URUSHIの仕事 20 (2008−2009)

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11.2(日)

〔乾漆水指〕身…内脇や外脇の形の作り直し(下地)
入り隅の位置がずれていたところがあったので、削り、凹みの部分を下地+木の粉で埋める。
蓋…かかりとなる立ち上がりをまず下地で作る。昨日、その上に中の太さの麻紐を貼る。
(今日)身…空研ぎ。内脇に残る目立つ凹みを埋める。端幅を揃えるよう下地で作る。
〔乾漆盤〕外縁の外側半分ほどに麻紐を貼る。一番外は麻縄。
(今日)麻紐の上を空研ぎ。
〔紐胎杯〕(8個)下地付のところは砥石で研ぐ。全体をボンスターで艶消し。
全体にリグロインと灯油で薄めた生漆を吸わせ、布で拭き取る。
〔漆椀〕(数個)高台の外回りに巻いた麻紐のところを空研ぎし、薄めた生漆を吸わせる。
内側に麻紐を巻いた椀の、端幅付近の太くなったところを削り、下地などで埋めたところにも薄めた生漆。

11.3(月)

〔乾漆水指〕蓋…立ち上がりの外側に下地を定規で付ける。
内隅の麻紐の隅に竹箆で下地を付ける。
身…入り隅の形を、下地を渡し、引き箆で作る。
〔乾漆盤〕外縁の外側に麻縄を貼り足す(形ができていなかったので)。
*昨日、薄めた生漆を吸わせた時、一個、外側に漏れてきたのがあった。
内側の麻布が見えているものだと考え、内側に下地を付ける。

11.5(水)

〔乾漆水指〕蓋…内脇の麻紐の間に下地(木の粉混)を渡し、中の太さの麻紐を2周埋め込む。
身付きとの境の太い麻紐の隅にも中の太さの麻紐。
*深い凹みを厚みをつけて埋めるために麻紐を利用している。
身…入り隅の右半分を下地(木の粉混)で作る。
〔乾漆盤〕外縁の外側の麻紐・縄のところに下地つけ。
*隙間の目立つところもあるので。
*昨日は、椀5個に白漆を塗る。(内3個、外2個)
日本産木地呂漆を足したが、異常に粘っこかった。
朝、光っているようなので、下に湿ったスポンジ、戸を閉めておく。
夕(夜?)、赤っぽい感じで乾いていた。刷毛筋は全く流れていない。
*以前調べてもらったり、自分で調べたのを印刷してあったのを見直すと、顔料はルチル型が割合使われているようだ。
アナターゼ型の試薬で練ったから、変な感じになったのだろうか?

11.6(木)

立ち上がりに下地を渡し、引き箆で位置と高さを揃えようとする。
身…入り隅の位置を定規で確かめ、垂直線を引く。
*昨日の右半分の下地付で、厚すぎのところは乾いていず、空研ぎでとれてしまう。
*乾漆盤も外縁の空研ぎなど。

11.8(土)

〔漆椀〕(昼前)艶消し。刷毛筋が残っても、一部に縮みあり。強い湿り。
(夕)透き漆で塗る・・・外側5個(内少なくとも1個は上塗りのつもり)、内側1個。
*寒いのに乾き速く、2時間後には艶が落ち始めようかという感じに。
〔乾漆水指〕蓋…内脇に下地付。
身…入り隅の左側に下地を渡し、引き箆。
〔乾漆盤〕外縁に和紙を貼る。

11.9(日)

〔乾漆水指〕蓋…立ち上がりの外と端に下地を渡し、幅定規を引く。
身…外腰の凹みなどを下地で埋める。
*昨日の下地、乾きあまり良くない・・・透き漆塗りと同じ風呂に入れたので、乾きを遅くするため、戸の隙間を空け、湿度を上げないようにしていた。
*昨日の透漆塗り・・・さらっと見た感じでは、問題ないような、、、
*本日より、漆風呂の中にミニファンヒーターを入れ、加湿と暖房ができるようにした(春以来)。
*白漆を練って作る・・・漆の顔料の酸化チタン35g、中国産木地呂漆25g。練った後、いろいろな透き系統の漆を混ぜ、今までのとまた混ぜる。
*刃物研ぎやクジラ箆を研いで調子を整える作業をする。
*朝の10時ころ家を出、R8、山側環状を通り、石川県立美術館へ。
伝統工芸展の解説を聞くなどして、帰宅は3時少し前。

11.10(月)

〔乾漆水指〕蓋…今日も、立ち上がりの外と端(幅も)を下地で作る(引き箆)。
身…入り隅の右側が痩せ気味なので、下地を渡し引き箆(入り隅の両側を一度に作る定規)。
〔乾漆盤〕高台をどう作るか考えた・・・漆桶200匁のでは径が狭すぎる(高さは高すぎる)。
発泡スチロールの利用とか、何か楽な方法はないかと考えても、熱利用のカッターは持っていないし、、、
粘土で作り、石膏に置き換えるのが、確実な方法なので、そうすることにし、引き箆を作ることにした。
道具を入れている引出しを見ると、アクリル板を熱で切るカッターがあった!(発泡スチロール用ではない)
3o厚のアクリル片があったので、作図し、切ってみる。
最初はあまり切れず、駄目なのかと思ったが、熱が高くなったのか、途中から楽に切れるようになった。
鑢で滑らかにしたところで、今日の作業はやめた。
*熱で有毒ガスのようなものが発生するので、良い道具かどうか、問題点がある。

11.13(木)

〔乾漆盤〕高台・・・火曜・水曜と油粘土(保育所などで子供が使う粘土)で原型を作る。
石膏をかけて雌型取り。1時間後ぐらいに粘土を取り出し、石膏の内側にゆるい石膏でつづくり。
(今日)石膏型の曲面に合うよう、布砥#40をあて、木片を研ぎ落とす。
その木片を当て木にして、ペーパー#220で、石膏の内壁側を滑らかになるように研ぐ。
*石膏の面がガタガタになってしまう、、、
〔乾漆水指〕蓋…内脇に下地を箆付。
身…入り隅と面の境に下地を渡し、定規を引く。

11.14(金)

〔乾漆水指〕蓋…立ち上がりの外側と端に下地を渡し、引き箆。
身…目立つ凹みなどに下地。端に下地つけ。
〔乾漆盤〕裏底に下地付け。

11.15(土)

〔椀〕艶消し(ボンスターなど)
透き漆塗り・・・内側2個、外側1個。
朱漆塗り・・・内側3個。
〔乾漆水指〕蓋…内脇に下地箆付。
*インターネットでみて、皮革の素地に関心がわき、探し回る。
結局、ムサシで手袋などを見つけ、買う。
水を吸わせ、型に当ててみる。塗りに使った漆を革につけておく。

11.16(日)

*昨日の漆塗り・・・透きは大体乾いたが、朱はまだ光っている(かなり、加湿・温しているが)。
*椀の裏底(上塗り分)などに朱で銘を入れる。
〔乾漆水指〕蓋・身・・・地研ぎ、全体に薄めた生漆を吸わせ、拭き取る。
*杯の端にも(内側に下地を付けたのは、研ぎ、内側全体に)。
〔革〕塗りに使ったのを付けておいたのは、乾き、革も硬くなっていた。(朱は遅い)
型に輪ゴムで固定しておいたのは、豚皮だけが少し固まり、牛床皮・床皮は柔らかいまま。
吸わせた水分が少なすぎたのか、革の性質か?
*薄めた生漆を吸わせると、すぐ吸いこんでいったので、かなり渡す・・・豚皮。
生漆のまま吸わせてみると、表面に黒っぽく付いた感じ・・・牛床皮・床皮(釘入れだった方)。

11.17(月)

〔革〕薄めた生漆は、裏側にも染みだしているようだ。
*薄めた生漆だけのものは、側面を折り曲げた形は残しているが、柔らかい・・・型から外し、全体に薄めた生漆を吸わせる(豚皮。あまり漆は吸い込まれない)。
*生漆のまま吸わせた方は、多少硬くなっている・・・形を整えてから(見苦しい形のところをハサミで切る)、全体に薄めた生漆を吸わせる。
*芯まで吸わせた方が良いのか、革の弾力性を残した方が良いのか?
遺跡から漆の層だけが残ったものが出土するとしても、漆で全体を固めてしまうと逆に脆くなるのでは?
〔乾漆水指〕蓋…内脇(特に内隅周り)に下地を箆付。
身…薄めた生漆が余ったので、端付近から外脇あたりに渡す。

11.18(火)

〔乾漆水指〕蓋…内隅周りに下地刷毛付け。
身…入り隅などに下地刷毛付け。
〔椀〕外側に蚊帳布を部分的に貼る。(2個。ずっと前から、途中まで貼ってあったものの続き)
〔革〕*豚皮は、薄い所為か、柔らかいまま。外回りの形をハサミで切って直し、内側に黒漆塗り(1回目)。
*希釈しない漆を塗ったり、吸わせたりしたのは、かなり硬くなっている。
塗り重ねでどれくらい硬くなっていくか知るため、塗り残しを少しずつ作っていくことにする。
*型に嵌めて作る場合は、片面にだけ漆を塗っていくことになり、今回とは違うことになろう。

11.19(水) 初雪

〔乾漆水指〕蓋…内隅周りに下地を、小さめの先の丸いステンレス箆で付ける。
身…凹みや穴の目立つところに下地。
〔革〕*豚皮・・・少し縮み、素地は柔らかいまま。外側に黒漆塗り(1回目)。
*牛床皮・床皮・・・素地は硬めとはいえ、動かせる。裏側に黒漆塗り(1回目)。
*塗りには、4分の乾漆刷毛を使っている。下地塗りなので。
*明日からのアミカル展の作品を紙袋に入れ、運べるようにする。

11.20(木)

〔革〕艶消し。豚皮の方で、縮みが目立つので、作業休止。
*椀に蚊帳布を部分的に貼ったもの・・・布の重なりを切り取り、空研ぎ。乾き悪い。

11.22(土)

〔革〕内側に黒漆塗り2回目。
〔乾漆水指〕蓋…内隅周りに下地箆付。
*昼前に出発し、エルフ富山の第21回アミカル展に行っていました。
月曜には知事が来場する予定です。

11.26(水)

〔革〕(日曜)外側に黒漆塗り2回目。
(今日)内側に黒漆塗り3回目。
*硬くなっているか、折り曲げて確かめると、牛床革の両面とも割れたが、内側の皮でくっついている。布のように切れてしまうことはないようだ。
〔乾漆盤〕高台の石膏雌型に離型用のアラビアゴムを塗る(1回目)。

11.27(木)

〔革〕ボンスターで艶消しをし、外側に黒漆塗り3回目。
〔乾漆盤〕高台の石膏雌型に離型用のアラビアゴムを塗る2回目)。

11.29(土)

〔革〕(昨日)ボンスターで艶消しをし、内側に黒漆塗り4回目。
(今日)ボンスターで艶消しをし、外側に黒漆塗り4回目。
*かなり硬くなってきている・・・小物なら十分だろう。
豚皮は、特に平面が広いところはゆらゆら動く感じ。
〔乾漆盤〕(昨日)高台の石膏雌型に離型用のアラビアゴムを塗る3回目)。
(今日)高台…石膏雌型に下地刷毛付け。
〔乾漆水指〕蓋…内隅周りに下地刷毛付け。
身…外腰回りなどに下地刷毛付けなど。
〔椀〕外側の布貼りの布目刷りなど。
〔紐胎杯〕内底がきれいでないもの3個に下地刷毛付け。

11.30(日)

〔革〕内側に黒漆5回目。
〔乾漆盤〕高台…麻布貼り1枚目。
〔椀〕高台の内側に下地つけ。

12.1(月)

〔乾漆盤〕高台…はみ出た麻布を切り取り、布の上を空研ぎ。
*革の方は、かなり硬くなったので、見通しが立った。
あとは形を作り、漆器にすることを考えていくことだろう。

12.2(火)

〔乾漆盤〕高台…布目摺り。

12.6(土)

〔乾漆盤〕高台…木曜に麻布貼り2枚目。金曜に余分の布を切り、空研ぎ。
今日、布目摺り。
〔革胎〕香合を作ろうかと、豚皮を石膏型に紐で締め上げようとしてみたが、締め方が分からない。
革側に穴をあけ、紐を順に通し、その型側に出ている紐に別の紐を通し、木片の中央に打った釘に順にひっかけるようにして中心に向かうようにしてみたが、、、
革が小さすぎるし、型と隙間が残る。
水に浸けて型にくっつけるようにしておく。

12.7(日)

〔乾漆盤〕高台…麻布貼り3枚目。
*盤をファンヒーターの前に置く。
〔革胎〕外側に黒漆塗り1回目。
前に塗っていた豚皮の外側にも黒漆塗り。5回目。

12.10(水)

〔乾漆盤〕高台…麻布貼り4枚目。
〔革胎〕外側に黒漆塗り3回目。
前に塗っていた豚皮の外側にも黒漆塗り。6回目。

12.14(日)

〔乾漆盤〕高台…麻布貼り5枚目を貼り終え、余分の布を切り取る。空研ぎ。
〔革胎〕外側に黒漆塗り7回目。
*アクリル平面定規作り・・・パソコンで作図(位置を正確に出すため)。
部分の形定規を作り、全体に金針で作図。
糸鋸で輪郭付近を切り、鑢がけ開始。

12.17(水)

〔乾漆盤〕高台…昨日、麻布6枚目(蚊帳)を貼り終え、今日、空研ぎ(乾き悪し)。
〔革胎〕昨日外側に黒漆塗り8回目。
*アクリル平面定規作り・・・1/7定規と平面定規の中心を針で固定し、外周の作図をし直す。
ダイヤモンド(人工)ヤスリで線に合うよう削る。3辺まで。

12.18(木)

〔乾漆盤〕高台…こくそで布目摺り。
〔革胎〕外側に黒漆塗り9回目。
*アクリル平面定規作り・・・残りの4辺を線まで大体削る。

12.20(土)

〔乾漆盤〕高台…麻布貼り7枚目。
〔革胎〕外側に黒漆塗り10回目。
〔漆椀〕(8個)ルーターで端付近を削る。
(内3個)細いラミー紐(麻紐)を端の外側に巻く。3周余り。
*アクリル定規・・・平面定規は鑢で大体削り上げる。
側面の形を不眠状態の時思いつき、アクリル板に作図。切り抜き、削り始める。

12.21(日)

〔乾漆盤〕高台…余分の布を切り取り、空研ぎ。乾き悪し。
*アクリル定規・・・側面の形の定規を削る。
作図は大体の線(直線の交差)なので、あとは出来る形を見ながら、整えていく。途中まで。

12.23(火)

〔乾漆盤〕高台…昨日、布目摺り。今日、麻布貼り8枚目。
〔漆椀〕(2個)細いラミー紐を端の外回りに3周巻く。
*アクリル定規・・・側面の形の定規を毎日見直して、削る。

12.28(日)

〔乾漆盤〕高台…昨日、下地つけ1回目。今日、空研ぎ。
〔漆椀〕昨日までに、端の外回り3個(細い)、高台回り5個(太い)麻紐巻き。
*アクリル定規・・・蓋の定規を作る(昨日と今日)。
*今日まで7日連続勤めに行く。
忙しいのではなく、設備更新作業のため。
道路の積雪はなくなったが、まだ雪が残っている。

12.29(月)

〔乾漆盤〕高台…下地付け2回目。
*手元拡大鏡を工夫する。
*中心軸となるスポークが垂直になるよう工夫する。
ジオログの方に記入しました。

12.30(火)

〔乾漆盤〕高台…空研ぎ。乾き悪し。
〔乾漆水指(新)〕スポークが2mm径の中心の穴に嵌らず、3mm径のドリルで途中まで穴を広げる。
水粘土で、下から20mmぐらいを作る(作品としては、端から20mmぐらいということになるが、、、)
次に30mm分ぐらい粘土を盛りつけ、また引き箆を引き始める。
*冬場は、油土より水粘土の方が扱いやすい。

12.31(水)

〔乾漆盤〕高台…下地付け3回目。
〔乾漆水指(新)〕下から2段目を盛り、引き箆。
また数センチ分盛り、引き箆。
腰付近に盛り、引き箆。
底に粘土を渡し、引き箆。中心のポークあたりは、粘土用金箆で大体削る。
*下の方から順に形が出来ているので、引き箆に無理がかからず、今までよりはきれいにできた。
石膏雌型取り。
*柔らかめの石膏を渡したので、側面に垂らしても、一応、全体に石膏がかかる。
2 0 0 9 年

1.1(木)

〔乾漆水指(新)〕身…金箆でアクリル平面定規を外し、粘土を取り出す。
石膏雌型の内側を削り、滑らかにする。
カリ石鹸を塗布。
蓋…肩付近の形を粘土でつくる。

1.2(金)

〔乾漆盤〕高台…ファンヒーターの前に置く。
〔乾漆水指(新)〕身…石膏に水分を吸わせた後、石膏雄型取り。
*柔らかい石膏とは、水分を多めにすることではなく、締まりかける前ということ。
蓋…粘土原型を完成させ、石膏雌型取り。
(夕方)粘土を取り出し、修正し、カリ石鹸。水分を吸わせ、石膏雄型取り。

1.3(土)

〔乾漆水指(新)〕石膏雌型を割り、雄型を取り出す。
*蓋が薄すぎ、2か所で割れる。裏から石膏に浸けたスタッフを当て、接着する。
*石膏そのものは今までになく滑らかにできていたが、思いがけない凹みもできていた。つづくり。
〔紐胎杯〕今までは、離型用にビニール紐を型の外側に巻いていたが、
今回は、荷造り用の麻紐を巻いてみた。内側の紐巻きとしてだが、上手くいかないときは、離型用紐にするつもり。(紐は引っ張れば順に取れてくる)
麻布を貼り重ね、その上から太いラミー紐を巻く。
*糊漆を多めに渡し、外へ沁み出た分は刷毛でしごき取る。
*底はラミー紐巻きのみ。最初に布を貼っておくと、布がぶかぶかしているので、浮いてしまうことが多い。
*ついでに漆椀3個の高台回りにも麻紐を巻いておく。
〔乾漆水指(旧)〕蓋…地研ぎ。凹みが残っているので、下地で埋める。
布の出てしまったところは削り、下地で埋める。
身…下地が余ったので、内側に残る凹みを下地で埋める。
*摘みを縄目で作ろうかと、何種類かの縄を作る。
きれいに見えるのは、太いラミー紐を3本合わせ、右回しに撚りを入れ、それを中間で折り曲げて絡ませ、左回しに撚り合わせたものだった。

1.4(日)

〔紐胎杯〕蜂蜜の入っていた容器を型にしたのだが、抜けない。
内側の麻紐の巻き始めを取り出そうとしたが、昨夏にどこに片づけたのか、ピンセットが見当たらない。
結局、型の容器を潰すようにして小さくし、何とか取り出すことが出来た。
*型が駄目になるという欠点がある。
*熱が伝わりにくくなるという長所はあるが、ラミー紐と違い、荷造り用の麻紐は高熱に弱い(熱処理で炭化する=電子レンジでは使えない)という欠陥がある。漆器の普通の使い方では、問題にもならない事だが、、、
*投光機(500w)による本格的な熱処理を、乾漆盤の高台に始める。

1.5(月)

〔乾漆水指(新)〕石膏でつづくりしたところを荒砥で研ぐ。
凹みが残る所やいくつかの穴を石膏でつづくり。

1.6(火)

〔乾漆水指(新)〕石膏でつづくりしたところを研ぐ。
腰のあたりが堅すぎる感じなので少し研ぎ減らす。
また穴があいたので、水分の多い石膏でつづくり。

1.7(水)

〔乾漆水指(旧)〕蓋・身…地研ぎ。全体にリグロインで薄めた生漆を吸わせ、拭き取る。
*サーモスタットを外して熱処理し、温度計で一番熱そうなところの温度を計ると、100℃までしかない目盛をはるかに超えていた。
大抵はサーモスタットを使ってはいるが、今後は必ず使うようにすべきだろう。

1.10(土)

〔乾漆水指(新)〕石膏を削ったり、つづくりをしたり、、、
(今日)裏底にカンナをあてたりしてみたが、凹みは直らないまま。
〔乾漆水指(旧)〕蓋の裏側と身の内側から外脇までを、キング#1000、名倉砥、三和クリスタル#800などで研ぐ。
凹みや穴を下地で埋める。
〔紐胎杯〕内底に麻布を貼り、空研ぎ。
(今日)内底の布目摺り。

1.11(日)

〔乾漆水指(旧)〕下地のつづくりを研ぐ。
黒漆で中塗り・・・(蓋)裏側、(身)内側から外脇。
〔夫婦椀〕鮑貝に名前を黒漆で書く。
外側に黒漆で小中塗り。
〔漆椀〕(2個)外側の中塗り。(1個)高台付近の中塗り。
(2個)外側に部分的に麻布を貼る。
〔紐胎杯〕内側から外側にかけて糊漆を渡す。

1.12(月)

〔乾漆水指(旧)〕外側を研ぐ。
黒漆で中塗り・・・(蓋)表側、(身)外側。
〔夫婦椀〕鮑貝の文字以外のところを希硝酸で溶かし、水でアラビア糊を溶かし、文字(貝)を取り出す。桜の花弁形に鮑貝を抜く。
黒漆を内底付近に塗っておき、少ししまった頃(実際は、水指と椀の中塗りが終わった後)、貝を貼る。
〔漆椀〕(3個)端が太くなりすぎたのを削ったところ(下地で直してあった)に黒漆を中塗り。

1.14(水)

〔乾漆水指(旧)〕昨日は蓋の裏側、身の内側の凹みを埋める。
今日は、おもに表側の凹みを埋める(昨日は乾きが悪かった)。
〔夫婦椀〕昨日、文字の上から突くと、一部に浮いているところがあった。
割り貝にして補修しようとしたが上手くいかず、蒔絵(技法)で書くことにし、文字の貝を取り除き、研いでから、黒漆を指で塗っておく。
*@下が平面ではなかったこと(粗めの麻布の目を出す仕上げ方をしている)、A漆に粘りが出ないうちに貼ったこと、B貝に水分を吸わせておき、貼る直前にティッシュで水分を吸い取ることをしなかったことなどが失敗の原因だろう。
今日は、朱漆で名前を書き、暫くしてから、金粉を蒔く。
一つは焼丸1号、もう一つは焼丸10号・・・その間の粉を持っていないので、違いを見るのが目的。

1.15(木)

〔夫婦椀〕薄めた透き漆で粉留め。貝の回りにも塗る。
〔乾漆水指(旧)〕摘みに薄めた生水漆を塗る。

1.16(金)

〔夫婦椀〕透き漆の付近を静岡炭で研ぐ。布目のところはボンスターで艶消し。
端に黒漆を指で塗る。
〔乾漆水指(旧)〕下地で埋めたところなどを研ぎながら、中研ぎ少々。
〔乾漆水指(新)〕離型剤のアラビアゴムを3回塗る。

1.17(土)

〔夫婦椀〕焼き丸粉10号を蒔いた方に朱漆を塗る。
〔乾漆水指(旧)〕砥石でなかなか研ぎきれないので、ペーパー#180でほぼ全体を研ぎ直す。
かなり布が出たりしたので、薄めた生漆を吸わせ、時間をおいて、布で拭き取る。
〔乾漆水指(新)〕(朝)アラビアゴム4回目。
(夜)下地付け1回目。
*錆下地を最初に付けると、不硬化になることが多かったので、錆は使わない。
〔乾漆盤〕(朝)昨晩風呂に浸けておいた高台の石膏原型を壊す。
(夕)高台の端と底の水平研ぎ(ガラス板上でポリネットをおいて)。全体も空研ぎ。
(夜)高台を盤の裏底に刻苧などで接着し、重しにガラス板を置く。

1.18(日)

〔乾漆水指(旧)〕布の出たところや凹みの残る所に下地を渡す。
〔漆椀〕(2個)外側の残り部分に麻布片を貼る。
*乾漆に使う下地用の刷毛(数本)が固まってしまっているので、金槌で叩く。
*漆の乾きが悪く、作業できない。

1.19(月)

〔乾漆盤〕高台の内隅と外隅に刻苧。
〔乾漆水指(新)〕下地付け2回目。
*昨日は裏底の(石膏原型の)凹み部分の下地が硬化不十分だった(厚すぎ)。
*土曜日に塗った夫婦椀の朱がまだ乾いていない。

1.22(木)

〔乾漆水指(旧)〕昨日、蓋(裏側)、身(内から外脇)、摘み、黒で中塗り。
今日、蓋(表側)、身(裏底から外腰)、黒で中塗り。
〔乾漆水指(新)〕昨日、下地付け3回目。
今日は空研ぎしたが、一部不硬化(厚すぎ)。塗りと同じ風呂に入れておいたので、加温湿をせず。
〔乾漆盤〕昨日、高台の外隅に刻苧。今日は空研ぎ。
〔漆椀〕昨日、内側の中塗り(4個)、端の内付近に黒塗り(2個)。
〔夫婦椀〕丸粉1号と10号を光らせる方法を考える。
昨日、丸粉1号を静岡炭、クリスタル#2000(?)で研ぎ、油砥粉胴擦りで光らせる。
今日、丸粉10号を静岡炭、クリスタル#2000(?)で研ぐも、金粉の出が良くないので、炭粉胴擦りをする。余り光らないので、油砥粉胴擦りをすると光ってきた。
下が油砥粉胴擦り、上が炭粉胴擦りのままの状態。粉留めの朱がかなり剥げる。
美の字で、実寸1.5cm弱。香は1センチ強。

1.23(金)

〔漆椀〕内側に螺旋状に麻紐を貼るため、目安と高さを低くするため、溝を彫る。
彫刻刀などでしてみたが思うようにならず、ハンドルーターを使ってみる。
木目の硬いところ(冬目)で引っ掛かる感じはあるが、何とか使える感じ。
細い麻紐を線の中に貼る。
(2個)外側の布貼りのところを下地を混ぜて糊漆で埋める。
水指…凹みなどを下地で埋める。
杯…裏底から外腰あたりに、下地を混ぜた糊漆をわたす。

1.26(月)

〔水指(旧)〕名倉砥などで研ぐ。
黒で中塗り・・・蓋(表側)、身(内側から外脇)、摘み(極薄に)。
*昨日、夫婦椀の外側を透き漆で上塗りをしたが、一個塗っている途中で落下。
今日一日かかっても光ったまま。
〔椀〕(2個)外側の中塗り。
(2個)外側にリグロインで薄めた生漆を吸わせ、拭き取る。
*紐胎杯にもリグロインで薄めた生漆を吸わせ、拭き取る。
(1個)螺旋状にもう一方から貼り始め、内底まで貼る(下地入りの糊漆)。
〔水指(新)〕麻布貼り1枚目。
〔乾漆盤〕裏側全体に下地刷毛付け。
*不況で今日まで3連休。

1.27(火)

〔乾漆水指(旧)〕塗ると見える研ぎ不足などを荒砥で研ぐ。
凹みなどを下地で埋める。
蓋…端幅が狂っているようなので、定規を作り、下地を渡す。
〔乾漆水指(新)〕布の重なりを空研ぎした後、削り取る。
*端付近がすぼまっているせいか、かなり浮いていたので、切り取る。
〔乾漆盤〕空研ぎすると、乾きあまり良くない。
高台底に下地付け。
*螺旋状に紐を貼った椀・・・糊漆で貼った方に、彫った溝との間で浮いているところがあった。
彫る場合は、下地で貼るべきと分かる。彫らない場合は、丁寧に貼れば浮くことはない。
*夫婦椀・・・昨晩からかなり加温湿をしたが、まだ光ったまま。青息がかかる程度。

1.28(水)

〔椀〕(2個)螺旋状の線、2本のと3本のを鉛筆で書き、彫刻刀で削る。ハンドルーターで溝を深くする。
(4個)端の外回りをルーターで削り、麻紐を巻く溝を作る。
(いろいろ作業中)凹みを埋めたり、段を埋めたり、、、
*夫婦椀・・・かなり加湿温をしたが、まだ光が残り、くっつく。
〔乾漆水指(旧)〕蓋に摘みを付ける穴を二つあける。(まず2mm、その穴に合わせて4mm)
蓋…端幅をもう一度作る。摘みの穴の位置を間違え、少し削ったところも埋める。
身…外脇などを人工中砥で研ぐ。低いところなどを埋める。
〔乾漆水指(新)〕身…端周り1cm幅ほどを細い麻紐で巻く。残りは布目摺り。
蓋…布目摺り。
〔乾漆盤〕外縁の形の定規を作る。出っ張りすぎのところを削る。
高台の外隅に下地付け。高台の裏に下地付け。
外縁周りに下地を渡し、定規を引く。
*今日は、プラス1日、順番に休む番。
郵便局へお年玉切手4枚を受け取りに出かけた以外、一日漆の仕事。
デジカメが壊れたようで、ピントが合わなくなった。

1.29(木)

〔乾漆水指(新)〕身…昨日の続きで、中の太さの麻紐を巻いていく。2cm幅ほどか。
*その他、空研ぎや下地で埋めたり、、、
*夫婦椀は、やっと乾いたが、まだ爪が立つところもある。
*昨日は、米+モチ米+小麦粉で糊を作り、糊漆を作る。

1.30(金)

〔乾漆盤〕高台の外側が滑らかになるよう下地を付ける。。
外縁周りの形を下地で整える。
*その他、艶消しや生漆で固めたり、、、

1.31(土)

*夫婦椀・・・内側の上塗り。(桶の下から漆を混ぜてかかる)
*ついでに、水指の蓋の表側にも塗る。
*デジカメを見てもらいに行くと、レンズが壊れていて、修理代10500円とのこと。
カタログをいろいろ持ち帰り見ると、メモリーとか、別世界という感じ。どうするか?

2.1(日)

〔乾漆水指(新)〕身…麻紐(ラミー紐)の太いのを続けて巻いていく。側面の半分強まで行く。
蓋…目の細かい麻布貼り(2枚目)。
*夫婦椀の上塗りは、早目に加湿温した所為か、朝には乾いていた。
夕見ると一部縮みがあるが許容範囲の気がする。
*プラス1椀・・・内側に麻布を貼る。(端と高台回りには麻ひもが巻いてある)
*妻関係の婿5人のうちの一角が崩れ、昨日通夜。今日葬儀。

2.2(月)

〔乾漆盤〕昨晩、風呂の残り湯に浸けておいた石膏原型を壊し、素地を取り出す。
素地を作っている途中で、外縁の形を変えたので、余分になったところを削る。
(最初は糸鋸で切っていったが、思うように切れないので、結局、切り出しを押して削る)
ハンドルーターで外縁の上の面を削る。
(最初は手で触れたり、勘で削ったが、途中で形箆(定規)を作り、それに大体合うまで削る)
外縁の上の面に下地を渡し、定規を引く。
素地を取り出した時に傷つけてしまった穴や高台底の欠けなども埋める。
〔乾漆水指(新)〕身…外回りの残りから裏底にかけて、太い麻紐を巻き続ける。
*余分の布を切ったり、いろいろとする。
*不況で勤めはやすみ。好天だったが、敷地から外に出はしなかった。

2.3(火)

〔乾漆盤〕外縁の上の面を軽く空研ぎし、もう一度下地を薄く付ける。
〔乾漆水指(新)〕身…裏底の麻紐を少し巻き続ける。
蓋…布目摺り。
*椀・・・布目摺りや紐の段を埋めるなど。
〔乾漆水指(旧)〕蓋…昨日、摘みを付けたが、裏側の紐の出過ぎ部分を削る。
隙間などを下地で埋める

2.7(土)

〔乾漆盤〕外縁の裏面に中の太さの麻紐を巻く。
⇒外縁の上の面に中の太さの麻紐を巻く。裏側との合わせ目がきれいにならなかった。
⇒(今日)高台の内隅を下地で埋める。 高台の外隅に太い麻紐を1周巻く。
高台の底周りに細い麻紐を3周巻く・・・ガラス板の上で箆で押さえながら水平になるように貼る。
〔乾漆水指(新)〕蓋…麻布貼り3枚目 ⇒(今日)布目摺り。
身…裏底まで麻紐を巻き終える。 外側にできた太さの違う麻紐の段を埋める。
⇒外側の紐目を埋める。
⇒(今日)裏底の紐目を埋める。外側にできた太さの違う麻紐の段を埋める。
〔乾漆水指(旧)〕蓋…裏側の摘みの付け根付近に和紙を貼る。 ⇒裏側に下地を付ける。
⇒(今日)裏側にもう一度下地を付ける。
〔椀〕(4個)端の外回りに細い麻紐を巻く。
(2個)内側に螺旋状に細い麻紐を巻き始める。
(プラス椀)内側に下地を付けたりした。 (今日)裏底に麻布を貼る。

2.8(日)

〔乾漆盤〕外縁の紐目を少し地の粉を混ぜた糊漆で薄く埋める。
〔乾漆水指(新)〕蓋…麻布貼り4枚目(蚊帳)。
身…紐目がまだ残るので下地(こくそ入り)で埋める。
〔乾漆水指(旧)〕蓋…裏側を研ぐ。下地付をしたところにリグロインで薄めた生漆を吸わせ、拭き取る。
身…外側の研ぎが不十分なので、研ぐ。下地を付けていたところに生漆をすりこむ。
〔椀〕(2個)高台の外側に太い麻紐を巻く。
(螺旋状模様)1個は、中央付近に少し入るまで。もう1個は、中心まで巻いてしまう。
(プラス)内側を空研ぎし、リグロインで薄めた生漆を吸わせ、拭き取る。

2.9(月)

〔乾漆盤〕高台の外隅などを下地で埋める。
〔乾漆水指(新)〕蓋…余分の布を切り取り、空研ぎ。
身…蚊帳布を貼る。(紐巻きを1回とすれば、3枚目)
〔乾漆水指(旧)〕蓋・身…少し静岡炭で研いでから、中塗り・・・蓋(裏)、身(外)。
〔椀〕(夫婦椀)外側の上塗り・・・また1個、塗り終わる直前に滑らせ、裏返る。
(2個)外側の中塗り。
(螺旋模様)3本目の線を巻きだし、中心まで巻く。
紐の隅を何度も埋めていたのは、下地を内側に刷毛付け。
(プラス)内側の凹みと裏底に下地。

2.10(火)

*昨日の塗り(透黒+透)・・・上の段に置いておいたのは、ほんの少ししっとりとしている。
下の段のは、乾いている(が、水指の蓋の裏に縮み)。
〔乾漆盤〕内側の立ち上がりと高台底に下地付け。
〔乾漆水指(新)〕蓋…布目摺り。
身…余分の布、布の重なりを切り取る。空研ぎ。
〔椀〕(6個)裏底に麻布を貼る。

2.14(土)

〔乾漆盤〕立ち上がりの外隅や内側の立ち上がりに下地付けなど。
〔乾漆水指(新)〕蓋…麻布貼り5枚目、布目摺りなど。
身…蚊帳布貼り4枚目、からとぎまで。
〔乾漆水指(旧)〕蓋(表)・身(内から外脇まで)、中塗りまで。
〔椀〕螺旋模様の隅を下地で埋めるなど。
*今日は、輪島へ漆芸展を見に行っていました。

2.15(日)

〔乾漆盤〕高台の外隅に下地付け。
〔乾漆水指(新)〕蓋…麻布貼り6枚目。
身…布目摺り。
〔椀〕螺旋模様の隅を下地で埋める。
*今日は、金沢へ「百万石の大名展」を見に行きました。

2.16(月)

〔乾漆水指(旧)〕蓋(裏側)、身(外側)を研ぐ・・・人工中砥、名倉砥、静岡炭。
*椀なども少し研ぐ。
*空研ぎも少々。
*紐盃(?)の木型を一つ削ってみる。
作図の角から垂線を引き、3センチに目印。
高さ3センチのところに鋸で切れ目、作図のところからノミで落とす。
後は作図の線に合うように、ノミを押して削る。

2.22(日)

〔乾漆水指(新)〕蓋…(今日まで)麻布貼り8枚目。
身…(今日まで)蚊帳布貼り5枚目、リグロインで薄めた生漆を吸わせる、布目摺り、側面の中央付近からやや下までと裏底のやや内側に麻布貼り。
〔乾漆水指(旧)〕(今日まで)蓋(裏)、身(外側)の中塗り、研ぎ少々。
〔乾漆盤〕(今日まで)地研ぎ・・・平地はまず荒砥、それからキング#1000など。曲面は形に合わせてから、キング#1000など。
リグロインで薄めた生漆を吸わせ、拭き取る。凹みなどを下地で埋める。
*熱処理で5センチ厚ほどの石膏原型が割れたほどだからか、身付きに小さい亀裂がかなり走っていた。
〔椀〕(今日まで)片側ずつ何度か、螺旋模様の隅を下地で埋める。
その他の椀の裏底の布目摺りなども、、、
*紐盃(?)の木型(1個)に離型用のガムテープ(裏底)、ビニール紐巻き(側面)。
麻布を内側に貼り、その回りに太めの麻紐を巻き、裏底まで巻き終える。暫くしてから裏底を水平にするため、ガラス板に押す。
*昨日は午前中は塗装カスの掃除で出勤したが、いつもの2/3ほどしか溜っていなかった。
午後は、支部展の開催のための会合で、賛助出品の依頼書などの作業も。久しぶりに漆の話をできた。
今日は下地で形直しをしたり、晴れている間に外に出たり、麻布を貼ったり、、、3時頃には雨が降り出した。

2.23(月)

〔乾漆水指(旧)〕蓋(外側)、身(内側)を主に名倉砥で研ぎあげる。
身の外側を研ぎ始めると、端から下方向に小さい亀裂が2か所・・・横方向にキンマ剣で彫り、麻紐を埋める。
中塗り・・・蓋(外側)、身(内側)
〔乾漆盤〕名倉砥などで軽く研ぎ、表から外縁の裏側あたりまで中塗り。
〔椀〕(祝い用)外側の艶消しをし、透き漆で下塗り。
*今日の塗りは、この塗りが木地を透かせて見えるようにするため、全て透き漆でした。
〔乾漆水指(新)〕布の重なりを切ったりして、空研ぎ。
*螺旋文椀も空研ぎだけ。
〔紐盃〕(6辺形1個)型から抜き、また型に嵌めておく。
*少し高さが足りない気がしたので、家にある陶器のと比べてみる。
*6角形のを4センチの高さにするようにして、木型を作る。
*隅切りの四角形(8角形になる)のは、角を落とすだけで木型になる。
*5辺形のも作り、端反りにしようとやってみたが、どうもうまくいかない感じ。

2.27(金)

〔乾漆水指(新)〕身の外脇の中央あたりが痩せこんで見えるので麻布を貼ったり、、、
〔紐盃〕昨日まで、型を作った5個の形の素地を作った。
今日、離型用のビニール紐の代わりに、ビニールテープを巻いて素地を作ってみる。
*5個の素地を子供に見てもらうと、あまり気に入らないような、、、酒はあまり飲まない立場からの見方だが、、、

2.28(土)

〔乾漆水指(新)〕身…麻布貼り6枚目。側面の布目が斜めのところを貼り、その間に切れ目を入れる。
蓋…下地付け1回目。
〔紐盃〕*昨日ビニールテープを離型に使ったのは、型から抜けず、素地を解体せざるを得なくなった。
6角形・5辺形の素地を作る。
2個、内底に麻布を貼る。
*糊漆を作る。
*椀などの艶消しなど。

3.1(日)

〔乾漆水指(旧)〕身…内側と外脇を人工中砥・名倉砥などで研ぐ。
研いだところを中塗り。(透漆)
〔漆椀〕外側に透漆・・・(2個)上塗り、(1個)下塗り2回目。
〔乾漆盤〕裏側から外縁の端まで中塗り。(透漆)
*水指(新)の身の布の重なりを取る。
*紐杯(盃)の型に離型用のガムテープ(裏底)とビニール紐巻き。

3.6(金)

〔乾漆水指(新)〕身…麻布貼り7枚目。
*今回の布貼りは、裏底をきちんと貼った後、側面は布目がバイアスになっているところをきちんと貼り、まず端付近に布に無理が来ないようにし、余分になる布に向けても、端付近を貼ってかかる。
それから余分になる布を切り取り、貼り終える。結果は?
*目が粗いとか、柔らかめの麻布を一度貼り、捲り、糊漆が渡っているか確かめ、貼り直すと布が歪み、あまり良くない。
〔紐盃〕数種類の形のを作っているが、まだ水漏防止(つまり、下地付けとリグロインで薄めた生漆を吸わせるのを繰り返す)は作業の途中。そこまで行っていないのもある。今は計10個を製作中。

3.8(日)

〔乾漆盤〕表側の平面をキング#1000で研ぐなど。
〔乾漆水指(新)〕身…余分の布を切り取り、布目摺り。
〔紐盃〕(10個)内側から外側約2/3ほどに、下地を混ぜた糊漆を薄く付ける。
*杯1個にも。
*加温湿に使っている風呂の戸の内側に、引き戸を作る。
アルミチャンネルに沿うよう動く、プラ段を切り、引き戸にした。(材料をムサシに買いに行く)
椀の塗りで、ごみが目立つので、塗った後、戸を閉めておくため(今まで、全部の品を塗り終わるまで、開けっ放しにしていた)。

3.10(火)

〔乾漆水指(新)〕身…リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
〔紐盃〕(10個)昨日は裏底と外側の下約1/3ほどに下地入り糊漆を刷毛付け。
今日、全体にリグロインで薄めた生漆を吸わせる。
*内側にかなりの時間漆を残しておいたが、裏側へ漏れ出ることはなかった。

3.13(金)

〔乾漆水指(新)〕身…昨日、目の細かい麻布貼り(8枚目)。
今日、空研ぎし、布の重なりを切り取る。
〔紐盃〕(10個)昨日、内側から端まで下地付け。
今日、空研ぎや艶消し後、全体にリグロインで薄めた生漆を吸わせる。
*素地を作った日が違うのに同じ作業をしているということは、下地の回数が違っても、そんなに差はないということか?
〔乾漆盤〕かなり作業を休止していたが、キング#1000で研ぎきれないままだったのを、今日は名倉砥で研いでみる。
かなり凹みが目立つので、艶消し後、下地で埋める。(特に高台の外回り)

3.15(日)

〔乾漆水指(旧)〕身…名倉砥などで研ぐ。(昨日も)
黒漆で内から外脇まで中塗り。
〔乾漆盤〕名倉砥などで研ぐ。高台や裏底に凹みが目立つので、下地で埋める。
(約2時間後)表側を黒漆で中塗り。
〔乾漆水指(新)〕身…昨日、布目摺り。今日、空研ぎ。
〔紐杯〕昨日、素地を1個巻いて作る。
*昨日、糊漆を作る。
(1個)端幅を下地で揃える。
〔紐盃〕(2個)昨日、素地を巻いて作る。
(10個)端幅を下地で揃える。

3.23(月)

〔乾漆水指(新)〕身…昨日までに、高台を麻縄・麻紐を巻いて作り、下地で縄目を埋める。
今日、側面の凹み気味のところに下地。
〔乾漆水指(旧)〕身…昨日、側面に花弁の感じの模様を作る。
*キンマ剣で少しずつ彫り込み、糊漆分の強い下地で細いラミー紐を貼る。
今日は、下の線を彫り、細いラミー紐を貼る。
〔乾漆盤〕昨日、身付けを名倉砥で研ぐ。
今日、縁周りは炭粉で艶を消し、研ぎ残しを名倉砥で研ぐ。
表側を黒で中塗り。
〔紐杯・盃〕昨日までにいろいろ作業(数個ずつ)。
*内側に蒔き地をし、リグロインで薄めた生漆で固める。
*内底に麻布を貼る。布目摺り。
*素地を作る。
今日もいろいろ作業する(数個ずつ)。
*裏底と腰付近に糊漆分の強い下地を付ける・・・杯1、盃9
*外側に糊漆分の強い下地を付ける・・・杯3、盃3
*薄めた生漆で蒔地の地の粉を固める・・・盃1、螺旋文椀2
*素地を型から抜き、内底の糊漆の皮を削る。

3.24(火)

〔乾漆水指(旧)〕身…上の紐の隅を下地で埋める。
*紐の丸みを片側だけ残す表情と線が浮き上がる感じの表情を、一面ずつ作ってみることにしている。
〔乾漆水指(新)〕身…高台の縄目・紐目を下地で埋める。
〔紐杯1・盃2〕内底の皮などを空研ぎ。裏底の水平研ぎ(ポリネットで)。
裏底と端回りに下地を付ける。

3.26(木)

〔乾漆水指(旧)〕身…昨日は下の紐の隅を下地でうめる。
今日は、上の紐の隅を下地で埋める(2回目)。
〔乾漆水指(新)〕身…高台を空研ぎすると、厚すぎのところあり。
側面を空研ぎし、下地付け3回目。
〔乾漆盤〕高台の外隅回りに下地を付けるなど。
外縁周りの紐巻きがずれていて締まりがないので、下地で形を整える。
〔紐杯・盃〕昨日は内底に麻布を貼ったり、下地をつけたり、、、
今日は空研ぎ。

3.28(土)

〔乾漆水指(旧)〕身…上下の紐の隅を下地で埋める。(3回目)
〔乾漆水指(新)〕身…昨日、高台に麻布を貼る。
今日、側面の凹み気味のところに下地。
〔乾漆盤〕外縁周りに下地を付け、形を整える。
〔紐杯・盃〕昨日は、下地つけなど。
今日は空研ぎなど。
*小さい子に普通のお椀は大きすぎると感じ、石膏を削り、幼児用の型を作る。
離型用のアラビアゴムをぬる。

3.29(日)

*リグロインで薄めた生漆を吸わせる・・・
乾漆水指(旧)の身の紐の隅を埋めた下地、乾漆盤の外縁周り、杯5個、盃5個。
*水指(新)の高台の布目摺り、幼児椀の石膏原型に下地付け。
*午前中は地区を流れる一級河川の江浚い、雪吊りはずし、桜の枝の切り落としなど。
午後は、家で日光ヒバなどの枝を切り落とし、片づける。

3.30(月)

*透漆で上塗り・中塗り(朱でも)・・・椀の外側(上塗り4個)、水指(旧)の外側(朱で中塗り)、椀の内1個(中塗り)・盃の内10個(中塗り)・杯の内1個(中塗り)
〔乾漆水指(旧)〕身…紐目付近を研ぐ。まだ凹みが目立つ感じなので、下地付け。
〔乾漆水指(新)〕身…高台を研ぎ、下地付け。
〔乾漆盤〕外縁周りの線の感じを見て、ずれているところを修正しながら、下地付け。
*小さい椀・・・昨日、下地付け。
今日、麻布貼り。切れ目は3か所。

3.31(火)

*昨日の塗・・・乾いていず、加温湿できる風呂に移動。椀の一部に触れてしまう。
*小さい椀・・・空研ぎしてから、硝子板の上で端の水平研ぎ。
硝子板の上に端を接するように置いて、糊漆分の強い下地で太いラミー紐を巻いていく。
*下地付けなど・・・盤の外縁の一部、水指の高台の内立ち上がり、、、

4.5(日)

〔乾漆水指(旧)〕身…紐の付近を研ぎ、生漆で固め、艶消し。
昨日、黒漆で外側の中塗り。
〔乾漆盤〕外縁周りを研ぐ。全体をキング#1000や名倉砥で研ぐ。
昨日、表側を黒で中塗り。
今日は裏側の研ぎ不足のところを研ぎ込む。
*小さい椀・・・紐目埋め2回。
高野漆行で以前買ったのがわずかに残っていたカヤ布片を貼る。
昨日、リグロインで薄めた生漆を塗り、輪島3辺地の粉を蒔く。
今日、リグロインで薄めた生漆で粉固め。
〔紐杯・盃〕(1・10)昨日、黒漆で外側の中塗り。今日、内側の中塗りを細長い砥石で研ぐ(4個)。
(4・5)端幅を揃える作業2回。昨日、内側に蒔き地。今日、粉固め。

5.12(日) ここ1週間の作業

〔乾漆水指(旧)〕蓋…表側に朱塗り2回。静岡炭で研ぐまで。
身…外側(端から高台まで)に朱塗り1回。静岡炭で研ぐまで。
〔乾漆盤〕裏側に中塗り。
高台の外回りに研ぎすぎと思われる幅2センチほどの溝が目立つので、下地で埋めているところ。
(今日)表面を名倉砥で研ぐ。静岡炭で研ぎあげる。
高台の外回りを名倉砥で研ぐ。
〔紐杯・盃〕(5個・15個)少なくとも1回以上中塗りをしてある。
(今日)艶消しなど。
*小さい椀・・・麻縄で高台を作り、その外回りに細い麻紐を下地に埋める。
下地付け1回の後、熱処理中。
(今晩)水に浸ける。
*乾漆水指(新)は、熱処理中。身の側面に投光機のランプが順に当たるようにしてみている。

4.13(月)

*艶消しなど・・・紐杯・盃などの内側(研ぎも)や紐目。
  ☆ボンスターとかいろいろ使ってみるが、思うような用具がない。

*静岡炭研ぎ・・・椀の内側など。

*朱塗り・・・水指(旧)の蓋(表の上塗り?)・身(端から高台底まで)、盤(表側)
杯(11個の内側)、盃(15個の内側)、椀(3個の内側)
  ☆黒漆で塗った方が良いのもあったが、出すのが面倒で、勿体ないが朱を使った。

*小さい椀・・・石膏型を壊して素地を取り出す。
  ☆小さすぎるので、小鉢の方が良いか?

4.14(火)

*昨日の朱塗り・・・湿ったスポンジを下に置いてあっただけだが、触って大丈夫なくらいまで乾いている。
まだ湿っぽい感じで、丸一日かけて乾く感じでうまくいったようだ。
塗った時点で、何故か(?)ごみが少ない気がしていたが、刷毛筋も割合流れている感じ。
but10日ほど前に朱を練ったとき、最後の日本産木地呂漆をかなり混ぜた所為か、指跡みたいな朱が光ったままのところが何箇所かある!まだ脂気が残っている手なのか?
*椀・・・外側を何度上塗りのつもりで塗ってもごみがついたので、磨くことにした夫婦椀の内側を研ぐ。
螺旋文椀3個の線のあたりを静岡炭で少し研ぐ。

4.15(水)

*透き漆塗り・・・夫婦椀の内側の上塗り、盤の高台の外回り、紐杯11個の外側、紐盃15個の外側、螺旋文椀3個の内側。
  ☆必要なものは艶消しをしてかかる。塗る前20℃、約60%。

4.16(木)

*昨日の透き漆塗り・・・上塗りの貝の周りに縮み!内も外も失敗ばかり。
他の中塗りのものは、紐目を含め、縮みはないようだ(全部は見ていないが、、、)。
*小さい椀or小鉢・・・端付近のガサガサを削ったり、空研ぎしたりする。
内側の形の定規を1mm厚のアクリル板で作る。
 ☆部分的な形に合う箆の形を写して、全体の配置を考えて作図してかかる。
内側の端付近に下地を渡し、引き箆(定規)を引く。端の上にも、下地箆付。
内側の形定規を別のアクリル板に移し、外側の形定規の作図をする。大雑把に作るまで。

4.17(金)

*小さい椀or小鉢・・・外側の形定規が削りすぎてうまく合わないので、中央付近に切れ目を入れ、広げることで離れているのを直す。
裏側にアクリル板を当て、両面テープで固定。
下地を渡し、引き箆を引く。
〔紐杯〕(11個)内底を金ヘラ(?輪島でごみなどを削るもの。刃で削る)で削る。
朱に一部不硬化があり、破れる。
*中塗り状態の5辺形の紐盃で立山(日本酒)を飲んでみた。
辺の所で飲めば大丈夫な感じ。

4.18(土)

*小さい椀or小鉢・・・内側の低い山のような盛り上がり・外側の(それに対応する)溝付近を下地で作る。
*紐杯・盃・・・艶消し(細長い砥石とボンスターのようなスチール束子のようなもの)。
杯の方には、凹み直し。
〔乾漆水指(旧)〕身…麻紐によるレリーフ模様の線が乱れているので、名倉砥で研いで直そうとする。

4.19(日)

〔乾漆水指(旧)〕身…外側の朱を静岡炭で研ぐ。
*紐杯の凹み直しの下地を研ぐ。
*盤の高台外を研ぐ。裏側もアラアラと研ぐ。
*小さい椀or小鉢・・・軽く空研ぎし、内を外の形を定規を使って作る。
*午前中は、種籾まき関係の手伝い。

4.20(月)

*乾漆水指(新)・・・昨晩水に浸けておく。石膏原型を壊し、素地を取り出す。
*小さい椀(小鉢)・・・形を作ったところを砥石で研ぐ。全体も地研ぎ。
端幅を狭くするため、削ったり、角を落としたりする。
内角付近に麻紐が顔を出したので、下地を端の内角付近につける。
端の外側がガタガタしているので、下地箆付。
(夜)下地を付けた以外の所に、灯油で薄めた生漆を吸わせる。
*朱漆塗り・・・乾漆水指(旧)の身の外側(端から高台底)。
紐杯11個・紐盃15個の内側。椀の内側1個。
乾漆盤の高台の外側など(研いでかかる)。

4.22(水)

*一昨日の朱塗り・・・昨日、少し濃い色で乾いていた。紐盃4個の内隅などに縮み。
〔乾漆水指(旧)〕蓋の裏側・身の内側を静岡炭で研ぐ。
研いだところを黒漆+透漆で塗る。(上塗り)
〔小椀(鉢)〕昨日研ぎ、全体にリグロインで薄めた生漆を吸わせる。
裏側に黒漆+透漆を塗る。
〔紐杯・盃〕(11個・15個)外側に黒漆+透漆を塗る。

4.25(土)

*黒漆+透漆の塗り・・・翌日には乾いていたが、ゴミが目立つ。
*水指(新)・・・身の素地の厚みが蓋の倍ほどある!失敗の感じ、、、
*杯・盃・・・内隅付近がガタガタしているので、削ってみたり、、、
*小椀(鉢)・・・縄で作った高台が形に合わないので、下地で埋め始める。

4.26(日)

〔乾漆水指(旧)〕身…昨日、蝋色研ぎを始めて、裏底が塗ってないのに気付き、上塗り。
蓋・身…昨日、今日と、静岡炭で研ぎ始める。
身の一面のみ蝋色炭・クリスタル#2000で研ぐ。
全体に灯油で薄めた生正味漆を吸わせ、拭き取る。
〔小椀(鉢)〕昨日、内側に中塗り。
〔祝い椀〕昨日、菜の花畑のイメージのつもりで、丸い球を3個3角状に並べるのとセットにして、いくつか配置。その間に青貝粉を蒔く。
今日は、青貝粉の重なりを取り払う。
〔紐盃〕昨日、内底に数個、青貝粉や錫粉を蒔いてみた。
*午前中は、嵐に近いなかを石川県立美術館へ行ってきました。

4.29(水)

〔乾漆水指(旧)〕27(月)、朱の呂色研ぎ(蝋色炭、クリスタル#1500or2000)
28(火)、黒の蝋色研ぎ(静岡炭、蝋色炭、クリスタル#1500or2000)。全体に灯油で薄めた生正味漆。
今日、油砥の粉胴擦り(モスリン)。全体に灯油で薄めた生正味漆の拭き切り1回目。

5.1(金)

〔乾漆水指(旧)〕朱3回目、黒2回目の摺り拭き切り。

5.4(月)

〔乾漆水指(旧)〕2日朝、朱4回目、夜朱5回目の摺りの拭ききり。
3日、朱に少し曇りがちな感じが見えたので、摺りの仮落としをする。(全体)
3日午後、全体に摺り渡し。

5.5(火)

〔乾漆水指(旧)〕全体の摺り落とし。完了。
*透漆塗り・・・椀(内側2個の上塗り)。杯10個。盃9個。乾漆小椀(そとがわ)。

5.9(土)

〔乾漆水指〕内側をアクリル定規に合わせるように研いでいたが、隙間が広くなり、狂いの程度が分からなくなった。
外側を紙にパソコンでした作図に合わせるように研ぐ。
布が出たところに生漆を吸わせ拭きとる。
*ここ数日、上記の作業を繰り返している。
〔乾漆盤〕表側を静岡炭で研ぎ、朱で上塗り。
*乾漆小椀(鉢)の内側にも朱を塗る(昨日、外側に透き漆塗り)。
〔漆椀〕ここ数日、錫粉や金粉を蒔いたりした後、内・外に透き漆で上塗り。

5.10(日)

*昨日の朱塗り・・・乾漆盤の平地に細かい縮(黒っぽく乾いていたが、刷毛筋は残っている)。
*紐盃・紐杯・椀・・・熱湯を注いで、漆の臭気抜き。
2回(思ったよりお湯が多く必要で1回のもある)。
〔乾漆水指〕作図で確かめながら、荒砥→キング#1000で、身を研ぐ。
リグロインで薄めた生漆を吸わせる。

5.11(月)

*漆の臭気抜き(熱湯を注ぎ、冷めるまで放置)・・・杯・盃3回目。椀2回目。
布で包む(必要分)。
*素地の裏が、昨日は、熱湯で下に敷いたカレンダーの紙がくっついたので、今日は、下に陶器や磁器を置いてみた。上手くいったようだ。
*乾漆水指(旧)を拭き上げると、艶不足(摺り1回では無理)なので、生正味漆で摺り2回目。
夕方に摺り落とし(生正味漆の乾きは十分ではなかったが、、、)。
*紐胎杯の素地を1個作る。

5.13(水)

*昨日は、午前中、支部展の搬入と展示準備。
〔乾漆水指〕身が重すぎるので、鉋で削ったりして、軽くする作業をする。
リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
〔乾漆盤〕昨日は、縮んだところなどをキング#1000で研ぐ。
今日は、高台の外側の裏側をキング#1000、静岡炭で研ぐ。

5.16(土)

〔乾漆水指〕研いだり、薄めた生漆を吸わせたり、また研いだりし、凹み気味のところを下地で埋める。
*杯・盃の直したところに朱漆を指で塗るなど。

5.17(日)

〔乾漆水指〕蓋・身…全体を研ぐ。全体にリグロインで薄めた生漆を吸わせる。
*杯の素地全体にもリグロインで薄めた生漆を吸わせる。

5.18(月)

〔乾漆水指〕身…側面の形定規を作り、出ているところを削る。
足りないところに下地を渡し、形定規を引く。
〔乾漆盤〕高台の外側の裏側に透き漆を上塗り。
〔紐盃〕内側に透き漆を塗る。
貝の粉を3個に蒔く。金箔を3個に部分的に貼る。

5.19(火)

*昨日の透き漆塗り・・・少し湿度が高すぎたようで、刷毛筋が残り、少し黒っぽく乾いていた。
〔乾漆水指〕身…下地を研ぎ、また足りないところに下地を渡し、引き箆。
*引き箆(形定規)が1ミリ厚なので、補強用に裏側から2ミリ厚のアクリル片を両面テープで貼る。

5.20(水)

〔乾漆水指〕身…角の所が下の方で出すぎているので、削る。
足りないところに下地を渡し、形定規を引く。

5.21(木)

〔乾漆水指〕身…角の所が下の方で出すぎているので、更に削る。
足りない、主に腰のあたりに下地を渡し、形定規を引く。

5.22(金)

〔乾漆水指〕身…外側を研ぐ。
角の右半分に下地を渡し、形定規を引く。
〔杯〕(素地)内底に麻布貼り。外側に糊漆(下地を混ぜる)を刷毛付け。
(修理)浮き、剥ぎ取ったところに蒔き地してあったところに下地を付ける。
*紐盃7個など・・・熱湯で漆の臭気抜き2回。
酒を飲んでみると、内側に臭いはないが、外側には少し残っている。

5.23(土)

〔乾漆水指〕身…角の左半分に下地を渡し、形定規を引く。
〔杯〕(修理)凹んでいる箇所に下地を付け、隙間をなくす。
〔乾漆盤〕表側の上塗り・・・本朱と明るめの朱を混ぜずに、一緒に漉す。
刷毛で渡して、明暗の模様ができないかと思っていたが、斑を均しているうちに混ざってしまったような、、、?
ろくろで中心をずらして回し、白漆で螺旋模様をつけてみたが、、、
*朱で変化をつけられないようなので、白を使ってみた。
朱は同心円的に塗り(模様をつけ)、白は螺旋的に塗る。
結果はどうなることやら・・・???
*ついでに椀2個の内側も塗る(白がまずなくなるようにする)。

5.24(日)

*昨日の塗り・・・白の螺旋模様は見えるが、ゴミも目立つ。画像に撮ってみると、隅に縮みらしい感じ。
椀の布目貼り境の段付近に白の目立つ縮み。
*今日は一日、支部展の当番で高岡市美術館にいました。

5.25(月)

*透き漆塗り・・・乾漆盤(端回り)、椀3個(外側)。
*麻糸から麻縄を作ってみる。
*水指…外側を軽く研ぎ、凹みを下地で埋める。

5.27(水)

*透き漆塗り・・・紐胎杯4個(うち1個は上塗り)。
*エクセルで支部のコード表を作り、集計表を作ってみていました。
(別に自分の役割ではなく、操作法を思い出すためにやってみているだけ)

5.31(日)

〔乾漆水指〕素地の形が狂っているので研いだり、埋めたり、、、
デザインが決まらず、ほとんど作業停止状態。線をつけるためのガイドになる定規を作り始める。
キャドで別の作品の作図をしながら、デザインを考えたりしていた。
操作法をほとんど忘れてしまっているので、役に立っているのかどうか?

6.1(月)

〔乾漆水指〕ガイドに沿ってキンマ剣で線を付け、丸ヤスリで溝を付け、細い麻縄を1本貼ってみる。
〔乾漆箱(新作)〕A4までしか印刷できないので、キャドの現尺ではなく、用紙に合わせた印刷をする。
2ミリ厚のアクリル板に作図をセロテープで貼り、中心と中心線を引いた外側の交点とに豆錐で目印の穴をつける。
1/12の形定規を1ミリ厚のアクリル板で作り、それを順に回して、2ミリ厚のアクリル板に線を引く。
*土曜日は、午前中、となみ野美術展の開会式に行きました。
今日は、午前中、支部展の片付けに行きました。

6.3(水)

〔乾漆水指〕今日までに麻縄を計5本貼る。
蓋を作図に合わせて削る。
麻縄で作り始めた摘みの縄目を少し埋める。
〔乾漆箱(新作)〕アクリル平面定規を作るため、線の外側約1センチほどのところを糸鋸できる。
糸鋸を動かしやすくなったので、線のすぐ近くを切る。
凹んでいる側の辺の両側の隅を丸やすりで削り、ほぼ位置を決め、辺を削っていく。(途中まで)
*何度も失敗している水漏れ防止作業をやり直し、紐胎杯の内側に透き漆塗り。
一緒に3個の杯の内側に中塗り。

6.6(土)

〔乾漆箱(新作)〕アクリル平面定規を作りを続けている。ヤスリ削り。

6.7(日)

〔乾漆水指〕身…外側に薄い和紙を貼る。
*和紙を貼るため、乾漆刷毛を削り出し直す。
〔乾漆箱(新作)〕アクリル平面定規をヤスリでほぼ削り上げる。
*1/12定規と中心を合わせて、狂いがないかもチェック。

6.8(月)

〔乾漆水指〕軽く研いでから、外側に中塗り。
*杯・椀などにも塗る。
〔乾漆箱(新作)〕アクリル平面定規をチェックし直し、狂っているところを削る。

6.10(水)

〔乾漆水指〕身…内側から外側まで中研ぎ。
凹みが目立つので下地で埋める。
蓋…端の水平研ぎをするも直らないので、鉋で削ってみる。
まだ直らないので、端に下地を渡し(浮いているところを厚めに)、ガラス板に押す。
摘み…回りに薄い和紙を貼る。
熱湯入れ・・・何度も気泡が発生しているのは、またも発生。
下地・中塗りまで行っていた2個のうち1個から気泡が発生。
素地を作り、リグロインで薄めた生漆を吸わせただけなのは、水漏れなし。
*結論として、中塗り前に・・・水漏れのチェック&熱処理の代わり。
         上塗り後・・・漆の熱による臭気抜き。

6.13(土)

〔乾漆水指〕蓋…端の水平が、下地つけ・研ぎを繰り返しても直らない。下地つけ。
身…内側から外脇まで黒で中塗り。
*受注品の縄胎杯10個を届ける。紐盃を店の日本酒の棚の横に並べてもらうことにした。
*何度も気泡が発生し続けるのは、その付近全体に麻布を貼る(昨日)。

6.14(日)

〔乾漆水指〕蓋…端の水平研ぎ。まだ少し浮きあがっているところがあり、下地つけ。
身…外側を研ぎ、黒で中塗り。

6.18(木)

〔乾漆水指〕蓋…甲の中央付近が凹み気味なのに気付き、麻布を2枚貼る。
端がそれに引っ張られるようにまた動いている!
身…凹み気味のところを下地で埋めたり、研いだりし、今日外側(裏底を除く)を黒で中塗り。
*新作・・・引き箆を火曜日まで作っていた。
火曜日に、中心のスポークを垂直に立てる台を、木片2個を組み合わせて作る。
*紐胎杯・・・気泡が出たものに下地をつけたり、空研ぎしたりしている。

6.20(土)

〔乾漆水指〕蓋…(朝と夕)甲面の布貼り付近に下地つけ。
端の浮き上がりのところに下地つけ。
*新作・・・蓋の粘土原型、石膏雌型取り、石膏雄型取り。
*熱湯・・・ずっと気泡が出る紐胎杯、また別のところから気泡。下地で埋めておく。
他の2個は気泡出ず。

6.21(日)

〔乾漆水指〕蓋…(朝)甲面の布貼り付近に下地付け。
*新作・・・蓋の石膏雌型を壊し、雄型を取り出す。
身の粘土原型の下から3センチほどを作る。

6.22(月)

〔乾漆水指〕蓋…甲面をポリネット#80で研ぐ。
まだ凹みが残るので、下地つけ。
*新作・・・身の粘土原型を作る。高台部分を彫りこみ、円形のアクリル板を置く。
石膏雌型取り。硬化後、粘土を取り出し、削って修正。
石膏雄型取り。

6.24(水)

〔乾漆水指〕蓋…昨日も甲面の水平研ぎ、凹みの残る中央付近に下地。
今日は、端の水平研ぎをすると浮きが見えなかったので、引っ掛かりをつけるための土手を下地で作る(引き箆利用)。
甲面を研ぐと、やっと中央が高くなったので、その付近の凹み気味のところに下地。
*新作・・・昨日、身の石膏雄型を取り出す。穴や狂いすぎのところに石膏でつづくり。
今日は、蓋と身を重ねて研ぎ合わせる。穴や研ぎすぎなどを石膏でつづくり。
 *水分の多すぎるのでつづくったのは、硬化せず、やり直す。

6.28(日)

〔乾漆水指〕蓋…甲面の中央の凹み気味が直らないので、下地をつけたり、研いだり、、、
今日は、凹み気味の周辺を研ぎ落とし、だいたい水平にする。
中央に和紙を貼る。
引っ掛かりに関しては、土手の内側に細いラミー紐を貼る。下地をつける。
今日は、内側に下地を渡し、先の丸い箆で均す。
身…今日、内側を砥石で少々研ぐ。
*新作・・・石膏雌型の三つ割型を作り、雄型を取り出し、雌型を貼り合わせる。
補強は裏から麻布を貼る。欠けたところなどに石膏でつづくり。
今日は、つづくりを削ったり、またつづくりをしたり、余分の石膏を削ったりする。

6.29(月)

〔乾漆水指〕蓋…甲の中央付近に錆付け。裏の引っ掛かりを切り子地で整える(腰付近も)。
身…名倉砥などで研ぐ。凹みなどに錆。
*糊漆を作る(漉すのに失敗し、手が黒くなってしまう)。
*紐胎杯の内底などに切り子地つけ。

6.30(火)

〔乾漆水指〕蓋…甲と引っ掛かりを研ぐ。
引っ掛かりを切り子地で作る。甲に切り子地を付ける。

7.1(水)

〔乾漆水指〕蓋…摘みを付ける(径4ミリの穴2個をあけ、通す。麻縄の端をほぐし、裏に彫った溝に収まる分だけ下地で貼る−はみ出る大部分は切り取る)
肩付近が出過ぎの2辺を鉋で削り、切り子地を付けておく。
身…名倉砥などで研ぎ、内から外脇まで、黒で中塗り。

7.4(土)

〔乾漆水指〕蓋…昨日、裏のつまみの紐が出ている部分に刻苧。
(今朝)空研ぎ。(夕)裏に薄い和紙を貼る。
身…昨日まで、端幅が狭い所を下地で揃うように付ける。
今日、内側を少し研ぐ。下地のところに生漆を吸わせる。

7.5(日)

〔乾漆水指〕蓋…(朝)和紙の上を研ぐ。(夜)裏側に切り子地付け。
身…内側を研ぎこむ。外側を名倉砥で少し研ぐ。
凹みに切り子地。布が出たところに生漆を吸わせる。
*朱を練る・・・金華赤口25g、日華10g+四十澤朱合20g、ヤナセ15g。
*付け(4時間後)・・・湿り風呂(30℃、70%)のは縮んでいた。空風呂のは縮みなく乾いていた。
*仕事をしている場所が片付かないし、不便だったので、掃除をしながら、配置替え。
*机を中心に刷毛とか、砥石とか、刃物とかが近くにあるようにした。
今まですぐ傍にあった漆とか地の粉などが遠くなってしまった。棚の向きを変えるべきかも。

7.8(水)

〔乾漆水指〕蓋…昨日まで、和紙を貼った裏側に下地付け、研ぎ、、、裏側を黒漆で中塗り。
(今日)裏の引っ掛かり付近を少し研ぎ、錆を見る(内腰付近の丸みが主)。
午後、表を軽く研ぎ、朱(赤口)で中塗り。
身…昨日まで、内側を研ぎ、黒で中塗り。
(今日)外側を主に名倉砥で研ぎ上げ、朱(赤口)で中塗り。
*湿度が高く、かなり早めにしまっている。
*月曜日に、スチール棚二段を別々置いたりして配置換え、作業机から普段使うものに手が届きやすいように中の入れ替え。
座ったまま大体用の事が済ませられるようになる。

7.11(土)

〔乾漆水指〕蓋…昨日、摘みを作り直すことにし、桐板(木箱屋さんにもらったもの)を削る。
ドリルの轆轤代わりはうまくできず、結局、刃物で削り出し、空研ぎペーパーで修正。
中心に径3ミリの穴をあけておく。
生漆を吸わせる。
*朱を塗ってみて初めて、今までの摘みの向きが合っていないし、形的にも合わないと気付く。
(今朝)穴や木地の木目などをこくそで埋める。
(夕)中心に麻縄を通し、それに麻紐を結び、摘みの中心から巻き始め、外回りまで巻く。
付け根に細い麻紐を巻く。
*時間がないので、下地で貼る。
甲面の狂っているところを荒砥で研ぎ、朱を軽く指でめする。
*紐杯・盃(1個・2個)ビニール紐を巻いた型があったので、素地を作る。
*何度も気泡が発生する原因が一週間ほど前に分かった。
離型用に使っていたセロテープや何度か使ったビニールテープが劣化して、素地の方にくっ付いて残っていたのに気付かなかったまま、漆の仕事をして、それが熱湯で破られたということになる。

7.12(日)

〔乾漆水指〕摘み…(朝)空研ぎ。(午前)紐目にこくそ。(午後)空研ぎ。(夜)和紙貼り。
蓋…(午前)肩付近を研ぐ。生漆。(夜)錆を見る。
身…(午後)朱3種の色で塗り分けてみる。

7.18(土)

〔乾漆水指〕摘み…下地を付けたり、研いだり、朱の塗りなどをし、今日、また朱塗り。
蓋…表側を研いだりし、朱塗り。きょう、砥石で研いでから、また朱塗り(裏の引っ掛かり外まで)。
身…今日、内と外脇・腰まで静岡炭で研ぎ、内側に黒塗り。
*今週は、久し振りに5日連続仕事で、漆の方はあまり進まず。

7.19(日)

〔乾漆水指〕摘み…(朝)砥石で研ぐ。裏側に朱を箆で塗る。
蓋…甲面を砥石で研ぐ。 (夕)摘みを下地で取りつける。
身…朱を静岡炭で研ぎあげる。内側や裏底の一部を砥石で研ぐ。
*新作の石膏原型にアラビアゴム塗り1回目。

7.20(月)

〔乾漆水指〕蓋…摘みの裏側を研いでいると、ぐらっと動いてしまう。
紐を引っ張るのが弱かったようで、摘みを持ち上げるようにして、隙間にこくそ+下地を詰める。
裏側の紐のところも埋める。
(数時間後)同様にして埋める。
身…ビン付けで固定し、外側に朱を塗る(3種類の塗り分け)。
*前回の塗りの赤口が強すぎる気がするので、少し黄口をまぜてみる。
乾きが速すぎ、4時間ぐらいでもう乾いているように、窓から見ると、見える。
*会の、生まれた年が同じ(学年は一つ上)方のお通夜でした。

7.22(水)

〔乾漆水指〕蓋…表側のつまみの付け根付近に塗り2かい。裏に黒で中塗り。
今日は、裏に錆を見る。表側全体に朱を塗る。(金髪刷毛初使用)
身…黒塗りのところを研ぐ。端に朱塗り。
*赤口の塗りに小さい縮が目立つ(エアコンを使用しなかった所為かも)。

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