Vol.633　　9.Mar.2012
Ａ Android低価格タブレット（LifeTouch)
ｂｙ　ｆｊｋ

　Javaソフトの応用としてAndroidマシン(Moverio)で動作するソフトの開発を考えているが、その開発時にテストマシンとして使えるAndroidマシンがないか探していたところ、一万円前後で入手できるNEC製のLifeTouchが見つかった。タッチ部が抵抗膜のためピンチインやピンチアウトなどができないが、OSがMoverioと同じAndroid2.2で最低限のセンサや機能を有している。
　早速、LifeTouchを起動してみると、元々業務用として販売されていたので、アプリは少なく、メイン画面では(Android)マーケットアイコンが一つあるだけである。Androidマーケットに接続するには、WiFi通信の設定とグーグルアカウントが必要である。通信はLifeTouchの起動前にWiFiルーター（例えばNECのAtermWM3500Rなど）を起動しておくだけでLifeTouchに認識され、「設定」「無線とネットワーク」「WiFi設定」で接続できるアクセスポイントが表示されるので、選択すると、簡単に接続することができた。確認のためにWebブラウザをタップするとグーグルのホームページに接続された。
　インターネットが使えることが確認できたので、Androidマーケットのアイコンをタップすると、マーケットのホーム画面が表示され、「新規アカウント」から画面の表示に従って新しいアカウントを入手する。アカウント登録が完了すると、アプリが選択できる画面になるので、入手したいアプリを選び、Downloadボタンをタップすると、ダウンロードを開始し、その後インストールが実行され、アイコンが登録される。とりあえずインストールした無料アプリは以下の通り。



＜機　能＞	＜アプリソフト＞
�@キー入力	Simeji
�Aメーラー	K-9Mail
�Bオフィスビュアー	DocumentToGo（今のところフリー版）
�CPDFファイルリーダー	AdobeReader
�Dファイル管理	ASTRO、ファイルマネージャー
�Eスケジュール管理	ジョルテ
�F関数電卓	Panecal
�G動画プレーヤー	MX動画プレーヤー
�Hバーコードリーダー	QRコードリーダー
�Iファイル共有	DropBox（ユーザ登録が必要）
�Jニュース	毎日新聞
�K駅スパート	経路案内、時刻表、路線図、周辺検索
�L地図ソフト	地図ロイド（国土地理院の電子国土地形図が閲覧できる）


●以上のアプリを使っていて気になること

• K9メーラでは添付ファイルのアイコンをタップするだけではデータが表示されないことがある。これは添付ファイルの全てがダウンロードされていないためで「すべてダウンロード」を実行後に「開く」をタップすると、正常に見ることができる。
  
• SDカードに格納した一部のMP4動画ファイルは標準の「ギャラリー」では再生できないことがあるが、大抵はMX動画プレーヤーで再生できる。
  
• SDカードの抜き差しは「設定」「SDカードと端末容量の設定」「SDカードのマウント解除」を行ってからカードを抜くこと（電源をOffにしても良い）。

●ＧＰＳの問題
　LifeTouchに標準搭載されている機能で唯一問題なのはGPS機能である。「ナビ」ボタンを押しても「GPSを測位しています」と表示され正しい現在位置をなかなか測位できませんでした（時間がたつと位置が認識される・・、こともある）。念のためと思い、NECに初期修理として引き取ってもらったのですが、メーカでは正常に動作したとのこと（遅いのが標準仕様？）。
　AndoroidタブレットではGPSの動作が悪い（屋内では使えないなど）ことが多数報告されていますが、これは「アシストGPS」機能が無いためといわれています。携帯電話の場合、おおよその位置が解っているので、そこで捉えられるGPSのおおよその情報を携帯電話に送ることによりGPS衛星の認識を早くしているそうです。そこで、以下のアプリをインストールしてみたところ、位置精度がいまいちですが、GPSの検出が少しは改善されたようです。
　ということで、本装置ではGPS機能はあまり期待しない方が良さそうです。



�@GPSTest	GPSの検出状況（位置や電波強度など）が随時わかる。しかし６つの衛星を見つけていても、相変わらず位置の確定がなかなか終わらない。
�AGPSアシスト	GPS機能を常時動作するようにするアプリだが、それでも改善はあまり感じられない（電池を消耗するだけ？）。


●その他の追加機能


�@Bluetoothキーボード	エレコムのTK-FBP018（マーケットよりElecomBTAssistant、EleWnnをダウンロード）。SPPモードとHIDモードがあるが、SPPモードでは接続できず、HIDモードでは接続OK。EleWnnではシフト＋スペースキーで全角／半角切り替えができる。
�AワンセグＴＶ	IOデータのSegClip_mobile（マーケットよりSegClipをダウンロード）。WiFi通信を使ってAndroidマシンでワンセグ放送を視聴できます。「設定」「無線とネットワーク」「WiFi設定」で「SegClip」を選択。ただし、webと同時使用はできない。
�B電子文庫	紀伊国屋のKinoppy。会員登録が原則だがビュアーだけを無料で使うことができ（「あとで会員登録」をタップ）。日本語にマッチしているXMDF（拡張子.zbf）方式の電子書籍を見ることができます。.zbfファイルをSDのdownloadフォルダーに格納する。ライブラリに自動で登録されない場合は、「検索」「タイトル別」「その他」をタップすると、ファイル名が表示されるので選択するとライブラリに登録される。ライブラリ上での本の移動は「長押し」でアイコンが振動したら場所を移動させることができる。


●おまけ
　LifeTouchの充電は付属の専用ACアダプター（5V3A）を使うことになっており、USB端子はあるが、このUSB端子からの充電はできない。GPSやBTを使うと電池の消耗が多くなるので、外出先などで、緊急充電を行うことができないか、いくつかのツールを使ってみた。なお、LifeTouchの電源端子はPSP用の端子と同じなので、USB−psp端子の変換ケーブル（市販のUSB充電器などに付属）があれば、USB端子からの充電が可能である。ただし市販でよくあるUSB充電器（5V1A）では時間がかかる。そこでより大きな電流が取り出せるACアダプタと充電電池を探してみると、以下のモノ（いずれもiPad用）が見つかり、いずれも充電可能であった。



�@ACアダプタ (5V2A)	エレコムのT-UA01-11200WH、バッファローのBSIPA07
�A大容量充電電池（USB）	モバイルステーション10.4（5V2.0A、10400mAh）


　あ、そうそう、LifeTouchの保護には、エレコムのTB-NELTSCCRがお勧め。シリコン製の専用ジャケットと液晶保護フイルムがセット（1200円程度）で入手できる。
　さらに、LifeTouchを置いて使いたい場合は、クレドールや専用スタンドもありますがエレコムのアクリルスタンド（AVA-PA10DS001)もお勧め。