知人からの紹介で、ディアゴスティーニの「週間3Dプリンター」(idBox)を予約したが、発売日(9/16)になっても配送も連絡もなかった。9月の末に、ディアゴステーニから「当初の予定数を大きく上回ったため、2015年初春以降順次の配送」と郵便で連絡があった。初春(?月)からシリーズをスタートし、55号まで完成を待つとすれば2016年の中頃になってから、やっと3Dプリンタが使えることになる。その頃には新しいものが安価に提供されるようになっているかもしれない。ディエアゴステーニのシリーズは、親切なマニュアル付きで、細かなサポートも期待できるので、初めて3Dプリンタに取り組むには安心できるが、余りにも時間がかかりすぎる。そこで、idboxの監修を行い、ベースとなっている3Dプリンタ(BS01)を既に提供しているボンサイラボのHPを調べて見ると、デュアルヘッドの3Dプリンタが紹介されていた。また、安価で即納可能な3dプリンタをAmazonで探すと、以下のものが見つかった。
ボンサイラボ | XYZプリンティング | SCOOVO | |
BS01 | ダビンチ1.0(2.0) | SCV-C170 | |
成形サイズ(WDH) | 150x130x100mm | 200x200x200mm | 150x150x175mm |
外形サイズ | 250x250x275mm | 468x510x558mm | 376x333x404mm |
重量 | 5.6kg | 24.5kg | 15kg |
積層方式 | 熱溶解積層方式(FFF) | 熱溶解積層方式(FFF) | 熱溶解積層方式(FFF) |
積層ピッチ | 0.1mm | 0.1〜0.4mm | 0.1mm |
プリントヘッド | シングル(デュアル) | シングル(デュアル) | シングル |
ノズル直径 | 0.4mm(op.:0.2〜0.5) | 0.4mm | 0.35mm |
印刷速度 | 100mm/sec(移動時200mm) | 60〜120mm/sec | |
フィラメント直径 | 1.75mm | 1.75mm | 1.75mm |
フィラメント材質 | PLA、ABS、PolyFlexなど | ABS | PLA |
他社フィラメント | 可 | 不明 | 可 |
サポートOS | windows7〜、MacOS | windows7〜、MacOSX10.8〜 | windowsXp〜、MacOS |
ファイル形式 | STL | STL、XYZ形式 | STL |
コネクタ | USB2.0 | USB2.0 | USB2.0 |
消費電力 | 200W?(230W) | 200W(250w) | |
推奨CAD |
Autocad123D(フリー) Meshmixer |
||
推奨スライサー |
Simplify3D($140) Slic3r、CURA(フリー) |
XYZware(download) |
SCOOVOStudio(付属) |
推奨制御ソフト | RepetierHost(フリー) | XYZware(download) | SCOOVOStudio(付属) |
供給国 | 日本(ソフトは英語) | 台湾(日本語対応) | 日本 |
価格 | \99,800(\129,800) | \64,800(\90,600) | \85,800 |
その他 | 組立済みは1万円高 | 台座自動キャリブレーション |
造形できるサイズはダビンチが最も大きくBS01が最も小さい。設置スペースはBS01が最小でダビンチが最も大きい。フィラメント材料はダビンチはABS、SVC-C170はPLA、BS01はPLAとABSが使える(テーブルヒータ付き)。SCV-C170は自動アライメント機能があり便利そうだがABSには対応していない。プリンタそれぞれに長短があるが、BS01はコンパクトで置く場所に困らなく、多種のフィラメントに対応し、個別にパーツを入手できるほか、情報もウェブやフェイスブック上に多くあるようである。工学系の元研究者としてはキット組立にも興味がそそられる。アップグレードキットでパーツを追加することで最新の機種に変更することも可能である。万が一組み立てがうまくいかない場合、組み立てをサポートしてくれる「メンテナンスプランa」も提供されている。・・と言うことでデュアルヘッドタイプのBS01を買うことにした。なお、ディアゴスティーニのidBoxはキャンセルした。
なおBS01を選ぶ理由をここなどでも紹介されている。また、BS01の組み立て方はここなどを参照。
BS01の詳細はボンサイラボのホームページを見てください。
注文から10日後に組立キットが届いた。ボンサイラボからデユアル用の組立マニュアルをダウンロードし、暇を見つけて少しずつ組立てたので半月近くかかった(実作業時間は12時間程度)。
<組み立てで特に注意したところ>
組み上がったBS01 (底面を外した状態) |
金尺でガントリーを調整中 | Repetier-Hostで調整中の画面 |
3Dプリンターでキレイにプリントするためには、様々なパラメータを適した条件に設定する必要がある。特にノズルやテーブルの温度が大切で、モニター画面で確認することが出来るが、テーブルの中心など代表的な場所の温度を測定している。テーブル全体の温度を知るには2次元で温度画像を表示するサーモビュアーが最適だが、高価である。そこで、安価な非接触放射温度計がないかネットで調べてみると、Amasonで”【-50~+650℃】 非接触式 赤外線放射温度計 SS5650 デザイン!レーザーポインタ付!電池付き! ¥ 3,150”が見つかった。この他に温度範囲が異なる機種もあるが、温度範囲が広く、測定点が解るようにレーザポインタとバックライトが付いているこの機種を購入することにした。
SS5650(本体にはDT8650と記述されている)は注文から3日後には手元に届き、早速付属していた電池を取り付けて、レーザを手の甲に当ててみる「35.5℃」と表示された。さらに、BS01のテーブルの温度を測ってみると「55.4℃」とモニタ表示(55℃)とほぼ同じ温度で表示されることが確認できた。ただし、ヘッドやノズルの温度は対象物が小さいためか、または外部が実際に冷えているためか、正しく計ることは出来なかった(モニターで200℃だが温度計表示は120℃程度)。ちなみにガスコンロにかけたやかんの底の温度を測ったところ250℃を表示した。レーザは温度測定窓の上部から照射するので、近くのものを計る場合はレーザポイントの少し下の部分を測定している。
非接触放射温度計 DT8650(?SS5650) |
BS01のテーブル温度測定 |