★ダイヤモンドの騎士★

  現題:Wizardry - Knight of Diamonds
  PC:シナリオ#2(FC:シナリオ#3)



* 序章 *



”ニルダ(Gnilda)の杖”は、創造者の鍛造技術を示す最高の作品であった。適切に使われたときにその杖
は、リルガミン(Llylgamyn)の街を、全ての侵略者から護る、無敵の都市にしたのである。その杖の放
つ力場は、いかなる武器の攻撃にも、いかなる魔法を持ってしても、決して打ち破ることはできなかった。そして
少しでも、リルガミンの街を脅かす意図を持ったものは、街に近付くことすらできず、反面、悪意のないものは、
自由に出入りすることができたのである。                                
杖の力による防御は完璧なものであった。しかし、唯一の致命的な欠点を除いては…             

杖はリルガミンで生まれたものに対して、なんら力を持たなかったのである。それゆえ、邪悪な心を持って生まれ
た魔人ダバルプス(Davalpus)には、杖の効力は発揮せず、闇の力を借りて、リルガミンの王位を奪い、
王家を滅ぼすことが可能だったのだ。                                  
だが、幸いなことに、この突然の襲撃から逃れ、若きマルグダ(Margda)王女とアラビク(Alavik)
王子の姉弟は生き延びた。                                       

そして、時が過ぎた…                                         
マルグダとアラビクは、ダバルプスを倒す唯一の希望に全てを託した。                   
その希望とは、偉大なる英雄”ダイヤモンドの騎士(The Knight of Diamonds)”に名高
い剣、鎧などの武具だったのである。旧王家の姉弟は力を合わせ、この神秘的な武具を取り戻した。      
伝説の武具に身を固めたアラビクは、リルガミン城へ攻め上った。熾烈な戦いの末、魔人ダバルプスは倒れた。し
かし、魔人は死にゆく間際に、呪いの言葉を発した。その呪いの威力は凄まじく、彼等二人の戦場であった城は崩
れ落ち、大地に開いた煙りたなびく穴だけが残された。                          
ダバルプスとアラビクは消え失せた、かの偉大なるニルダの杖とともに…                  

もしも、杖が戻らなければ、リルガミンの街は滅びてしまうであろう。                   



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