塗りに関する事

ゴミの取り除き方
 1品物・・・生正味漆:水を約2対1の比で混ぜて(水漆)、脱脂綿で摺り込む。
        折りたたんだティッシュで拭ききる。
        約2時間、強い湿りの中に置く。
        (研ぎ面を固める。表面を滑らかにし、ゴミを付きにくくする。)

水拭き、空拭き、掃除機で吸う・・・塗る前に、漆を搾り出した刷毛で塗り面を撫でる
(または、タッククロスで拭く・・・坂下式ではない)

 2身体・・・手でこすっておく。手首も忘れずに。

 3部屋・・・床の水拭き。道具を拭く。風除けにシートを吊るす。

 4刷毛・・・油を搾り出す。木部を拭くとき布で毛先を拭かない。
        一回漉した漆で刷毛を数回洗う。それを二回目の漆漉しで一緒に漉す。
        漆の中にゴミが出なくなるまで刷毛を洗う。それを三回目の漆漉しで一緒に漉す。
        三回目は余り搾らず、ゆっくり垂らす感じで・・・もう一回ほど洗う。
        できるだけ長く伸ばすように洗い、すばやく始末する。

 5漆・・・漉し紙をこすって、毛羽立ちを抑え、ほこりを取る。それを使って茶碗を拭く
       拭いた側を上にして茶碗に当てる(拭いたゴミが付いている)。
       漉し方は刷毛洗いの項と同じ(一回目、五枚。二回目、五枚。三回目、六枚など⇒垂れ漉し)。
       手前(正面)側を除く、五面をアクリル板で覆う直方体の箱を作り、その中で垂れ漉す(寺田博さん)。
       *朱漆・・・吉野紙三枚で五、六回漉す(増村先生)。
       ☆漆の出し方・・・蓋紙を取り、裏の漆を浚える。ドンブリの縁に固化している物を刃物等で取る。
                  全部を混ぜて、ドンブリの下からよくかき混ぜる。

 

上塗刷毛
 
切り出す毛の長さ(坂下直大先生)・・・9〜10mm

(増村紀一郎先生・・・10mm)(塩多慶四郎先生・・・10mm)
(松波保真先生・・・12mm 越橋さんの書類より)
(高岡漆器・・・13〜15mm 彫刻塗りのため)

毛先部分の厚み(幅)・・・0.3〜0.5mm

塩多先生と越橋さん。刷毛の切り出し
1997年2月高岡地場産業センター

◇切り出す長さの約半分のところから尖らせていき、その角は砥石で丸くとる
  ◎塗師屋刀などで形に作り出したいくのだが、大体できたら砥石やペーパー(#360⇒#700ほど)を利用したほうが失敗が少ない。
  ◎そもそも刷毛を切り出したら、下塗り、中塗り、、、と使って、毛先が擦り減ってから上塗りに回すと言うではないか。

◇叩いて軟らかくする前に、各角を少し落としておく(丸めておく)
  ⇒こうすることで、すぐに上塗りに使えることもある。

◇軟らかくなったら、石鹸を毛先につけ、手のひらで泡立てる。
 刷毛に異物(糊漆の固まり、ゴミなど)が付いていれば、手のひらで感知できる。
 刷毛の腰の感じで、根本にまだ糊漆が残っているかどうか判断できる⇒硬い時は、更に叩く。
 泡を洗い流して、また石鹸をつけ、手のひらで泡立てる。
 三回ほど洗えば、ほとんどゴミは取れてしまう。

 広重 泉清吉、大極上 本通し 半通し 1/3通し(輪島塗の塗立て用)

刷毛

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