的な人たちだったってことになるね?
 もしかしたら、事前に危険を感じて星を脱出していて、結果的に希少な存在になったことで、正体を隠してひっそり生活している人たちが複数、あちこちの星にいるのかもしれない。タックも言ってたし。
 「・・・いるのかもしれないが、確認できていない」ってセリフが、「存在しない」って断言されるより、なんか現実感があっていいよね。
 
 

 

 それから、ハバード星人であるシオンについて、話題になったのは、性別のこと。

 シオンはどうみても男の子だけど、もしかしたら、子どもを産むほうの性かもしれないってのもありじゃない?(ないない^^;)
 これも地球人的発想だね。異星でも男と女のニ種類しかない、なんてことは限らないもんね。

 まあ、ハバード星のれっきとした男の子なんだろうけど。とすると、次に「異星人の女性との間に子どもはつくれるか?」という疑問が。その時の行為は地球人と同じだとしてもね。
 私は、なんとなく、つくれないような気がしてる。

 シオンもいつかは誰かに恋をしたりするのかなぁ。

 私、シオンって、哀しい感じがするくらい穏やかで優しい愛し方をするんじゃないかな、ってイメージを持ってるんだけど・・・。
 いや、別にラブコメ調で、「初めてですーっ」とか言っててもいいんだけど、最初に浮かんだのは、シリアスバージョンだったんで。
 
 





 あと、気になることといったら、平時におけるハバード星人の平均寿命、年齢の重ね方。

 なんか、優秀な頭脳と睡眠の周期以外は地球人と同じ、と思うほうが、あんまりこんがらからなくていいのかなー。←もひとつ違うところあったね(^^;)
 髪の色のことだって、かえっておもしろかったし。(染めてた青い髪、よかったなぁ。)
 血も赤いしね。
 
 


 
 仮説と、想像と。
 あることないこと勘繰って・・・(^-^;)

 もう、すべては、ハバード星人唯一の生き残り、研究所育ちの、天涯孤独な異星人なのに、すさまず、いじけず、ひねくれず、ふんわり、ちょこんと穏やかな、なごみの存在だったシオンがいたから。
 「明日を変える」って物語が始まる時にはもう、自分の明日を変えていて、幸せそうで、物語が終わる頃にその幸せな日々を終えた、一風変わった役まわりのヒーロー。
 本人は飄々としてるのに、見ているほうが深みにはまる不思議な存在。

 いとおしくて。

 その風貌の魅力とも相まって、もっと、ずっと、見ていたいと思った。
 「生きている限り、シオンはどんな経験を重ねていくんだろう、シオンと出会う人たちは、それぞれどんなふうに彼に接するんだろう」なんて、ぼんやり考える時もある。
           
 それを見ることはできないってのが、あたりまえの現実だからね、この先どうしたらいいのかわかんなくなった時もあったけど、この気持ちが、自然に薄れていく日まで、あるがままに想像を漂わせていようかなって、思ったんだ・・・。
 
 
 

・・・目は疲れてませんか・・・うんざりきてませんか・・・おつきあい、ありがとね・・・
 
 
 

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