3.試 料

3.1 電極の形状

 IPC-SM-840に規定されている櫛形形状(抵抗値の測定に適している)が多く採用されているが、光学的に同時観察を行う場合には単純な平行電極が用いられる。

 また、電極のエッジ効果は必ずしも現れないようである(10)。

 

3.2 前処理

 試料を作成する基材は、通常は(アルコールやアセトンで)洗浄・乾燥して使用するが、あまり洗浄をしすぎると、基材に含まれていた不純物などが洗浄されてしまい、本来の条件と異なってくる可能性がある。再現性やばらつきがある程度の範囲内で得られるなら、なるべく必要最低限の洗浄にすべきである。

 

3.3 作成後

 作成した試料を空気中にさらしたままでは、すぐに酸化、硫化、塩化を起こしやすい。できれば真空デシケータ中での保管が必要である。試料を袋に詰める場合も、袋の材料からのガスにより汚染される場合もある。また、ほこりにも注意が必要である。

 レジストなどの表面保護コートも、イオン性不純物を含む場合が多く、長時間の保存後の試料ではイオンマイグレーションが早く発生することがある。

 

3.4 試験開始前

 洗浄によって、むしろよけいに汚染してしまうことがある、特に有機物を含む導電塗料の場合は、塗料内の有機物が溶け出してくることがある(接着剤のある場合も注意)。

 銅パターンによるフラックスの試験ではJIS-Z3284-1994に規定される以下の処理が行われる。

  @ 精製水中で軟毛ブラシを用いて30秒間磨く。

  A 精製水でスプレーリンスする。

  B イソプロピルアルコールで軟毛ブラシを用いて30秒間磨く。

  C イソプロピルアルコールでリンスする。

  D 60℃に設定した乾燥器中で3時間乾燥させる。


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