現題:Wizardry - Knight of Diamonds
PC:シナリオ#2(FC:シナリオ#3)
”ニルダ(Gnilda)の杖”は、創造者の鍛造技術を示す最高の作品であった。適切に使われたときにその杖 は、リルガミン(Llylgamyn)の街を、全ての侵略者から護る、無敵の都市にしたのである。その杖の放 つ力場は、いかなる武器の攻撃にも、いかなる魔法を持ってしても、決して打ち破ることはできなかった。そして 少しでも、リルガミンの街を脅かす意図を持ったものは、街に近付くことすらできず、反面、悪意のないものは、 自由に出入りすることができたのである。 杖の力による防御は完璧なものであった。しかし、唯一の致命的な欠点を除いては… 杖はリルガミンで生まれたものに対して、なんら力を持たなかったのである。それゆえ、邪悪な心を持って生まれ た魔人ダバルプス(Davalpus)には、杖の効力は発揮せず、闇の力を借りて、リルガミンの王位を奪い、 王家を滅ぼすことが可能だったのだ。 だが、幸いなことに、この突然の襲撃から逃れ、若きマルグダ(Margda)王女とアラビク(Alavik) 王子の姉弟は生き延びた。 そして、時が過ぎた… マルグダとアラビクは、ダバルプスを倒す唯一の希望に全てを託した。 その希望とは、偉大なる英雄”ダイヤモンドの騎士(The Knight of Diamonds)”に名高 い剣、鎧などの武具だったのである。旧王家の姉弟は力を合わせ、この神秘的な武具を取り戻した。 伝説の武具に身を固めたアラビクは、リルガミン城へ攻め上った。熾烈な戦いの末、魔人ダバルプスは倒れた。し かし、魔人は死にゆく間際に、呪いの言葉を発した。その呪いの威力は凄まじく、彼等二人の戦場であった城は崩 れ落ち、大地に開いた煙りたなびく穴だけが残された。 ダバルプスとアラビクは消え失せた、かの偉大なるニルダの杖とともに… もしも、杖が戻らなければ、リルガミンの街は滅びてしまうであろう。 |