Vol.670 16.Jan.2015

3Dプリンタ【4】(ABSによる造形) 自宅で発電(小型発電機)

3 3Dプリンタ 【4】 (ABSによる造形)

by fjk

 これまではフィラメントとして造形が容易なPLA(ポリ乳酸、Poly-Lactic Acid)を使っていたが、耐久性が有り、塗装や後加工性が容易なABS(アクリロニトリル[A]、ブタジエン[B]、ポリスチレン[S])でのプリントを行った。造形の条件は(括弧内は推奨条件)、

  エクストルーダ温度テーブル温度
ABS240(230〜240)℃ 90(60〜110)℃
PLA210(200〜220)℃ 50(常温〜60)℃

 造形にはエクストルーダ2のみを使い、造形サンプルにはwooly_sheep.stlを用い、造形時間短縮のために50%サイズとし、スライザーはslic3rを用いた。Infillを0として空洞のものでも造形を試みたが、上部に穴があいてしまった。そこで、それなりに造形できた主な条件の例は(未記述条件はデフォルトのまま)、
<Layer height> 
 Layyer height: 0.2mm (0.1mmが望ましいが時間がかかる)
 First layer height: 0.3mm (最初だけは厚めに、Layerが0.1mm時は0.2mm)
 Perimentals: 3  (側面の強化)
 Solid layer_Top: 4 、_Bottom: 3 (天井の強化)
 Randmize starting points: Chek ON (基点の跡を目立たなくするため)
<Infill> 
 Fill density: 0.1  (5〜15%程度か、短時間で綺麗に出来る条件は?)
 Fill pattern: rectilinear (内層は短時間で粗く埋める)
 Top/bottom fill pattern: concentric(表面近くは外形に沿って)
<Skirt and brim> 
 Loops: 2 (最初のフィラメントが出にくいので予備プリント)
 Brim: 0 (底面のツバは付けない)
<Support material> 
 Generate material: Chek ON (サポートは付ける)
 Raft LAyer: 0 (ラフトは付けない)
<Advanced> 
 Default extrusion width: 150% (少しフィラメントが多めに出るように)

 写真1は造形時の制御画面、写真2は造形風景、写真3は造形サンプルで、前列中央はサポート付きのもの、前列右は造形例で0.2mm(造形時間は約1時間)では段が目立つが、0.1mm(約2時間)で造形すると段がほとんど気にならない程度になる。
 造形時の問題として、Repetier-Hostでエクストルーダ2をABS用として使ったが、造形スタート後、何故かエクストルーダの設定温度が200℃(又は210℃)に自動的に変更され、時間と伴に温度が低下する(温度設定には使わないエクストルーダ1の温度を含め全て240℃に設定したが)。仕方がないので240℃にマニュアルで変更すると、温度が上昇しはじめる。この設定温度が変わる現象は造形スタート後に何度か起こり、そのたびに240℃に戻す必要がある。スタート数分後にはこのような設定温度が変わることが無くなるが、バグでは無いかと思われる。出来れば235℃程度で造形したいが、前述のようにスタート後に温度が低下するので今回は240℃で造形した。
 テーブルへの樹脂の付着はBuilTekのみで上手く行くことが多いが、どうしても付着が上手く行かない場合はやはり「シワ無しPit」を使った。なお、付着した糊を拭き取るにはユニチャームの「ピュアウォータ」(ノンアルコール)を使っている。造形物の取り出しは、テーブルの温度が低下後(60℃以下)に行ったが、剥がしにくいことは無かった。
 ABSで成形が出来ることが解ったので、実用のため、部品が欠落したLEDライトのベルト固定用の一部中空の部品(直径6mm高さ8mm、穴径4mm、深さ3mm)の造形を試みた。写真4はLEDライト、写真5は造形した部品、写真6は部品を取り付けたLEDライトである。内部に穴のある部分は収縮が大きく、1回目の造形では3mmとなった。外形を7mm、穴径を5mmに変更して造形したところ、ほぼ期待したサイズで造形できた。実用品に3Dプリンタを応用できたことで、家庭内でも3Dプリンタが認められそうである。なお、wooly_sheepも干支の玄関飾りとして飾った。

写真1.Repetier-Host画面 写真2.BS01で造形中 写真3.テスト造形wooly_sheep
写真4.部品が壊れた懐中電灯 写真5.ABSで造形した部品 写真6.部品を組込んで完成
干支の玄関飾り 造形後に塗装したオラフ ピュアウォータ


D 自宅で発電(小型発電機)

by fjk

 最近は停電があっても短時間で復旧することが多いが、年末のある日、大きな雷鳴と伴に3時間近く停電となった。冬の停電で電気を必要とするファンヒーターやテレビが使えず、古い灯油ストーブを物置から出して来て何とかしのいだが、電気のありがたさを知る機会となった。そこで、災害時のことも考えて発電機を準備することにした。非常時だけの用ではもったいないので屋外でも簡単に使えるよう、軽くて(10kg程度)なるべく長時間(8時間程度)使えるものを捜すことにした。
 ネットで調べるとHonda、Yamahaなどがあり、小型で軽量のインバータ発電機で調べると、HondaのEU9iとYamahaのEF9His(EF900HisにDCケーブルが付属、DIY向け)が良さそうに思えた。EF9Hisはガソリンタンクに燃料コックが付いている。

小型で軽量のEF9His
メーカー ヤマハ ホンダ
機 種 EF9His EU9i
タイプ インバータ インバータ
周波数 50/60Hz 50/60Hz
交流出力 100V/9A 100V/9A
直流出力 12V/8A ーーー
連続運転時間11.9時間 7.1時間
騒音レベル 85dB 86dB
サイズ 240x380x450mm242x242x451mm
重 量 12.7Kg 13kg

 最終的にヤマハのEF9HiSを買うことに決め、コメリーに寄ってみると現物が店頭に飾られており、現物を税込み100,000円とネットより高いが、持ち帰りが出来るので、即断した。
 オイルは付属していないのでオートバックスでSAEの10W-30のオイルを購入。オイルとガソリンを注入し、燃料コックを開、チョークを引っ張り、スイッチをONにして、何度かリコイルを引っ張ると、エンジンがかかり、発電を開始し、接続したライトが点灯した。
 翌日、再びエンジンをかけようと、リコイルをかなりの回数を引っ張るがなかなかエンジンがかからない。条件を変えようとチョークを戻し、リコイルを何度か引っ張ると、やっとエンジンがかかった。コレでは女性が使うには大変のように思える。しかし、一度エンジンがかかってしまえば、エコモードにしておくと、音も小さく長時間持ちそうである。

 


3Dプリンタ【4】(ABSによる造形) 自宅で発電(小型発電機)