URUSHIの仕事 U

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2002.8.16(金)

泉さんで頂いた、刷毛を細くした残りの刷毛に檜の板を貼る。
*毛引きで切り、糊漆、セロテープでずれないようにし、板をはさんでクランプで固定。

8.23(金)

一週間前の刷毛を取り出し、貼った板を鉋で削り薄くする−切り出しで直す。
特選上塗り1/3通しとともに、木部に生漆を吸わせる。

切り出しを研ぎ、箆を少し削る。

8.25(日)

刷毛2本−軽く空研ぎし、目の細かい麻布を貼る。
*布の端をどう処理するかで、側面の一方が2枚重ねになるように貼る。

砥石を研ぎ合わせ、塗師屋刀などを研ぐ。
*刷毛に布を貼ったとき手についた糊漆を少しでも乾かす為にする。

8.26(月)

余分の布を切り取る。空研ぎ。
*相変わらず一部浮いていた。

8.28(水)

布の上から錆+糊漆を目摺る。

8.29(木)

刷毛2本−軽く空研ぎし、生漆を摺り込む。

別の刷毛2本−鉋・切り出しで、1本を1分刷毛幅にする。

ヘリ木を二つ分作る…竹(1分刷毛用)、檜(2分刷毛用)。
糊漆で貼り付ける−クランプで固定。足りない部分は細い麻紐を巻く。

8.30(金)

刷毛2本−布の無くなった凹みに錆。

9.4(水)

ヘリ木を付けて、乾燥させてあった刷毛2本−固定してあったのを外す。
鉋で板の厚みを削っていく。
ノコギリで長過ぎるヘリ木部分を切り取る。

9.5(木)

刷毛5本に生漆を吸わせ、拭き取る。
*生漆の扱いが悪く、皮が張っていたので、漉してかかる。

9.6(金)

ヘリ木の角にかけて少し丸く落とす−生漆を摺り込む。
刷毛に「泉清吉」、「大極上」、「1/3通し」などと朱漆で書く。
*布を貼った為、ハッキリしているのと、そうでないのがある。
5分と一寸刷毛で、支給されたのと区別できないのがある。
隅出し刷毛は、半通し・1/3通し、自分で作り出したものがあるが、ほとんど元は大極上のはずだから、朱で書かず。
*刷毛先が開いていた一寸刷毛2本をサランラップでキチンと巻き、刷毛挟みで締め付けておく。

9.7(土)

刷毛の持ち手側の先(上)の太さや板の合わせ方で、広重刷毛とそうでないものとを、一応区別する。
記憶がよみがえるものは確定し、他は?マークを付けることにした。
全ての刷毛に朱漆で、どういう刷毛か書く。
大極上に本通し、半通し、1/3通しがあり、1/3通し以外は、見れば分かるので区別を書かず。

9.8(日)

刷毛2本に布を貼る。
*もう1本は、糊漆がなくなったので中止。

9.10(火)

もう1本に麻布を貼る。
刷毛2本の布目を糊漆で埋める。
*今までも、錆や糊漆が古くなった場合は、生漆を少し混ぜて使っていた。
錆や糊漆を普通に合わせておき、使う時に少し生漆を混ぜる方が乾きに間違いがないのでは、、、

9.11(水)

昨日布を貼った、もう1本と書いていた1分刷毛−先の方を細くして1分刷毛にしたので、そのあたりの布が浮いていた。
5センチほどを切り取る。

9.13(金)

9月4日に載せた写真の刷毛の内、2本−生漆を摺り込む。
1分刷毛−糊漆で布目を埋める。布のはがれたところに生漆。

9.15(日)

刷毛3本とも生漆を摺り込む。

特選1/3通し、1.5分ほどの刷毛の毛先を塗る長さに整える。

9.16(月)

刷毛3本に生漆。

(8時間後)1分幅ほどの刷毛の布の上に生漆。

特選1/3通し、1.5分ほどの刷毛の毛先を叩いて柔らかくする。
*荒砥の上に置いて、水をつけ、木槌で叩く。
前者は柔らかくなったが、後者は毛も太く、硬い(広重刷毛ではありません)。
石鹸で洗う。

9.17(火)

刷毛3本に朱漆で分類を書く−大極上1/3通しetc

毛先を柔らかくした刷毛2本−根元の木部を斜めに落とし、生漆を吸わせる。
毛が硬く太い方は、とても塗りに使えそうに無い−深い隅に塗料を押し込むには適しているか?

9.18(水)

刷毛3本−毛先を整える。

左3本。右2本は9.16洗うまで。

9.19(木)

3本の刷毛を叩いて柔らかくし、洗う。

9.23(月)

椀2個−吸い口端廻りに麻布を貼る。

9.28(土)

〔椀〕3個−吸い口端廻りに麻布を貼る。
   2個−高台周りに麻布を貼る。
   1個−内底・裏底に麻布を貼る。

9.29(日)

〔椀〕3個−高台周りに麻布を貼る。
   2個−内底・裏底に麻布を貼る。
   1個−内脇・外脇の一部に麻布を貼る(これまでと違う布)。

10.14(月)

〔椀〕3個−内底に麻布を貼る(その内2個は裏底にも貼る)。

11.15(金)

〔椀〕1個−内腰に麻布を貼る。
*糊漆がなくなったので、これで今日は中止。

11.17(日)

糊漆を作る。
〔椀〕6個−部分的に麻布片を貼る。主に内腰。

8分半通し刷毛の木部に生正味漆を吸わせる。

11.18(月)

〔椀〕6個−内に貼った布の重なりを切り取る。
部分的に麻布片を貼る。外腰。

11.19(火)

〔椀〕6個−外に貼った布を重なりを切り取る。
内腰の一部に麻布片を貼る。

8分刷毛に布を貼りました。
準備
一面ずつ押さえながら貼る 一側面のみ布2枚重ね。 はみ出ているのは後で切り取る。

11.20(水)

〔椀〕6個−内に貼った布の重なりを切り取る。丸ノミを主に使う。
刷毛の余分の布も切り取る。
外腰−部分的に麻布片を貼る。

11.21(木)

〔椀〕6個−外に貼った布を重なりを切り取る。
内側の布の貼ってない部分に布を貼る。内側、完了。

11.22(金)

〔椀〕6個−内に貼った布の重なりを切り取る。丸ノミを主に使う。
外側の布の貼ってない部分に中目の麻布を貼る。外側、完了。
*一応布貼りは終わったが、所々に小さな隙間が残る。

11.23(土)

〔椀〕6個−外に貼った布を重なりを切り取る。
*長岡神社の感謝祭で少し飲んできたので、少し切り取り過ぎました。
(午前中、雪吊り)

11.24(日)

〔椀〕6個−空研ぎ。
布のなくなった部分を刻苧で埋める。
*石膏25キロをタンポポで買ってきました。
デザインが決まらず、ほとんどの作業が中断中です。

12.2(月)

〔椀〕6個−布の上に糊漆を刷毛で渡す。内側から外側の上半分まで。
*地の子を混ぜた下地を付けるより、布の接着に有効ではないかと考えての作業だが、果たしてどうか?

12.7(土)

〔椀〕6個−布の上に糊漆を刷毛で渡す。外側の下2/3(高台など)。

2003年

1.2(木)

刃物を研ぐ・・・塗師屋刀、切り出し、丸刀
刷毛8分半通しを叩いて柔らかくする。木部・布貼りに生漆を吸わせる。
〔椀〕6個−布の上を空研ぎし、少し薄めた生漆を吸わせ、余分なのを布で拭き取る。
*ついでに乾漆の製作用具を作品別の袋に片付けました。
*年末にキャスターつきの棚で壁を作り、隔離した感じで仕事が出来るようにしました。
 今まで使い辛かった棚が使えるようになったりしたので、少し片付けました。

1.4(土)

〔椀〕6個−布の上の艶を消し、灯油で薄めた生漆を吸わせる。
刷毛の布部分にも吸わせる。

1.6(月)

〔椀〕6個−内側から吸い口の少し下まで、山科地の粉を水に付けて、艶を消す。
生漆を摺り込む。

1.9(木)

〔椀〕6個−内側から吸い口の少し下まで、#80で篩にかけた山科地の粉で艶を消す。
*麻布二枚貼りの、身の石膏原型の下地の乾きが悪いので、もう一日待って、塗りを入れるなら一緒にしようと考えている。

1.10(金)

〔椀〕6個−内側から吸い口の少し下まで、透き漆で塗りを入れる。
*少しずつ使えるように準備してきた泉清吉8分半通しを初使用。
透き漆を使ったのは、縄胎椀の貝の上を塗るのと同じ漆を使った為。

1.12(日)

〔椀〕6個−外側の艶を消し、黒漆塗り1回目。

1.13(月)

〔椀〕6個−内側から端まで、艶を消し、本朱で塗り(2回目)。
*縄胎椀の上塗りに本朱を使ったので、そのまま使い続けた。

1.14(火)

*夕8℃、55%で、光ったまま。

1.17(金)

*縄胎のページに書いてありますが、やっと艶が落ち始めました。

1.19(日)

*3個、朱が垂れて、縮んでいた。研ぎ潰す。
高台の内・外隅の縮みがひどいので、砥石で研ぎ潰す(一部、刃物で削る)。
外側の艶を消す。
外側に透き漆を塗る(縄胎椀の上塗りの木地呂漆に柳瀬の漆を足す)。

1.26(日)

黒漆が少なくなっていたので、佐藤・柳瀬・高野の黒漆をブレンドして茶碗一杯分ほどを合わせ、漉す。

〔椀〕6個−内側から吸い口付近まで、艶を消す。
黒漆で中塗り(3回目)。

2.10(月)

*作業ごとにページを作ると、煩雑になるので、「二枚貼り」とこのページだけで作業記録を付けることにします。
後日、作業毎に纏めてページを作る事にします(切り取り、貼り付けにより)。
区別しやすいよう、作業毎に字の色を変えることにします。

〔乾漆〕アルミ板を金切りバサミで切り、作図に合わせて置き、蓋と身の側面図を鉛筆で書いてみる。
作図とアルミ板に描いた図と比較し、違いをどうするか考える。
決めた線を先の丸い金切り鋏で少しずつ切る。作図と合わせ、どうするか考える。
鑢で引き箆の形を調整していく。蓋用と身用の引き箆を合わせて、繋がり方を見、形を考える。

2.11(火)

〔乾漆〕仕上げ用鑢を使ってアルミ引き箆を作っていく−蓋と身の繋がり、甲への繋がり、底への繋がり。
電動糸鋸盤で当て板を切り、ネジで固定、支え板を嵌め、引き箆完成。
轆轤にガラス板を載せ、粘土原型作り−引き箆と轆轤の両方をまわすことができるので楽だった。
石膏雌型取り−轆轤を使うと、石膏を手前から流すことが出来、楽だった。
*今までは、ガラス板の上でアクリル定規が動くので、轆轤を使っていなかった。
*石膏のことで、〔乾漆食籠の作り方〕に
記述を追加します。

2.12(水)

〔乾漆〕アクリル定規をはずし、粘土を取り出す。
削り箆でガタガタをとる。甲になる面を砥石で水研ぎ。
カリ石鹸を塗る(すると、面のガタガタが直りきっていないと気付く)、裏から水を吸わせる。
石膏雄型取り。

軸となるスポークを立てる棒に2mmの穴をあける−二つ作る。

2.13(木)

〔乾漆〕蓋…石膏雌型を割って、雄型を取り出す。
身…粘土を盛り始める。

箆、竹箆、クジラ箆などを削る。

2.14(金)

〔乾漆〕身…粘土原型を作る。
*引き箆の支え板が割れてしまい、接着剤でつける−ネジで動かないよう支える。
*引き箆の動きが上下するので、箆裏をきれいにする。ガラス板に水粘土が乾いてくっついて、凸凹になっていたのだ。
石膏雌型取り。

2.15(土)

〔乾漆〕身…アクリル平面定規をはずし、粘土原型を取り出す。
ブリキorアルミ削り箆で、出ている部分を削り、形の修正。
カリ石鹸、裏から水分。
石膏雄型取り。

2.16(日)

〔乾漆〕身…雌型を割って雄型を取り出す。
雄型の端を水平に荒砥で研ぐ(大きいままの砥石)。
甲と裏底を砥石で水研ぎ−研ぎ切れないところもある。
アクリル平面定規に合わせて、蓋と身の外形を研ぎ合わせる。
蓋と身を重ねて、外形を研ぎ合わせる。
見た目に中間が痩せている感じがしたので、金尺で削り合わせる。

蓋・身…石膏雌型取り−錫金貝で三ツ割になるように作る。
三ツ割にし、雄型を取り出す。
ガラス板に置き、裏から石膏を渡し、くっつける。
内側の継ぎ目に石膏を渡し、余分の石膏を削り取る。
*身…ガラス板に置いたにもかかわらず、端の高さが水平でなかった。
分解し、二つをガラス板に置き、下から手を入れ、内底が水平であることを確かめて、石膏をくっつける。
残りの一つも、内底の水平を手で調整して、それから石膏を渡し、くっつける。
乾いてから、内側の継ぎ目の溝を石膏で埋める。

雌型が一体になってから、石膏で埋めたガタガタを砥石で研ぐ。
乾漆素地の甲・底になる部分を砥石で平面に研ぐ。

荒砥で端の水平を研ぐ前、砥石同士を擦り合わせる。
ついでに、切り出しを研ぐ−キング#1000、#1200。
斜めになった研ぎ面が丸くなっているのを、荒砥で直したのは、キング#1000で切れ味が出てくるまで、かなり研ぐ。

2.17(月)

*石膏雌型が狂っている気がして、アクリル平面定規を端に当ててみる。
蓋は継ぎ目が少し引っかかる程度で、修正できた。
身は、2ミリ以上、同心円的に大きくなっていた−作り直すしかない

〔乾漆〕身…雌型三ツ割の作り直し。
錫金貝を取り除くから、どうしても隙間ができてしまう−どうすれば中に雄型があるかのように組みなおすことができるのか?
石膏雌型を作った時点で、裏底を水平にすれば、上向で雌型を一体に戻す作業ができるのではないか?
そこで、3回目の石膏を渡した後、ガラス板を載せて、裏底が水平になるようにした。
三ツ割にし、裏底を下にして、組み直すと、少し端に上下ができた−石膏の屑が、取り除いても、あちこちに残る。
アクリル平面定規を嵌め、荷造り用の麻紐で巻いて組み合わせる。
端の水平が大切なので、そのまま上下を入れ替え、継ぎ目に石膏を渡す。麻紐の一部にも石膏をかけておく。
アクリル定規で狂いのないことを確かめ、内側の継ぎ目に石膏を渡す。乾く前に、盛り上がった石膏を取り除く。
光が透けて見える、石膏の薄すぎる部分にも、石膏をかけておく。

懸け子用の引き箆を鑢で削って作る(昨日、大体の形に切っておいた)。
*研修会用の図を錯視になるよう画いてみたが、長方形では駄目なようだ。ハッキリしないが、、、

2.18(火)

〔乾漆〕懸け子の粘土原型を作る。
石膏雌型取り。

2.19(水)

〔乾漆〕懸け子…粘土を取り出し、底を荒砥で水研ぎ。
石膏雄型取り。

2.21(金)

*懸け子…昨朝、雌型を割ると、雄型も壊れてしまう。
*あまりに薄い石膏だったので、うまく出来ていないし、脆かった。

〔乾漆〕懸け子…1cmほど石膏が厚くなるよう、引き箆を作り直す−鉄製のコンパスで平行線を引いたりする。
粘土原型作り。石膏雌型取り。

2.22(土)

懸け子…粘土を取り出し、石膏雄型取り。

中野先生の研修会の内容をノートに纏めていました。

2.23(日)

〔乾漆〕懸け子…雌型を割り、雄型を取り出す−底となる面を荒砥で水研ぎ。
石膏雌型取り−三つ割にしなかったが、厚みを作った雄型の側面にかかる部分を少し削ると、分離できた。

2.24(月)

〔乾漆〕身の雄型の底に大きい凹みがあるので、石膏で埋める。

3.2(日)

〔乾漆〕石膏雌型の平地がガタガタだったので、空研ぎペーパー#180で研ぎ込む。

3.3(月)

〔乾漆〕石膏雌型にアラビアゴム1回目。

3.4(火)

〔乾漆〕石膏雌型にアラビアゴム2回目(蓋と身)。

3.8(土)

*仕事の道具をいろいろ片付けました。
棚への入れ替え、箱の利用など。やっと落ち着いた感じです。

〔椀〕6個−外側、艶を消し(ペーパーで大きなゴミも潰す)、黒漆塗り3回目。
*粘りすぎている感じなので、高野と柳瀬の漆に混ぜたが、まだ固い。灯油で展ばす。古くなったら、仕方がない。
*姪(niece in law)が5月に結婚するというので、また「夫婦椀」の準備。

〔乾漆〕石膏雌型に黒漆塗り。
*石膏に水分が残っている場合の失敗を防ぐ為。

3.9(日)

〔乾漆〕石膏雌型に切り子地付け1回目(蓋と身)。

〔椀〕6個−内側の艶を消し、黒漆塗り4回目。総布貼り盆9寸1個も塗る。

3.10(月)

〔乾漆〕石膏雌型に切り子地付け2回目(蓋と身)。

3.11(火)

〔乾漆〕石膏雌型に切り子地付け3回目(蓋と身)。

3.12(水)

〔乾漆F〕石膏雌型に切り子地付け4回目(蓋と身)。
懸け子にアラビアゴム塗り1回目。 石膏雌型なのでFとする。

〔乾漆M〕石膏雄型にアラビアゴム1回目。

〔椀〕6個・・・外側の艶消し。

3.13(木)

〔乾漆F〕石膏雌型に麻布貼り(山下さん)−蓋と身。
*側面は切れ目の間を1辺と考えると、一つ置きの辺を貼り、それから間の辺を貼るようにする。
 間の辺を決める切れ目は、布が皺よったところにする。
懸け子…アラビアゴム塗り2回目。

〔乾漆M〕石膏雄型にアラビアゴム2回目。

3.14(金)

〔乾漆F〕石膏雌型の麻布貼り、隅のところでかなり浮いていた−特に身。
切り分けor切り取り、こくそ+下地で布を付け直す−身の糊漆の乾きが悪く、削り取る。
*布の浮きを丸ノミで切る時、石膏まで出てしまったり、かなりがっくりとくる。
*山下さんの布と増村先生の時の厚いほうの布を比べると、前者の方が厚いし、強そうだった。
懸け子…黒漆塗り。

〔乾漆M〕石膏雄型に黒漆塗り。

〔椀〕6個…外側に黒漆を塗る。4回目。
丸盆の裏1本にも黒漆塗り。

3.15(土)

*布貼り(3.13)、塗りともに乾き、あまり良くない。

3.16(日)

〔椀〕6個…内側に黒漆を塗る。5回目。

〔乾漆F〕布目摺り。
懸け子…下地1回目。

〔乾漆M〕#180で空研ぎ、下地付け1回目。

3.17(月)

〔乾漆F〕リグロインで薄めた生漆を吸わせる。身の隅に浮きが見えるところがある。
懸け子…下地2回目。

〔乾漆M〕下地付け2回目。

3.18(火)

〔乾漆F〕布目摺り。2回目。
懸け子…下地3回目。

〔乾漆M〕下地付け3回目。

3.19(水)

〔乾漆F〕リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
懸け子…下地付け4回目。
*余った生漆をポプラ材(手板用)2枚に吸わせる。

〔乾漆M〕下地付け4回目。

3.20(木)

〔乾漆F〕空研ぎすると、少し乾きが悪い。
懸け子…ハンドルーターで石膏雌型の壁を切り取り、低くする−切り過ぎ、端の境が分かり辛くなってしまった。
蚊帳布を貼る。
*ハンドルーターの刃を3枚割る−取り付けるとき、切っている時2枚。
 こんなもので正確に切るにはどうするのだろうか?

〔乾漆M〕蚊帳布貼り1枚目。

3.22(土)

〔乾漆F〕蓋・身…麻紐を巻く−底の中央辺り、隅周り、端周り。
懸け子…布目摺り。

〔乾漆M〕布目摺り。

糊漆を合わせる。米糊を作ってかかる。

3.23(日)

〔乾漆F〕蓋・身…麻紐のところを空研ぎするも、完全に不硬化。
懸け子…リグロインで薄めた生漆を吸わせる。

〔乾漆M〕リグロインで薄めた生漆を吸わせる。

3.24(月)

〔乾漆F〕〔乾漆M〕乾き悪い。空研ぎのみ。

3.25(火)

〔乾漆F〕蓋・身…麻紐を巻いた端周りの段を刻苧で埋める−結局、指先で(竹箆、丸箆ではなかなか付かない)。
懸け子…見込みの隅周りに麻紐を巻く。4条あまり。刷毛で貼っていく。

〔椀〕2個…内側に黒漆を塗る。6回目。

3.26(水)

〔乾漆F〕乾き悪い。空研ぎのみ。

3.27(木)

〔乾漆F〕蓋・身…麻紐を巻いた縁周りの段を刻苧で埋める−指先で。2回目。
懸け子…麻紐を巻いた段を埋める。

3.28(金)

〔乾漆F〕蓋・身・懸け子…空研ぎするも、乾き不十分。

〔乾漆M〕蓋…端周り、甲の中心辺りに麻紐を巻く。

3.29(土)

〔乾漆F〕蓋・身・懸け子…刻苧を指で付け、段を消す。

〔乾漆M〕蓋…端周り、甲の中心辺りに巻いた麻紐を取り除く。
*麻布二枚貼りのページの作業から、閃いたものがあったので、やり直すことにした。
蓋…甲の中心を出し、コンパスで一定の円を画き、刷毛を使って麻紐を丸く貼っていく。
身…端周りに2条余麻紐を、ガラス板に押し付けるように貼る。隙間がないか見る。

3.30(日)

〔乾漆F〕蓋・身・懸け子…空研ぎ。乾き少し足りない。

〔乾漆M〕蓋…端周りに麻紐を2条巻く。

3.31(月)

〔乾漆F〕蓋・身・懸け子…下地付け。

4.1(火)

〔乾漆F〕蓋・身・懸け子…空研ぎ。リグロインで薄めた生漆を吸わせる。

〔乾漆M〕蓋…端周りの麻紐をキチンと2条になるように、少し余計に巻いていたのを切り取る。
朝考えついた感じに麻紐を、端から甲の中央に向けて、カーブさせながら貼ってみる。
*1本だけ貼り、明日また見て考える。身にどう繋いでいくかも決定できなかったので、明日に延ばした。

4.2(水)

〔乾漆F〕蓋・身・懸け子…空研ぎ。切り子地付け。

〔乾漆M〕身…蓋を載せたまま、麻紐の流れを受ける感じに、身に麻紐を巻く。
蓋…6本巻くと煩わしい感じがしたので、1本おきに巻くことにし、今日は1本甲の中央まで巻く。
 *定規で見ても、昨日のを移動した風にはならない−それぞれ見た目におかしくなければよしとするしかない。
懸け子…刻苧+錆下地を付ける。

4.3(木)

〔乾漆F〕蓋・身・懸け子…空研ぎ。リグロインで薄めた生漆を吸わせる。

〔乾漆M〕身…蓋を載せたまま、麻紐の流れを受ける感じに、身に麻紐を巻く。1本おきに2箇所。
蓋…残りの1本を巻く(貼る)。
*鉛筆で大体の線を書き、糊漆を刷毛でそのあたりに渡す。
 麻紐の先に糊漆をつけ、貼り始めとし、線の感じを見ながら刷毛で貼っていく。
 貼り終えてから、他の線と見比べたり、線の動きを見ながら、刷毛で麻紐の調子を直す。
懸け子…空研ぎ。リグロインで薄めた生漆を吸わせる。

4.4(金)

〔乾漆F〕蓋・身・懸け子…空研ぎ。切り子地付け。

〔乾漆M〕身…高台を麻紐5条巻いて作る。
巻き始め手を汚さない為に刷毛を使うようにしたのだが、刷毛で糊漆の厚さを調整でき、うまくいく。
裏底に紙で型(サークルカッターで切る)。糊漆を渡し、麻紐を置き、刷毛で糊漆をまぶしながら巻いていく。
懸け子…切り子地付け。

4.5(土)

〔乾漆F〕蓋・身・懸け子…空研ぎ。隅付近に乾き不十分のところあり。

〔乾漆M〕懸け子…空研ぎ。高台を麻紐6条巻いて作る。
*外脇に合わせて巻き始めたので、動いたりして難しかった。

4.6(日)

〔乾漆M〕懸け子…高台の一辺がずれていた。そこを浮かし、糊漆を渡し、クランプで固定。
蓋・身…麻紐の隅に刻苧を渡す。

〔乾漆F〕蓋・身・懸け子…蚊帳布を貼る。2枚目。

(左)擦り減った刷毛。(右)新しい乾漆用刷毛。

4.7(月)

〔乾漆M〕隅を空研ぎ。

〔乾漆F〕余分の蚊帳布を切り取る。空研ぎ。乾き不十分。

*夫婦椀に貼る為に、昨日、貝に漆で書いておいた文字などは乾いている。

4.8(火)

〔乾漆M〕蓋・身…刻苧で隅を埋める。2回目。
懸け子…刻苧で高台(麻紐)の両隅を埋める。1回目。

4.9(水)

〔乾漆M〕空研ぎ。側面の刻苧は糊漆分を多くしていたので、乾き悪し。

4.10(木)

〔乾漆M〕蓋…甲の麻紐の隅のうち、緩くする側にこくそ。
身…高台の外側をこくそで埋める。
*側面の刻苧、乾き完全ではない。
懸け子…下地で布目摺り。

〔乾漆F〕下地で布目摺り。

*夫婦椀用の貝に漆で書いておいた文字などを残すように、希硝酸で溶かす。

4.11(金)

〔乾漆F〕〔乾漆M〕リグロインで薄めた生漆を吸わせる。

*夫婦椀…黒漆を見込みに塗る。(二枚貼り冊子箱の身の中塗り、片付けの間、湿りの中へ)
名前などを貝で貼る。
*水で薄めたアラビア糊で貼ったのを、水をかけておくことで浮かせてとるつもりだったが、なかなか取れなかった。
 貝を切る針で間を裂くと、何とか取れる。一部、板に付いたままのもあった。

4.12(土)

〔乾漆M〕空研ぎ。刻苧+空研ぎ粉下地で布目摺り。

〔乾漆F〕切り粉地付け。2回目。

4.13(日)

〔乾漆M〕空研ぎ。乾き悪い。

〔乾漆F〕空研ぎ。切り粉地付け。3回目。

*夫婦椀…貝の上の漆を剥く。
弓偏が取れてきたので、やり直す。必要な下半分の字を針で切る。
白息が僅かにかかるときに貼る−ちょうど良いぐらいの感じ。

4.14(月)

〔乾漆M〕山を緩くする側に切り子地。凹みの目立つところにも。

4.15(火)

〔乾漆F〕空研ぎ。錆下地付け。4回目。

〔乾漆M〕空研ぎ。刻苧刷毛付け。

4.16(水)

〔乾漆M〕空研ぎ。乾き不十分。

*夫婦椀…内側の艶を消す−静岡炭、炭粉胴擦り。
古い漆を合わせる−赤口+淡口+黄口に木地呂漆を適当に足す。
内側の小中塗り。

4.17(木)

〔乾漆M〕リグロインで薄めた生漆を吸わせる。

*夫婦椀…(朝)13℃、62%。光ったまま。(夕)21℃、65%。少しだけ艶が落ち始める。

〔乾漆F〕の天日干し開始。今日も晴れで、27、8度ほどまで気温が上がったらしい。

4.18(金)

〔乾漆M〕甲の中央から1本の麻紐が出てくるあたりを切り粉地で少し埋める。
その他、凹みの目立つところにも切り粉地。

*夫婦椀…貝の上の漆を剥く。完全には乾いてない−湿り風呂下部分へ。

〔乾漆F〕の天日干し…今日も暑かったようだ−体感的には暖かい程度だったが。
*明日から天気が悪くなるというので、家の中に入れる。

4.19(土)

〔乾漆M〕空研ぎ。麻布貼り2枚目。
*山下さんに頂いた麻布。固めなので糊漆を渡し、暫く吸わせてから、正式に貼る。
*身…裏底を貼り、側面は細長く切った布を一枚貼る。

〔乾漆F〕(夜)冊子箱と一緒に熱処理。

4.20(日)

*夫婦椀…外側の艶を消し、黒漆で上塗り。外は雨。風呂15℃、62%。
*静岡炭を切った屑を集めていたのを、擂り鉢で擂り、#80の篩で漉し、艶消しに使う。

4.21(月)

〔乾漆M〕余分の布を切り取る。空研ぎ。
端のところで浮いている部分は、鋏で切れ目を入れ、こくそで貼り直す。

4.22(火)

〔乾漆M〕刻苧で布目摺り。

4.23(水)

〔乾漆M〕空研ぎ。リグロインで薄めた生漆を吸わせる。

4.24(木)

〔乾漆M〕必要なところだけ、空研ぎ。甲の線の片側を下地で薄く埋める。布目の残るところも。

*夫婦椀…端に黒漆を薄く塗る。

4.25(金)

〔乾漆M〕空研ぎ。下地付け1回目。

4.26(土)

*夫婦椀…炭粉で艶を消し、日本産木地呂漆(高野漆行)で内側の上塗り。17℃、65%。

〔乾漆M〕空研ぎ。切り粉地付け、2回目。

4.27(日)

〔乾漆M〕(朝)空研ぎ。
 (夜)錆下地付け、3回目。
 *錆を合わせてかかる。

*夫婦椀…刷毛筋が流れず、塗り直すことにし、貝の上の漆を剥く。

4.28(月)

〔乾漆M〕空研ぎ。水拭き。
黒漆を塗る。
*形がはっきり見えないし、下地だと重くなるので。
*身、懸け子とも、高台が裏底より低くなっていた。麻紐で高台を作ったときは、役割を果たすはずだったと思うが、、、

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