砥石の調整法(2003.10.17−)
箱の内側を研ぐのは、なかなか難しい。
隅の線(底面と側面の境の線)を形に合わせて(普通は、直線or胴張り)、決める。
面は平面(or曲面)に決める。
そうなるように努力するわけだが、締まりの無い隅になったり、ビヨビヨの面になったりし易い。
隅の線を決めようとして、何時の間にか砥石の尻(後ろ側)で平面に溝を作ってしまったり、砥石を斜めに使うことで隅付近に深い傷を作ったりしていることが多い。
隅は研ぎ難いから、少し砥石を傾けたり、縦横斜めに動かしたりして、何とか研ぎ込もうとする。
どうしてもそのままでは傷が深くなる。
だから、最初にそういう研ぎ方をし、それから平面に合わせて、力を抜き気味に研ぎ、傷を浅くしていく。
それでも残る溝は、中錆で直せば良いという考えだった。
線と面が決まれば、傷は中錆と塗り重ねで消すので十分だという考えだった。
問題点は、隅の線を作るときに砥石を僅かとはいえ斜めに傾けて使うところにある。
砥石の形の基本形は直方体であり、持つためと斜めにして研いでも隣の面に触れないようにする為、立っている面は内側に少し斜め(70度−80度ぐらいか)に作っている。
研げないから、砥石の角で手加減しながら、目的の形に研ごうとする。
ここに傷を深くする原因がある。では、どうするか?
砥石の角という線状の先で研ぐことは、強く当たり過ぎる。
そこを僅かの面にしたらどうだろうか?と思いついた。
幅2mmほど、砥石の角から内まで、1度−3度ほど斜めに落としておく。
畳ズレの感じというか、そういうイメージと言えるかもしれない。
A社で試してみた限り、傷はつかなくなり、能率は上がった。
目的の形になっているかは、まだ分からない。(10.17)