修正  形合わせの方法

型から抜いて素地の動きが収まった後、蓋と身を合わせていくことになる。
まず、端の水平を作る。次に、外形を合わせる。

端の水平の作り方

ガラス板に#80ほどの空研ぎのペーパーを薄めの両面テープで貼る(必要なら二つ並べて)。
両手で回転させながら水平に近づけていく(回し研ぎ)。

端に切り子地(下地)を箆付けする。
ガラス板(orその上に薄い紙ー新聞紙などーを置く)に下地の付いた端を下にして、そっと置く。そのまま、ほんの少し左右に揺するようにして、ガラス面に平行なまま持ち上げる(紙を敷いた場合はくっついてくるので注意すること)。
端の高い部分がガラス面と接したことになるから、そこがガタガタになる。その部分は箆でそっと均しておく。横にはみ出たのも直しておく。
*実際の作業例(2002.6)

荒砥で縦・横・斜めなどに大きく研いで、ガラス面に細かい傷をつける。
これを擦りガラスという。この上で水研ぎする事になる。
端の狂いが大きい時は、地の子などをパラパラと撒いて回し研ぎをする。
水平に近い時は、砥粉を撒けば良い。
水平に近くなったら、下地の箆付けのまま乾かせば良い。

下地付けと擦りガラス研ぎを繰り返すことで、端の水平を作ることができる。
蓋と身それぞれで、きちんと水平を作る。
実際に蓋と身を合わせて、ぴたりと合っているか確かめること。

*2002.6.5
 狂いが大きい時は、#80空研ぎペーパーを両面テープでガラス板に貼り、空研ぎする。
 狂いが少なくなったら、砥石で水研ぎする。

外形の合わせ方

出発点(すべての基本)は、アクリル平面定規である。
狂いが少ない時は、下地で足りないところを埋めれば良い。
問題は狂いの程度である。0.5mm以内なら刻苧(糊漆に木の粉や麻を綿にしたものを混ぜる)で直せばよい。それ以上なら麻布を貼り足す必要がある。
◎石膏内型(雄型)に貼った場合は、アクリル定規は内側から直す基準となる。
 素地の内側に合わせて、1mm程の幅で外側を揃える・・・アルミ片で1mm強の溝を付けたガイドを作り、それを引いて下地で幅を作る。
◎石膏外型(雌型)に貼った場合は、素地の外形をアクリル定規に合わせる。
★当然のことながら、アクリル定規の向きは一定にすること。
★素地の形を修正することにより、逆に素地が動くこともあるので、時間があれば、修正毎に充分乾燥させることが望ましい。

そんなことで蓋と身の外形が合えば、何の苦労もない。
アクリル平面定規を作ったように、できるだけきちんと蓋と身を合わせ、それでも狂っているところをチェックする。もう一度、本当に狂っているか確かめる。
◎出ているところは研ぎ、足りないところは下地で盛る。
★蓋と身を合わせたまま、足りない側を下地で盛る。そのまま乾かし、軽く研いでおく。
それから分離する・・・林先生の話。
★180°、90°、180°と合わせる面を変えていく。それから少しずれた面でも蓋と身の狂いを直していく。
◎どうしても合わないときは、またアクリル平面定規に帰り、地道に上記の作業を繰り返すしかない。

合い口付近が合えば、それを基準に、引き箆を利用して側面の狂いを直す。
定規に頼りすぎるより、見た目の感じを大切にしたほうが良い時もある。

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