麻布二枚造・・・その3(三回目の挑戦)

〈下へ=2002年12月31日まで〉 <2003年1月より>

2002.11.16(土)

今日は新しいページを作るだけで精一杯の感じです。
デザインはまだ決まっていません。

11.25(月)

今回は、大きい作品にしようと考えている。
第1号の冊子箱に近いもので良いと考えている。
お経を入れる箱になるから、仏像のイメージがあるものにしたい。
法隆寺金堂の四天王像の肩あたりの衣紋線で表現してみたいと考えている。
平面図は前のと同じで構わないのではないか。

11.26(火)

基本形を粘土で作り、模様は石膏を削って作る方針。
原寸大の作図をしながら考える。
まだまだというところ。
迷っているフリをして、サボる、、、

11.27(水)

今日も寒いし、図録で仏像の写真を見ていただけです。
快慶の、阿弥陀如来立像(東大寺)は良いですね。

11.28(木)

サボってばかりいる訳にもいかず、蓋の引き箆を作る。
アガチス材に、必要な目盛りを書き入れ、形を作図。
*衣紋線が、引き箆で作る形のところにくる計画。
*蓋の3本目の衣紋線あたりで身に載るつもり。
ノコギリと糸鋸で切る。歯が届かなくなり、切り出しで切り込み、折る。
切り出しで裏刃をつけ、#80で線を決め、裏刃も作り上げる。
下に木片をボンドでつける−垂直を決めて。

11.29(金)

久し振りに水粘土を取り出すと、固くなったいた。
水をかけ、染み込ませてから、粘土を手でこねる。
まだまだ固い。

12.1(日)

*昨日、今日と、昼から酒を飲む機会があり、仕事ができませんでした。

12.2(月)

蓋の粘土原型を作り始める。
漆桶(100匁)を二個中において、粘土を盛り、引き箆を引く。
大雑把な形まで作り上げる。
*甲がもっと丸みを帯びている方が良いような気がするが、衣紋線で丸く感じさせるよう工夫すべきだろう。

12.3(火)

蓋の粘土原型を作り上げる。

石膏雌型取り・・・アルミ線で補強。

12.4(水)

アクリル平面定規にドリルで穴を開け、ネジを少しねじ込む。
何箇所かでネジを持ち上げ、アクリル定規を外す。
粘土を取り出し、石膏を金属片で削る。
甲になる部分のみ、荒砥で研ぐ。
カリ石鹸を吸わせ、石膏雌型を水に浸ける。

石膏雄型取り。
削って形を作る予定なので、2回石膏を渡してから、スタッフで補強。
*予備にもう一つ雄型を作るべきと思っていたが、雌型で取っておくだけで良いと気づく。

12.5(木)

石膏雌型をドライバーで割る。

石膏雄型をアクリル定規に合わせ、でっぱりを削る。
側面など全てがガタガタという感じで、荒砥で水研ぎ−大きいのも使用し、滑らかな面に近づける。
角の丸みを荒砥で研いだ後、#360ペーパーで水研ぎ。
*凹みの直らない所があったので、もう一度石膏雄型を作り直すことにした。

カリ石鹸を塗り、内側から暫く水を吸わせる。
石膏雌型取り。錫金貝を甲の丸み・側面の丸みに合わせて切リ、石膏を渡した後、挿す。。
形直しの厚みをもたせる為、側面は2回石膏をかけた後、スタッフで補強、それを石膏で被う。

12.6(金)

4個に割れるよう錫金貝が挿してあった石膏雌型を割る。雄型を取り出す。
ガラス板に端が合うように合わせて、裏から石膏をかけ、くっつける。
乾いてから内側を見ると、少しずれていた。
昨日の雄型の凹んでいた所を中心に荒砥で研いで、直す。
ずれた所も研いで直す。
丸みは#360ペーパーで研ぎ、滑らかにする。

カリ石鹸を離型剤として2回塗る。裏から水を吸わせる。
もう一度カリ石鹸を塗る。
石膏雄型取り。柔らかめのを2回渡す−削る厚みを作るため。
端に蓋をしていたガラス板を外すのが早すぎたのか、石膏が取れてしまった部分がある。
スタッフを貼り付け、ついでに石膏がなくなった部分にも石膏を渡す。
最後に、もう一度石膏を渡す−手で渡し、薄い部分に厚みを付けたりする。
*ガラス板を端に載せない時は、石膏がはみ出るので、半乾きの時、金箆で端から出ている石膏を浚えた。
*雌型の一つ(4つ割にした内の)が、最後に動いてしまう−くっつけたのが少しはがれたのである。

12.7(土)

二つは、もう割れていて、残りも手で押すと割れる。
どういう模様にするか、、、
最初の石膏雄型と並べて
四つ割の石膏雌型

12.8(日)

今日もどういう模様にするか考えただけです。

12.9(月)

最初の雄型原型に6Bの鉛筆で線を書いて、考える。
あまり旨い感じがしない。

*中学のとき、与史樹君に無著像に似ていると言われた。
卒業写真と合成してみましたが、似ていますか?
仏像に拘る原点?
スキャナーで取り込みましたので、デジカメからのリンクを設定しません。

12.10(火)

*今日も寒く、線を考えただけです。
以前は、白いものを見ると気が引き締まって、寒い中にでるのが平気でしたが、、、

12.11(水)

*朝方、除雪のブルドーザーの音がしなかったので、あまり降らなかったのかと思っていたが、20センチあまりの積雪。
除雪無しでも車は動きます。

最初に作った雄型に鉛筆で書いた線を目印に、彫刻刀で彫る。
彫り込むと、かなり大胆な表現になる。
山と山の間は、ブリキやアルミの削り箆で均す。
反対側に、浅い彫りこみをしてみる。
今度はあまりハッキリしない。
*考え込んで決めるというより、見ながら考え、こんなふうに試してみるより、一発勝負で作っていくというタイプなのですが、試してみると彫刻のままではいけないと気付く。もう少し考える必要がある。

12.12(木)

波というか皺がどこから始まるか。
それによって何を表現したいのか。
甲には何もしないほうが良いかもしれない・・・

12.16(月)

何時までも考えていても仕方が無いので、鉛筆で削りこむ部分を書き込む。
トースカンで水平方向の高さに印をつける。3箇所を短辺の両側に。

12.17(火)

残りもトースカンで高さの線をつける。
ノミや彫刻刀で谷になるところを削る。
刀…(左)上2本、(中)中2本、(右)下1本の谷を削る。

12.18(水)

山となる線の上を少し深くする事で、その山の上部分が強くなるようにする。
山の下部分と、それにつながる谷部分がなだらかになるようにする。
*彫刻刀と削り箆とを併用する。
*長側面に流れ落ちる感じのところは、まだ何もしていない(鉛筆による書き込みのみ)。

12.24(火)

12.17の写真の鉛筆の線の所を削り始める。また鉛筆で書き込み、細丸の彫刻刀で浅く彫る。
鉛筆の線を気にせず、感じを見ながら彫った。

12.25(水)

昨日彫った線をトレーシングペーパーに写し、水に溶いた黄色の粉で裏から線をなぞる。
大体同じくらいになる位置に印をつけ、トレペを擦り、石膏に目印の線をつける。彫る。
トレペを裏返し、黄色い線を書き、石膏の左側の線の目印にする。彫る。もう一面のも彫る。
稜線がきれいになるように彫り込み、谷側をなだらかにする。

12.26(木)

側面の流れ落ちる感じの線のうち、右側を少し膨らんだ感じに、左側を少し尖った感じになるよう削る。
短側面の太目の盛り上がりの谷部分を砥石で研ぐ。

身の粘土原型を作るための引き箆について考える。
蓋は石膏雌型に、身は石膏雄型に貼る予定なので、素地の厚みと遊びを考慮に入れなければならない。
蓋の端と身の最大径とが、ぶつからないで通ることができることが必要である。

12.27(金)

離型剤にカリ石鹸を塗る。内より水を吸わせる。もう一回カリ石鹸。
錫金貝で四つ割になるように、石膏雌型を作る。
割り、石膏雌型を石膏でくっつける。

12.28(土)

四つ割を貼り合わせた時に盛り上がった石膏雌型の、貼り合わせ部分を荒砥で研いで平面を作る。
衣紋線のイメージの所の、貼り合わせによる盛り上がりも、研いで直す。

身の粘土原型を作るための引き箆の形を板に作図する。

*19日以来、何となく体調が悪い感じがするし、気分転換のため、仕事をしている廊下から隣の部屋にあまりはみ出ないように、キャスターつきの棚で壁らしいものを作る。パソコンの位置も、隣の部屋の隅の方に少し動かす。散らばっていた紙、本なども片付ける。

12.29(日)

身の引き箆の形を電動糸鋸で切る。
細部は、#80ペーパーで作る。
*裏底の深さがどう変化しているか、定規で確かめる。
裏刃を作る。
アクリル定規より10ミリ弱内になるように引き箆をボンドで支えの板に付ける。補助棒もつける。

*もっと仕事をするべきでしょうが、子供が買ったエプソンのプリンターで写真を印刷したり、、、
Because I am lazy.(This is the same expression KAARINA wrote to me about 38 years ago.)

12.30(月)

水粘土で身の粘土原型を作る。200匁の漆桶の空になったのを2個中に置き、粘土を節約する。
石膏雌型取り。

12.31(火)

*蓋の石膏原型の水分を抜く為、加熱する(500W)。

身の石膏雌型を荒砥で研ぐ。研ぎで直しきれないほど、凹凸がある。
離型剤にカリ石鹸を3回塗り、裏から水を流しつづけて石膏に水分を与える。
もう一度カリ石鹸を塗ってから、石膏雄型取り・・・アクリル定規より少し内になるように原型を作っていたので、アクリル定規を石膏を流したときの蓋に利用でき、固まるまで石膏を移動させるのが楽だった。

身の石膏雄型を取り出す。
雄型の形を荒砥で研いで直す。目測で形を確かめる。
*粘土原型の時、蓋の石膏雌型を被せることが出来たので、大丈夫のはずである。

*これで石膏原型は完成した。後は水分を抜くだけである。
粘土原型から直接乾漆素地を作るのは、自分の技術では無理なので、修正のきく石膏利用で行くことにする。

*昼に、石膏の一回目の流し込みが固まるまでと、エプソンのPM−930Cで写真印刷をした。途中で電源が切れ、一切反応しなくなった。買った店に持っていって見てもらう。すると電源が入った。しかし、印刷するか確かめ始めると、電源が切れ、全く電気がこなくなった。新品と交換してくれる−明らかに欠陥品。使い始めて1週間ほどだった。
*富山支部の会費は、あと一人になっていますが、例年の事ながら、なかなか集まらない。大体似たような人ですが、同じではない。
納入の日付けの入った集計表を昨年のを利用して作りました。レイアウトは変えました。見やすいかどうか?

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