亡くなった父親が「日光に旅行に行く予定であったが、病気で入院し行けなくなった事が残念」と言っていた。その後、病気が回復したので家族で日光旅行を計画していたところ、突然亡くなってしまった。父が亡くなって9年たつが、なかなか時間が取れずにいたが、と言うことがあったので、思い切って日光旅行ツアーに参加することにした。
<1日目> 富山−(北陸新幹線)−>上越妙高−>鬼怒川温泉 (バス走行距離:約340km)
富山の出発は13:19のはくたか546号となっている。後で判ったことだが、このツアーには33名が参加し、広島、岡山、大阪、京都、金沢、富山からの参加者で構成し、サンダーバードなどを乗り継いで参加されていた。そのため、富山からはこの時間になった。
富山駅近くの上限額のある駐車場に車を止めようと思ったが満車状態で、24時間1000円のユウタウン総曲輪に車を止め、駅まで歩くことになった。集合は新幹線の車内で、女性添乗員の荻さんが乗車後すぐに現れた。富山駅を出て40分後に上越妙高に到着し、ここから長野交通の貸し切りバスに乗り換えた。時間的には高崎まで新幹線を利用した方がと思うが・・、安価なパック旅行の宿命か。
バスは上越高田ICから上信越道に入り、横川SAで休憩、その後北関東自動車道、東北道と進み、大谷PAで休憩し、鬼怒川温泉には19時頃に付いた。道中の天気は細かな雨が降る状態で、途中の景色はほとんど見えなかった。
鬼怒川温泉での宿は「花千郷」で到着時間が遅いのですぐに食事となり、長旅の疲れとアルコールですぐに眠くなり、風呂にも入らずに寝てしまった。
富山駅から北陸新幹線 | 上越妙高から長野バス | バスの運転手さん |
添乗員の荻さん | 横川SAは雨の中 | 鬼怒川の花千郷で夕食 |
前日は早く寝付いたので、朝は5時前に目を覚まし、早朝の風呂を浴びる。露天風呂や宿の窓からは鬼怒川の岩がごつごつした川の景観が見下ろせる。しかし、真下を見ると、川の中に砂が多く溜まっており、重機もいる。聞くところによると、昨年の豪雨で、隣の宿が流され、その爪痕らしい。窓から身を乗り出してみると、30度ほど傾いた隣の建物が見えた。
朝食は夕食と同じ場所でバイキング形式。二十彩米ご飯がおいしかった。食後に土産物コーナーで「湯波の煮物」を購入。集合までに時間があるので、宿の玄関前で記念撮影。
窓の下には鬼怒川 | 朝は軽めに(?) | ものぐさの宿「花千郷」 |
バスに乗り最初の見学は「鬼怒楯岩大吊橋」で、宿からも近く、5分で駐車場に付いた。雨はパラパラで、傘が無くても良さそうだが、安全のために傘を持ってバスから降りる。
吊り橋は人が通るとやはり揺れる。吊り橋を渡り、さらに先にある鬼怒楯岩に向かって登り道を歩く。途中にある楯岩鬼怒姫神社でお参りをし、岩の頂上までは石の階段があり、フウフウ言いながら15分ほど歩いて、岩の頂上に着いた。日頃の運動不足がたたり、もう脚が痛くなる。同じ来た道を通りバスまで帰るが、この頃には雨が本格的に降ってきて傘は正解である。
鬼怒楯岩大吊橋 | 楯岩鬼怒姫神社 | 楯岩より吊橋を望む |
車窓の外は雨や霧で曇っており、遠景はほとんど見えない。小1時間ほど走ると日光山の総本山である輪王寺の駐車場にバスは着いた。雨が相変わらず降っている。
日光は至るところで修復が行われており、輪王寺三仏堂も修復中で足場に囲まれ、その外壁に建物の等寸大の絵が描かれ、雰囲気を味わうだけである。三仏堂には日光三社権現本地仏(千手観音・阿弥陀如来・馬頭観音)の三体の大仏が祀られており、本堂に入って住職の説明を聞きながら、修復中であったが、その一部を拝することが出来た。輪王寺では権現札とお守りを買った。
東照宮の参道は東京に向かっている。参道の砂利道を表門に向かって歩き、途中の神厩舎で3猿(レプリカ)、伊達政宗などの大名が寄進した灯籠をみて、拝殿に入ってお参りをし、その帰りに左甚五郎作と伝わる眠り猫(混んでいたので後になった)を見学した。拝殿以外は撮影がOKで、修復中の陽明門で、修復後には見えなくなる壁画なども撮影した。修学旅行シーズンのせいか、子供たちの団体が多く訪れていて、東照宮の境内は身動きが困難なほど混でいた。
修理中の輪王寺(絵) | 東照宮の参道 | 東照宮の入り口 |
有名な3猿(レプリカ) | 陽明門は修復中 | 修復はかなり終わっている |
見つかった陽明門の壁画 | 眠り猫(レプリカ) | 「鳴龍」の声が聞けました |
東照宮のお参りをすませ、歩いて昼食会場の日光カステラ本舗磐梯日光店(屋上にはバスが70台が駐車できる駐車場がある)に歩いて向かう。雨はほとんど傘がいらない小降りとなっていた。
カステラ館も土産を探している子供たちがいっぱいで2階の食事会場まで人をかき分けて階段を登る。ここの昼食は湯葉御膳で、湯葉こんにゃくや栗おこわがおいしかった。食後に土産として「日光甚五郎煎餅」と「金箔カステラ」を買って、自宅まで宅急便で送った。
日光名物の湯葉御膳 | 日光カステラ館 | 広い駐車場にバスが一杯 |
お腹がふくれたところで、次の中禅寺湖へ向かう。霧の中で、くねくねのイロハ坂(48曲がりがあるので)をバスはゆっくりと登り、平坦になったところで、中禅寺湖が見えてきて、華厳の滝の駐車場にバスは着いた。
滝を上から見ることが出来る展望台に行ってみるが、音はするがガスで滝はほとんど見えない。折角なので滝の下までエレベータで下ることにした。エレベータは100mほど岩の中を下り、地下トンネルの中を歩いていくと、華厳の滝が見えてきた。上空は相変わらずガスがかかっていたが、下から見上げると何とか滝の全体を見ることが出来た。
華厳の滝は霧の中で 上からは見えない |
下からは滝の全体が何とか見える |
再び、バスに乗って暫く行くと、雨が上がり、中禅寺湖が見えてきて、湖にはボートが浮かんでいる。バスは金精峠に向かい、時々日差しも射すようになってきた。しかし、峠付近ではまたガスがかかり見通しが悪くなった。どうも今回の旅行は天気に恵まれないようだ。
峠を越えると見晴らしが少しずつ良くなり、青空も見えるようになってきた。雨に濡れずに乾いた国道120号を下って行くと、吹割の滝と言う看板が見え、バスは止まった。
吹割の滝は川の流れの真ん中に溝があり、溝の両側から滝のように水が落ちている。川底にある滝までは長い石段を下り、川辺を歩いて行く。吹割の滝は東洋のナイアガラとも呼ばれ、川床を割るように流れる滝で、日本ではちょっと珍しい滝である。
駐車場の脇で売っていたブルベリーを女房が見つけ購入する(他でも売っていたがここが一番安かった)。再びバスに乗り、草津温泉に向かう。
吹き割の滝 | 滝は川の中にある | 日本では珍しい風景 |
途中、道の駅「八ッ場ふるさと館」で休憩する。駅の横に新しい橋が見え、近くに寄って看板を見ると、不動大橋(八ッ場大橋)と書いてある。ダム建設で話題となったところである。
道の駅八ッ場ふるさと館 | 八ッ場市場 | 八ッ場大橋 |
草津温泉は霧の中。ツアーの客は草津では大東館、草津温泉ホテルリゾート、草津ナウリゾートと3つの宿に分かれて泊まる。草津温泉ホテルリゾートが標準パックで、大東館と草津ナウリゾートはオプションである。今回は、温泉街の中心にある大東館を選択していた。
最初は草津ナウリゾートの利用者を降ろし、バスは草津温泉ホテルリゾートに着いた。温泉街の道が狭く大型バスが入り込めないので、草津温泉ホテルリゾートでバスを降りて大東館から迎えに来たマイクロバス乗る。
大東館は草津の中心である湯畑の前にある旅館で、明るいうちに写真を撮りながら湯畑を一周する。暫く撮影後、宿に戻り、夕食会場に向かう。会場には一番乗りで好きな席に座ることが出来た。その後ツア−の仲間などがやってきて、ほぼ半分くらいの席を占めた。
夕食後、風呂に入り、着替えを済ませ、湯畑の夜景を見に行く。湯畑は湯気が多く立ち上り、さらに天気は雨で、写真撮影には不向きである。湯畑には足湯もあり、沢山の人が楽しんでいたが、雨に濡れそうなので、入らなかった。近くには土産物屋も沢山あり、土産物として草津湯ノ花(入浴剤、富山県で生産されたものもあった)と湯けむりサイダーを買って宿で試飲した。
雨に濡れる湯畑 | 湯滝の灯籠 | 夜の湯畑(奥には大東館) |
大東館の湯は湯畑源泉を100%かけ流している。また、湯はPH2.1で金属は変色するので風呂には持ち込み禁止である、昨夜は暗がりで良くわからなかったが、朝の明るい日差しで見ると、壁は木製で落ち着いた風呂である。
「ゆもみのショー」があると聞いていたので、前日に調べたところ、近くの「熱乃湯」で9:30から行われるとのことで、フロントで割引券をもらっておいた。早々に荷物をまとめ、身支度を済ませ、熱乃湯で入場券を得るため、9時から入場券売場窓口に女房と二人で先頭で並ぶ。
販売開始までの待ち時間が長いので、その間に交代で付近を散策する。熱乃湯の隣にある白畑の湯、(草津源泉の一つ)や御座之湯(江戸時代の湯を再現)を見て、さらに階段を上り光善寺に行く。階段は長く途中で休憩しながら登った。休憩時に後ろを振り返ると、湯畑の全貌を上から見ることが出来、写真撮影のベストスポットの一つである。光善寺でお参り。この日は曇ってはいるが、雨の心配はなさそうである。
大東館の前で | くさ〜つ、よいとこ〜 | 湯滝の前で |
源泉の一つ白旗源泉 | 光善寺 | 湯畑全体を上から俯瞰 |
チケット販売は定刻に行われ、チケットを購入後すぐに会場に案内された。案内の人にベストポジションを聞いて、舞台正面に座る。しばらくすると、ツアーで別の宿に泊まった人も現れ、2階の席も含めて会場はほぼ満員となる。夏休みの土曜日のせいか子供連れも多っかた。
演舞が先と思っていたら、湯もみからすぐ始まった。演技者による湯もみが終わると、湯もみの一般参加者の募集が2回あり、10人ずつで湯もみ体験ができる。女房にも出るようにと勧めたが護持され、子供たちやツアー参加者の何人かが参加していた。
熱乃湯(画面の左端) | 湯もみショー | 踊りもあるよ |
演技が終わりバスの集合時間までに少し時間があったので、「西の河原通り」を散策する。店の前で饅頭を配っている「松村まんじゅう」があり、お茶ももらって一寸立ち寄る。事前に調べてあった「草津煎餅本舗」で草津煎餅を買って、松村まんじゅうで栗あん入りの温泉饅頭を買った。また、帰る途中の小物屋の「てとて」で夏向きの飾りハンカチを見つけ、飾り棒付きで購入した。
集合時間が近づき、集合場所の草津温泉バスターミナルまでの登り坂を、息を切らしながら登ることになった。バスはターミナルの3階に待っており、私たちが最も遅い方であった。
西の河原通りの入口 | 元気の良い饅頭屋さん | 草津温泉バスターミナル |
出発したバスは白根山を超えて長野の中野に向かう。白根山には若い頃に2回訪れたことがあり、2回とも湯釜まで歩いて見学したが、現在は火山噴火規制のため、白根レストハウス駐車場は依然として利用できないことになっていた。規制が無ければ、観光スポットであるだけに残念。
草津から上田に直接向かう道路(約55km、1:49)もあるが、信州中野を経由すると約108km(2:41)と倍の距離を走ることになる。ただ、そのうち半分以上が高速道路なので時間的には1時間弱の差となる。
バスは山を下りて開けた所(湯田中)に出た。さらに、整備された道路を進むと、昼食会場であるビアンテ信州中野店についた。ビアンテは団体専門の店で馬刺しが有名と聞いていたが、昼食に出てきたのは幻豚のようでした。団体専門ということで食堂や土産ショップは修学旅行の中学生でいっぱいだった(バス5台の学校もあり、先生たちも大変)。
ビアンテ信州中野店 | 幻豚?(豚しゃぶ御膳) | 修学旅行のバスが並ぶ |
昼食が済むと、再びバスに乗り、信州中野ICから上信越道に入り、上田に向かう。2日前に通った同じ道だが、今度は雨では無く視界が少し開け、近くの山々が見える。むしろ日差しが強くカーテンが必要となる。
上田には少し手前の坂城ICで高速を下り、国道18号で上田城に向かう。上田城前にあるバス専用駐車場にバスは止まり、上田城の正門まで、城をぐるりと回るように歩く。この日は土曜日と言うことで、一般駐車場も混んでいて、見物客も多く出ている。
城の中に入ると添乗員の荻さんから「NHKの企画展が行われている」と紹介され、まずはこの企画展をみることにした。番組の出演者や真田の歴史などが展示され、信繁(幸村)役の堺雅人さんの挨拶ビデオも放映されていた。通常はこのようなイベントでは撮影が禁止されているが、鎧甲のコーナーだけは写真撮影が可能で、アテンダントも撮影するよう勧めていた。放送用のセットを3Dメガネで体験できるコーナーがあり最新の映像技術を経験することが出来た。出口前には土産物コーナーあり、ここで真田紐を購入。
上田城公園 | 旧堀の中を通って | 上田城の案内看板 |
NHK真田丸の企画展 | 鎧と記念撮影 | 上田城の東虎口櫓門瞰 |
企画展をみて、上田城の内部を見学するが、2つの櫓閣に入るには入場券が必要で、この入場券は城の入り口付近でのみ販売されており、戻るのも面倒なので櫓閣に入ることを諦めた。
この日は前日までの天気と異なり、晴天で夏の日差しである。屋根のある無料休憩所でソフトクリームを食べながら休憩。その後、ゆっくりと場内を散策し、バスまで戻る。
真田神社 | おもてなし隊 | 上田城の西櫓 |
バスは再び、坂城ICから上信越道に入り、上越妙高駅に向かう。高速道路の車の流れが順調で、上越妙高駅に早く着きそうなので、途中の新井スマートICで高速道を下り、「道の駅あらい」に寄った。ここでは土産として「笹もち」を購入。道の駅あらいには氷見のきときと寿司が出展していて、夕食時期で結構混んでいた。
上越妙高駅には17:30頃に付いた。乗車予定のはくたか571号は18:35分と時間があるが、夕食は富山に帰ってからと、駅の喫茶でコーヒーを注文し、しばし休憩。この間、金沢より先のツアーの方は駅弁などで夕食をとられたようだ。
道の駅あらい | 上越妙高駅コンコース | えちごときめき鉄道線 |
はくたかは定刻に出発し、富山には19:15に着いた。セントラムに乗りユウタウン総曲輪の駐車場に向かう。あたりはすっかり暗くなっていた。市民プラザ前ではイベントが行われており賑やかだったが、横目で見るだけ。家に帰る途中、「まるたかや」のラーメンで夕食をとり、自宅には午後9時頃についた。夜遅いにもかかわらず、土曜日と言うことで、まるたかやも家族づれで混んでいた。
本旅行では、上越妙高駅から鬼怒川までバスで移動し、帰りは上田から上越妙高駅まで新幹線と平行にバスで走り、時間的には列車での移動の方が早いのだが、旅行企画者の方には、もう少し金額よりも時間を優先にしてもらいたいものである。広島からの人は、初日には朝早く出発し約半日の移動時間となり、帰りも当日に帰れないのではと思う(京都で乗り換え8分とあるが・・)。
旅行の経路図はグーグルマップで作りました。Yahoo地図でも交通手段として鉄道と車のどちらかを選べますが、両方の地図ソフトとも、鉄道と車の混在ルートは作成できませんでした。