上市町の馬場島に着いたのは、ちょうど7時。 目前に荒々しい稜線の続く剣岳がそびえている。 “いつかこの剣岳に登ることもあるだろうか”などと考えたが、 今の自分の体力と経験ではそれもずい分先になりそうである。
車を降りるととにかく寒い。 同行の弟は、数日前から腹の調子が悪いらしく、 その上、腹を冷やしたらよくないということで、 車の中で少し暖かくなるのを待った。 2組のグループが登山口へと入っていった。 こんな時期に山にくる人なんて、自分たちぐらいだろうと思っていたが、 そうでもないらしい。
腹を十分に温めて、歩き始めたのは8時15分。 頂上までは、若干の緩急はあるものの登りのみの道である。 つづらおりに道が続き、どんどん高度を上げていく。 急なところには、丸太の階段があるので歩きやすい。 登れば登るほど、剣岳が大きくせまってくる感じである。 また、所々で出合うタテヤマスギの巨木もおもしろい。 ちょうど2時間ほど歩き、最後は2本の大きな樹の間をくぐると頂上である。
剣岳の展望台と呼ばれるだけあって、そこから見える剣岳はすばらしい。
手を伸ばせば届く感じである。
1時間余りそこで休んだが、その間次から次と登山者が上がってくるのには驚かされた。
たちまち頂上は人で埋め尽くされた。
11時30分に下山を始めた。当然のことながら、今度は下り坂がずっと続く。 20分も歩かないうちに、右の膝が痛み出した。 やはり私の体重では、かなりの負担がかかるらしい。 途中何度か休憩を入れ、だましだまし何とか登山口まで降りることができた。 こんなに膝が痛んだのは、初めてのことである。下りは1時間余りであった。
好天にも恵まれ、今年最後の楽しい山歩きができた。 この時期だと、足元の所々に雪や氷などもあって滑りやすく、 冷やっとすることもあった。 ガイドブックによれば、文化の日あたりが紅葉も美しくお奨めの時期らしい。