We've arrived in
the Portelo system, Captain.
Any idea what we're
supposed to be doing?
[Ransom] 【吹替】ポルテロ星系に到着しました。我々のここでの任務は?
[ふーん]
【直訳】ポルテロ星系に到着しました。何をさせられるかについて、お考えは?
Starfleet was unusually
tight-lipped on the details.
The whole mission's classified.
[Freeman] 【吹替】艦隊は珍しく詳細について口を噤んでたの。任務はすべて機密よ。
I wonder what
the big mystery is.
[Mariner] 【吹替】次の任務は?
[はぁ?]
【直訳】この大いなる謎の正体は?
【所感】もう少し原意を残して欲しかった。
- I don't know,
but I can't wait
to find out with you.
[Tendi] 【吹替】一緒に何か発見するの楽しみ。
[ふーん]
【直訳】わかんないけど、一緒に発見するのを待ちきれないわ。
Captain's log, stardate 58724.3
In a pleasant surprise,
the Cerritos has been tasked
with transporting
the USS Voyager.
[Freeman] 【吹替】艦長日誌、宇宙暦58724.3。うれしいことにセリトスはUSSヴォイジャー号の輸送を任された。
[はぁ?]
【所感】「艦長日誌」で減点イチ。 You know, growing up, I had
a dragon named Fiddlesticks. He was such a good boy. He protected me from
all sorts of affectionate... [Billups] 【吹替】子供のころ、童貞守君というドラゴンを飼っていてね。ありとあらゆる色仕掛けから私を守ってくれる...
[秀逸]
【所感】"Fiddlesticks"(バカバカしい)と言ってる。思い切った訳し替えだな。まぁ、どうせやるならこれくらい振り切ってみるのがよさげ。吉と出るか凶と出るか...
It's Voy, man.
[Mariner] 【吹替】あのヴォイジャーなんだよ。
[はぁ?]
【所感】"VOY"と言ってる。LD第2シーズン"WE'LL ALWAYS HAVE TOM PARIS"(邦題:永遠のトム・パリス)で、ことさら連呼したネタだ。訳出すべきだった。
I'm gonna make sure
going to warp
didn't knock anything over.
[Tweekle] 【吹替】ワープで物がひっくり返らないか確認してくる。
We've got inertial dampeners.
I'm sure everything is fine.
[Ransom] 【吹替】緩衝装置があるから、多少の揺れは問題ない。
[ふーん]
【直訳】慣性制動装置がある。なんともないって。
Temba, his arms wide.
[Kayshon] 【吹替】テンバ。腕を大きく広げて。
【所感】「広げた腕」が定訳である。わざとかもしれないが... 微妙すぎて評価なし。
- Sokath, his eyes uncovered.
[Kayshon] 【吹替】ソカー。眼はふさがってない。
[はぁ?]
【直訳】スカース。彼の眼は開かれた。
【所感】"his"を訳出することがタマリア語翻訳のポイントな気がする。
Dude, this is nothing compared
to, you know, that Pike thing
we aren't supposed
to talk about.
Let's get these chunky
cold sores under control
so we can get back
to enjoying this.
[Mariner] 【吹替】そうは言ってもパイクの件に比べたらどうってことないよ。あっちは言っちゃダメみたいだし、早くあのムチっとしたウィルス捕まえてまたヴォイジャーを堪能しよう。
【余談】当然、SNW"THOSE OLD SCIENTISTS"(邦題:大昔のサイエンティスト)のことである。
Captain, I caution against
socializing with the organism.
[T’Lyn] 【吹替】艦長、この有機体との交流には注意が必要です。
Organism?
I'm a totally unique sentient being.
[T’Illups] 【吹替】失礼な。私は知的存在だぞ。
Yeah, T'Lyn, it doesn't hurt
to be friendly,
since Mr. T'Illups didn't ask
to be created.
[Tendi] 【吹替】そうよ、ティリン。ティラップスさんに悪意はないんだから。仲良くしてあげましょ。
[はぁ?]
【直訳】そうよ、ティリン。仲良くしてあげましょ。ミスター・ティラップスが望んでこうなったわけじゃないんだし。
【所感】「ティラップスさん」はないだろー。また、「悪意はない」というのは原意を外していると思う。
Let me die!
[Shaxs] 【吹替】死なせてくれ。
No, no, no.
Stay with me, Shaxs.
You're gonna get through this. We're exploring the galactic frontier, we need to stay flexible. [Ransom] 【吹替】いやいや、死んじゃだめだ、シャックス。堪えろ、堪えろ。前人未踏のフロンティアを探検するには柔軟性がないと。
[ふーん]
【所感】「銀河のフロンティア」と言ってる。マニア心をくすぐる訳し替えだ。
Oh, boy,
Mirror Universe Archer,
you're gonna love our new room.
[Boimler] 【吹替】平行宇宙のアーチャー、君もこの部屋が気に入るぞ。
[はぁ?]
【所感】「鏡像世界」とすべき
Captain's log,Stardate 58759.1.
The Cerritos is visiting
the Federation world Corazonia,
an artificial megastructure
in a bespoke star system
designed by a long-extinct
alien species.
【吹替】艦長日誌、宇宙暦58759.1。セリトスは惑星連邦に属するコラゾニアを訪問。大昔に絶滅したある異星人によって設計された人工的な巨大建造物だ。
[はぁ?]
【所感】「艦長日誌」で減点イチ。
We're all artists and poets,
but I've been so stressed.
[Corazonian] 【吹替】我々はアーティストや詩人ですが、私もストレスのせいで先週こんな酷い彫刻を作ってしまいました。
Just an amateur lack of focus
and balance.
[Ransom] 【吹替】どうみても丸っきり素人の作品だ。
[ふーん]
【直訳】焦点も調和もかけたただのアマチュアだ。
Welcome to Corazonia, Captain.
We appreciate Starfleet's help.
Please enjoy some iced tea.
[Vexilon] 【吹替】コラゾニアにようこそ。宇宙艦隊の協力に感謝します。アイスティーをどうぞ。
- Aah!
That's hot.
[Ransom] 【吹替】うわっ!ホットだ。
- Damn it!
I'm so stupid!
[Vexilon] 【吹替】またやってしまいました!
[ふーん]
【直訳】クソっ!なんてバカなことを。
It's totally normal
for a planetary operating system
to need some maintenance
every once in a while.
[Freeman] 【吹替】まったく普通のことよ。惑星のOSには定期的なメンテナンスが必要なの。
[ふーん]
【直訳】惑星管理システムに定期的にメンテナンスが必要なのはごく普通のことよ。
No one's judging you.
[Corazonian] 【吹替】気にしなくていいのよ。
[ふーん]
【直訳】誰も責めてなんかないわよ。
Thank you, Captain.
I don't deserve this treatment.
I hope this isn't taking you
away from more important work.
[Vexilon] 【吹替】ありがとう、艦長。でもよろしいのでしょうか。もっと重要なお仕事があるのでは?
[ふーん]
【直訳】ありがとう、艦長。そんなお手間を取らせる価値もないのに。もっと重要な仕事をそっちのけにされてるのでなければいいのですが。
I've had good bosses
and bad ones.
I just don't want
to repeat their mistakes.
[Boimler] 【吹替】悪いボスも見てきたし、同じ間違いはしたくない。
[ふーん]
【直訳】いいボスも悪いボスもいた。彼らのミスを繰り返したくないだけさ。
I just don't want
to repeat their mistakes.
Your caution is warranted.
Statistically, ensigns serving
under recently promoted
commanders are more likely
to experience death
and/or dismemberment.
[T’Lyn] 【吹替】その不安はごもっともです。統計的に、ボスが新任だと部下の死亡や手足切断の確立が高まります。
[ふーん]
【直訳】その不安はごもっともです。統計的に、昇進したての指揮官の下で働く少尉は、往々にして死亡や四肢切断のいずれか、あるいは両方を経験するものです。
【所感】and/orを訳出してない。間尺的に仕方ないか。
- Hmm.
Every chip?
Even the second layer?
[Dirk] 【吹替】全部やった?じゃあ、2層目も終わったのか?
Why didn't you tell us
about all these?!
[Tendi] 【吹替】なんでこのこと黙ってたんですか?!
[ふーん]
【直訳】このこと言ってくれたらよかったじゃないですか?!
I don't know.
The hidden button seemed obvious.
[Dirk] 【吹替】隠しボタンに気付くと思った。
[ふーん]
【直訳】なんでかな。隠しボタンなんて見え見えだろう。
Aah!
Lancelot!
Leave me alone!
I don't have any meat! [Rutherford] 【吹替】ああ!やめろ!僕は肉なんてついてないよ。
【所感】「肉を持っていない」と言ってるんだが、このフェレットは人肉を好むようなエピソードがあったんだっけ?
Freeman to Lieutenant Boimler.
Has your team finished
the retrofit?
[Freeman] 【吹替】フリーマンからボイムラー。シリンダー交換終わったの?
We're almost finished here, sir.
[Boimler] 【吹替】あともう少しです。
【余談】あ、例によってフリーマン(女性)に "sir"。
Are you
sure we shouldn't just ask him
- to stop hazing us?
[Rutherford] 【吹替】しごきを止めてくれっていうだけじゃだめ?
- No, Mariner's right.
[Tendi] 【吹替】ダメ。しごきをやる人はしごきをリスペクトしてるんだもの。
[はぁ?]
【直訳】ダメ。マリナーの言う通りよ。しごき好きが好きなのはしごきだけなのよ。
【所感】「Mariner's right」を訳出しない一方で「respect」をカタカナ訳?どうも首肯しがたい。
【余談】後の「respect」に繋げるためなのだろうけど、だったらそっちを訳し替えてもっと自然な日本語にすべきだったと思う。
I studied your records and
mission logs before our departure.
The commander was correct
to promote you.
Your work is exemplary.
[T’Lyn] 【吹替】私はあなたの記録と任務日誌を調べました。中佐はあなたの働きを見たうえで昇進を決めたのです。
[ふーん]
【直訳】出発前、私はあなたの記録と任務日誌を調べました。中佐があなたを昇進させたのは正しかった。あなたの仕事は素晴らしい。
Taylor and Meredith,
claim a terminal
and get those power cylinders
reattached.
[Boimler] 【吹替】テイラーとメレディスはターミナルにこのシリンダーを戻せ。
【所感】あ、初めて "cylinder" が出た。これを遡って適用してたってことか。
Your mission was a success.
[T’Lyn] 【吹替】任務は成功しました。
Well done, Mr. Boimler.
You never forget
your first death.
[Ransom] 【吹替】やったな。記念すべき初めて死んだ日だ。
[はぁ?]
【直訳】よくやったな、ボイムラー中尉。この初めて死んだ日は一生忘れられんだろうさ。
【所感】原意を外してる。訳し替えとしても無意味。
Hear! Hear!
They bought
the Wadi game story, huh?
[Ransom] 【吹替】あいつらまんまと引っかかったか。
[ふーん]
【直訳】聞いたか。奴らにワディゲームの話をしたんだろう?
Oh, yeah.
Told them I was stuck in there for a month.
[Dirk] 【吹替】信じてたよ。ゲームがトラウマだって言ったら。
[はぁ?]
【直訳】ええ、ゲームに1か月閉じ込められたって言ったんです。
【所感】なんで上官にため口たたいてんの?そんな間柄だっけ?
Oh, new lieutenants
give me life.
[Ransom] 【吹替】奴らをからかうのは最高だ。
[ふーん]
【直訳】新任中尉をからかうと寿命が延びるよ。
I know the uniform is
more comfortable, but,
Slit Throat has
a dress code.
[Tendi] 【吹替】制服の方が楽だけど、スリットスロートのドレスコード。
You know, got to respect
that they didn't even pretend
to add a pun in there.
It shows strength.
I like it.
[Mariner] 【吹替】店に「喉を裂く」なんてエグい名前をつけるなんてさすがだよ。ゴリゴリで気に入った。
[秀逸]
【直訳】まあ、ちょっともじった名前にさえしなかったってのは尊敬モンだね。強さの証ってか。嫌いじゃないよ。
【所感】直訳じゃ何のことかわからないね。本来なら「喉を裂く(スリットスロート)」じゃあそのまんますぎるから、少しぐらいぼかした名前にするところだという意味か。説明っぽくならずに原意を反映させた訳し替えが秀逸。
Oh...
- Let us in.
[Tendi] 【吹替】中に入れて。
- Get in line.
Oh...
Oh, Mistress of the Winter
Constellations!
Oh, I didn't realize!
Please don't flay me.
[Guard] 【吹替】列に並べ... え?冬の星座のご主人様?気づきませんで。皮を剥がないで。
Oh, h-he's just kidding.
I would never flay.
[Tendi] 【吹替】冗談言ってるだけだよ。皮なんか剥がない。
I owe you an eternal debt
of gratitude.
My grandchildren
will sing of this day.
[Guard] 【吹替】ああ、このご恩はずっと忘れません。末代にまで語らせますんで。
[ふーん]
【直訳】ああ、このご恩はずっと忘れません。私の孫もこの日のことを歌い継ぎます。
【所感】少々くどい訳し替えだな...
Oh, has Starfleet softened you?
[Madame G] 【吹替】ねえ、艦隊に入ってヤワになってない?
Ah.
Yes.
I love being soft.
[Tendi] 【吹替】悪い?ヤワなのにが好きなの。
[ふーん]
【直訳】そうよ。ヤワで結構よ。
Tendi, how are you so good at
the murder-bug drinking game?
[Mariner] 【吹替】何で殺人虫の呑みゲームが得意なわけ?
I don't know.
It's my first time.
Guess I'm just a natural.
[Tendi] 【吹替】なんでだろう?初めてなんだけど。私って天才かな。
[ふーん]
【直訳】なんでだろう?初めてなんだけど。生まれつきかもね。
I mean, uh,
to paraphrase
the old rail-splitter,
a house divided in Twain
cannot stand.
[Boimler] 【吹替】つまりのその、リンカーンの言葉を借りてもじるなら、トゥエインがバラバラになった家は立ち行かない。
【余談】元は"A house divided against itself cannot stand"で、リンカーンも聖書の言葉を引用したんだってさ。"rail-spliter"はリンカーンがフェンスを作るために丸太を割る仕事をしていたことからの愛称とのこと。
Of course I wanted
to take your place.
But I'm no D'Vana Tendi.
Once I'm married,
people are going to see
that I'm a pale comparison.
[D'Erika Tendi] 【吹替】もちろん代わりにはなりたかった。でも私は姉さんじゃない。結婚したら姉さんと比べられて皆がっかりする。
Are you kidding me?
[omit]
You just kicked my butt. You're an amazing prime. [Tendi] 【吹替】本気で言ってる?(略)私をやり込めたじゃない。最高の頭(かしら)だってば。
[ふーん]
【直訳】本気で言ってる?(略)私のお尻を蹴飛ばしてくれたでしょ。最高の頭(かしら)だってば。
【所感】"kick my butt"は「背中を押す」みたいに決断を促したときの表現。つまりテンディは、ドゥエリカが艦隊へ送り出してくれたことを感謝している流れだ。この訳し替えは... 微妙。
I guess I did
kick it a little bit.
[D'Erika Tendi] 【吹替】ええ、確かにちょっとやりすぎちゃったかも。
[ふーん]
【直訳】そりゃ少しは蹴ったかもだけどさ。
A lot a bit.
[Tendi] 【吹替】めっちゃ決まってた。
[ふーん]
【直訳】ものすごく「少し」、ね。
【所感】この一連の下り、原意を変えて適当に台詞を合わせた感が否めない。ナシよりのアリってとこだな(原語脚本が悪いという気もするが)。
Aw, sorry you can't release
some of this anger
with Mr. Clemens. [Mariner] 【吹替】かわいそう。マーク・トウェインになって怒りを発散できないんだね。
【所感】ミスター・クレメンスと言ってる。マーク・トウェインの本名だね。それじゃわからないだろうと訳し替えたんだろうけど、敢えてそうしてるんだから原語に倣ってほしかった。
【余談】このマーク・トウェインの元ネタは、 TNG第6シーズン"TIME'S ARROW, PART II"(邦題:タイム・スリップ・エイリアン(後編)) で、当初はクレメンス呼びで、後で正体がマーク・トウェインだと明かされる。本国でもこのネタは驚きだったのかな?