蜻蛉塗り、蒔絵(2003年2月-3月)

2.22(土)

中野先生の研修会の内容をノートに纏めていました。
パソコンで図示することが苦手ですし、蒔絵が専門でありませんので、どうするか未定です。
明日の研修会の箆などの準備。

2.24(月)

〔蒔絵の手板〕裏が木地固めのままで、板が歪んでいるので、裏から薄い麻布をバイアスに貼る。
*尚、歪むか?

2.25(火)

〔蒔絵の手板〕裏の麻布の処理をして、布目摺り。
*今の所、手板は水平に戻ったが、、、
*乾漆に布を貼り足すと、反対側に膨らむのに、板だと、貼った側に膨らんでくる−何故?
 (2.28)板も中央部は貼った側が凹む−だから、手板も真っ直ぐに戻った。

2.26(水)

〔蒔絵の手板〕裏を空研ぎし、リグロインで薄めた生漆を吸わせ、拭き取る。
*また蒔絵側に少しゆがみが戻っていた。
*湿れば伸び、乾けば縮む−中央より周囲が動きやすいor力のモーメントで外の方が大きな力になる?

2.27(木)

〔蒔絵の手板〕裏をキング#1000で水研ぎし、黒漆を塗る。裏に変わり塗りでもするか。

2.28(金)

〔蒔絵の手板〕錆を合わせ、主に角と側面(木口)の錆を見る。
*砥粉5g、水練り、生正味漆2g強、練り合わせる、黒蝋色漆を箆に取り、練り合わせる。

3.1(土)

〔蒔絵の手板〕錆を名倉砥で研ぐ。木口はキング#1000で研ぐ。
まだ角に欠けが残ったので、錆をみる。
*角など、基本的な仕事ができていない手板を見ると、直したくなるのです。
普通は蒔絵をする前に直すでしょうし、何枚もある手板のうち、まともに近いものから選べばよかったのでしょうが、人の仕事のけちをつけている気がして、上から取りました。自分のものになったから、耐えられなくなり、裏に布を貼ったり、直し始めたのです。

3.2(日)

〔蒔絵の手板〕錆を名倉砥で研ぐ。
萩の葉、12号粉を蒔き暈かす。片側から暈かしかけるようにしてみたが、、、
*乾漆の仕事と違い、蒔絵筆で細い線を描いていると、心が落ち着く。
蒔絵をする気がなかったが、今回習い直したことで、道具をキチンとしまっておく気になり、片付ける。

3.5(水)

〔蒔絵の手板〕卵の殻の所に白漆を塗る。殻の上の漆はクジラ箆で浚える。

3.8(土)

〔蒔絵の手板〕卵殻の所を空研ぎテープで艶消し。
枝の部分-銀粉10号、乾漆粉#70(朱)は大きすぎ網目を抜けず、乳鉢でするもうまくいかず。
 蒔くも、付くのはほんの少し。銀粉8号を蒔く。

葉-金粉12号、一方方向より暈かし蒔き。

3.9(日)

蜻蛉塗り…総布貼り盆8寸、艶を消す。
従姉の薬局で取ってもらったエタノールを今日受け取りに行く。(不在だったので、リグロインの分を含めて、支払いはまだ)
漆とどの程度の比なのか?薄めすぎると、墨流しのようになるだけだった。
見た目で同じぐらいか、少しエタノールが多い程度で良いようだ。
水にどの程度垂らすか?垂らしてみて、多くなりすぎると、漆が集まりすぎる。
拡がり具合を見て、量を決めればよいようだ。
息を吹きかけても、表情を変える。
水を張る盥が小さすぎ、丸盆がうまく浸からない。
ヘアドライヤーで水分を飛ばそうとしたが、ティッシュで吸い取る方が良いようだ。
金粉も何を蒔くのか?1号粉を蒔き、対比するように10号粉を蒔いてみる。
金が勿体無いので、銀粉1号を蒔いてみる。
上から、金1号、銀1号、金10号。

〔蒔絵の手板〕卵殻のところに白漆を塗る。
緑と濃緑の粉に木地呂漆を練りこみ、付けを取る。
白漆の2回目の塗りこみ前。

3.10(月)

〔蒔絵の手板〕枝…木地呂漆を樟脳で展ばし、粉固め。
葉…余った木地呂漆と昨日練った緑を混ぜ、樟脳で展ばし、粉固め。

3.11(火)

〔蒔絵の手板〕粉固めの緑、全く乾いていない。
*吉川さんにTEL−卵殻の所は、炭で研がず、最後は炭粉胴擦りで出す。
 研ぎ出しは慎重に etc

3.12(水)

〔蒔絵の手板〕粉固めは乾いている感じだが、木口に塗っておいた緑は部分的にまだ乾いていない。
湿り風呂に移す。

3.13(木)

蜻蛉塗り…毛房で金粉などを払うも、ほとんど取れてこない。
*8寸の丸盆を一度に浸けられる盥がなく、3回程に分けて浸けたので、きれいな模様が付かなかったのだろう。
リグロインで薄めた生正味漆を吸わせ、拭き取る。 湿りへ。

〔蒔絵の手板〕木口の緑も乾いた。

3.14(金)

〔蒔絵の手板〕裏を名倉砥、静岡炭で研ぎ、黒漆を塗る−下地を付けていなかったので、凹みが残っていた。
 *木口を塗り、蒔絵側に食み出たのを浚えてから、裏を塗る。
蜻蛉塗り…金が目立たなくなったし、やはり胴擦りをすべきかもしれない。裏に黒漆塗り。

3.16(日)

〔蒔絵の手板〕卵殻の上に残る白漆を彫刻刀で取る。#1200で静岡炭を炭粉を作り、#120の篩にかける。炭粉胴擦り。
蒔絵部分を静岡炭で、粉固めの凸凹がなくなる程度まで研ぐ。一部、炭粉胴擦り。
木口を研ぎ、角を研ぐと、木が一部出る。生正味漆を吸わせ、湿りへ。
(約4時間後)上塗り。卵殻の上を浚える。13℃、60%ほど。縮みが怖い。

蜻蛉塗り…炭粉胴擦りをしてみると、少し金が光る感じになるが、まだるっこい。
極細コンパウンド、超微粒子コンパウンドで胴擦りするも、少し光るだけ。
*少し研いで、油砥粉で胴擦りするという蒔絵の方法に戻るしかないか。
平蒔絵の感じになるから、金粉は1号で良いのかもしれない。

3.17(月)

〔蒔絵の手板〕
昨日の上塗り前
今のところ、卵殻の隅に縮みはない。

3.18(火)

〔蒔絵の手板〕縮みなし。湿りを与える(加漆シート)。

3.19(水)

〔蒔絵の手板〕裏を静岡炭で研ぎ、黒漆塗り。蜻蛉塗りをする予定。

3.20(木)

〔蒔絵の手板〕縮みなし。
裏表のゴミを#1200で軽く潰す。
卵殻をペーパー#1200で軽く研ぎ、彫刻刀で漆を取り除く。

3.21(金)

〔蒔絵の手板〕葉を針炭で研ぎ出す。なかなか金粉がでないが、傷ばかりつく。
蝋色炭で研ぐと、やっと金が顔を出し始める。
炭粉を刷毛で胴擦も、金はなかなか出ない。
無地のところを静岡炭、蝋色炭で蝋色研ぎする。葉のところにも、引っ掛ける。
刷毛目、研ぎだしの傷を消しながら、金粉が出るよう研ぎを繰り返す。
クリスタル#2000研ぎ、炭粉胴擦りを繰り返し、金を出そうとしたが、なかなかうまくいかない。
葉の粉固めを緑でしたのが、実力的に無理であったと言えそうだ−上塗りの黒が残り続ける。
こんな感じまで研ぎだした。

裏も蝋色研ぎ。明日、胴擦り後、蜻蛉塗りをする予定−平蒔絵と研ぎ出し蒔絵と半々にする予定。

3.22(土)

蜻蛉塗り…油砥粉で胴擦り。リグロインで拭く。

〔蒔絵の手板〕油砥粉で胴擦り。
*静岡炭の研ぎ傷が深いところや、段になっているところをクリスタル砥石で直しながら、磨く。
*金がなかなか出ない。クリスタル砥石#2000で研いで見ても、思う感じに出ない。
*昨日も、粉を蒔いた状態の写真をプリントアウトしたのを見て仕事をしたが、今日も参照した。
 緑の粉留めがほとんど出ない−まだ研ぎ出しが足りないということだろうが、他の部分を研ぎ過ぎる感じがして、怖くて出来ない。
金が光りだした感じがしたので、出し足りないが、やめることにした。
裏の半分を胴擦りする。
リグロインで油分を拭き取る。
蒔絵側に紙を当てる。
弁柄朱を少し多い程度のエタノールで希釈する。
水桶に少しずつ垂らし、模様の広がり具合を見る。
手板の裏側に、蜻蛉の模様を写す。ティッシュで水分を吸い取る。
磨いてない半分に金粉12号、10号を蒔く。
磨いた半分に金粉1号を落とし、掃き広げる。

3.23(日)

〔蒔絵の手板〕蜻蛉の模様のところにリグロインで薄めた生正味漆を渡す。
ティッシュで拭き取ると、金粉もかなり取れてしまう。
*蒔絵の素人が、摺り渡しと勘違いして、拭いた訳だ。
 渡しただけだと、ゴミが残る気がしたので、、、

気を取り直し、リグロインで拭き取る。
今日は焦ったのか、一度にエタノールで希釈した弁柄朱を落としてしまう。
広がり具合を良く見ていなかったのか、一部漆が付いていない部分が出来た。
勿体無いので、今回は銀粉を使った。

3.24(月)

〔蒔絵の手板〕不用の銀粉を毛房で掃いて取る。
蜻蛉の模様にリグロインで薄めた生正味漆を友禅刷毛で渡す。

3.25(火)

〔蒔絵の手板〕#1200ペーパー、静岡炭で銀粉の上を軽く研ぐ。
テープを貼り、粗い粉側に黒漆で上塗り。

3.26(水)

〔蒔絵の手板〕蒔絵側の紙をはずし、リグロインで拭く。
摺わたし。なぜか拭き残しムラが出来てしまった。

3.27(木)

〔蒔絵の手板〕蒔絵の摺落とし。
蜻蛉塗り側−静岡炭、蝋色炭で研ぎ、油砥粉で胴擦り。
*平蒔絵の粉固めが磨き切れないとの恐れが、的中した感じ−黒無地部分が磨けない!cf 3/23拭き取り
*研ぎ出し蒔絵は、銀粉を研ぎ込んで磨くと、蜻蛉の感じが出るようだ−上塗りは極薄にしたほうが良いようだ。
*研いだままで、上塗りをしなかった部分は、胴擦りで磨き切れないし、粉固めも、きたなく残る。
両側に摺渡し。(蒔絵の無地部分に、裏の作業中に傷を付けたが、摺落としをしてからどうするか考える)

蜻蛉塗り…昨日摺渡しをしておいたのだが、胴擦りが出来ていないところはきたないままだった。
*布目のビヨビヨが邪魔をして、うまく磨けない。どうすれば良いか?

3.28(金)

〔蒔絵の手板〕蒔絵の摺落とし。2回目。
蜻蛉塗り側の摺落とし。
*蜻蛉塗りは、粉固めをどうするか?分からない。
 

〔乾漆F〕蓋・身・懸け子…空研ぎするも、乾き不十分。

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