URUSHIの仕事 V(2003年4月29日−8月7日 )

URUSHIの仕事Uの直前の記述(2003.4.28)へ

(下へ)

4.29(火)

*夫婦椀…貝の付近を静岡炭で研ぐ。残りは炭粉で艶を消す。
 木地呂漆で内側の上塗り。24℃。59%。

〔乾漆F〕昨日に続いて、高温・好天で天日干し。

〔乾漆M〕午前中、湿り風呂で乾かす。午後、天日干し。3時間ほどで曇ってきて中止。
(夜)身と懸け子の高台を麻紐を巻いて作る(底より高くする為)。

4.30(水)

〔乾漆M〕(朝)高台の紙型を外すと、懸け子の麻紐が一緒にはがれてくる。糊漆でつけ、漆桶を載せて置く。
(夜)位置を決める為当てておいた紙型に麻紐がくっついて、また剥がれてくる。こくそで付け直す。
蓋…甲に錆下地を付け、形の感じを見る。

*夫婦椀…流れが悪いし、透け具合も悪い。2、3日すれば、透けるかもしれない。

5.1(木)

〔乾漆M〕錆は荒砥で水研ぎ。高台付近は空研ぎ。
蓋…黒塗り。2回目。
身・懸け子…高台の外隅に刻苧。

*夫婦椀…箱書き。荷造り。宅急便に持っていく。

5.2(金)

〔乾漆M〕蓋の甲に錆を見る。
高台回りの刻苧を空研ぎすると、乾いている感じ。

5.3(土)

〔乾漆M〕蓋の甲に少々錆。⇒黒漆を塗る3回目。
身・懸け子…高台の外側に刻苧。

5.4(日)

〔乾漆M〕蓋の甲に少々錆。⇒黒漆を塗る4回目。
身・懸け子…高台の外側にこくそ+切り子地。

5.5(月)

〔乾漆M〕蓋の甲に少々錆。⇒黒漆を塗る5回目。
身・懸け子…高台をガラス板の上で水平研ぎ(#80ペーパ―)。
懸け子は低いところに錆。身は箆で全体につける(左手で回す)。

5.6(火)

〔乾漆M〕蓋の甲に少々錆。
⇒小さい人工中砥で麻紐の山の線を整えるように研ぐ。
黒漆を塗る6回目。

*木魚の修理…昨日、近所の人に頼まれました。
和紙が貼ってあり、それが剥がれてきているし、砥粉下地。どうする?

5.7(水)

〔乾漆M〕蓋の甲に少々錆。
⇒小さい人工中砥などで少々研ぐ。

*パソコンの雑用(文書作り)で、仕事がほとんど出来なかった。

5.9(金)

〔乾漆M〕身・懸け子…高台に和紙を貼る。

5.10(土)

〔乾漆M〕身・懸け子…高台付近を砥石で水研ぎ。
陶芸用轆轤で高台付近に錆箆付け−形作り。
蓋…肩付近を錆(切り粉地)で作る。甲の斜めの線付近も−陶芸用轆轤。

5.11(日)

〔乾漆M〕身・懸け子…高台付近を砥石で水研ぎ。蓋の肩付近も研ぐ。
*漆を混ぜすぎ、地の粉を混ぜて切り粉地にしたのが、乾き悪い−懸け子のほうが、かなり剥がれてくる。

5.12(月)

〔乾漆M〕懸け子…土曜日に付けた下地がまだ乾いていないので、金箆で削り取る。
蓋の肩付近も削ると、かなり取れてしまう。

5.13(火)

錆を合わせる(砥の粉50gで)−5.11の切り粉地(?)も、漉してから混ぜる。
〔乾漆M〕身・懸け子・・・高台付近に錆をつけて、形を整える−轆轤・箆。
蓋・・・肩の形を整える。甲の線付近を埋める。

5.14(水)

〔乾漆M〕身・懸け子・・・高台付近に錆をつけて、形を整える−轆轤・箆。
蓋・・・肩の形を整える。甲の線付近を埋める。

5.16(金)

〔乾漆M〕身・懸け子・・・高台付近に錆をつけて、形を整える−轆轤・箆。
身…麻紐の線の下側を錆で埋める。
蓋・・・肩の形を整える。甲の線付近を埋める。

5.18(日)

*木魚の修理…浮いているところを切り出しで削り取る。
和紙が貼ってあるが、全てが浮いているわけではない。
塗膜はかなり浮いているが、砥の粉下地から剥がれてきている感じ−これが所謂、仏師(仏壇塗師)下地なのか?
漆の通常の下地をした場合、木魚の音が変わってしまうのだろうか?
持ち手のような部分が取れたのをくっつけてあり、小さい釘で打ちつけてあった−どう見てもズレている。
彫刻の彫りが合わないので、左右反対についているのではないかと見ると、その通りだった。
釘をバリで抜いたが、完全には抜けず。
貼り合せてある隙間に切り出しの刃を挟み、金槌で叩いて分離する。
今までと逆にあわせると、彫刻も丁度合う−接着剤を削り取る。
セメダインのスーパーXで貼り合せる−10分ほど放置し、合わせ、力をいれてくっ付け、ズレが無いよう調整する。

5.19(月)

〔木魚の修理〕接ぎなおしたところに刻苧。

〔乾漆M〕身・懸け子・・・高台付近を砥石で水研ぎ。錆少々。
蓋…麻紐の線のところを研ぐ。甲も。錆少々。

5.20(火)

〔木魚の修理〕接ぎ直した部分の刻苧を空研ぎ−乾き不十分。

〔乾漆M〕蓋・身・懸け子・・・錆を砥石で水研ぎ。
黒漆塗り・・・蓋、7回目。身・懸け子、2回目(だろう?−高台を重ね上げたため、ハッキリしない)。

5.21(水)

〔木魚の修理〕接ぎ直した部分の刻苧を金箆で擦る−大体硬化しているようだ。
仏師下地が、代わりに剥がれてくる事がある。

〔乾漆M〕身・懸け子・・・一部に縮み。頭を研いでおく。

5.25(日)

〔木魚の修理〕接ぎ直したところに刻苧。

〔乾漆M〕身…側面の麻紐の段の下に錆下地。
*好天が続いたので、天日干ししてあった。

*富山支部展の懇親会、近所の不幸の手伝い、そして今日が富山支部展の会場当番。
Fuさん、Hiさん、Naさん、与史樹君などと話す。招待状では、Saさんが来ていたようです。
記帳を見て、久郷さんが夕近くに来ていた事を知ったが、気付かなかった。
4時頃まで、賛助出品の部屋で質問攻めに応対していた。
帰り、増山さんの個展に寄る。形のよい作品が並んでいた。
市営駐車場の2Fから、直行できると、戻るとき知った。エルパセオ、分かりにくい。

5.26(月)

〔木魚の修理〕全体を空研ぎ。刻苧も乾いている気がするが、、、

*A社で塗っていると、団体が見学に来ました。
何人か覗いて、少し話をしていきました。何か見た感じがするし、、、
昨日美術館に来ませんでしたかと聞くと、そうだとの事。
向こうも思い出し、昨日はネクタイに、、、(眼鏡)
岡村先生の「乾漆重ね筥」の「筥」をどう読むかとの質問に始まり、中がどうなっているか見たい、、、
手袋をして中を見せると、きれいな布目を残し、薄い塗りを重ねてある。軽い。
鎌倉彫りを習っていると話してくる。
和紙を切って貼ってあるが、あそこには高岡短大の根本先生の作品があると、連れて行く。
住所も気になるらしい。加藤君(羊蹄会参照)と、百合が丘まで一緒なので、思い出すことができる。
沈金の棗は、斜めから見ると彫ってあるのが分かる、、、
貝はどうやって貼るのか、、、貝の厚みはどのくらい、、、
テレビで武蔵なんとかいう工房のを放送していた、、、
民間でぶらり旅のだった、、、武蔵川さんで、そこは貝の裏に直接彩色している、、、
土本先生の「神代杉網代組子文短冊箱」の、非常に細かい模様はどうやって作ったのですか。
パーツに切って、(辛抱強く)貼っていったのでしょう。
(その方に、今塗っているのはカシュ-だが、貝の沢山ついているのは漆で塗ると話す-今日の話)
まだまだあったと思うが、昨日の質問攻めを思い出してみた。
今日の話では、山梨から来ていたらしい。熱心な人々である。
*今日ラジオを聞いていた範囲では、久郷さんは昨日何をしていたか話さなかった。
感想は如何に。

〔乾漆M〕天気が曇りがちになったので、夕より500Wの投光器の利用を開始する。

5.27(火)

〔乾漆M〕一晩、電気が点かないので、球が切れたのかと思っていたが、朝、点いていた。
サーモスタット設定が30℃で、気温と余り差がないので、消えていることが多いだけだった。
夕、設定を35度に上げる。

〔木魚の修理〕リグロインで薄めた生漆を吸わせる。内側にも十分渡るように筆で流し込む。
余分の生漆を拭き取る。

刃物を少し研ぐ。
刻苧綿を少し作る。

5.28(水)

〔乾漆M〕(日中)天日干し。(夜間)熱源。

〔木魚の修理〕#180で空研ぎすると、緑・黒色で多くの部分が剥がれてくる。
本朱部分は、そんなにも剥がれてこない。#500で水研ぎしてみる。
浮きが見え出す−特に砥の粉の厚みが厚すぎるところで。

*職人でも作家でも、これだけの仕事をしておけば大丈夫と言う人が多いが、何を根拠にしているのだろう。
これを作った人も、大丈夫と考えたのだろうが、叩くという実用には不十分だったことを結果として示した。
*昔、仏壇の修理の一部を委託されたことがあったが、木に直接漆が塗ってあることが多かった。
生漆で固めるとか、布を貼るとか、基本的なことが省略してあった。
全ての塗膜を剥がす事ができるわけではないし、まともな修理さえ出来ない仕事がしてあっただけだ。
*木に直接漆を塗って、「・人」と自称している人物がいたが、その自信はどこから来ているのだろう。
*今回の修理にしても、刻苧をどこまで使ってもいいか、自分の経験では分からない。
音が変わってしまうのではないか、との恐れである。丈夫さだけなら、使うに如くはない。
暫く漆を塗ることがないようなので、漆を漉す機会はもう少し後になります。

5.29(木)

〔乾漆M〕(日中)天日干し。(夜間)身・懸け子…熱源。
(夕)戸外で蓋と身を重ねて、感じを見ているとき、蓋が滑り落ち、コンクリートの角にあたり、端付近が壊れてしまう。
外より 行く末を暗示している?内より
刻苧で直す−固まるか?麻紐のおかげで完全破損は免れたようだ。

〔木魚の修理〕凹みの目立つところに刻苧。
叩く場所には、使用せず。

5.30(金)

〔乾漆M〕(朝)刻苧、空研ぎ。(日中)身・懸け子…天日干し。(夜間)身・懸け子…熱源(サーモ32℃設定)。

〔木魚の修理〕刻苧を空研ぎ。
リグロインで薄めた生漆を吸わせ、余分な漆を拭き取る。
*〔乾漆M〕蓋の刻苧部分にも・・・少し内に入ってしまったようだ。

5.31(土)

〔乾漆M〕(朝)刻苧。
(日中)身・懸け子…天気予報では雨のはずだったが、午後から晴れ。 but熱処理できず。
(夜)蓋…刻苧+錆で、破損部分の補修。
身…麻紐の付近を砥石で研ぐ。

〔木魚の修理〕軽く空研ぎ。
刻苧+錆(透き漆を少々混ぜる)で、削ったところなどを埋める。

*おープンofficeというのを2時間かけて、ダウンロード。インストール。
少し使ってみるが、日本語対応が不便。 表計算は??? 文章は大丈夫。

6.1(日)

〔乾漆M〕身を砥石で研ぐ。蓋も研ぐ。
端(蓋・身)、高台(身・掛子)を、硝子板に#80ペーパーを貼った上で研ぎ、水平を作る。
低いところなど、目立つところに錆。

〔木魚の修理〕かなり空研ぎ。
凹みに錆。全面的にではない。
*刻苧綿を混ぜた辺りは、音が少し鈍くなったような、、、

*この前の日曜に風邪をうつされた感じで、ずっと体調が良くない。
今朝も雨の中、排水路の草刈。午後は利喜夫君と美術館に支部展。

6.2(月)

〔乾漆M〕荒砥で錆を研ぐ。形直し研ぎも荒砥でする。甲面は静岡炭。
黒漆塗り・・・蓋8回目。身・懸け子3回目。(5.20以来)

〔木魚の修理〕錆を荒砥で水研ぎ。
また朱が浮いてくる。研いで、剥がす。
リグロインで薄めた生漆を吸わせる。

6.3(火)

〔乾漆M〕(日中)天日干し。(夜)サーモ35℃設定。茶箱の蓋を多めに開けておく。
*どう考えても、熱処理不足なので。

〔木魚の修理〕6.1の残していた部分を中心に、目立つ凹みや穴に錆を見る。

6.4(水)

〔乾漆M〕(日中)天日干しの予定が、曇天干し−効果なし。(夜)サーモ35℃設定。茶箱の蓋を多めに開けておく。

〔木魚の修理〕錆と頭の形に見えるところを荒砥で水研ぎ。
朱が浮いてきたので、砥石で取ろうとしたが、十分に取れなかったので、刃物の先で削る。
リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
砥粉に十分吸わせているつもりだが、砥ぐと水を吸い込む。
*木に十分漆が吸い込まれていれば(その前提として、木が十分に涸れていることが必要である)、木に漆を塗ることも許されるとは思う。しかし、なかなかうまく吸い込まれない。剥離の原因になる。

6.5(木)

〔乾漆M〕(日中)天日干し。(夜)サーモ35℃設定。茶箱の蓋を多めに開けておく。

〔木魚の修理〕錆を見る。

6.6(金)

〔乾漆M〕(日中)天日干し(雲が少しかかっていた)。(夜)サーモ35℃設定。茶箱の蓋を多めに開けておく。

〔木魚の修理〕錆を荒砥で水研ぎ。
また朱が浮いてくる。研いで、剥がす。刃物でも削る。
リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
*同じ作業を繰り返すことの意味は、どこにあるのだろう?生漆が思うほど吸い込まれていかない。

*昨日、立川DAN志師匠を会長とする職人・・会からメールが届く。
リンクでいろいろ書いてあったので、伏せ字にし、検索にかからないようにしています。
ほとんどないとはいえ、たまに思いもしないメールが届くことがある。
それが続けば、メル友。
地元のT大eng部教授、奈良の学生、学校の先生2人、、、は、ほぼ一回の感想のみでしたが、嬉しくはありました。

6.7(土)

〔乾漆M〕6:25amまで、熱処理。
7:40am石膏に水を吸わせる。
(6:30pm-7:40pm)石膏原型(雄型)を壊す…丸ノミ小で、石膏に溝を彫り、部分毎に切り放す感じに。
*ドライバーで割るのをやめ、丸ノミにしたのだが、素地に傷をつけてしまう。
端から出ているバリで指が切れてしまい、後、右手に軍手をして作業する。
*前の失敗を反省し、ゴム板の上で作業する−素地の外側に傷がつくのを防ぐ。
*重量・・・蓋120g、身180g、懸け子95g。

〔木魚の修理〕塗膜が浮いているのが分かる部分を削る。

6.8(日)

〔乾漆M〕車の中に1時間ほどで、懸け子が歪む。
熱処理不足か?ガラス板に挟み、サーモ33℃で熱処理開始。
今まで、蓋と身にのみ、直射熱をかけていた。
蓋・身も大丈夫?
〔乾漆F〕も、夜、茶箱に入れ、間接的に熱を加える。(ずっと戸外に出しっ放しだった−今日も快晴)

〔木魚の修理〕砥の粉は、浮きの原因!
ノミで少し削るが、疲れたので、休止。

6.9(月)

〔乾漆M〕蓋・身…丸ノミで傷つけたところに錆。

*午前、富山支部展の片付け(搬出・集金も)。夕より、反省会。またも飲みすぎ、しかし意識はありました。
SUOMI、ドレメル、寿泉、、、

6.10(火)

〔乾漆M〕蓋・身を合わせてみると、隙間が大きく目立つ。
硝子板に置くと、蓋が大きく歪んでいるのに気付く。
端をガラス板に接するようにし、クランプ2個で浮いている側を押さえる−懸け子の狂いを直している硝子板を浮いていない方の一方を押さえるのに利用・もう一方の浮いていない側を石膏雌型で押さえる。
*一度、途中で取り出してみたときは、一応直っていたが、、、どうなるか?
身の見込みを荒砥で水研ぎ。

〔木魚の修理〕砥の粉を取り除く為に荒砥やペーパー#180で水研ぎ。
砥粉はなかなか取れてくれない。水でぬれているとき、荒砥で削るとすぐ取れる。

6.11(水)

〔乾漆M〕*夜間のみ熱処理−サーモ33℃設定。昼は室温。
夕、クランプを外してみると、蓋はまだ1ミリほど浮き上がっている。
180°回転し、クランプで固定し直し、熱処理開始。
身…内側を荒砥で水研ぎ、リグロインで薄めて生漆を吸わせ、拭き取る。裏に軽く重石をしておく。

〔木魚の修理〕砥の粉を取り除く為に荒砥やペーパー#180で水研ぎ。

*月曜夕(反省会に行くとき)、火曜朝(駅から)と、2.5kmほど歩いたが、今日痛みは残っていなかった。
支部展、招待ハガキを出したうち、半分ほどしか見に来てくれなかったようだった(回収分、記名より)。
S県会議員(10才若い)は、砥波での個展のときに続いて、見に来てくれた。伝統文化は、接することが第一歩。
*今夕は、支部会費の領収書、納入依頼の件で、かなりの時間を取られる。

6.12(木)

〔乾漆M〕*朝方、茶箱の蓋をまくっておいて、少し強めの熱処理。昼は室温。
(夕)蓋の1mm程の浮き上がりは直っていない!
*今まで、懸け子の方に熱が多くあたるようにしていたが、蓋に直接熱がかかるようにする。
暫く、茶箱の蓋を取っていたが、強すぎる気がして、また蓋を載せて置く−隙間はあけている。
蓋の狂いが直らなかったら、どうしよう?I am disappointed.
身…アクリル平面定規で入り隅の位置を確かめる。うまくチェックできなかったので、素地側の位置を鉛筆で書き、定規を当ててズレを見る。2ヶ所僅かにずれている感じ。正しい位置から垂線を下に引き、彫刻刀で削り込む。
入り隅が甘くなっていたのを修正する為だが、今度は素地が狂わないか?

6.13(金)

〔乾漆M〕*夕見ると、蓋の浮き上がり(反り)は、全く直っていない!
その上、クランプで押していた辺りが少し凹み、少し離れたところに、小さい亀裂さえ見える。
ガラス板2枚で挟み(上に載せるだけで、端は水平になる)、クランプで固定(あまり締め付けない)。
*懸け子の方は、硝子板から外した時は、ほぼ直っている感じだが、今後どうなるか?
身…もう少し、丸彫刻刀で削ってから、小さい砥石を隅の形に合わせ、入り隅を水研ぎする。
端の麻紐の上あたりも研ぐ。研いだところに生漆を吸わせる。

〔木魚の修理〕ペーパー#180で水研ぎするも、なかなか砥粉が取れてくれない。

6.14(土)

〔乾漆M〕朝まで熱処理。
夕見ても、蓋の浮き上がり(反り)は、全く直っていない!懸け子も直りきっていない。
硝子板を載せて置くだけにする。
身…入り隅の形を整えるため、アルミ片で定規を作る。
内側の谷を埋める。外側の片方を錆で形作り。

6.15(日)

〔乾漆M〕蓋…端をガラス板に貼った#80ペーパーで空研ぎし、水平に近づける。
内側を空研ぎ。
懸け子…裏底、端を硝子板に貼った#80ペーパーで空研ぎし、水平にする。
内側を空研ぎ。入り隅部分を定規を当てて決め、刃物で隅を作る。
身…内側を空研ぎ。昨日の錆付けも空研ぎ。

〔木魚の修理〕ペーパー#80で空研ぎする。頭蓋骨の感じのところの木を出す。

*空研ぎしたところにリグロインで薄めた生漆を吸わせる−乾漆、木魚とも。

6.16(月)

〔乾漆M〕蓋・身…入り隅の内側にあたる山を丸ノミで少し削る。
#80ペーパーで山を低くしながら、滑らかにする。
内側全体を空研ぎ。
リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
*端を固めることが最優先なので。
懸け子…端を空研ぎし、錆箆付け−硝子板に押し、ガラスにくっ付いた部分を箆で均す。

〔木魚の修理〕ペーパー#80で空研ぎする。彫刻刀で削ったムラの部分の木が顔を出す。
リグロインで薄めた生漆を吸わせる。

6.17(火)

〔乾漆M〕蓋・身・懸け子…端・裏底を#80(ガラス板上)で空研ぎし、水平に近づける。
蓋・身…入り隅の内側にあたる山、凹みの目立つところなどを#80で空研ぎ。
山の両側、凹みなどに錆。端に錆(蓋のみ、硝子板に押す)。
懸け子…端に錆付け。

〔木魚の修理〕ペーパー#180で空研ぎする。
凸凹になっているので、錆を箆付けする。

6.18(水)

〔乾漆M〕蓋・身・懸け子…端・裏底を#80(ガラス板上)で空研ぎ(ゴム吸盤を裏からつけて、持つ)し、水平に近づける。
  *蓋の端と懸け子の裏底以外は、水平になっている。
内側を空研ぎ(#40布砥)。懸け子の入り隅を再度チェック。
蓋…端の狂い1.5mmほどを直しているから、減った側の外脇の高さ(肩の高さ)は1.5mmほど低くなっている。
高い側(浮き上がった側)の肩の高さをトースカンで確かめながら、#40布砥で研ぎ減らす(限度はある)。
アクリル定規を当てると、少し楕円形に歪んでいたので、出すぎのところを研ぎ込む。
蓋・身…端の外回りの麻紐のあたりを研ぎ、垂直に近くする。
蓋・身・懸け子…リグロインで薄めた生漆を吸わせ、布で拭き取る。

〔木魚の修理〕布砥#40で空研ぎする。まだ木が顔を出す部分があった。
リグロインで薄めた生漆を吸わせる。布で拭き取る。

6.19(木)

〔乾漆M〕蓋・身・懸け子…端・裏底を#80(ガラス板上)で空研ぎ(ゴム吸盤を裏からつけて、持つ)し、水平に近づける。
*昨日同様、蓋の端・懸け子の裏底以外は、水平になっている。
蓋…身と重ね合わせ、入り隅の位置をチェック−アクリル平面定規でもチェックし、決める。
入り隅が甘くなっているので、丸ノミで削り込む。
端の足りない部分に錆。外脇の足りない部分(端を削りこんだ側)に錆。
身…外脇の入り隅の片側を錆で形直し−6.14と同じ側。
*片側を作ってから、それを基準にもう一方を作り直す予定。
懸け子…入り隅の位置をチェックしなおす。
掛となる端の削りすぎに錆。高台の裏底の足りない部分に錆。
*どう作業を進めればいいか、見当がつかない。
一番の問題点は、作業を進めるごとに狂いが発生するところにある。
熱処理の所為で、そんなには狂わないとは思うが、、、

〔木魚の修理〕#180で空研ぎする。
彫り傷が目立つところに錆。

6.20(金)

〔乾漆M〕(朝)蓋・懸け子…端・裏底を#80(ガラス板上)で空研ぎ。蓋の端、懸け子の高台裏に錆付け。
(夜)端・裏底を#80(ガラス板上)で空研ぎ。蓋の端の一部、不硬化。
蓋と身を重ね合わせ、ズレを見る−アクリル平面定規でも確かめる。
空研ぎしながら調整していくが、合わない!
合わせる隅をずらしていくも、同じ感じに狂いが現れない!
出過ぎている回数が多い部分・
凹み過ぎの感じが多い部分をチェックし、アクリル平面定規で確かめ直す。
・・・空研ぎで研ぎ込む(生漆を吸わせる−蓋の入り隅を削って作ったところも)・
錆をつける
*どう直していけばいいのか?

〔木魚の修理〕#180で空研ぎする。
凹みの目立つところに錆。

6.21(土)

〔乾漆M〕蓋・懸け子…端・高台裏底を#80(ガラス板上)で空研ぎ。
蓋を身を重ねても狂いの原因がよく分からないので、アクリル定規で身の狂いを見る。
身の狂いは少ない−それに合わせて蓋の狂いを見るて、外に出過ぎている2辺の内に錆。
蓋…入り隅のところを荒砥で空研ぎ。(内に錆をしたのは、その後)
身…立ち上がりを付けるための端幅作り(錆)。入り隅のもう一方の側を錆で作る。研いで欠けてしまった角に錆。
懸け子…端の外側に錆を付ける−入り隅は除く。

〔木魚の修理〕#80で空研ぎする。
凹みの目立つところや木が出たところに錆。

6.22(日)

米糊を作る。糊漆を作る。古いのと混ぜて、寒冷紗で漉す。

〔乾漆M〕蓋・身・懸け子…端・高台裏底を#80(ガラス板上)で空研ぎ。
身…端幅を作った内側の段をこくそ(+錆)で埋める。入り隅の左側(昨日と同じ所)に錆。布の出ている部分に薄く錆。
蓋…外に出すぎている部分を#80で研ぎ込む。内の足りない部分に錆。外の布の出ている部分に薄く錆。
懸け子…端の外側に錆を付ける−入り隅は除く。

〔木魚の修理〕#80で空研ぎする。
凹みの目立つところや木が出たところに錆。

6.23(月)

〔乾漆M〕身…アクリル平面定規を当てて、シッカリ確かめると、出入りがある。
*隅同士を定規に合わせるて、隙間が見える部分をまずチェック。
蓋…同じように基本的な狂いを見てから、身と合わせ、狂いをチェックし、空研ぎで直す。
身・懸け子…裏底が高台底より、外に出ていた!特に身は、何時狂ったのか?
少し空研ぎ、荒砥で水研ぎ−直らない!
身…端幅を作った段を埋め、もう一度端幅を作る−錆。
外の足りない1辺に錆。入り隅の左側を錆で作る(3回目)。裏底の布が出たところに錆。
蓋…隅が外に出すぎている内側に錆。布が出たところに錆。
懸け子…裏底に錆。凹みに錆。

〔木魚の修理〕荒砥で水研ぎ。
木が出たところを中心に、触ってでこぼこしているところに錆。
錆を合わせる。

6.24(火)

*昨晩、インターネットが全くつながらず、アップロードできませんでした。

(朝)〔乾漆M〕身…空研ぎし、端幅の段を埋め、端に錆下地箆付け。
   蓋…空研ぎし、端に錆下地箆付け。
   懸け子…高台裏に錆下地箆付け。
   
〔木魚の修理〕余った錆を木の出たあたりにつけておく。

〔乾漆M〕蓋・身…端を擦りガラスで水研ぎ(山科地の粉#120篩を撒いて)し、水平を作る。
蓋と身の外形の合わない部分を探す−アクリル定規でも確かめる
  ・・・出ている部分を空研ぎ。内に錆をつけるべきところをチェック。
蓋…外に出すぎている部分の内側に錆。
懸け子…高台底を擦りガラスで研ぐ。 外縁に錆。
身…立ち上がりを付ける−目の細かい麻布の両面に糊漆、約30分放置。
 内脇(端付近)の糊漆を渡しておく、貼り付ける前にももう一度渡す。
 目測で1センチ余りが端から上、1センチあまりが貼り付け部分。
 貼り付け部分の布の浮きを直す。
 立ち上がりの出入りを、鋏で切れ目を入れて、調整する。
*立ち上がりを付けるのはまだ時期尚早だったが、仕方がない。

〔木魚の修理〕余った錆を木の出たあたりにつけておく。

6.25(水)

(朝)〔乾漆M〕身…立ち上がりの端の出入りの狂いに鋏で切れ目を入れ、糊漆をつけ、洗濯バサミで押さえる。
中に空になった漆桶を入れ、裏返し、高台裏に下地。

かなり歪んでいる
〔乾漆M〕蓋・身…外形を合わせようと、出入りをチェック。入り隅の深さを切り出しで削って揃えようとする。
アクリル定規の向きを裏返し、蓋用にする。蓋の狂いをチェック。
身…立ち上がりの狂いの大きいところに切れ目(朝貼ったのを外すor鋏で切る)。手で位置を直す。
 こくそを内側に渡す。
 外脇の足りない辺・隅に錆び付け。布が出ている部分に薄く錆。
 高台底に錆+こくそ。
蓋…出すぎているところを空研ぎ、薄く錆を付ける。
懸け子…少し小さすぎて、立ち上がりに載らないかもしれない−外縁に錆+こくそ。

6.26(木)

(朝)〔乾漆M〕身…こくそのところなどを空研ぎ。 高台底、硬化不十分。
たちあがりの出入りの狂いに鋏で切れ目を入れ、外側から刻苧でくっ付ける。
蓋…端に錆付け。

〔乾漆M〕蓋…アクリル定規を当て、狂いがないか見る−はっきり分からない。
蓋・身…外形を合わせようと、出入りをチェック。身に一箇所ずつ出すぎと、足りない部分がある感じ。
合わせたまま、合い口の両側に錆を渡す。 (約15分後)分離し、バリを切り出しでソッと削る。
身…立ち上がりの内側にこくそ。内に入りすぎているところに竹ひごを当て、調整する。
懸け子…外縁に錆付け。

〔木魚の修理〕荒砥で水研ぎ。 錆を見る。

6.27(金)

(朝)〔乾漆M〕蓋と身の入り隅を合わせ、研ぎ合わせる。
身…立ち上がり空研ぎ、外側の内に入りすぎている部分に刻苧。竹ひごで押さえる。
高台裏に錆下地。

〔乾漆M〕蓋…アクリル定規が内側に嵌まるよう、隙間を確かめながら、空研ぎ。
蓋と身を合わせ、外形の狂いを見る−入り隅付近のズレは、どちらの所為か確かめる為、アクリル定規と蓋を合わせてみる。
蓋の端幅を見、広すぎる時は、蓋の方が出過ぎている。端幅を幅定規で確かめる。
結局、身の一辺と一ヶ所に僅かの凹み。
身の裏底が高台底よりかなり外に出ているので、空研ぎで直そうとするが、全く駄目。
丸ノミで布1枚分を削り取る−それでもまだ少し高いが、#40空研ぎで研ぎ落とす。
蓋…内側から端まで、リグロインで薄めた生漆を吸わせる。入り隅の両側の形を、引き箆を使い、錆で作る。
身…立ち上がりの内側に刻苧(木の粉分が強い。錆も混ぜる)。外側の内に入りすぎているところに刻苧。竹ひご1本。
合い口外の凹みに錆(蓋を載せ、それに合わせて)。
裏底の削ったところに錆(内側の反対部分にも錆)・・・その前に、リグロインで薄めた生漆を少しだけ吸わせる。
懸け子…外縁など、端付近にリグロインで薄めた生漆。

〔木魚の修理〕荒砥で水研ぎ。 リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
*梅雨のように漆がよく乾く時は、溶剤が何であろうが、乾くのに大きな差は出てこない。
 湿気の少ない時に、リグロインとの乾きの時間差は、非常に大きい。

6.28(土)

(朝)〔乾漆M〕身…立ち上がりを#40で空研ぎ。出ているところを切り取る。
立ち上がり端の高さの高すぎるところを鋏で切る。
付け根のところで切れている部分を刻苧で接着。

(午前)立ち上がりの内側に目の細かい麻布を貼る−下から貼り始める・バイアス方向に。
〔木魚の修理〕#80で空研ぎ。切り子地を本体部分に刷毛付け。

(午後)懸け子…荒砥、キング#1000などで水研ぎ。
蓋…水研ぎ。布が出たところに生漆を吸わせる。
身…立ち上がり端から上に布の出ている部分を切り取る。立ち上がりが外に動いた!
水研ぎ。布がでた所に生漆。裏底は研ぎきれない。

(夜)中塗り・・・懸け子(裏底以外)。蓋(外側、合い口端まで)。身(裏底−外脇)。
24℃、60%。

6.29(日)

*大場先生の研究会でした。

〔乾漆M〕身…立ち上がりの内側(内に入りすぎている部分は除く)に刻苧。
裏底の削ったところを荒砥で研いでから、刻苧。
外脇の凹んで見えるところに錆。
懸け子…掛部分が内に入りすぎている感じなので、麻紐を1周巻く。
蓋…凹んで見えるところに錆。

〔木魚の修理〕荒砥で研いで、リグロインで薄めた生漆を吸わせる−下地固め。

6.30(月)

(朝)〔乾漆M〕身…立ち上がりの出入りの反対側に刻苧。
懸け子…ガラス板に貼ったまま、刻苧。

〔乾漆M〕身…立ち上がりの出入り(狂い)をチェックし、反対側に刻苧。
また裏底が膨らんでしまったので、高台に麻布を貼る。
懸け子…刃物の先を硝子板との隙間に入れ、分離。掛の裏から刻苧。
蓋…端に錆下地付け−角がガタガタなので。

〔木魚の修理〕持ち手側に少し錆。ガタガタの所を空研ぎすると、またも砥粉。

7.1(火)

(朝)〔乾漆M〕身…高台底のはみ出た布を切る−まだ裏底の方が外に出ている。
 立ち上がりの出入り(狂い)の反対側に刻苧。
懸け子…端の上の隙間に刻苧。
蓋…ガラス板に砥粉を撒いて、水平研ぎ。一辺分ほど低い−また歪んだのか?そこに錆。

〔乾漆M〕身…立ち上がり用の定規をアルミ片で作る−上が少し内に入るように。
 定規を引いて、刻苧を立ち上がりの外側に付ける。
高台の布に刻苧を渡す。 *また高台のほうが外になっていた(布だけのときに)。
懸け子…裏に刻苧を渡す。
蓋…甲の中央に向かう線を揃える定規をアクリル薄板で作り、当ててみると、中央が狂っているのに気付く。
紙で円を切り抜き、錆を円周の内側に沿って渡す。
端に錆を渡す。
*蓋がまだ動くようで、外脇が外に出ていた!

7.2(水)

(朝)〔乾漆M〕身…立ち上がりの外側の足りないところに刻苧。
蓋…中央の円の低いところに錆。

〔乾漆M〕身…立ち上がりの端幅を見て、太いところを切り出しで削る。1.5cm幅ぐらいの薄い麻布を貼る。
 高台のところに錆下地。
蓋…中央に向かう曲線の片側を錆で作る。
 側面の線用の定規をアクリル薄板で作る。
懸け子…外縁と掛の裏に錆を渡し、引き箆を引く。

7.3(木)

(朝)〔乾漆M〕身…立ち上がりの外側と端に錆下地を引き箆で渡す。
蓋…端を擦りガラスで水平研ぎ−3cmほど低いところがある。錆を渡す。

〔乾漆M〕身…立ち上がりの端から外側にかけて薄い和紙を貼る。余った分を内側に貼っておく。
*6.24に付けた立ち上がりにかなり切れ目を入れているので、補強の為−和紙の繊維の方向が横に強いように。
内側の布を貼った段に刻苧。
懸け子…外縁を境に両側に和紙を貼る。麻紐の補強−和紙の繊維の方向が中心に向けて強いように。
*裏底がまた膨らんだので、高台に麻布を貼る。
蓋…中央に向かう曲線2本目の片側を錆で作る。
*側面をアクリル薄板で直そうとしたが、うまくいかず。
麻紐で補強しているのを殺すような、単なる錆による装飾なら意味がない!
別の方法を考えなければならない。定規というより、ガイド?

7.4(金)

(朝)〔乾漆M〕身…立ち上がりの外側と端に錆下地を引き箆で渡す。
蓋…甲の中央への曲線1本目の反対側に錆−箆を倒し気味に。

〔乾漆M〕蓋・身…被せ具合を調整する−摺り合わせを繰り返し、錆下地の擦り傷が出来ている部分を研ぐ。
外形を合わせ、主に狂っている蓋の方を砥石で水研ぎ。
身…立ち上がりの端幅を定規で見、太い部分を研ぐ−内or外、どちらへ狂っているか確かめて。
立ち上がりの外側を水研ぎしてから、端幅を錆で作る。
蓋…甲の中央への曲線の3本目の片側をアクリル薄板を定規にして作る。
外脇の布の出た部分に生漆を吸わせる。
懸け子…立ち上がりに懸けても、ぐるぐる回るほどで、余裕がありすぎる。
掛の下に刻苧をわたし、隅を丸くする。
高台裏に刻苧。

7.5(土)

(朝)〔乾漆M〕身…立ち上がりの端幅の段を錆で埋める。
蓋…2本目の曲線の反対側に錆。1本目の曲線の最初の側に錆。
懸け子…空研ぎするも乾き悪し。

〔乾漆M〕身…立ち上がりの内側を#40で空研ぎ。プラスチック箆で布貼りの段を埋める。
*錆を合わせてかかる。
蓋…3本目の曲線がずれていたので、削り取り、作り直す。
*蓋・身とも、麻紐の目立ちすぎるところを空研ぎしてかかる。凹みに錆。
懸け子…掛の隅、高台底に刻苧。

(時間を置いて)身…高台付近に錆下地付け。轆轤を使う。
蓋…2本目の曲線の最初の側に錆。1本目の曲線の反対側に錆。
*側面の曲線をどう作るか、決定できない。

7.6(日)

〔乾漆M〕(朝)空研ぎ。
身…内脇の布の段のあたりに、錆下地プラスチック箆付け。
蓋…曲線のところに錆。

(昼)蓋…曲線や中央を砥石で研ぐと、塗膜が剥がれてきた!
 ガムテープで塗膜を引っ張ると、次々に剥がれてきた
 −下が艶消し不足の所ばかりではなく、白く艶が消えているところも!
蓋の端がガラス板に置くと、また浮いていた!=歪んだ!
 *ここで修正しても、また動くだろう。待つしかない。
身…内側の錆付けのところを水研ぎ。
*側面の曲線用に薄いアクリル板を切り、鑢で削る。
*側面に当てて、曲線の位置を鉛筆で書く。
蓋…中央の円のところに錆箆付け。
側面の一箇所にアクリル板に合わせて錆をわたす。
 *ガイドではなく、定規として使ってみたが、、、
身…立ち上がりの内側に錆箆付け。
側面の一箇所に曲線を錆で作ってみる。

(夜)蓋…昼に作った線とつながる線を作る。
身…線を作ろうとする所から、少し離れたところにガイドとして置き、それに沿わせて錆の山を残す定規を作る。
昼の線につながるように、錆の山を作る。別のところにも。
*アクリル板を定規として使うのに、両面テープで固定しても、素地との間に隙間ができやすい。
ガイドとして使えば、素地との間に隙間があっても、山は普通に残っていく。

7.7(月)

〔乾漆M〕(朝)蓋・身…ともに側面の曲線を一辺分作る−アクリル薄板をガイドとして使用。

(夕)側面2辺で1本になる曲線の一方を錆で作る。(ガイドとして)
蓋…合い口に接する側の辺から。身…外腰につながる側の辺から。

〔木魚の修理〕#280ほどの人工砥(小)で、生漆で固めた面などを水研ぎ。

(夜)夕に作ったのにつながる線を錆で作る。
蓋…合い口側からの線と甲の肩からの線の間の辺。
身…合い口付近と外腰からの線がうまく流れる感じに。高台の角を作る。
*両面テープの糊分を取り除いてから、布が出ている部分などに錆。
懸け子…掛の裏の外腰・高台に錆+刻苧。

7.8(火)

〔乾漆M〕(朝)蓋・身…ともに側面の曲線のまだ出来ていない部分に錆。

蓋のガラス板からの浮きがひどくなっている!
*身の裏底がまた高台底より外に膨らんでいる
*通常の乾漆でさえ、甲や底は2枚ほど多く布を貼るというくらいだから、麻布2枚造りは無理なのか?
蓋…内隅を荒砥で研ぐ。外側を#280やキング#1000などで研ぐ。
 曲線を稜ができるように研ぐ−足りない部分に錆。
身…内隅を荒砥で研ぐ。曲線を稜ができるように研ぐ。
見込みに薄い麻布を貼ってみる。 足りない部分に錆。
懸け子…掛の幅を錆で作る。

7.9(水)

〔乾漆M〕(朝)身…裏底が出たままなので、高台裏に麻紐を4条巻く。
蓋・身…ともに側面の曲線のまだ出来ていない部分に錆。
懸け子…外腰の入り隅あたりに、錆を渡す。高台底にも。

蓋…内から外まで砥石で研ぐ。曲線はつながる感じに。
懸け子…入り隅の位置を同心円定規で確かめ、研いで形を作る。全体を研ぐ。
身…曲線の流れを作るように研ぐ。研いでいなかったところを研ぐ。
蓋・身・懸け子…全体にリグロインで薄めた生漆を十分吸わせ、布で拭く。
〔木魚の修理〕研いであったところに、リグロインで薄めた生漆を吸わせる。

7.10(木)

〔乾漆M〕(朝)身…高台裏に巻いた麻紐の外隅に錆。曲線付近の凹みにも。
懸け子…外腰や内腰の形を整える為、錆。

*蓋と身を重ね合わせると、隙間が見える。
 蓋は、半日重石、その後は生漆で簀にくっ付いたままだったのに、ガラス板に置くと、歪んでいた
*身の裏底は、もう麻紐を貼り付けたほどまで、膨らんできている
身…蓋より出ている部分を切り出し小刀の刃を垂直に当てて削る。
 内底に刻苧+錆。高台(麻紐)の外隅にも。
 曲線の合い口付近の小さなズレに錆。
懸け子…高台付近の形をそろえる定規をアルミ片で作り、刻苧+錆。掛の足りない部分の外縁にも。
 錆を少々みる。
蓋…浮き上がった端に錆をわたし、ガラス板に押す。
 中央付近の曲線の乱れに、アクリル薄板を定規に、錆付け。

7.11(金)

〔乾漆M〕(朝)身…高台裏に巻いた麻紐の外隅に刻苧+錆。
懸け子…外縁の大きく足りない辺に刻苧+錆。形が整っていない辺に錆。
蓋…端に錆。中央付近の曲線の反対側に錆。

蓋…端の水平研ぎ−甲にゴムの吸盤をつけて研いだのだが、その力が強すぎたのか、ガラス板に置くとまだ隙間があった。
   ・・・端に錆。
身…高台の外側に刻苧+錆。内底に錆−急に重い感じになる。立ち上がり端に錆。
懸け子…高台付近を錆で(形定規)。掛の外縁・幅を錆。etc.

7.12(土)

〔乾漆M〕(朝)身…内底に錆箆付け。高台付近に錆箆付け−轆轤使用。
蓋…擦りガラスで水平研ぎ−上からあまり力を加えないように回し研ぐ。
 まだ足りない部分があったので、錆わたし。
懸け子…入り隅付近、高台付近、外縁などの形の狂いを目測で直す−錆。

蓋…擦りガラスで水平研ぎ。やっと研ぎあがる。
 身に被せて、久し振りにピタリと合う。
身…端幅などを見ながら、研ぐ。
 *朝、高台付近を錆付けしたのは、一部、不硬化。
懸け子…形を作るように研ぐ。
*凹みなど、目立つところに錆。

7.13(日)

〔乾漆M〕懸け子と立ち上がり端の合わせ具合を見る。
立ち上がりの方が、外に出すぎている感じ(特に入り隅付近)。
懸け子を同心円定規で見ると、あまり狂ってない感じ。

懸け子を研ぎ上げる。外縁の幅を錆で揃える。
身の端付近を水研ぎ・・・破れた所が水を含んで、余り良くなかったようだ。

蓋と身の被せ具合を見る。
合い口は、今のところピタリと合っているが、外形が狂ってしまっている。
被せ具合も、何か引っかかる感じで、調子が悪い。

蓋をアクリル平面定規で確かめると、外へ伸びている部分があった。
最初水研ぎしたが、水を布が吸い込むので、空研ぎに変更。
アクリル定規が、嵌まるようにする−内脇を研ぎ込む。
身の出すぎている部分を削る。
蓋と身を合わせ、足りない側に錆付け。

懸け子…端幅が足りないところを錆で作る。etc.
合わせ錆の、蓋と身を分離・・・20分後ぐらいか。
蓋…内脇に薄く錆。etc.
身…内底に錆付け。内脇の凹みに錆。立ち上がりの布などが出たところに薄く錆。
 外脇に錆。高台付近に錆。裏底に錆。
*蓋が動いては、どうしようもないので、薄い錆付けにしたが、、、
*中塗りの予定が、全く駄目になった。(約8時間の作業)

7.14(月)

〔乾漆M〕(朝)蓋と身…合わせ錆。
懸け子…掛の厚みの少し足りない部分に錆。

蓋・身…曲線を繋がるように研ぎ合わせる。合い口付近を研ぎ合わせる。
 分離すると、角がかなり欠けてくる。
 ずらして合わせると、外形が全く合っていない!
蓋…アクリル平面定規を当て、狂いを見る。外に出すぎている入り隅がある。
何度も身にあわせたり、定規に合わせたりして、狂っている場所を探す。
*やっと蓋の端が水平になったのだから、それをまた歪めるようなことをしてはならない。
*曲線がずれる合わせ方の場合、合い口に曲線が来ない辺同士だけ、合わせることが出来るのだと気付く。
蓋・身…合わせ錆―蓋の方に、錆が付かないよう空研ぎをしていた。

7.15(火)

〔乾漆M〕(朝)蓋と身…合わせ錆−曲線が合わない辺同士を合わせ、合い口に曲線が無い辺に。
少しして、分離。曲線が繋がる合わせ方で、主に身の足りない側に。少しして、分離。

懸け子…高台や端を主に研ぎ、後は研いで無かった部分を研ぐ。
蓋と身…合わせ研ぎ。一辺ずつずらし、出ている部分を研ぐ−一度に研ぎ潰さず、ずらして少しずつ直す。
合い口に曲線がくるあたりは、向かいの辺に合うように曲線を斜めに研ぎ落とす。
蓋・身…外側を研ぎ上げる。水研ぎしたので、すぐ水分を拭き取る。
中塗り・・・懸け子(裏側)、蓋(表側)、身(裏から外側・立ち上がりまで)
*麻布二枚貼りは、熱処理をしない乾漆造りと似ているのかもしれない・・・何か作業をすると、次の日には動いている。

7.16(水)

〔乾漆M〕(朝)中塗りしたところの錆をみる。 *蓋の甲の盛り上がり方の狂いが目立つ。
*少し前まで、生漆で固めたり、錆をみたとき、漆の影響で素地が歪むかと、軽い重石を上に載せていた。
その後、必ず歪んだので、この2日ほどは、重石を置かないことにしている。
2枚しか貼っていないので、漆桶2個(100匁の空)でさえ、逆に歪む力を与えていたのではなかろうか?

蓋と身…小さい砥石で合わせ研ぎ。曲線の上を名倉砥で。
蓋…内側を研ぐ。外脇は、名倉砥で。
身…内側から外脇まで研ぐ。 *内底は中央が極端に凹んでいる。
懸け子…大体研いでしまってあったので、外縁や錆を研ぐ。
中塗り・・・蓋(内から外脇)、懸け子(表側)、身(内から外脇) 23℃、63%。

7.17(木)

〔乾漆M〕(朝)中塗りしたところの錆をみる。 角、身の内底の凹み、、、

曲線をきれいになるように研ぐ(少し高すぎる気もしていたこともある)。小さい中目の砥石、名倉砥。
身の内底の凹みの周囲を荒砥で研ぎ落とし、少しでも目立ちにくくしたいのだが、、、
*裏底の方は、戻り始めたようで、麻紐を巻いた7.9の嵩上げは不必要に見えるくらい。
外脇を名倉砥で研ぐ。
面が凹みぎみのところ、立ち上がりが内に入りすぎているところ、その他目立つ穴などに錆。

7.18(金)

〔乾漆M〕(朝)身の見込みの凹みに箆付け。
蓋の端・立ち上がり端に錆付け−角のガタガタを直すため。
面の凹みに錆。
懸け子…掛の裏角を錆で作る。

蓋…端の水平研ぎ。曲線を研いで直す。面を研ぐ。(名倉砥など)
身…端・裏底の水平研ぎ。曲線を直す。面などを研ぐ。
懸け子…裏側から外縁まで研ぐ。
中塗り・・・懸け子(裏−外縁)、蓋(表側)、身(裏−立ち上がり) 25℃、62%
*蓋の入り隅の線が乱れている。

7.19(土)

〔乾漆M〕(朝)蓋・身…入り隅の片側を、垂直定規を当て、錆で作る。凹みに錆。
身の内底の凹みに錆。

(夕)蓋・身…朝の反対側を錆で作る。凹みに錆。
懸け子…外腰の入り隅を錆で作る。外縁に錆を渡し、角を作る。

(約2.5時間後)蓋・身…内側を研ぐ。名倉砥。内脇は中目。
端から内側、中塗り。 28℃、60%。除湿機を使ってみるが、2%ほど落ちただけ。

7.20(日)

〔乾漆M〕(朝)蓋・身…端幅の狂いを目で見て、内側に錆。
身の内底の凹みに錆。

(昼−夜)懸け子・蓋・身…キング#1000、中目砥、名倉砥で、全体を大体研ぐ。
中塗りする側を静岡炭で研ぎ上げる。
*静岡炭研ぎは、この時点では、多少誤魔化し研ぎの意味がある=まだ形が決まっていない。
*身の内底の凹みへの錆は、厚すぎたのか、不硬化。研ぎ込んでおく。凹みは直りきらない。

〔木魚の修理〕静岡炭で生漆固めのところを研ぐ。
中塗…掛子(裏側−外縁)、蓋(表)、身(裏−立ち上がり)。
〔木魚の修理〕木魚の本体に黒漆塗り。29.5℃、58%。
*除湿機を使ったが、あまり湿度が落ちない。工芸高校の時並みに、漆はすぐ締まった。
中塗りなので、出来るだけ早く乾いてほしい=エアコンは使わない。

7.21(月)

〔乾漆M〕蓋…内側を名倉砥で研ぐ。外側を名倉砥で研ぐ−曲線・入り隅を入念に。
身…内側をキング#1000(見込み−昨日不硬化の錆は乾いていた)、名倉砥でとぐ。
 外側の曲線、入り隅の垂直に注意して研ぐ。
蓋…錆を見る−見込み、内隅、内脇、端幅の作り直し、入り隅、甲の中心付近の凹み。
身…錆を見る−見込み(昨日不硬化だったところは薄く2回に分けて)、内隅、内脇、立ち上がりの内に入りすぎている部分(合い口端幅を揃える)、立ち上がり幅を揃える、昨日浮きを発見し破っておいた穴(薄く2回に分けて)、入り隅、高台の外側の凹みなど。
〔木魚の修理〕少し縮み(彫刻のところはかなり)。少し錆をみる。

懸け子…表側から外縁まで研ぐ−静岡炭。
蓋…錆研ぎ−名倉砥。
身…錆研ぎ−名倉砥。
*日華赤口25gを木地呂4gでかため、練る。木地呂を足し、古い赤口に近い朱と混ぜる。付け。
*日華黄口の古いものを纏める。一部、約1/4量の木地呂漆を足し、付けをとって置く。
中塗り・・・掛子(表側)、蓋(内−外脇)、身(内−外脇)
*湿度計のことだが、雨がやんで太陽が顔を出し、錆がすぐ締まっても、
少しして、錆の乾きが遅くなっても、60%ほどを指している。
漆は明確に湿度の変化を捉えているのに、湿度計は鈍い。

7.22(火)

〔乾漆M〕(朝)蓋・身…端幅を作った段を埋める。目立ちすぎる入り隅も少し埋める。etc

蓋と身の入り隅を合わせようとしたが、埋めた錆が邪魔をして、よく分からない。
アクリル平面定規に戻り、鉛筆で印を付け、名倉砥で研ぐ。
名倉砥で塗る側を大体研ぐ。一部、中目・キング#1000。後は静岡炭。
中塗り・・・懸け子(裏側−外縁)、蓋(表)、身(裏−立ち上がり外)。

7.23(水)

〔乾漆M〕(朝)蓋・身…入り隅の深すぎ、小さい凹み、角etcに錆。

蓋と身を合わせ、名倉砥で入り隅を順に研いで合うようにする。
蓋・身…外脇(曲線・面)、内側を名倉砥で研ぐ。静岡炭で研ぐ。
懸け子…表側を名倉砥、静岡炭で研ぐ。
中塗り(MR黒漆)・・・蓋(内−外脇)、身(内−外脇)、懸け子(表側)。26℃、63%。
*湿度計はどう考えても、20パーセント近く低く表示されているのではないか?雨続き、15分程で硝子板の漆が締まり始めている。

7.24(木)

〔乾漆M〕(朝)蓋・身…端幅を作り直したところがガタガタなので、錆。etc
*中塗りの一部、縮み。

端・高台底…擦りガラスで水平研ぎ。
蓋・身…合い口を擦り合せ研ぎ。
外側を名倉砥、静岡炭で研ぐ。
合い口角(外側角)を初めて落とす−静岡炭。
懸け子…表側を研ぐ。内腰に浮き−刃物で穴を沢山あける。
朱塗り(赤口)・・・蓋(表−合い口端)、身(裏−合い口端)、懸け子(表)。25℃、62%。

7.25(金)

〔乾漆M〕(朝)少し艶は落ちていたが、光っていたので、湿り風呂に移す。
(約1.5h後)蓋・身…端幅を作り直したところがまだ少しガタガタなので、錆。etc

*入り隅の垂線方向も狂っている感じ、形も狂っている、、、どうする?
蓋と身を重ねて、入り隅の合わせ研ぎをしてみるも、揃わない。
懸け子…載せると少しガタがある−隙間を見て、チェックし、研いで直そうとしたが、うまくいかない。
掛の厚さほどのアクリル片とアルミ片を重ねて間にはさみ、端側に滑り用アクリル板、裏側に砥石を持って、研ぎ、直す。
裏側を研ぐ。
蓋…内側を研ぐ。名倉砥、静岡炭。
身…内側を研ぐ。名倉砥、静岡炭。
*入り隅をどう研ぐかは、錆でどう形を作るかと同じと考えるしかない。
隅の形で狂いが少ない部分にペーパー#360を当て、名倉砥を研ぎ落として、形を合わせる。
少し離れたところに垂直定規になるものを置き、それに沿わせるように名倉砥を動かし、入り隅を研ぐ。
どうなるか?
中塗り・・・蓋(内側・入り隅)、懸け子(裏側)、身(内側−立ち上がり端まで・入り隅) 24℃、63%。

7.26(土)

〔乾漆M〕(朝)入り隅の形の悪いところなどに錆。懸け子の浮いた跡にも。

(昼前−)入り隅を合わせ、研ぎ合わせる。名倉砥で隅に形を合わせた棒状のを作る。
曲線が消えかかったので、研いで作り直す(低くなる)。
懸け子…裏の隅に縮み。研ぎ潰す。全体を研ぐ−名倉砥、静岡炭。
蓋・身…全体を研ぐ−名倉砥、静岡炭。 (−7:05pm)
黒漆塗り・・・懸け子(裏)、蓋(内側)、身(内側−立ち上がり外)。 (−8:20pm)
*左手に手袋をして塗る。入り隅にも極薄く。

(10:40pm-0:30am)小中塗り(朱塗り)
懸け子(表)、蓋(表−端)、身(裏−合い口端・・・裏から外腰は黒、朱との境は暈かし)
*少しして見ると、朱が垂れていたので、指で拭う。24℃、60%(下のスポンジを湿らせたので、上がっていくだろう)

7.27(日)

〔乾漆M〕締まり始めていたが、まだ光っていた。一部、指跡か、全く乾いていない(手袋をしていたのに)。
湿り風呂に移す。
*朝から岸渡川の江浚。晴れ出す。

*昼頃には、朱が乾いていた。指跡は、少し黒っぽくなっていた。
淡口を9グラム練る。チューブの木地呂を全部出すと、12グラムほどになる。
7.21に木地呂を足した黄口に混ぜ込む。(7.21のは、空風呂では、硬化せず)
蓋…朱塗りのところを静岡炭で研ぐ。かなり黒塗りが顔を出す。入り隅は?
身…外側(立ち上がりまで)を研ぐ。
上塗り・・・蓋(黄口と赤口を肩付近で暈かす)、身(赤口と黒を腰付近で暈かす)
*昨日のことでも分かるように、薄く塗っているつもりでも垂れてくるので、返しをとる必要がある。
暈かしに轆轤を使用せず、手回しで塗る。

7.28(月)

〔乾漆M〕朝、もうほとんど艶が落ち(朱は少しだけ光る感じを残して)、乾いているようだった。
24℃、65%(あさ)。昨晩塗り終わったのが、8:50pm。11:50pm頃まで返し。

*少し朱が溜まっていたが、どうなるか?縮みは無いようだ。
懸け子…表側を静岡炭で研ぐ。透き漆で上塗り(溜め塗り)。

〔木魚の修理〕木魚の本体を#360ペーパーで研ぐ。荒砥の研ぎ目がなかなか潰れない。
木魚の本体に透き漆塗り。28℃、60%。塗り2回目。

7.29(火)

〔乾漆M〕朝、懸け子が乾いていたので、湿り風呂へ。

静岡炭で研ぐ・・・懸け子(裏)、蓋(内)、身(立ち上がりより内側)
上塗り(能作黒漆)・・・研いだところ。 夕より雨になったので、エアコンで除湿。50%→55%(風呂)

7.30(水)

〔乾漆M〕朝、乾いていた。55%、25℃。
*本当の湿度はどれくらいなのだろう?

朱塗り・・・蝋色研ぎ(まず静岡炭研ぎ)
*何時も静岡炭の研ぎ傷が深く残るので、慎重にしたが、、、
*途中でだるくなり、2回寝転んで休む。コーヒー1杯で何とかなった。
*身と懸け子の底が異常に、それも中央付近が特に膨らんだのは、直しようがなかった。
 蓋がそれ程でもないということは、何故なのか?
 肩から中央に曲線が3本麻紐で作ってあったからか?

生正味漆を吸わせ、拭き取る。灯油で3倍ほどに希釈する。

7.31(木)

〔乾漆M〕蝋色研ぎ(蝋色炭)
朱塗り部分・・・剥げるのが怖く、途中でクリスタル#1500を使ったが、切れが悪く止める。
側面は、静岡炭の研ぎが不足だった感じで、つい蝋色炭に力を入れて研いでしまったが、、、
身の暈かしの少し下まで研ぐのに長時間かかってしまう。
*まともな蝋色研ぎは1年振り。
生正味漆を吸わせ、拭き取る。灯油で4倍ほどに希釈する。

8.1(金)

〔乾漆M〕胴擦り・・・蓋(朱)、身(朱−高台)
摺り拭き切り1回目。生正味漆を10倍ほどの灯油でのばす。
*蓋の甲の黄口がムラになる。モスリン(メリンス)で磨きこんでも黒っぽく残った。
どう考えても、低いところに生正味漆が残っていることになるから、クリスタル#1500で研ぎ、油砥粉で磨き直す。
*赤口もムラになるが、どうしようもない?
*身の裏底隅に縮み発見。塗りなおしか?

8.2(土)

〔乾漆M〕(朝)摺り拭き切り2回目。生正味漆を7-8倍の灯油でのばす。

身…内側を静岡炭で蝋色研ぎ。裏底を研ぐ。
摺り拭き切り3回目。生正味漆を約5倍の灯油でのばす。湿りへ。
蓋…内側を静岡炭で蝋色研ぎ。
摺り拭き切り3回目。生正味漆を約5倍の灯油でのばす。湿りへ。
懸け子…裏側を静岡炭で蝋色研ぎ。表側を研ぐ。
上塗り直し(透き漆)・・・懸け子(表側)、身(裏底) エアコンで湿度を落とす。
30℃、60%の表示が27℃、53%になる(風呂の戸を閉める前は45%)。
*朱は、静岡炭の傷が、隅付近を除いて、あまり無かったが、今回は?
*少しでも形が変化していくところは、ペーパー#1200を当てて、炭の形を直してかかった。

8.3(日)

〔乾漆M〕5:30am少し艶は落ちているが、光ったままなので、下のスポンジに水を吸わせる。少しして60%。
蓋…摺り拭き切り4回目。生正味漆を約4倍の灯油でのばす。

7:30am加湿シートに通電し、湿度を上げる。
8:15am身…摺り拭き切り4回目。生正味漆を約4倍の灯油でのばす。
9am−昨晩の上塗り直しのゴミを軽く潰す。
蓋…内側(黒)の蝋色研ぎ(蝋色炭)。胴擦り−静岡炭の研ぎ傷がひどく、約2時間。
内に摺り渡し。 摺り拭き切り5回目。約4倍。(−2pm)
身…黒塗り部分(内−立ち上がり。裏底)の蝋色研ぎ(蝋色炭)−蓋の凹面に静岡炭を合わせない失敗をしたので、注意する。
黒塗り部分に摺り渡し。 摺り拭き切り5回目。約4倍。(−5pm)
懸け子…蝋色研ぎの足りないところを蝋色炭で研ぐ。午前中にも、途中まで研いでいた。
胴擦り。摺り渡し。
朱塗り部分の摺り拭き切り6回目。
*黄口だけは艶が出ているが、赤口のところにはムラが残る。

8.4(月)

〔乾漆M〕(朝)朱塗り部分、摺り拭き切り7回目。生正味漆を3-4倍の灯油でのばす。

摺り落とし・・・三和の緑の粉を使う。
黒は、蝋色上がらず。朱は、蝋色が上がる。
*黒に胴擦り不足が見えたが、、、
摺り渡し・・・全体。(リグロインで油分を拭いてかかる) 約1.5倍の灯油でのばす。
*昨日の黒1回目の摺りの後は、白っぽかったが、今回は艶が見えた。
*欠陥…底の異常な膨らみ、入り隅の形が決まってない、合い口端が面になっていない、隅に縮みがあるのに気付くのが遅すぎた、曲線の所々に下の黒がみえる、静岡炭の蝋色研ぎが荒過ぎる、、、基本技術を身につけること!

8.5(火)

〔乾漆M〕(朝)包む布を切る。組み紐を通す。

摺り落とし。いろいろ字を書くetc
*重さの変化・・・6/7(土)395g(立ち上がりを除く)、7/21(月)491g、8/4(月)530g。

8.6(水)

〔乾漆M〕(朝)拭き上げ。箱詰め。荷造り。クロネコヤマト・・・

*母の里の後ろの家の方の通夜でした。小学生の時には、田圃でソフトボールをしてもらったり、、、
最後に会ったのは、7.27岸渡川の江浚のときでした。
世話をよくされ、人望の厚い方でした。

8.7(木)

〔木魚の修理〕木魚の本体を#500ペーパーで研ぐ。
赤口で小中塗り。32℃、62%をエアコン除湿で26℃、46%(風呂の戸を閉めて、50%・・・)

*本部送金の書類(昨年のを手直し)の作成など。
CDに記録したフォルダなどを削除し、マイドキュメントの空き容量を増やしたりしていました。

上へ  木魚の修理へ

URUSHIの仕事W2003.8.8

URUSHIの仕事Uの直前の記述(2003.4.28)へ

URUSHIの仕事U

目次へ戻る

分岐図へ

ホームへ