高台の作り方

高台の作り方もいろいろある。棗のように、全体としての形の中に取り込むor脚として、手で持ちやすくする。食籠の場合は余り関係ないが、盛器などで高台も形の重要な要素となる時もある。
どのような高台にするか決めてかかる・・・棗型 or 後付け型(東京芸大系統の人は前者、職人出身の人は後者の場合が多い感じがする・・・乾漆食籠の場合)

棗型

☆基本的には、粘土を取り除いた石膏雌型に彫りこむ。型紙を作り、その周囲を1mm〜2mmの深さに彫りこんで地擦りの形を作る。
それを石膏雄型にとり、求める形に直していく。
地擦りの水平は、ガラス板に貼った空研ぎペーパーで作り、裏底の隅などをきちんと直しておく。
少なくとも5mmほど水平な部分を残して、腰にかけての形を削り箆(ブリキ板など)で直す。
石膏雄型or雌型で素地作りと一緒に作っていく。隅は時々、刻苧でうめておく。

★乾漆素地を作った後から、型紙を当てその周囲に刻苧などを盛って作ることもできる。

後付け型

★高台の形を石膏で作り、それに布を貼っていく方法。
☆ガラス板に麻布を5〜7枚貼り重ねる。布目摺りはしない。
それをカッターや料理バサミなどで切って、目的とする形を作る方法。
(立ち上がりを三枚重ねで作る場合も、刃物を使って形を直すから、下地による目摺りをしない
★高台の内側に厚紙で型を作り、その周りに麻紐を巻いていく方法。

高台の位置は、対角線の交点を正確に見つける(中心を見つける)ことでチェックできる。
分度器で角度(対角線の位置)を確かめながら、中心を見つけ、コンパスで円を画く。
それをもとに、高台の位置を作図する。

素地と高台の両方に、薄く糊漆(木の粉を少し混ぜた方が良い)を渡し、くっ付ける。
ガラス板で上下を挟み、重石を置く・・・その時、ずれないように注意する。

二、三日乾かしてから、隅の隙間を刻苧で埋める。
外の腰に合わせて、高台の位置が正しいかチェックし、直すべきところは直す。
高台の断面の形に切った引き箆に合わせて、足りないところは盛り、出ているところは削る。
◎高台は、全体の大きさに応じた幅にする。12mm〜15mm位。内から2/3位を平にし、外に向かって緩く下ろし、外角に近づくにつれて急になるようにする・・・畳ズレ

形が出来たら、空研ぎし、錆下地を引き箆でつける・・・外回りを基準にして、引き箆を引く。
これで、乾漆素地が完成したことになる。

 

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