麻布二枚貼り(その3・・・2002.3.22以降)
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3.22(金)
〔朝〕身の内・蓋の布を貼ったり、切り子地を付けたところ…空研ぎ。
身の内、隅付近、乾き悪い。湿り。
蓋…3/20に布を貼ったところなどに切り子地を付ける。
〔夜〕身…内を#180で水研ぎ。底がまだ太鼓腹・・・豆鉋で削る。380g
内側に切り子地刷毛付け。400g
裏底の凹みに切り子地箆付け。蓋…空研ぎし、ト−スカンで、塵居の隅の位置を付ける・・・少し下に下げる(布を貼り足してばかりはいられない)
肩に切り子地を付け、ステンレス型箆を引く・・・トースカンを動かし、隅の位置を直す。
凹みなどに切り子地を付ける。
3/16に粘土まで削ったところの布が、ぐらぐら動く・・・穴をあけ、こくそと下地を混ぜたものを目摺る。
3.23(土)
〔朝〕蓋…肩の塵居のところ、空研ぎ。
切り子地をつけ、ト−スカン⇒ステンレス型箆⇒トースカンで、塵居の形を少し作る。
身は乾き悪そうなので、上向きに置き、中に砥石で重し。〔昼〕身の内、空研ぎ・・・乾きあまりよくないので、湿りへ。
蓋…朝の切り子地、極薄いところを除いて、乾いてない・・・湿り。〔夜〕身…#180で内側を水研ぎ。385g
切り子地刷毛付け。410g 裏底の凹みに切り子地付け。蓋…朝の切り子地乾き十分ではない。
短辺の片側(粘土を削った側)の端付近に麻布を貼る・・・塵居が内に入りすぎているので。
3.24(日)
〔朝〕蓋・身…軽く空研ぎ・・・身の内、乾きあまりよくない。
〔夜〕蓋…塵居を切り子地で作る。布目摺り。布を貼った段に切り子地。
身…#180で水研ぎ。395g
切り子地、刷毛付け。420g
3.25(月)
〔朝〕蓋…空研ぎ。塵居を切り子地で造形。
身…空研ぎするも、乾き悪い・・・上向きに置き、内底に砥石を重石としておく。〔夜〕蓋…#180で水研ぎ。塵居を切り子地で作る。
端の外回りに幅1cm弱の布を貼る・・・少し、外に向けて反らせるため。
外脇の布を貼り直した部分が動くので、固めるためリグロインで薄めた生漆を吸わせる。身…内側を#180(大き目の砥石に当てて)で水研ぎ。
毎回布が出るところが多いので、リグロインで薄めた生漆を吸わせる・・・吸い込まなくなるまで。
*狂った形をどう直すか、という作業を続けているだけだ。完成期限、1ヶ月を切った。
3.26(火)
〔朝〕蓋…塵居と布の上を空研ぎ。切り子地で塵居を作る。
身…布が破れ出て、生漆を吸わせておいたところに、切り子地を付ける。〔夜〕蓋・身…空研ぎ。蓋の端と甲、ガラス板に#80ペーパーを貼り、水平になるようにする。
甲の布が出た部分に生漆を吸わせる。湿りへ。(2時間後)蓋…塵居を錆で作る。布を貼った部分と端に下地を付ける。
甲の布が破れ出たところにも、薄く下地を付ける。
身…内側に錆下地を刷毛で付ける。
(朝気付いたが)上向きに置き、端に砥石を重石として置く。
3.27(水)
〔朝〕蓋…空研ぎ。ステンレス型箆で見て、低いところに錆地(塵居)。
身…空研ぎするも、乾き悪し。〔夜〕蓋…アクリル平面定規で、形のチェック。
端の外回りに、麻紐を4条巻く(糊漆)。
塵居の低いところ、甲の布が出ていた部分に切り子地。
身…砥石で水研。405g
内側に錆下地刷毛付け。425g
3.28(木)
〔朝〕蓋…空研ぎ。ステンレス型箆で見て、低いところに錆地(塵居)。
長側面の曲がり具合に違いがあるのに気付き、片側に錆をつけて、膨らみを作る。
身…空研ぎ。多少、乾き悪い感じ。〔夜〕身…砥石(荒砥)で、地研ぎをする。隅近くに、空気が残る小さい部屋のようなものが目立つ(浮き)。
*離型用に貼った和紙と目の粗い麻布の間に隙間が残り、そこに空気が残った。
穴をあけ、こくそ(麻布の綿と木の粉を混ぜる)で埋める。
まだまだ残る凹みに錆を付ける。
*外側の形を大体作ってしまっていたつもりでいたが、かなり凸凹している。蓋…麻紐の、余分なところを切り取る。
トースカンで、水平の高さをチェックすると、1mm強の差があった。
*これまでは、上から高さを決めるように削っていた(同時に、塵居の立ち上がり方向も削りながら、位置を決めていた)。
彫刻刀で水平方向に切り込み、丸い刀で高すぎる上の部分を削り取る。
鑿で、塵居の立ち上がり方向の高いところを削る。少し削りすぎる。
こくそを薄めに付け、ステンレス型箆を引く。
*今度の日曜に、粘土原型を壊そうと考えていたが、無理になった。本当に仕上がるのか?
3.29(金)
〔朝〕蓋…塵居につけたこくそ、空研ぎすると乾き悪い。
〔夜〕蓋…塵居のこくそ、まだ乾き悪い。
端付近に貼った布の辺りに(麻紐を巻いた部分を除く)錆地箆付け。
粘土まで出した部分の、貼りなおした布を含む面に錆下地箆付け。
(時間を置いて)甲に切り子地箆付け。
*早く仕上げるために漆分の少ない刻苧で塵居を作り直すべきだろうか?
*漆と石膏やウレタンと混ぜて、一度に厚く付ける方法があると聞いた事がある。
色漆にしたって、顔料と混ぜている事になる。天然素材であるとは限らないし、、、
(時間を置いて)薄く付けたのに、乾いていないのはおかしい・・・湿りの水分を吸っているのか?
生漆を吸い込ませてみた・・・乾かなければ拭き取ればよい。身…切り子地刷毛付け・・・内側と外脇(麻紐のところは、箆で浚えておく)。
〔朝〕蓋…塵居を空研ぎすると、乾いていない。リグロインで拭き取り、#80空研ぎで刻苧を全て取り除く。
糯の粉を水練りし、木の粉を混ぜる・・・刻苧と混ぜ、極めて薄く塵居に付ける。
*刻苧綿は、使う直前、ミルサーにかけてフワフワにしてから、糊漆と混ぜるべきだろう。
前もってフワフワにしておいたのは、何時の間にか少しくっ付いていた。〔夜〕蓋…500ワットで熱処理。向きを順に変えていく・・・6時間強。
身…空研ぎし、切り子地を内側と外脇(麻紐部分を除く)に刷毛付け。
3.31(日)
〔午前〕蓋…500ワットで熱処理。向きを順に変えていく・・・約2時間。
身…先ず荒砥で水研ぎ・・・隅の形など、それぞれに応じて。
キング#1000とか名倉砥などで水研ぎ。隅にまだ空気穴のようなのが見える。〔午後〕蓋…ガラス板に#80を貼り、端の水平を出す・・・熱処理の所為で少し狂っている。
粘土原型・補強の石膏を壊す。
短側面の、粘土原型まで出し、布を貼り直したところに穴があいてしまう。
321gの素地の、外側に布を貼り足したところの内側を切り出しで削る。
端にかなりガタが出たのでガラス板の上に置き、重石(石膏原型)をのせておく。〔夕−夜〕蓋…手で触って厚過ぎる所を丸ノミで削っていく。
#40、#80で空研ぎし、内側の形の狂いを少しでも平面に近付くようにする。
まだ厚過ぎる所は、丸ノミで削る。角にも一ヶ所穴があく。290gを切る。
リグロインで薄めた生漆を素地に吸い込ませる。
長側面が内側に歪んだので、それを支える棒を石膏で作る。
二本、内側に嵌めて、ガラス板の上に置き、重石をして置く。身…リグロインで薄めた生漆を全体に吸わせる。
4.1(月)
〔朝〕蓋…乾いていた。穴2箇所に、厚い麻布を貼る。
板のすの子の上に重石を載せて、置く・・・内に竹ひごを当て、外へふくらむようにする。〔夜〕蓋…300g。輪島で買った、ゴミを削るとかいうL字形の物で、内側を削る。
#80で空研ぎ。所々、引っかかるところがあり、手で厚みを確かめると厚すぎた。丸ノミで削る。
角に貼った布が取れてしまうし、少し割れてくる。290g
リグロインで薄めた生漆を吸わせる。かなり吸い込んでいく。外脇まで。
かなり内側に向けて歪んだので、箆を内から当てて、外へふくらむようにした。
⇒すの子の上に置くと、全体が歪み、端が水平にならない。
⇒箆を外し、石膏を二本並べる・・・昨日同様。
*甲が重石の所為で、中央が凹んでしまったので、甲にガラス板を載せ、その上に重石を置く。
4.2(火)
〔朝〕蓋…端の付近の狭いところに刻苧、穴のあいた辺りに刻苧、削りすぎのところに刻苧。
*ミルサーで刻苧綿をフワフワにしてかかる。刻苧に木の粉を混ぜる。〔夜〕蓋…301g(生漆だけで約10g増えている)。
#80で空研ぎ。塵居の裏に厚すぎるところがあり、丸ノミで削る。
リグロインで薄めた生漆を十分吸わせる。
*長辺の端付近が、かなり内側に歪んでいる。石膏を嵌めて置くにも、正確な場所がわからない。
すの子が奥の方にあり、蓋の中が見えないからである。指で大体の位置を測り、その辺りに石膏を置く。
ガラス板を置き、その上から重石をする。
4.3(水)
〔朝〕蓋…内側の凹みなどに、刻苧+切り子地(混ぜた物)を付ける。
塵居の足りないところに薄く付ける。〔夜〕蓋…端の長辺の歪みがひどいので、檜の薄板で支え棒を二つ作る。
内側の空研ぎ。299g。空研ぎ前は側面が固まった感じがしたが、又フラフラするようになった。
リグロインで薄めた生漆を十分吸わせる。支え棒を当てる・・・ある程度直すしか出来ないだろう。
外脇にも、リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
すの子の上に置き、重石をして置く。甲の凹み方はひどい!
身…昨日に続いて、内隅の空気穴を切り出しで突付いたところに、薄めた生漆。
4.4(木)
〔朝〕蓋…空研ぎすると、乾き悪い。
甲の凹みのひどいところ・塵居に、下地付け。
*重石をするのを止める。〔夜〕蓋…310gあった。空研ぎを軽くすると、乾き十分ではない。
甲の低いところに麻布(古い蚊帳)を貼る。
端の極端に狭いところ・塵居に下地を付けて、形を作る。
(約4時間後)内底に一部、まだ乾きの悪いところがある。塵居の一部も乾き悪い。
*時間がないので、この3日ほど、漆分を少なくしている=粉を多くしている。
内脇の凹みのひどいところなどに、下地を付ける。
4.5(金)
〔朝〕蓋…軽く空研ぎ。内側・塵居、凹み・足りないところを下地で直す。
〔夜〕蓋…内を空研ぎ。塵居の高さをチェックする(トースカンで)と、かなり狂っている。
削ったり、砥いだりする。
*甲の中央部分が極端に凹んでいる・・・最初、重石に石膏を直接そこに置いていた所為だろう。
*長辺の、端付近の内への歪みも直らない。
内側の凹み部分に下地を付ける。
甲の凹み部分に厚い麻布を貼る。
塵居の形を下地で作る。
*こんな事をしていては、麻布二枚で作る意味がなくなるし、それ以前に、果たして仕上がるのか?
4.6(土)
〔朝〕蓋…軽く空研ぎ。内隅、内脇の凹み、塵居の足りないところに下地付け。
〔夜〕蓋…内側を空研ぎで研ぎ込む。塵居などを軽く研ぐ。
見込みの中央部(甲が凹んでいる裏側)を除き、内側に下地刷毛付け。
塵居の形を下地で作る。
甲の凹みのひどいところに、厚い麻布を貼る。
4.7(日)
〔朝〕蓋…#80で十分研ぎ込む。甲の布のみ、乾き悪い。
内の低いところ、形の足りないところ、塵居の足りないところに下地を付ける。
身…キング#1000、三和#400・600などで地研ぎ。空気穴が見えたので、破っておく。〔夕〕身…内から外脇まで、黒漆で中塗り。
〔夜〕蓋…見込みの中央部(甲が凹んでいる裏側)を除き、内側に下地刷毛付け。
外脇の短辺に、下地付け。塵居の足りないところなどにも。
甲の凹みがまだ残るので、厚い麻布を貼り足す・・・糊漆に地の粉を混ぜる。
4.8(月)
〔朝〕蓋…#80で研ぎ込む。内隅、内脇の凹み部分に下地を付ける。
〔夜〕蓋…#80で空研ぎ。
甲の布を貼った部分に下地を目摺り込む。塵居を作る。
*昨日の身の中塗りは、うまく乾いていた。
*蓋・身とも、長側面の、内への歪みが目立つ。
(約3時間後)蓋…見込みの中央部(甲が凹んでいる裏側)を除き、内側に下地刷毛付け。
外脇3面(短側面1面を除く)に下地刷毛付け。
4.9(火)
〔朝〕蓋…#80で空研ぎ。刷毛付けした下地、乾き非常に悪い。
甲の布を貼りたした部分に粉の多い下地を付ける。〔夜〕蓋…荒砥で水研。隅などを丸い形の砥石で研ぐ。
端幅を目測で揃えるように研ぐ・・・線の狂っている側を研ぐ(内or外)。
その後、#180ペーパーでなだらかになるよう研ぐ。
*素地が余りグラグラしなかった。布が出ようが、研ぎ込む。膨らんだ感じを研ぎ込む。
*#80をガラス板に貼り、端の水平を出す。甲も水平研ぎ。
二つの短側面の膨らみ具合が違うので、#80で研ぎ込む(空研ぎ)。
リグロインで薄めた生漆を全体に吸わせる。いつものように、支えを入れる。身…キング#1000などで研いだが、端の水平を確かめると、かなりガタが出ている。
擦りガラスで研ぐも、直りきらず。#80をガラス板に貼り、端の水平を何とか出す。端幅が広くなった部分を空研ぎで直す。
裏底の水平も出す。型から脱いだときと、一番出ている部分が違っていた・・・底の中央側に移っていた。
空気穴を破ったところ、端や麻紐が出たところ、下地や布が出た部分に、リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
4.10(水)
〔朝〕蓋…#80で空研ぎ。少し乾き悪いようなので、湿り。
(約50分後)甲の凹みのひどいところなどに、錆下地。〔夜〕蓋・身…#80をガラス板に貼り、端の水平を出す。甲・裏底も水平研ぎ。385g
蓋…内側の見込みを丸ノミで削り、薄くする・・・手で厚みを確かめながら。
内脇は研ぎ込む、残りは軽く#80空研ぎ。
端幅を定規で測り、太すぎるところを削る。370g
見込みの削ったところに切り子地付け。
塵居の裏にあたるところを、アルミ片で作った定規で、形を作る。
内脇の凹みに切り子地を付ける。
端幅を定規を使い、切り子地で作る・・・線の歪みを見て、正しい線に近付くように。
外脇の凹みと甲の凹みなどに切り子地を付ける。
*一度にこれだけ形を直し、狂わないか?時間がない。身…端幅を定規で測って、太いところを削る。
内隅の穴を埋め、端幅を定規に合わせ、切り子地で作る。
裏底の足りないところに切り子地を付ける。
*長辺の内側への歪みがひどすぎる。
4.11(木)
〔朝〕空研ぎ。切り子地の厚すぎた所、乾いていない-研ぎ落とす。
蓋の内隅の形を作る。見込みと甲に切り子地付け。
蓋・身の端幅を作った段を埋める。〔夜〕蓋の甲の凹みが、又2mm強になっていたので、見込みに陶器の花瓶を重石において、500Wで熱処理。
1時間後には、甲が膨らんでいた。もう少し加熱してから、ガラス板の上に置くと、歪んでいた。
長側面も内側に異常に歪み、ガタもひどくなっていた。
どうしようもないので、中に檜の支えを入れて、長側面の歪みを矯正し、ガタが出ない状態で500ワットの熱処理。
甲は又凹んだ状態に戻った。長側面はどうなるか?兎に角、甲の凹んだところに厚い麻布を貼る。
*勘の良い人なら気付いておられるかもしれませんが、「時間がない」を連発するのは、この作品は富山支部展に出す予定だからです。4月24日が搬入日です。完成しそうにない感じですが、諦めないでやってみるつもりです。代わりの作品を作っていないので、出品不能になるか、落選となるか、、、麻布二枚貼りは、予想以上に難しい。布目摺りを二回して、布を回りから固める方が良いのかもしれない。失敗さえしなければ、仁和寺の箱より軽い物は作られる気がする。身はもう遥かに重くなってしまっているが、、、身…歪みがひどい。外側を研いで、端付近に生漆を摺り込む・・・内側の幅を作り直したところなど。
4.12(金)
〔朝〕蓋…空研ぎ。布貼り部分は乾き不十分。
内隅、端の内側、甲の低いところ(布貼り部分を除く)に、切り子地付け。〔夜〕蓋…空研ぎ。朝の切り子地の厚すぎた所、不硬化。研ぎ潰す。
*甲の布を貼った部分の凹みが3mm!!裏側に余計膨らんでいっている。
修正作業が、4.4-4.6の布の貼り足し作業に戻っただけになった。
このままでは、絶対に完成できない。
麻布を貼り重ねた物がないか考えた。もしあったとしても、上に貼るだけなら隙間が出来て、失敗するだろう。
(旧)蓋の甲で、多少甲盛りに近い部分を切り取り、(新)蓋の甲の凹みのひどい所と入れ替えたらどうかと考えた。
(旧)蓋からノコギリで切り取り、(新)蓋の甲の凹み部分に当てて、鉛筆で形を写す。
そこより5mmほど内側を切る・・・切りだしで線状に穴をあけ、ノコギリで切る。
11cm×16cmほどの切り取った麻布の板と、蓋の部分が斜めに合わさるように削る。
もともと正確な板ではないので、甲の膨らみ具合が大体良いだろうという位置まで下がるように合わせていく。
時間がないので、ボンドに木の粉を混ぜた物で接着・・・隙間ができるところに軽く重し(砥石で)。
乾いてから、裏側の段(蓋の素地)を削る・・・かなリひどいまま。
表側の段も少し削る。
目の詰まった麻布を裏・表に貼る。
4.13(土)
〔6:30a.m.〕貼った麻布を空研ぎ。乾き十分ではない。湿り。
〔0:30p.m.〕空研ぎするも、乾き不十分。
〔5:30p.m.〕段が出来ているところなど、極めて薄く下地を付ける。
身…外側の中塗り。
〔8:30p.m.〕空研ぎすると、内側乾いてない。甲は乾いていた。
〔9:20p.m.〕甲に極薄く下地付け。内側は乾いている感じだったが、何もせず。
*昼、タイマーを買ってくる・・・加湿・熱処理に使えるのではないかと、、、
〔0:10a.m.〕空研ぎ。内側乾き悪い-灯油で拭き取る。何故硬化しないのか?
4.14(日)
〔5:45a.m.-0:30p.m.〕硬化不十分。どうしようもないので、拭き取る。
*貼った麻布の、漆の乾きが不十分だったようだ。
内側・・・丸ノミで、段を削る。#80で空研ぎしながら、段をなくしていく。
外側・・・最初#80で、甲の形を見ながら、研ぎ落としていたが、#40も使う。
*4時間ほどかかって、直せる範囲で直す・・・必要な高さに届いていないところには、段を残すしかない。
*結局、麻布で補強した意味がなくなった。
リグロインで薄めた生漆を吸わせ、布で拭き取る。
*タイマーで加湿の、入り・切りを調整して置く。身…内側・外脇を研ぎ、中塗り。内隅にまた空気穴・・・破っておく。
〔7p.m.〕*どう作業を続ければ、漆が確実に乾くか?
蓋…見込み・外側に、黒漆を塗る。身…昼の中塗りは、大体しまっていた。
4.15(月)
〔朝〕段と凹みのひどいところに、下地を薄く付ける・・・甲の空研ぎであいた穴が一番ひどい。
〔夕〕甲の穴の下地に不硬化あり、研ぎ、拭き取る。
蓋…麻布板を貼った付近に、下地を薄めに付ける。
〔夜〕身…朝の下地を軽く研ぐ。外側を静岡炭で研ぐ。裏底は#360で研ぐ。
(3時間後)蓋の内側を研ぐ。
中塗り・・・身の外側。 蓋の内側。
4.16(火)
〔朝〕段と凹みのひどいところに、下地を薄く付ける。
〔6p.m.-8:15p.m.〕#180で水研ぎ。蓋の甲・見込みの凸凹はひどいまま。
中塗り・・・蓋の見込み、外側。 身の内側、外脇。
*今までの黒漆・・・日本産(高野・能作)、中国産(高野・柳瀬)を適当に混ぜた物だったが、少し艶がある気がしたので、中国産MR漆(佐藤喜代松)を混ぜてみる。柳瀬は不明だが、あとは全て素グロ目漆。
(3時間後)錆を合わせ、凹み部分に錆を見る。深いところは、切り子地。
4.17(水)
〔5:20-6:55a.m.〕#180で水研ぎ。
中塗り・・・蓋の内、外脇。 身の外側。〔夜〕蓋…見込みの凹み付近、甲の膨らみを、#180で水研ぎ・荒砥で水研ぎ。布はでるが、直りきらない。
内隅・塵居に応じた砥石を作り、研ぐ。全体を#180で水研ぎ。
凹みのひどい所は、切り子地…少し厚すぎたか? 残りは、錆をみる。
身…名倉砥で研ぎ、静岡炭で研ぐ。錆をみる。
*甲が膨らみ始めた感じだし、素地自体がまだ固まっていない。
歪みも残ったまま。どうしようもないというところか、、、
4.18(木)
〔朝〕蓋…内隅、端幅などに、形に応じた引き箆で形作り。
見込み、甲の平面を錆箆付けで作る。〔6p.m.-8:55p.m.〕蓋…#360で水研ぎ・・・形が歪んでいるので、砥石で研ぎようがない。
内隅、塵居は、砥石で研ぐ。
*見込みの凹みは、全く直っていない。その上、一部不硬化部分があり、取れてしまう。
*甲面も、まだ面として出来ていない。
身…#360で水研ぎ。
中塗り・・・見込み(内底)、外側全体。(蓋・身)
(3時間後)*中塗りに縮み・・・いつも80%以上の湿度のなかで、2.5-3時間で乾かしていたが、今回は塗りが少し厚すぎたようだ。
研ぎ潰したり、拭き取ったりした。十分には出来なかった。
蓋…見込みは切り子地で、甲の凹みは錆で直す。
4.19(金)
〔朝〕蓋…見込み・甲の凹みに錆を付ける。
〔夜〕中塗りの乾き不十分の為か、また下地に乾き不十分の所あり、取れてしまう。
蓋…#360・700で研ぐ。小さい穴などは、研ぎ潰す。
手で触れて、甲の膨らみ具合が歪んでいるので、朱塗りを中止する事にした。
見込み・甲の凹みに錆下地を付ける。身…#700・600で研ぐ。
*朱の付けを昨日とったが、強い湿りのところ以外は、乾かない・・・木杯の修理に使った本朱。
*今後の予定は、明日早朝に黒漆で薄い中塗り・・・見込み・甲。
明朝、甲と見込みに錆。明日夜、身の外側、黒で上塗り。 蓋の内、中塗り。
*ほとんど絶望的な感じだが、やってみるしかない。
焦って厚く塗りたくなるが、それで失敗しているのだから、注意する事。
4.20(土)
〔3:35-4:20a.m.〕蓋…内側(端を除く)・甲に薄く黒漆塗り。
*8分とか一寸刷毛で塗ると、厚さ斑を防ぎ易い。〔7:35-7:55a.m.〕見込み・甲の凹みに錆下地を付ける・・・出来るだけ埋めたいし、厚すぎると膿んで乾かない、、、
〔夜〕蓋…内側を静岡炭で研ぐ・・・砥石より研ぐ力が弱いのに、研ぎ切れない所多い。
*ペーパー研ぎと言ったって、砥石に当てて研いでいたのに、静岡炭より切れが悪いと言うことだ。
外側も、静岡炭で研ぎ重ねる・・・一応、ペーパー研ぎはしてあったので。甲は軽めに。
内側(端まで)に、薄く黒漆を塗る。凹みは直りきっていないが、仕方がない。
(3時間後)外側に薄く黒漆を塗る。身…裏底を静岡炭で研ぐ。
*今までの黒漆に、高野漆行で貰ったウルシオールを5%ほど混ぜる・・・流れをよくしようと、、、
内脇に薄く黒漆で中塗りし、外側の上塗り。一寸刷毛にて。
*両面クッションテープで付くに付ける。持ち手が長い付く。
4.21(日)
〔朝〕身…裏底に細かい縮みが出ている・・・返しを取ったが、3時間ほどでしまっていた。
ゴミは思ったより、少なかった。
蓋…内底は乾いていたが、甲は表面上乾いていても、中は不十分・・・研ぎ破れるところあり。
面として全く出来ていないし、前日の錆に混じったゴミが溝を残していたので、漉した後、錆をみる。〔午後〕蓋…ペーパー#600で錆を研ぎ潰す。
*湿り室の戸を閉めておくのを忘れていたが、雨の所為か、乾いていた。
内底と甲に、黒漆を薄く塗る。強い湿りの中に置く。〔夜〕蓋…静岡炭で外側を研ぐ・・・研ぎ切れないところは、ペーパー#600で研ぎ潰す。
甲のみ極早生漆を摺り込み、拭き切る・・・強い湿りへ。
身…内側を(特に中塗りした内脇)研ぐ。
本朱を二回漉す・・・一寸刷毛、5分刷毛、内脇用刷毛を洗う。
黒漆を二箆取り出し、その1割強のウルシオールを混ぜ、一回漉す・・・一寸刷毛、2分刷毛、ゴミ取り用刷毛。
身…内側に朱漆を塗る。湿り室の中段下あたりで、返しを取る。
蓋…朱を甲に塗る。塵居辺りで、黒漆で塗り分け、暈かす。朱側から境付近を均す。
黒漆を外脇と端に塗る。暈かし境を直す。隅出しで、麻紐を巻いたところと塵居の漆を浚える。
返しを取る。約1時間。
4.22(月)
*朝見ると、朱は少し光っていたが、黒は乾いているようだった。70%程あったので、回転風呂の上の位置にして置く。
*夕見ると、乾いていた。23℃、68%。回転風呂の下側の位置にする。
*ゴミは、うまく上げられなかった気がしていたが、余り目立たない感じ。
*朱の流れは良いようだし、甲の歪みもあまりひどく目立つ事はない感じだが、一部、下の錆が写って少し凹んでいるところがある。
*麻紐を巻いた長辺の一つに、縮みが細かく出ていた−どうするか?包む布を切る。組み紐を切る。箱書きをする。・・・
明日、蓋の内側の上塗りの予定。縮み部分を直すかどうか、、、
4.23(火)
*朝、加湿して80%にする。
〔夜〕*朱の下に、痩せこみが目立つようになった。歪んだ膨らみも目立つ。
*塵居にも縮みを発見。側面に乾き悪いのか、白っぽい感じの部分さえあった。
蓋…内を静岡炭で研ぐ。#600で残りを研ぐ。
今までの黒漆に、中国産遅口(高野)とウルシオール(高野)を一割ほど混ぜる。
内側の上塗り(端まで)。24℃、60%。
4.24(水)
*朝には乾いていたが、加湿。
1時間半ほどで終了。縮みはなかった。内脇は薄すぎたか、、、
*歪みがひどいままだが、結局、作る方法が正しくなかったから(分からないから)、いくら手直ししても、どうにもならなかったと言うしかない。
*結果だけを見て、ケチをつけるのは簡単だが、平安時代に出来ていた方法は、今誰も出来ない。
*林先生は、糊漆に6割ほど地の粉を混ぜて貼っているそうだ。漆が固まるまで、半年以上原型にくっ付けて置くしかないとも言っていた。目が粗い布だから、粉を混ぜるしかないとは言える。しかし、そんな単純な事だけで、昔の技法が再現できるわけではない。今回の挑戦は、失敗に終わりましたが、暫く休んでから、またやってみようと思います。
兎に角、疲れたというのが本音です。
その内、写真が出来たら追加するとして、今回のページはここで終わりです。