粘土原型

使う粘土は、油土水粘土である。
ずっと油土を使っていたが、石膏をはじく感じがしていた。
2000年より、増村先生の研修会で使っていた水粘土を使い始めた。
しかし、林先生によれば、油土の場合、中性洗剤で薄い膜(界面活性剤)を作っておけばよいそうだ。

平面定規の中心にスポークを垂直に立てる・・・粘土原型作りは、通常ガラス板上で行う(轆轤上)。
  ◎木片に垂直な穴をあけ、アクリル平面定規の中心の穴を通したスポークを通す。
  ◎アクリル平面定規の裏からスポークを、垂直な状態でネジで固定する方法もあるそうだ。
       ・・・平面定規が円形の場合だろう。裏に出っ張りがあるとガラス板上で作業が出来ない。
         or全体をねじ分高くし、引き箆もその分高く作っておく。
  ◎木片に太い釘を垂直に打ち込む(先端は鑢で丸くしておく)。その釘が中央にくるように
    対応する入り隅同士を結ぶ線の交点を探す・・・大体、中央と思うところに、まず置く。
       ⇒スコヤを片側の入り隅の中央に立てる。反対側の入り隅の中央にも三角定規二つを
         組み合わせて、垂直線を立てる。測量するように見て、その線上に釘を置く。
         別の入り隅同士で、同じように線上にくるよう釘を移動する。そのようにして
         何処から見ても一致する点を見つける・・・粘土で盛り上げる途中でする作業。

粘土は使っているうちに扱いやすくなる。大雑把にめざす形に粘土を盛る。
ここから引き箆を使い出す。付けすぎたところから取り、足りないところに盛る。
大体、形が出来てから、引き箆がガラス板から浮き上がっていないか(横から確かめる)見て、
引き箆による造形を完了させる。
   ★力を入れ過ぎると引き箆が歪み、入り隅の位置がずれる(特に平面定規から遠い部分で)。
   ★平面定規と擦れて、引き箆が擦り減ると、箆が内に入り、粘土を削り過ぎることになる。

アクリル平面定規の使いかたで、蓋と身などの合わせ物は、どんなに正確に作ったつもりでも
どこかで不正確なので、蓋と身で使う面を反対にする必要がある。
蓋用に使った面をA面とし、その裏をB面とすると、蓋はA面側に粘土を盛り、
身はB面側に粘土を盛る。蓋と身の位置関係から見ると、アクリル平面定規は動かない。 

引き箆で造形できないところは、粘土のとき造形するか、石膏のとき造形するか、
どちらでも良いが、石膏の方が作業がし易い。
 ◎乾漆食籠制作過程(写真)の作品の場合は、作ろうとする線より少し小さい
   ガイドとなる物をアルミ板で作り、小さい引き箆で線を作った(削りor盛り上げ)。

(2002.2.14)麻布二枚貼りの乾漆冊子箱を作るために使用した水粘土を、水の中に浸けておくと、柔らかく戻った。
 それで、乾漆食籠の蓋の粘土原型を作り始めると、柔らかすぎるので、形はでき易い。
 柔らかすぎるので、安定しない。濡れた布をかけるのを少し遅らせ、粘土から水分を抜こうとしてみたり、、、
(2.15)蓋の粘土原型を作り始めて3日目、前日でほぼ出来ているつもりだったが、今日引き箆を引いてみると、肩とか甲に、大きく狂っているところがある。一応完成とし、中央のスポークを抜く。砂田の方法では、その穴を埋めないで、残す。石膏に形を写しても、中央の目印になるので、できる限り、残す…削って消える前に、針などで穴を開けておく。

(2.18)身の粘土原型を作り始める。今までは、これぐらいだろうと勘で粘土をもってから、引き箆で直していた。
6割にした側面の、一つずつ引き箆で盛り具合を確かめながら、作っていく。
その間に、小さい山を入れたのだが、その付近(両側の谷)は、中心軸を手で固定し、引き箆をアクリル平面定規の形に合わせて、左右に小さく動かして、造形した。
今はうまくいっている感じがしているが、、、   (2.19-20続き)

(2.21)念のため、もう一度引き箆を引いて、形のチェック・・・一ヶ所、内に入りすぎていたので、盛り直し。
  ⇒石膏雌型へ。(通常の作業をしただけなので、その事は書いていません。)

(2004.12.21)引き箆では垂直が狂っていく傾向がある。

背の高い作品では、引き箆で削る粘土が多くなり、引き箆が少し歪んでしまう。
時計回りだけで作り続けると、かなり偏ってしまう。
ほとんど形が出来たあとは、逆方向にも回り、見た目に垂直になるように直す。
両方向から入り隅や山を作るようにもっていく。
それでも狂うのは、石膏雌型のときに削って直せば良い。

上にも書いているが、ガラス板から引き箆の水平部分が浮き上がらないようにする必要がある。
座って横から見続けながら作業をする。
道具のページで、引き箆を切る分ける方法を書いたが、そうすることで浮き上がり具合をチェックすることもできる。
底とか甲の平面と腰あたりの曲面を別々に作っても、そこに段は出来ないはずである。
しかし、実際は、あちこちに高さの違う段ができる。
ガラス板から浮き上がっていたことを示す。

2009年1月

2008.12.29 Yahoohのジオログに記入
中心軸を垂直に立てる工夫もする。
硝子板上で、二つの棒状のものの底を水平にする。
その二つをぴたりと合わせるため、合わせる面を硝子板から垂直な面になるよう空研ぎする。
その面に90度横方向から垂直線を鉛筆で描く。
彫刻刀などで溝を彫り、スポークが嵌まるようにする(半分ずつ)。
スポークの一番下の位置が、x軸、y軸、z軸の交点(原点)。
二つの棒状のものをボンドで接着(スポークをはめ、ずれないようにして)。
スポークが少し曲がっていたのは、バイスで挟みつけ、かなり直す。

〔乾漆水指(新)〕スポークが2mm径の中心の穴に嵌らず、3mm径のドリルで途中まで穴を広げる。
水粘土で、下から20mmぐらいを作る(作品としては、端から20mmぐらいということになるが、、、)
次に30mm分ぐらい粘土を盛りつけ、また引き箆を引き始める。
*冬場は、油土より水粘土の方が扱いやすい。

12.31(水)

〔乾漆水指(新)〕下から2段目を盛り、引き箆。
また数センチ分盛り、引き箆。
腰付近に盛り、引き箆。
底に粘土を渡し、引き箆。中心のポークあたりは、粘土用金箆で大体削る。
*下の方から順に形が出来ているので、引き箆に無理がかからず、今までよりはきれいにできた。
石膏雌型取り。
*柔らかめの石膏を渡したので、側面に垂らしても、一応、全体に石膏がかかる。

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