URUSHIの仕事 18 (2008)

最新の記述

1.1(火)

〔乾漆〕粘土原型を作る。
*中心軸を径6ミリの丸ネジにし、引き箆がスライドするように工夫してみたが、上手くいかなかった。
石膏雌型取り。
〔修理丸盆〕*前日に空研ぎ。
曲げ輪と底面の割れに刻苧(数日前に、内側の隅に刻苧し、底が固定される)。
塗膜が浮いた跡との段も刻苧で埋める。

1.2(水)

〔乾漆〕アクリル定規を外し、中の粘土を取り出す。
ブリキやアルミ片で、石膏雌型を削り、整形。
石膏雄型取り。

1.3(木)

〔乾漆〕石膏雌型を割り、取り出した雄型をアクリル定規に当て、整形。
かなり足りないところが目立つので、緩めの石膏でつづくり。
*近所で不幸があり、昼の帰宅の間に作業。
3日4日はほぼ全日手伝い。5日は昼は会社の新年会、夜は生家で親戚が集まる。

1.6(日)

〔乾漆〕*石膏雄型のつづくりなどを削る。
石膏雌型取り2個・・・雄型にかなり水分を吸わせてかかったつもりだが、肌はガタガタ。つづくり。
蓋…粘土原型を作り始める。
*作業のついでに、ホタテガイの殻を石膏に写し取る(雄型と雌型)。

1.7(月)

〔乾漆〕蓋…粘土原型の修正。
横から見ると、引箆が少し浮きあがるところがあるが、なかなか直せない。

1.8(火)

〔乾漆〕蓋…粘土原型の修正。石膏雌型取り。

1.9(水)

〔乾漆〕蓋…削って修正し、石膏雄型取り。
(時間をおいて)石膏雌型の側面を叩くと割れて取れる。裏面をそっと叩き続けると、雄型が剥がれてくる。
雌型も平面が残ったので、一度に二つの石膏原型が残る。
*雌型は端の水平研ぎ。雄型はガタガタの面になったので、石膏を箆で渡し、つづくり。
身…石膏雌型2個を削って修正する。

1.10(木)

〔乾漆〕身…石膏雌型が狂っている気がして、アクリル平面定規を当ててみる。
鉛筆でチェックしたのに合わせ、削ると、足りないという目印だったり、、、(尚、隙間が広がる)
アクリル定規を端に合わせ、隙間を石膏で埋める(箆付け)。
締まってから、定規を外し、できた段を石膏で埋める。
*2個とも、そのようにして修正。端付近以外の狂いは分からない。

1.11(金)

〔乾漆〕身(2個)…端の水平研ぎ。
見た目に、入り隅が少し欠けている感じを、アクリル定規でチェックし、石膏でつづくり。
*平地を水研ぎで直してかかる(蓋・身とも)。

1.12(土)

〔修理盆〕内側見込みに麻布貼り。
裏の亀裂跡がまだ目立つので、刻苧。
*麻布を一度貼ってから、まくってみると、裏側に糊漆の付いてないところがかなりあった。
まくった麻布に糊漆を箆で渡し直し、貼り直す。
〔修理椀〕(1個)内側に生成りの麻布を貼る。
*石膏原型はファンヒーターの前に置いて水分抜き。

1.13(日)

*下地用の刷毛の切り出し。叩いて使えるようにする。
*塗り用の刷毛を叩いて使えるようにする。
*磨き用の刷毛を切り出し、叩く。
*輪島で買った刃物の刃がボロボロだったので、荒砥などで研ぐも直りきらず。
ダイヤモンド鑢でほぼ真っすぐに直してから、荒砥、キング#1000、#1200で研ぎあげる。
*石膏原型は、熱処理の所で水抜き。
*修理盆は、空研ぎ。 低温で乾き悪し。

1.14(月)

〔修理椀〕(1個)…(昼)高台に麻紐を巻く。(夜)内側に麻布を貼る。
(3個)…(昼)内側に麻布を貼る。
〔漆椀〕(2個)内側に麻紐(ラミー)を巻く(貼る)。
(1個)木地にに亀裂があったので、刻苧彫り、刻苧。
〔修理盆〕側面にできた段を刻苧で埋める。

1.15(火)                              

*石膏原型にアラビアゴム(離型剤)を塗る。
ファンヒーターの熱のせいか、1回塗りでもう膜が割れてしまうところもあった。
手でこすり取り、塗り直す(熱には近づけないようにする)。

1.18(金)

*昨日、ホタテガイの石膏型に錆下地を刷毛付。
今晩、爪を立ててみると、乾いているようだ。
〔乾漆〕身(3個)、蓋(2個)の石膏原型に切り子地を付ける。
*糊漆に輪島3辺地の粉を練り混ぜ、少し黒漆を足し、昨日合わせた錆下地と合わせる。

1.19(土)

〔乾漆〕空研ぎ・・・石膏雄型の蓋の縁周りだけが、不硬化。削ったり、溶剤で拭くも、まだ残る感じ。
切り子地刷毛付・・・ホタテガイ(雄型、雌型)、身(3個)、蓋(1個)

1.20(日)

〔乾漆〕空研ぎ・・・やや乾きが悪い感じ。
*不硬化のは、厚過ぎが原因と分かる。(ホタテガイの雌型)
〔椀〕修理のも含め、空研ぎ。
*紐の巻始めに浮いているところがあったし、端幅が広すぎるので、1本目を取り除く。
巻き初めの数周は、細い紐にすべきだろう。

1.24(木)

*月・火・水と石膏原型や修理の丸盆などに麻布を少し貼るが、乾きが不十分。
*回転風呂に桟を渡し、その上にを置き、多くの品を入れられるようにした。
ミニファンヒーターでは25℃になり、加湿ヒーターで加湿し、何もしない状態よりは乾くが、短時間過ぎるのか?
タイマーを持っていたので、それを今晩利用してみる。
兎に角、乾きが悪い以上、今日は作業ができない。

1.26(土)

麻布貼り・・・蓋(雄型)、身(雄型・雌型1個)
布目摺り・・・蓋(雌型)、ホタテガイ(雄型・雌型)、修理盆(見付)、修理椀(少々)

1.27(日)

*米糊を作り、古い糊漆と混ぜる。濾してから、生漆と混ぜ、糊漆を作る。
麻布貼り・・・身(雌型、別の1個)、ホタテガイ2枚目(雄型・雌型)
布目摺り・・・修理盆(裏底)、修理椀(少々)

1.28(月)

〔乾漆〕余分の麻布を切り取る。空研ぎ。
*身(雄型)の端付近に大きな膨らみ・・・たぶん、スノコの上に置こうとしたとき何かにつかえたのだろう。
*身(雌型)の方に浮きはなかったが、昨日貼ったのは乾きが悪い。

2.3(日)

〔乾漆〕空研ぎ。
麻布貼り・・・蓋(雄型・雌型)3枚目。身(雌型2個)2枚目(内底は3枚目)。ホタテガイ(雄型・雌型)4枚目。
*身(雄型)は、昨日2枚目を貼り、今日余分の布を切り取る。空研ぎすると、乾き不十分。
*修理盆・修理椀・内紐巻き椀・・・一週間の間に下地をつけたりしていた。

2.8(金)

今週は割合早めに帰宅できたので、作業が進んだ。
〔乾漆〕蓋(雄型・雌型)麻布貼り4枚目、布目摺り。
身(雄型)麻布貼り3枚目、布目摺り。 身(雌型2個)麻布貼り3枚目,空研ぎまで。
ホタテガイ(雌型)麻布貼り5枚目、布目摺り。 (雄型)浮きがあったので削り、埋める。
*修理盆、修理椀、内麻紐巻き椀・・・下地を付けるなど。

2.9(土)

〔乾漆〕身(雄型)麻布貼り4枚目。 蓋(雄型・雌型)麻布貼り5枚目。
身(雌型2個)布目摺り。
ホタテガイ(雄型)麻布貼り5枚目。 (雌型)下地付け。
*修理盆…内脇、外脇に下地付け。
*修理椀など…空研ぎ。

2.10(日)

〔乾漆〕*昨日の麻布貼りの空研ぎ・・・乾きよくない。
身(雌型2個)麻布貼り4枚目。
ホタテガイ(雌型)下地付け。
*修理盆…端に下地付け。
*修理椀5個…内から端に下地付け。
*内紐椀2個…高台の紐目に下地付け。

2.11(月)

〔乾漆〕身(雌型2個)余分の布を切る。空研ぎ・・・布の皺などが破れる。重なり部分の上の布を研いで取り除く。
身(雄型)布目摺り。
*蓋(雄型・雌型)も布目摺りの予定だったが、リグロインで薄めた生漆が余ったので、それを吸わせる。
*ホタテガイ(雄型・雌型)リグロインで薄めた生漆を吸わせる。(雄型の方は、布目摺りの予定だったが、、、)
*修理盆…内脇、端、外脇を空研ぎし、リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
*修理椀5個・内紐椀2個…空研ぎし、リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
*端に欠けができた椀…欠けにリグロインで薄めた生漆を吸わせる。

2.12(火)

〔乾漆〕*蓋の空研ぎをすると、雄型の方が乾き悪い(最初の下地付のときから変だった)。
身(雄型)麻布貼り5枚目(目の細かい、軟らかい布を貼る・・・値段が高い)。
身(雌型2個)布目摺り。

2.13(水)

〔乾漆〕身(雄型)余分の布を切り取り、空研ぎ。乾き悪い。
身(雌型2個)空研ぎ。
*修理盆・・・荒砥で水研ぎ。隅付近や外縁周りに凹みがある。

2.14(木)

〔乾漆〕身(雌型1個)麻布貼り5枚目(目の細かい、軟らかい布を貼る・・・値段が高い)
*無理をして二つとも貼ることもないし、糊漆も足りなくなりそうな感じなので、1個だけにする。
*蓋(雌型)・ホタテガイ(雄型)・・・布目摺り。
*修理盆・・・全体にリグロインで薄めた生漆を吸わせる。

2.15(金)

*糊漆作りなど。

2.16(土))

*布目摺り・・・身(雄型・雌型1個)
*輪島へ行きました。

2.17(日)

〔乾漆〕身(雌型1個)麻布貼り5枚目。身(雄型)麻布貼り6枚目。
蓋(雌型)麻布貼り6枚目。

2.18(月)

*麻布を貼ったときの余分の麻布を切り取る。
*ほとんどの品の空研ぎ。

2.19(火)

*布目摺り・・・日曜に麻布貼りをした3個。
*下地付・・・ホタテガイ(雄型)、修理椀5個の内側、椀2個の高台の紐目など。

2.20(水)

〔乾漆〕身(雌型1個)麻布貼り6枚目。
*捲って貼り直し、隣の面で貼り直していると、前の内隅の浮きに気付き、前の面をまた捲り、貼り直す。(2回あった)
*1時間40分かかる。皺ができているところは、その下に糊漆がたまっている感じ。箆で押さえておく。

2.21(木)

*身(雌型1個)の余分の布を切り取り、空研ぎ。浮きはないようだ。
*乾漆を含め、修理椀などを空研ぎ。
*漆継の小鉢の、はみ出ている漆や下地を#600ペーパーで水研ぎ。
*修理盆も少しキング#1000などで水研ぎ。

2.22(金)

*錆を合わせ、高岡地の粉(?高野漆行で購入)と糊漆を混ぜ、両者を混ぜて、切り子地を作る。
修理丸盆の内隅付近と外縁に付ける。
ホタテガイにも付ける。漆継の陶片のなくなった凹みの残るところにも。
*身(雌型1個)布目摺り。
*修理椀5個・・・端に下地付。

2.23(土)

〔乾漆〕身(雌型1個)麻布貼り6枚目。蓋(雄型・雌型)麻布貼り7枚目。
下地付け・・・身(雄型)(雌型1個)
ホタテガイ(雄型・雌型)は、ファンヒーターの前に置き、熱処理開始。
*修理丸盆・・・荒砥、キング#1000などで水研ぎ。内脇・端・外縁に生漆を渡す。
*修理椀5個・・・端付近を溝をつけた砥石を作り、研ぐ。生漆を渡す。

2.24(日)

*余分の布を切り取り、空研ぎ。
下地を付けたのも空研ぎ。
*修理丸盆・・・軽く艶を消し、見込みに錆下地箆付け。少し錆を見る。
*別の修理椀・・・高台にラミー紐を巻く。

2.27(水)

*修理丸盆・・・今まで、主にキング#1000で研ぎ、錆を見、研ぎ、リグロインで薄めた生漆を吸わせ、拭き取ってあった。
(今日)ペーパー#1000で軽く研ぎ、黒漆で中塗り(表側―外縁まで)。
*修理椀・・・昨日まで、空研ぎや端周りを整える。内側に薄めた生漆。
〔乾漆〕昨日まで、空研ぎなど。今日は下地付け。

3.1(土)

〔修理丸盆〕*昨日まで、裏と外縁の中塗り、表側の研ぎ、凹みに錆。
(今日)錆を研ぎ、黒で2回目の中塗り。
〔修理椀〕研ぎ、今日2個の中塗り・・・これで4個の中塗りが終了。
*乾漆・・・昨晩より、茶箱の中での熱処理開始。全部が入りきらないので、身(雌型)1個はまだ。

3.2(日)

〔修理丸盆〕*風呂の戸を閉めなかったので、乾いていなかった。
二度に分けて加温・湿をすると、乾いた。
裏と外縁を名倉砥で研ぎ、黒で中塗り。
〔修理椀〕一個、錆をしたまま塗り忘れていたので、内側から端の外回りまで中塗り。

3.5(水)

〔修理丸盆〕*月曜日に静岡炭で研ぐ。一部研ぎきれないところは名倉砥を使う。
黒で小中塗り。
〔修理椀5個〕まだ面ができていないので、下地を箆で渡し、凹みや欠けを埋める。

3.7(金)

〔修理丸盆〕見込みを静岡炭で研ぐ(途中)。
*小中塗りは縮みなく、割合刷毛筋が少なくという感じなのに、静岡炭でなかなか研ぎ潰せない。
*修理椀の下地を少し研ぐ。
*昨日は、肉体的疲労がひど過ぎ、漆の仕事はしなかった。

3.9(日)

*修理丸盆は、冬場の仕事なので痩せ込みが早く来る可能性が高い。
硝子板に挟み、クランプで固定し、数時間、熱処理(直射しないところで)。
*修理椀3個の下地を研ぐ。
〔紐杯〕(縄胎杯から名前を変更しようかとかんがえているところ)
太めのラミー紐を巻いて素地を一つ作る(約2時間)
*1センチ幅くらいを巻いては、巻き戻し、貼り直す。

3.11(火)

*修理丸盆・・・昨日に続いて、静岡炭で研ぐ。
〔紐杯〕離型用のビニール紐を引っ張り、型から抜く。
底が剥がれてくるかと心配していたが、無事だった(底には、後から布を貼る。浮かせないため)。

3.12(水)

*修理丸盆・・・昨日に続いて、窓越しに天日干し(硝子板で挟んで)。
表側(外縁周りまで)を静岡炭で研ぎあげる。
*電子レンジで壊れた椀・・・木地の出たところに摺りこんであった糊漆を空研ぎし、段を下地で埋める。(刻苧のほうが 正しいだろうが、、、)
*ホタテガイの熱処理をやめ、朝、水に浸す。
(夜)雄型原型のは何とか外れたが、雌型は壊して取り出す。
石膏がきれいに取れないので、金ブラシ(動物の毛並みを整えるための)で擦って取る。

3.15(土)

*修理丸盆・・・13日(木)に表側、上塗り。自然状態で翌朝乾いていた。
今日、裏を静岡炭で研ぎ、上塗り。ゴミがついたので、2度浚え、塗り直す。
*修理椀5個・・・研ぎ、内から外の3/4ほどまで、黒漆塗り。
〔乾漆〕(雄型)昨晩、石膏に水を吸わせ、今日、減った分を補給。
午後、石膏原型を丸のみで溝をつけながら、部分毎に壊し、素地を取り出す。
暫くしてから、素地の端を水平にし、ガラス板で挟む。

3.23(日)

*修理丸盆・・・蝋色研ぎ、油砥の粉胴擦り、摺り2回で、今夕完成。(裏は塗りっ放し)
*ホタテガイ・・・昨日、余分の布を切り取り、大体の形を作る。etc.
*乾漆鉢(雄型)・・・昨日、ガラス板の間から取り出し、端の内側付近と端に下地付け。
今日、余ったリグロインで薄めた生漆を外側に吸わせる。
*電子レンジで壊れた椀・・・昨日、剥がれの広い箇所2つに麻布を貼る。
残りは刻苧で埋める。
*樟の創作盆(Y氏作品)・・・先週の日曜夕方に預かる。
亀裂が多いので、月曜には、ドリルで穴をあけ、ラミー紐を通して、縫った感じにする。
ドリル穴から亀裂が発生するかもしれないと考え、以後、亀裂付近を彫り込み、刻苧。
表から埋めた日には、裏は作業しないで、刻苧が乾くようにする。
麻の綿や欅の粉を多めにした刻苧を使い、亀裂や穴を厚めに埋める。
一週間でも、まだ埋まり切らないが、今日は、全体にリグロインで薄めた生漆を吸わせ、拭き取る。

3.26(水)

*樟の創作盆(Y氏作品)・・・月曜に外縁周りに太いラミー紐を5周巻く。
全体を空研ぎ。
刻苧で凹みや亀裂(小さいのがまだまだあった)を補修。
紐巻きの段や塗に不適当な部分にも刻苧。

3.27(木)

*樟の創作盆(Y氏作品)・・・刻苧を空研ぎ。
裏側に一枚の麻布(目が細かめ)を切れ目を入れずに貼る。(外縁周りまで)
トントン彫り、高台(その角にも小さくトントン彫り)、、、浮かなければ良いのだが、、、
*チュー杯・・・内底の布目摺りを兼ねて、内側にこくそ刷毛付。

3.29(土)

*糊漆を作る。
*日華黄口を練る。いつの間にかこぼれていた発色用の古い黄口も混ぜ、濾したが濾し紙が破れてしまった。
*樟の創作盆(Y氏作品)・・・木曜の麻布貼りに浮きはなかったようだ。
表側に目の細かめの麻布を貼る。
切れ目をかなりいれて、約3時間で貼り終える。(ジオログ参照)

*チュー杯・・・外側に糊漆刷毛付。

4.3(木)

*樟の創作盆(Y氏作品)・・・表側の布貼りは、かなり浮きがあった。
立体的表現に、一枚の布を当てたことが無謀だった(部分毎に切り分けた布を使うべきだった)し、布目ももう少し粗い方が適応できただろう(が、適した麻布を持ってない)。
切り取った部分に布片を貼り直す。空研ぎ。木の粉を混ぜた糊漆(こくそ)で布目摺り。
裏側は、布目摺り、今日は下地付け1回目。
〔乾漆鉢〕模様の麻縄を仮貼り、隅を下地で埋める、側面に麻布を貼る。
今日は、空研ぎ。こちらにも浮きがあった!下の糊漆、乾き不十分なところあり。
*椀やチュー杯にも、少しだけ作業をしている(下地付けなど)。

4.4(金)

*樟の創作盆(Y氏作品)・・・裏側を空研ぎ。
表側に下地刷毛付け1回目。

〔乾漆鉢〕布目摺り。

*チュー杯・・・端周りに細いラミー紐を数周巻く。
*修理椀・・・高台の紐目を下地で埋める。

4.5(土)

〔乾漆鉢〕仮貼りのラミー紐の上の麻布にカッターで切れ目をいれる。
仮貼りのラミー紐を取り除き、側面を空研ぎ。
ラミー縄を貼り直す。
少し時間をおいて、リグロインを含ませたティッシュで縄目を拭く。
*樟の創作盆(Y氏作品)・・・表側を空研ぎ。
裏側に下地付け2回目。

4.6(日)

*昨日熱処理をやめ、夜、水に浸しておく。
石膏雌型一組を壊し、素地を取り出す。狂い止めにガラス板で挟んでおく。
*朱(黄口)を40g練る・・・木槌で叩いて粉を混ぜ込み、更に叩いて少し柔らかくする。少し練る。
日本産木地呂色漆、梨地漆、一口漆、中国産木地呂色漆を混ぜ、更に一週間前のと混ぜる。
〔乾漆鉢〕高台の紙型を両面テープで貼り、ラミー縄をその周囲に巻いていく。
少しずれたようなので、型を外し、刷毛で直しておく。
*樟の創作盆(Y氏作品)・・・日中は、直射日光に当て、少しでも痩せこむようにする。
夜、表側に下地付け2回目。
*チュー杯・・・持つ辺りに少しラミー縄を巻き、そのまま巻いて高台も作る。
太めのラミー紐でも、熱湯だと持つと熱いので、それを防ぐため。

4.10(木)

〔乾漆鉢〕内側の形がゆらゆらした感じなので、下地を箆付けし、少しでも平面や曲面に近づくようにする。
高台が、裏底面より低かった(素地が裏側に膨らんだ)ので、もう一段ラミー縄を貼る。
外の縄目付近の目立つ凹みを何度か下地で埋める。
布貼りの段(貼っていないところとの境、浮いたりして取れてしまったところ)も何度か下地で埋める。
*記述しなかった日々にした作業は、上記のようなものだった。
〔樟の創作盆(Y氏作品)〕表側の立体的な盛り上がりの稜線を下地で整える(一昨日と今日、片側ずつ)。
端周りを面毎に下地箆付けをし、形が揃うようにする。
*稜線の出だしをどこから始めるか、どの方向にむけるか、、、難しい。
*塗るということは、鑿跡や木目を消し、謂わば抽象化するようなものだと感じてしまう。

4.13(日)

〔乾漆鉢〕昨日は、内側の目立つ凹みを下地で埋める。高台の隅付近にこくそ。
今日は、外側に下地付け→縄目の上をリグロインを含ませたティッシュで拭く。
高台にこくそ。
〔樟の創作盆(Y氏作品)〕昨日は、裏側に下地刷毛付。
今日は、表側に下地刷毛付。
*下地に少しだけ黒漆を混ぜてみる。

4.16(水)

〔乾漆鉢〕昨日、縄目の面の下地付け2回目。
今日、高台の幅が狭すぎるので、外側に麻縄を上下に2段巻く。
内側の凹みにも下地。
〔樟の創作盆(Y氏作品)〕昨日まで裏・表に各2回下地付け。
今日は、高台に下地付け。
〔乾漆水指〕(石膏雌型)外側があまりにガタガタなので、一昨日と今日、下地刷毛付。
*蓋と身の裏底は、箆付け。

4.19(土)

〔乾漆鉢〕内側の凹みに下地付けをしてきた。
高台の麻縄付近に刻苧。
〔乾漆水指〕(石膏雌型)外側の凹みを下地で埋めたりしていた。
アクリル平面定規に当てると、極端に狂っていたので、定規に合わせて、下地付け。
平面もかなり狂っていたので、空研ぎ後、刻苧を付ける。

4.20(日)

〔乾漆鉢〕(午前)空研ぎ。乾き不十分で、湿りへ。
(夜)高台付近の足りないところに刻苧。
〔乾漆水指〕(午前)空研ぎするも、厚過ぎの部分、乾き不十分で、湿りへ。
(夜)端から1oほど下に細いラミー紐を貼る。
*素地の狂いの修正の補強のためだが、少し出過ぎかも、、、
〔チュー杯〕端幅がかなり差があるので、下地を渡し、幅定規を引く。
*いろいろな椀14個・・・内側に漆塗り。(朱と黒と二通りに)
*以前した陶器の漆継とは別にしてあった磁器(?)の漆継に、蒔絵筆で朱を塗る。

4.22(火)

*日曜の漆塗りの結果・・・内紐貼り椀は、紐目の間に細かい縮みが多数。
朱は乾かないかもしれないと思っていたが、黒同様乾いていて、一部に縮み。
少し厚かったのが小さく縮み、そうでなかったのは普通に乾いていた、ということになる。
〔乾漆鉢〕昨晩、今晩と、高台の形を下地で作っている。内側の凹み直しも。
〔乾漆水指〕身…アクリル定規を当てて、外に出過ぎといる2辺と、端幅が狭すぎる2辺の内側に麻布片を貼る。
端の低いところに下地付け。
外脇・腰の目立つ凹みに下地。
蓋…中央がまだ高いので、その周辺に下地箆付け。

4.27(日)

〔乾漆鉢〕ずっと高台作りと端幅揃えをしていた。
内底に歪みが大きいので、下地箆付け。
〔乾漆水指〕身…荒砥などで水研ぎ。
アクリル平面定規に端周りが合うように下地付け。
凹みの下地付け。
蓋…甲面の中央がまだ高いので、周囲に下地付け。

5.6(火)

〔乾漆鉢〕内と外を研ぐ。
外側の上塗り(5.4の小中塗りで風呂を締め切っただけで乾いたので、朱の乾きを遅らせるため、隙間を開けておく)・・・端から外腰まで朱、外腰から裏底まで透き+黒、その間を暈す。

5.7(水)

〔乾漆鉢〕*昨日の上塗り・・・(朝)朱は光ったまま(下にスポンジを置いた風呂の隙間をなくす)
(夕)朱はしまってはいたが、乾き始めという感じ(スポンジの下のヒーターに通電し、湿気を与える)
透き+黒は乾いていた。
〔乾漆水指〕*昨日車の中で熱くなったのか、蓋も身も歪んでいた!
またアクリル平面定規を当て、足りないところにこくそを付ける。

5.12(月)

〔乾漆水指〕*狂いがひどいのは、石膏原型が狂っていたことが大きな原因だろう。
昨日は、内底に壊れたCDを置き、その面を基準に平面が作れないかとやってみた。
CDの周囲から内腰にかけて正確な形を作り、それに合わせて内底を直そうという考え。
こくそで盛ったところを空研ぎすると、厚すぎのところが乾いていなかった!
定規を当てて、外脇の形をチェックし、くびれの無くなっているところや外に出すぎのところを削り取る。
生漆を吸わせておく。
端に下地付け。
*蓋はガタが出ているので、下地をつけ、ガラス板に押し付け、また外す。
〔ホタテガイ〕二つの形を合わせたほうが面白いので、下になる方を小さくする(はさみで切って)。
足りない感じのところは、下地で形を作る。
*鉢のほうは、土曜まで3日連続で内側を塗り、仕上げる。

5.15(木)

〔乾漆水指〕内隅付近が厚すぎて硬化せず取れてしまったところを埋める。
外腰付近の形定規(引き箆)を作り、こくそを渡し、少しずつ形直し。
蓋・・・ガタができているので、浮き上がっているところにこくそ。
〔ホタテガイ〕合わせた貝殻(乾漆)がずれないように、麻縄をヒッカカリにできないかと思いつく。
下になるほうの、貝ならくっついている側(円弧状ではない側)に貼る。

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