乾漆0310(の1) (2003年10月−2004.5.19 )
乾漆作品ごとに、制作過程を纏める。URUSHIの仕事からのコピーが主だが、画像は全てここに置く。
10.21(火)
自分の本来の仕事は乾漆なので、乾漆作品のアイデアを考えていました。
幾つか平行してやっていくべきでしょうが、どうなることか?
10.22(水)
仏像の写真を見ていました。
10.23(木)
俊乗堂のをヒントに固まりつつあります。
多分、雄型に貼り、線を後から作ることになるでしょうが、まだどう作ればよいか分かりません。
多作になるべきでしょうが、なかなか、、、
10.24(金)
図を描こうとして、迷い。
10.25(土)
図の細部の検討。
10.26(日)
0.3mm厚のアルミ板に、衣文線を意識した入り隅付近の形を作図。
1辺の片側の形用と1辺全体の形用を同時に作図。
スプリングつきのコンパスを買っていたらしく、それを利用することが出来たので、幅を一定にすることが出来た。
目がはっきり見えず、位置を確定するのに苦労−乱視の所為か、視野の所為かハッキリしない。
片側の形用のをヤスリで削り、大体仕上げ、セクション・パッドへの作図(考察}と合わせてみる、、、
10.27(月)
1辺定規としては、0.3mmでは薄すぎるので、0.8mm厚のアルミ板に作図。
径2mmのドリル刃で中心に穴をあけると、少しずれていた。
裏返し、あけてしまった穴を中心に作図し直す。
片側の形用定規を当て、隅付近の形を写す。金切りバサミでその外側を切る。
*中心の穴をあけてかかってから、作図した方が良いかどうか、技術力の問題だろう。
自分で纏めた仕事のやり方を読み直しながら仕事をしているわけではないから、毎回作り方が違うだろう。
10.28(火)
1辺定規(0.8mm厚)の、隅付近をヤスリで削り始める。
10.29(水)
1辺定規(0.8mm厚)の、隅付近をヤスリで削る。まだまだ。
10.30(木)
1辺定規(0.8mm厚)の、隅付近をヤスリで削る。大体の形が出来る。
11.4(火)
1辺定規(0.8mm厚)の、隅付近を微調整する感じで削る。
紙に形を鉛筆でなぞり、裏返し、左右の狂いを見る。
削り足りないところを削る。
11.6(木)
1辺定規(0.8mm厚)の、隅付近を微調整する感じで削る。
*片側定規を合わせてみると、少しだけ合ってない感じ。
11.7(金)
1辺定規を紙に写してみて、大体出来ている感じがする。
アクリル板(2mm厚)に書く予定の円の中心に2ミリの穴をあける。
スプリング付き(幅を固定できる)コンパスで円を書く。目安として同心円3つ。
6等分しようとしたが、穴をあけている分半径が小さくなり、うまく行かない。
11.8(土)
(昼)*アクリル板への作図がよく見えないので、弁柄を摺りこむ。昨日も。
中心線を書くも、少しずれている。失敗続きで、裏に作図することにした。
中心穴の側に、中心を通る位置を確かめ、金尺を当て、中心線を引く。弁柄を摺りこむ。
余分な四角形を切り取る―カッターで切れ目、折り切り。(夜)分度器をテープで固定し、残り2本の中心線を引く。弁柄を摺りこむ。
作図後、撮影のためにテープ固定。
中心の穴をドリルで3mmにし、1/6定規を当て、ネジで固定。
11.13(木)
1/6定規を、円の6等分した1辺毎に写していく。
アクリルカッターで糸鋸のかからない出ている部分を切る(折る)。
糸鋸で大体の形に切る。
11.14(金)
ヤスリで大体の形に削る。
入り隅にあたる部分を丸いヤスリで削る。
大体の形が出来たので、1/6定規と合わせて削り始める。
見難かったので、アルミ1/6定規を下にしてみた。
アクリルカッターの背でも削る。
11.15(土)
昨日と同じ辺を削り、アルミ1/6定規に合わせようとしているが、なかなか合わない。
*石膏を同じように作る技術があれば、それらを組み合わせるという方法も可能だが、ない。
11.16(日)
残りの5辺を順に削り、1/6定規に合わせていく。
*アクリルカッターの背で、側面が垂直になるようにしているつもりだが、、、
中心線で正確に60度に分割されていないところを最後にして、両隣の辺の削った形を基に位置を決める。
11.17(月)
よくみると、合っていない−位置、山の形、、、
中心線が60度毎に分割しているか、分度器を当てて確かめる−0.5度弱、一ヶ所ズレている感じ。
1/6定規も、60度で合っているようだ(分度器と)。
削って合わせていく。
ついでにアルミ1/6定規を削っていることもあるので、なかなか予定の位置が決まらない。
手前のアルミ1/6定規−裏のアクリル定規が見えないということは、合っていることになる。
11.18(火)
アルミ1/6定規が手前になるようにして、隅の形の狂いを見ていく。
中心線を合わせてから確かめるのではなく、隅の形を合わせ、裏返し、線が合っているか確かめた。
少しずつとはいえ、かなり削って直す。
11.19(水)
アルミ1/6定規と、隅・辺の狂いを更に削って直す。
中心軸であるネジを外し、アクリル定規の外形を鉛筆で紙に写す(黒色)。
一辺分をずらし、外形を写す(紺色)。
もう一辺分をずらし、外形を写す(橙色)。大体は合っている。
中心軸を嵌め、辺の狂っている感じのところを削る。
*1/6定規に合わせる。但し、隅はアクリルを修正しているうちに狂い出しているので、完了とする。
*これで出来ていると思っていても、翌日見るとどこか合ってない。
11.20(木)
辺の狂いを確かめ、出ているところを削る。
アルミ定規を外し、アクリル板の外形を紙に写す。
上からアクリル定規、19日の図、20日の図
( 「狭い」は、アクリル定規の60度分が少し足りない辺に書いてある字で、目印として使っているだけ)
入り隅にまだ狂いがあり、削って直す。
*いくらやっても限がないので、これぐらいにしておく。
*側面の形をどうするか、大体のイメージはあったが、どうも纏まらない。
入り隅付近が細かすぎたか、、、
11.21(金)
側面の広い面と甲の繋がりをどうするか、
どういう線の流れにするか、、、考えていた。
11.24(月)
模様をどうするか、それと関連して側面をどうするか、絵を描きながら考えていました。
流れが始まるところを狭くするか、広くするか−隅の中央を締めるか、緩くするか(肩に垂れがいる)。
11.25(火)
模様をどうするか、決定できない。アイデアと一致しない。
*仏像の衣文線をそのまま持ってくるには、無理がある。もっと簡単な線にするしかない。
蓋の側面の形をアクリル板(3mm厚)に書く−貼ってある紙に。
11.27(木)
蓋の側面用引き箆を糸鋸などで切り、ヤスリがけ。
*側面の模様をどうするか、確定できない。身の形は、それによって決まる。
昨日、寺でお経の時に何となく浮かんだのは、流れの始まりの点で無理だと思う。
仏像のトルソ or 腰の線 ?
11.28(金)
側面の模様を鉛筆で書いて考えていました。
*図録「東大寺の至宝」、十一面観音立像を見て、上が狭い方が、締まりがあると感じました。
11.29(土)
*入り隅付近に、別の引き箆が必要かと思いついたが、そうではないと考えついた。
模様が曲線化するあたりで、手加減で粘土を残せば良いだけだ。
中央側の模様の線と、素地の外形の線を合わせれば良いのだろう。
身の引き箆の形を鉛筆で書く。
12.1(月)
身の側面の図を少し直し、糸鋸で切る。 (少し、腰を丸くする)
刃の届かないところは、カッターで溝を作り、折る。 (かなり深く削ってかかる)
線を見ながら、ヤスリできれいな線にする。 (カッターの背では、線の流れを直せない)
こんな感じの側面になる予定。
12.2(火)
蓋と身の引き箆を合わせて、線の流れ具合を確かめる。
滑らかでないところを鑢で削って直す。
引き箆を回していく裏にあたるところを斜めに落とす−鑢、カッターの背で。
引き箆の支え(裏からの当て木)になる板を切る。
*引き箆が撓りにくいようにと3mm厚のアクリル板を使ったのだが、、、
12.3(水)
先ず3mm厚のアクリル板にドリルで3mmの穴を2ヶ所あける。
それに合わせ、鉛筆で印をつけてから、手前に来る板と支えとなる裏板に穴をあける(裏板は途中まで)。
ネジで固定。別のところにも穴をあけ、ネジで固定(計3箇所)・・・引き箆の本体。
支えの中央に線を引き、半分ぐらいまで糸鋸で切る。直覚に曲がって引き箆の厚みほどを切る。
引き箆を実際に当て、厚みを作図し、切る。
引き箆の下側から、適した位置に垂線を引く。支えの深み分まで切る。
支えを実際に当てて、厚み分を作図し、切る。
組み合わせる。
これで蓋・身の引き箆完成。
ネジで固定する前の写真も撮ったが、間違って削除してしまう。
ネジを外して、分解すれば元に戻るが、省略。
12.4(木)
蓋の粘土原型作り開始。
中心は、板に釘を打ったものを置き、粘土で固定。
肩付近の引き箆の形が滑らかでないのに気付き、削る。
粘土を付けて引き箆を引いても粘土が付かない。
粘土を肩付近に押し込むようにつけ、引き箆を引くと上手くいった。
*立体化された状態を見て、どういう模様にするか、考えてみるが、、、
*水粘土と同じケースに入れていた道具(陶芸用−母よりもらったもの)にカビが生えたり、錆びたり、木部が腐ったり、、、
12.6(土)
模様を実寸で紙に書き、鋏で切る。
粘土原型に当てて感じを見る。
0.3mm厚のアクリル薄板に写し、切る。 鑢かけ。
粘土原型に押してみる。
石膏雄型で素地を作るとすれば、模様は薄くてよいが、、、
12.7(日)
合い口から1センチほどの高さの引き箆をアルミ片で作る。
それを使って、入り隅付近を削る。
アクリル引き箆で粘土原型を直す。入り隅の中央は、奥まで削る。
アクリル薄板を当て、粘土に形を写す―昨日の図に並べたようにして、粘土に押すと、傾いたりし難い。
石膏雌型取り。
*久し振りの石膏の仕事で、やり方をすぐには思い出せなかった。
12.8(月)
アクリル平面定規に径3mmの穴を3個ドリルで開け、3.1mmのネジをはめる。
プライヤーで引っぱり、アクリル定規を外す。
粘土を取り出す。
石膏雌型を削って形を直す。
入り隅の形がガタガタしていたので、目で見てかなり直す。
*身の粘土原型を作るときに使う詰め物にする発泡スチロールや木を用意する。
12.9(火)
蓋の石膏雌型をもう少し削る。
身の粘土原型を作り始める。詰め物用の発泡スチロールが大きすぎ、使用を止める。
粘土を叩いて固め、中心になる釘を立てた板を上に置き、中心を決める。
裏返し、アクリル定規の中心線に合わせて粘土に印をつける。
また裏返し(元に戻し)、片側にスコヤを立て、手前に金尺を置き、中心の釘のズレを直す。
垂直にも気をつけ、各方向よりチェックし、決定。
引き箆を引いて、大体の固まりを作る。
12.10(水)
身の粘土原型を裏返し、アクリル定規に粘土が沿うよう削る(足す)。
引き箆で形を作る。深い入り隅作りまで。蓋の石膏雄型取り。
カリ石鹸を数回塗り、裏から水を吸わせ、カリ石鹸塗り。
柔らかい石膏を薄めにわたす―薄すぎ、削ったりできるかどうか?
水を吸わせておいたスタッフを石膏の中に入れ、貼り付ける。
もう一回石膏を渡す。
*1年以上前に購入していた石膏の袋をやっと開け、使い出す。
12.11(木)
蓋…雌型を叩いて、雄型を取り出す。
一部欠けたので、石膏でつづくり。
*高さが少し高すぎるか?身の模様をアクリル薄板で作る。
金切り鋏で切り、鑢で線を整える。
*一つだけ見るのと、三つ並べてみるのでは、印象が変わってしまう。
12.12(金)
蓋…雌型を壊し、針金を取り出す。
身…合い口から1p幅ぐらい、入り隅付近を引き箆で削る−12/7の蓋にした作業と同じ。
一ヶ所、アクリル薄板で模様をつけてみる。
12.13(土)
身…模様を付ける。
*一周してみると、最初のは決まってない!
石膏雌型取り。
12.14(日)
身…粘土を取り出す。
石膏雄型取り。 (昼まで)(夕-夜)雌型を割って雄型を取り出す。
少し弱すぎるか?
12.15(月)
石膏原型の端を水平にする−荒砥、空研ぎ、、、結局、ガラス板上に#180ペーパーをおき、水研ぎ。
甲・裏底を荒砥で研ぐ−かなり歪んでいたので、研ぎ切れない。
アクリル平面定規を当て、出ている部分を削る−身はあまり狂ってなかったが、蓋はかなり大きくなっていた。
*原因は? 固まった時、蓋の雌型に亀裂が走っていた。針金の補強が下手だったのか?
蓋に石膏の欠けが目立ったので、つづくり。
12.16(火)
蓋の石膏原型にアクリル薄板を当て、ステンレス箆で削る。
きれいにならないので、鉛筆で線を書き、砥石で研ぐ。
*石膏が湿っているので、水はつけなかった。直りきらない!
身は、見た目に左右が対称でないので、位置を決め、作図する。(途中まで)
*アクリル平面定規を当て、山の位置を鉛筆で書いておく(端付近)。
*線毎に、高さ・中央からの距離で目安の位置を決め、アクリル薄板を当て、鉛筆で書く。
左側が、石膏で出来ている形と鉛筆の線がかなりズレている。
端をx軸、中央の線をY軸として、中心側から順に目安の位置の座標を記録(正の方向のみ)。単位cm。
(1.2,7.8)(2.2,7.8)(2.8,7)
12.17(水)
身の残りを作図。
砥石で水研ぎ。かなりガタガタしている。
*中央の谷は、先を丸く加工した棒状の砥石で。
弓なりの形の小さい砥石(凹・凸)で、曲線と谷を滑らかに。
12.18(木)
身…もう一度、線のところを研ぐ。側面(平面)も軽く研ぐ。
石膏の重さで凹んだ端角や穴に、石膏でつづくり。
蓋…作図をし直し、砥石で研ぎ直す。(途中まで)
*蓋も目安の位置を決め、作図し直す。(0.5,2.8)(1.1,2.8)(1.8,2.8)
蓋…砥石で研ぐ。
身と重ねてみて、ズレているところを研いで直す。
端角の凹みを石膏でつづくり。身…石膏雌型取り―錫金貝で三つ割に。
*錫金貝で完全に三つ割にし、後で合わせても完全には元に戻らない。
端付近と、底の所に、何も挟まない部分を作ってみた。
上手く分離できれば、そこはまたピタリとくっつくはずだが、、、?
12.20(土)
身…雌型の端に当て木をして木槌で叩き、三つに分割。
*底が上手く割れ、安定的に合わせることができるようだ。端のところを斜めに切り、、、どうなる?
蓋…石膏雌型取り。
*乾漆食籠にするかどうか、決まってない。
石膏雌型は、もう一度雄型を作るため―別の作品用。
12.21(日)
蓋…雌型の端に当て木をして木槌で叩き、三つに分割。
*錫金貝の端付近にあたる部分を斜めに切ったのは、石膏が割れ、あまり効果が無いというより、良くないようだ。
*身のときもそうだったが、雄型に水を吸わせていたつもりだったのに、雌型にガサガサのところがあった。雌型が割合きれいに分割できたので、蓋・身とも組み合わせ、石膏で固定(裏は麻布、横は麻紐で補強)。
*もう一度、雄型を作ろうかと考えていたのだが、このまま雌型原型として使うことにする。
石膏雄型原型に合わせて、懸子を作ることにし、アクリル板に作図。
12.23(火)
懸子の引き箆を作るべく、アクリル片を糸鋸で切る。
*熱を持って糸鋸の刃がアクリル片にくっついて動かなくなることが多い。
12.24(水)
懸子の引き箆をヤスリで削り、形を整える。
垂直を支える板をアクリル片で作り、組み合わせるも、上手くいかず、アクリルが割れてしまう。
削り、結局、接着剤でくっつけたが、どうなるか?
*アクリル用の接着剤がなくなっていたので、硬質塩化ビニール管用を使ったが、、、?
12.25(木)
懸子の粘土原型を作り始める。
*接着剤は大丈夫でした。
12.27(土)
懸子の粘土原型手直し。
石膏雌型取り。
12.28(日)
懸子…粘土を取り出し、石膏雌型を修正。
石膏雄型取り。
(時間を置いて)雌型を割って、雄型を取り出す。
*懸子は一つだけの予定なので、これで石膏の仕事は終わり。
12.29(月)
懸子…石膏原型を砥石で研ぐ。
12.30(火)
*石膏原型が並んでも、水分が残っているので、作業が出来ない。
〔乾漆03.10〕(雄型)、〔乾漆tonamino〕を茶箱に入れ、夕方より熱処理開始―結局、半日(サーモ30℃設定)。
12.31(水)
蓋・身…離型剤(アラビアゴム)を塗る。
*水分の抜けが十分ではない感じだが、、、
*カリ石鹸が表面に残っているので、糊をはじくのだとやっと分かる。
2004.1.1(木)
蓋・身…離型剤(アラビアゴム)を塗る。2回目。
1.2(金)
蓋・身…膜を作るために黒漆を塗る。
*錆を合わせる。
1.3(土)
蓋・身…風呂の上段の乾きが悪く、下段に移す―乾く。
艶を消す―一部剥がれてくる―黒漆を塗り直す。
*懸子用、雌型…アラビアゴム1回目。
1.4(日)
蓋・身…黒を塗って目立ってきた穴・凹みを切り子地(漆分少なめ)で埋める。
*懸子用、雌型…アラビアゴム2回目。
1.5(月)
蓋・身…錆下地付け1回目。
1.6(火)
蓋・身…錆下地を空研ぎ。一ヶ所、不硬化―灯油で拭き取る。
雌型がガサガサしているので、もう一回アラビアゴム(計3回)。
1.7(水)
蓋・身…錆下地付け、二回目。
雌型・・・膜を作るために黒漆塗り。
*雌型は穴だらけ!
1.9(金)
蓋・身…空研ぎ。切り子地付け(3回目)。
雌型・懸子・・・艶消し。粉分の多い下地をつける―石膏の穴がひどいので埋めるため。
*狭いところに石膏原型を並べていて、蓋が転がり、角が少し欠けてしまう。
1.10(土)
蓋・身…空研ぎ。甲・底の乾き悪い。
*漆分が強い所為もあるが、平地は箆で均しているし、厚すぎるとは思わない。低温の所為もあろう。
雌型・懸子・・・空研ぎ。乾いている。
1.12(月)
蓋・身…切り子地付け(4回目)。
雌型・懸子・・・錆下地付け(1回目)。
1.13(火)
蓋・身…空研ぎ。蓋の角の欠けた所などに切り子地。
雌型・懸子・・・空研ぎ―錆の乾きは十分ではない。
*今日、吉川さんと話したのだが、塗る漆はすぐ乾くのに、錆の乾きが悪い。
1.14(水)
〔乾漆03.10〕蓋・身…角の欠けた部分を研ぐと、乾き不十分。
雌型・懸子・・・錆下地付け(2回目)。
1.15(木)
〔乾漆03.10〕蓋…角の欠けた部分を研ぐと、乾き不十分―拭き取る。
*12日、13日と連続してつけたため、12日のが乾いていなかったためと思われる。
漆分の少ない切り子地で埋める―素地としては残らないので。
雌型・懸子・・・錆下地空研ぎ。乾き不十分。
1.16(金)
蓋…角の欠けた部分を研ぐと、また乾いていない感じ―拭き取る。
普通の切り子地で薄めに埋める。
雌型・懸子・・・切り子地付け(3回目)。
1.17(土)
〔乾漆03.10〕蓋…角の欠けた部分を研ぐ。乾いている感じがするが、、、
雌型・懸子・・・空研ぎ。乾いている感じ。
1.18(日)
蓋・身…甲・裏底に一番薄い麻布をはる。角の欠けに切り子地。
雌型・懸子・・・切り子地付け(4回目)。下地はこれで完了。
1.19(月)
〔乾漆03.10〕蓋・身…甲・裏底の麻布を空研ぎ―乾き悪い。
角の欠けの切り子地空研ぎ―乾いている感じだが、、、
雌型・懸子・・・空研ぎ。
*雄型の仕事が、角の欠けなどで、遅れている。
雌型の方が追いついてしまった。
1.20(火)
蓋・身…布目摺り―布の段も埋める。角の欠けにも切り子地。
雌型・懸子・・・内底・底に薄い麻布を貼る。
1.21(水)
〔乾漆03.10〕蓋・身(これから雄型とする)…空研ぎ。
角の欠け、別の欠け、布の段に切り子地。
*蓋の端付近にまた欠け―取り扱いに注意すること!
雌型・懸子・・・空研ぎ―乾いている感じ。
1.24(土)
雄型…麻布(増村先生の時の薄い方)貼り(1枚目)。
*目が細かいので、布が伸び縮みしないように切れ目を入れる。
*3/19糊漆の乾き不十分で、剥がれてくる。身の乾き、未だに不十分。
雌型・懸子・・・布目摺り。
1.25(日)
〔乾漆03.10〕雄型…端からはみ出ている麻布・布の重なりを切り取る。
空研ぎ、乾き不十分。身3ヶ所布が取れてしまったので、貼り直す。
雌型・懸子・・・布目摺りを空研ぎ。
1.26(月)
和紙に水で線をつけ、切る。
*雌型に和紙を貼ることにする。
同じ大きさに切るのが苦手(=面倒)だが、いつもよりは揃えるようにした。
余った紙片も利用するので、まだまだ切らなければならない。
1.27(火)
〔乾漆03.10〕雄型…布目摺り。
雌型・懸子・・・和紙貼り(1回目)。
*和紙貼りは、糊漆が厚すぎて膿んだり、中に空気が残ったりで、よく失敗する。
一枚だけ貼り、和紙の上に白い部分が残らないようにした―和紙に糊漆が染み込むようにする。
1.28(水)
雄型…空研ぎ。乾いている気はするが、、、
雌型・懸子・・・端からはみ出ている和紙を切り取る。空研ぎ。
1.29(木)
〔乾漆03.10〕雄型…リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
*布目摺りに使った下地の漆分が少なかったのか、かなり吸い込まれていく。
*自分の場合、錆や糊漆の漆分が強めなので、日をおいて乾かしてかからないと、膿んでしまう。
雌型・懸子・・・和紙貼り(2回目)。
*和紙の場合も、一度に二枚貼る方法は、膿んでしまうことが多いので、あまりしない。
1.30(金)
〔乾漆03.10〕雄型…空研ぎすると、一部音がおかしい―浮き―削る。
*乾いた音がしていたのに、湿った音に変わった。
身の腰あたりに3ヶ所―見た目には浮きは分からなかった。
平地に固い麻布を貼る。浮いた跡に麻布。
*3/19熱処理で浮く(蓋・身とも)―やや乾きの悪い感じが残っていた!雌型・懸子・・・端からはみ出ている和紙を切り取る。空研ぎ。
1.31(土)
〔乾漆03.10〕雄型…空研ぎ―乾き悪い。
*布目摺りは、糊漆に粒の細かい地の粉を混ぜた下地(粉を少なめ)でして、布貼りのときに浮きがあっても埋めることが出来るようにすべきだろう。
2.1(日)
〔乾漆03.10〕雄型…空研ぎ―まだ少し乾き足りない。
雌型・・・(蓋)和紙貼り3回目。(身)側面―和紙貼り3回目。
懸子・・・麻布貼り1枚目。
*和紙を切る―側面用。
*本朱(黒田朱20g+日華朱10g)を日本産木地呂漆6gと練る。
木地呂が少し出し過ぎで、最初から少し柔らかかった。
1時間弱。サランラップで包んでおく。
2.2(月)
雄型・・・布目摺り。布の段も埋める。
*糊漆に#120で篩にかけた山科地の粉+木の粉
雌型・・・はみ出た和紙を切り取る。空研ぎ。
懸子・・・空研ぎ。
*やや乾き不足。
2.3(火)
〔乾漆03.10〕雄型・・・空研ぎ。
雌型・・・空研ぎを#80でするも、研ぎ滓が乾ききっていない感じ。
*何故か十分に乾いていない。今夜からまた雪。
2.4(水)
雄型・・・リグロインで薄めた生漆を吸わせる。あまり吸い込まない。
雌型・・・薄い麻布貼り1枚目。
(身…隅付近に皺がよる)
懸子・・・布目摺り。
2.5(木)
雄型・・・空研ぎ。乾き良くない。
*側面と裏底の布を違わせるとして、今貼った裏底の布をどう扱うか?もう一度裏底に貼る?雌型・・・端からはみでた布・皺など布の重なりを切り取る。空研ぎ。乾き悪い。
*布の浮いていたところに、布を貼り直す。
懸子・・・空研ぎ。
2.6(金)
雄型・・・側面にバイアス状にあたるように、中国麻布を切る。
側面に布を貼ろうとしてまた空研ぎ。
入り隅2ヶ所で変な音―鋏の先で穴をあけ、糊漆。雌型・・・貼り直した布の糊漆の乾き悪過ぎ。余分の布を切り取る。空研ぎ。
*低温続きの所為だろう。
2.7(土)
雄型・・・側面に中国麻布を貼る。
*裏返してみると、端がキチンと貼ってなかった。押さえ直す。
*貼る前に空研ぎ―また入り隅1ヶ所で変な音がし、鋏の先でつつくと石膏が顔を出す!
どこか浮いていたか不明雌型・・・貼り直した布を空研ぎ。大体乾いたようだ。
2.8(日)
〔乾漆03.10〕雄型・・・端から出ている布を切る。布の重なりを取る。
雌型・・・布目摺り。
2.9(月)
雄型・・・空研ぎ。乾き良くない―糊漆。
雌型・・・空研ぎ。乾き不十分―下地。
2.10(火)
雄型・・・布目摺り―端から側面にかけて。
雌型・懸子・・・リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
2.11(水)
雄型・・・空研ぎ。乾き非常に悪い
雌型・懸子・・・湿っぽい。湿り風呂の下の方に移す。
2.12(木)
〔乾漆03.10〕雄型・・・蓋の甲に固い厚めの麻布を貼る。
*貼る予定でなかったのだが、雌型の身の底に貼る準備をし、身の底の乾きがじゅうぶんでなかった。
*麻布が厚く、固いので、糊漆をガラス板にわたし、布を置き、その上にまた糊漆をわたし、布を少し柔らかくした。
素地側にも薄く糊漆を刷毛付けし、少し柔らかくなっている麻布をのせ、貼る。*3/19熱処理で少し剥がれる―くっつきが少し弱い感じ。
雌型・懸子・・・空研ぎ。平地に固い厚めの麻布を貼る。
*身の底の乾きが不十分なので中止。
2.13(金)
〔乾漆03.10〕雄型・・・リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
*身―全体に。蓋―側面(端にも)。
*2/13現在の麻布:身(裏底3枚、側面2枚)。蓋(甲4枚、側面2枚)。雌型・・・蓋―空研ぎ。乾き不十分。身―見込みに固めの麻布を貼る。
懸子・・・空研ぎ。乾き不十分。
*2/13現在の麻布:身(底3枚、側面1枚)。蓋(平地3枚、側面1枚)。和紙も貼っている。
懸子(底3枚、掛1枚)。
2.14(土)
雄型・・・空研ぎ。
*乾いていないことはない感じだが、失敗するより、完全乾燥を待つ。雌型・懸子・・・蓋―側面にかけて麻布(2枚目)を貼る。身―空研ぎ。
懸子―布目摺り…掛だけ別に貼るのは労力の無駄なので、一枚で貼り重ねる予定。
2.15(日)
雄型・・・蓋―甲の布目摺り。身―底に固めの麻布を貼る(4枚目)。
*3/19身、熱処理によって浮く―糊漆が乾いていなかった!雌型・懸子・・・蓋―空研ぎ、乾き悪い。身―布目摺り。
2.16(月)
雄型・・・蓋―側面に布を貼る(3枚目)。身―空研ぎ、乾き不十分。
雌型・懸子・・・蓋―布目摺り。身―側面に布を貼る(2枚目)。
懸子―布の段を埋める。
2.17(火)
雄型・・・空研ぎ。蓋―乾き不十分。身―底の布(2.15)がまだ乾かない。
雌型・懸子・・・蓋―空研ぎ。身―空研ぎ(乾き不十分)。
懸子―空研ぎ(段を埋めた下地、乾き不足)。
2.18(水)
雄型・・・蓋―布目摺り。身―側面に麻布を貼る(3枚目)。
雌型・懸子・・・蓋―リグロインで薄めた生漆を吸わせる。身―空研ぎ(乾き、ほんの少し不足)。
懸子―リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
2.19(木)
雄型・・・蓋―リグロインで薄めた生漆を吸わせる。身―側面の麻布を空研ぎ…乾き不足。
雌型・懸子・・・蓋―見込みに固い麻布貼り(平地4枚目)。身―布目摺り。
懸子―麻布を貼る(2枚目)。
2.20(金)
〔乾漆03.10〕雄型・・・蓋―甲に固い麻布を貼る(甲5枚目)。
*3/19熱処理で浮く―剥がれた跡は糊漆が残っていたし、部分的加熱が強すぎた所為だろう。
身―空研ぎの結果、側面が怪しいので、裏底のみ布目摺り。雌型・懸子・・・蓋―空研ぎ、乾き悪い。
身―リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
懸子―余分の布を切り、空研ぎ、乾き悪い。*平地に貼っている、固い麻布は半径で5−10mmの差をつけ、布の合わせ目をずらしている。
2.21(土)
雄型・・・蓋―空研ぎ。
身―側面、布目摺り。雌型・懸子・・・蓋―内脇に麻布を貼る(3枚目)。
身―見込みに固い麻布を貼る(4枚目)。
懸子―布目摺り。
2.22(日)
雄型・・・蓋―空研ぎ。側面に麻布(増村先生の時のと同じ)(4枚目)を貼る。
身―空研ぎ。リグロインで薄めた生漆を吸わせる。雌型・懸子・・・蓋―空研ぎ、乾き悪い。
身―空研ぎ。内腰から内脇(側面)に麻布(高野のカヤ布)(3枚目)を貼る。
*手で布を側面になじませ、内腰の側面側を貼り、内脇を貼る。端から出過ぎの布を切る。
1周したら、内腰の底側を貼る。
懸子―空研ぎ。リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
2.23(月)
〔乾漆03.10〕雄型・・・蓋―空研ぎ。目が細かい布の所為か、乾きがよくない。
身―空研ぎ。裏底に固い麻布を貼る(5枚目)。雌型・懸子・・・蓋―布目摺り。
身―端から出ている布を切る。底との境は、#80で空研ぎ。
*目が粗めだった所為か、ほとんど乾いている。昨日20℃以上だったこともあろう。
懸子―空研ぎ。麻布(高野のカヤ布)(3枚目―底5枚)を貼る。
2.24(火)
雄型・・・蓋―空研ぎ。布目摺り。
身―空研ぎ。側面に目の細かい麻布を貼る(4枚目)。
*布を一番安定的に側面に巻けるように、腰の外脇側から貼ってかかる。
底側を最後にするのは、布が縮むようにするので、傾いていかないようにするため。雌型・懸子・・・蓋―リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
身―布目摺り。
懸子―空研ぎ。布目摺り。
2.25(水)
雄型・・・蓋―空研ぎ。リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
身―空研ぎ。布目摺り。雌型・懸子・・・蓋―見込みに固い麻布を貼る(5枚目)。
身―空研ぎ。リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
懸子―空研ぎ。リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
2.26(木)
雄型・・・蓋―空研ぎ。麻布(増村先生の時と同じ)を貼る(甲6枚目、側面5枚目)。
*この布は洗って干しても、ほとんど縮まないので、更のものを使う。
*切れ目を入れ、隅との間に布がうまく収まるに押さえたが、、、
身―空研ぎ。乾き不足。雌型・懸子・・・蓋―空研ぎ。乾き不足。
身―空研ぎ。乾き、少しだけ不足。
懸子―空研ぎ。麻布(増村先生の時と同じ)を貼る(4枚目、底6枚目)。
2.27(金)
雄型・・・蓋―はみ出ている布を切る。空研ぎ。
身―リグロインで薄めた生漆を吸わせる。雌型・懸子・・・蓋―内脇に麻布を貼る(4枚目)。
身―見込みに固い麻布を貼る(5枚目)。
懸子―はみ出ている布を切る。空研ぎ。
2.28(土)
雄型・・・蓋―布目摺り。
身―空研ぎ。乾き不十分。雌型・懸子・・・蓋―空研ぎ。
身―空研ぎ。乾き良くない。
懸子―布目摺り。
2.29(日)
雄型・・・蓋―空研ぎ。リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
身―空研ぎ。麻布を貼る(底6枚目、側面5枚目)。雌型・懸子・・・蓋―空研ぎ。布目摺り。
身―空研ぎ。側面に高野のカヤ布を貼る(4枚目)。
*2.22の補足・・・内脇、底側は、貼った布の中央辺りから、貼り合せ側に向かって皺を作らないように貼り進む。
お椀の端の両側に布を貼っていくのと似ている。
懸子―空研ぎ。リグロインで薄めたく漆を吸わせる。
3.1(月)
雄型・・・蓋―空研ぎ。乾き不十分。
身―はみ出ている布を切る。空研ぎ。乾き悪い。雌型・・・蓋―空研ぎ。乾き悪い。
身―はみ出ている布を切る。空研ぎ。乾き悪い。
3.2(火)
雄型・・・蓋―甲に目の細かい麻布(吉川さんが世話をした布)を貼る(甲7枚目)。
身―空研ぎ。布目摺り。雌型・・・蓋―空研ぎ。内脇に布を貼る(5枚目)。
*見込みの布の状態を貼っただけと見たが、布目摺り状態だった!
生漆で固める工程だったのに勘違い。
身―布目摺り。
3.3(水)
〔乾漆03.10〕雄型・・・蓋―空研ぎ。
身―空研ぎ。雌型・・・蓋―内脇の布を空研ぎ。
*久し振りに少し浮き、下地でくっつけておく。
身―空研ぎ。*朝、数センチの積雪。寒く、漆の乾き悪い。
3.4(木)
雄型・・・蓋―甲の布目摺り。
身―リグロインで薄めた生漆を吸わせる。雌型・・・蓋―布目摺り。
身―リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
3.5(金)
空研ぎ。乾きよくない。
3.6(土)
雄型・・・蓋―リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
雌型・・・蓋―リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
3.7(日)
雄型・・・蓋―空研ぎ。和紙を貼る。
身―和紙を貼る。
懸子―和紙を貼る。雌型・・・蓋―麻布(中国麻布)を内側に貼る(6枚目)。
身―麻布(中国麻布)を内側に貼る(底6枚目、側面5枚目)。
3.8(月)
雄型・・・蓋―空研ぎ。
身―空研ぎ。
懸子―空研ぎ。
*乾いていたが、切ってなかったので、和紙を切る。雌型・・・蓋―余分の布を切り、空研ぎ。乾き悪い。
身―余分の布を切り、空研ぎ。乾き悪い。
3.9(火)
雄型・・・蓋―和紙を貼る(2枚目)。
身―側面に和紙を貼る(2枚目)。
3.10(水)
雄型・・・蓋―空研ぎ。和紙を貼る(3枚目)。
身―空研ぎ。和紙貼り(底2枚目、側面3枚目)。雌型・・・蓋―布目摺り。
身―布目摺り。
3.11(木)
雄型・・・蓋―空研ぎ。
身―空研ぎ。雌型・・・蓋―空研ぎ。リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
身―空研ぎ。リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
3.12(金)
雌型・・・蓋―空研ぎ。平地に目の細かい麻布を貼る(底7枚目)。
身―空研ぎ。平地に目の細かい麻布を貼る(底7枚目)。
3.13(土)
雄型・・・蓋―切り子地付け。
身―切り子地付け。雌型・・・蓋―空研ぎ。下地付け(平地は布目摺り)。
身―空研ぎ。下地付け(平地は布目摺り)。
懸子―切り子地付け。
3.14(日)
雄型・・・蓋―空研ぎ。切り子地付け。(2回目)
身―空研ぎ。切り子地付け。(2回目)雌型・・・蓋―空研ぎ。切り子地付け。(2回目)
身―空研ぎ―浮きあり。切り子地付け。(2回目)
懸子―切り子地付け。(2回目)
*浮いたところは、切り出しの先で突付き、穴をあけまくる。
雄型・・・蓋―空研ぎ。切り子地付け。(3回目)
身―空研ぎ。切り子地付け。(3回目)
懸子―切り子地付け。(3回目)雌型・・・蓋―空研ぎ。切り子地付け。(3回目)
身―空研ぎ―まだ、浮きあり。切り取り、刻苧で段を埋める。
*荒砥で空研ぎすると、浮きが音で分かる。
#80を利用した空研ぎではそれがわからず、失敗だった。
切り出しの背で叩いた音でも確かめることも必要。
3.16(火)
〔乾漆03.10〕雄型・・・蓋―甲に錆箆付け。*面をキチンと作るため。
雌型・・・身―空研ぎ―まだ浮きあり。削り、刻苧で段を埋める。
*昨日のとなみの展のページの画像に続き、削った跡。
最初の1枚だけが残った感じ。
久し振りの布貼りで、感覚がつかめていなかった所為だろう。
3.17(水)
雄型・・・熱処理開始(蓋・身・懸子)。
*サーモスタット30℃設定。今日は24℃ほどまで気温が上がったそうだから、弱い熱処理。雌型・・・熱処理開始(蓋)。
身―削った3つの穴に番号をつけ、布を貼る。
3.18(木)
*熱処理中・・・雄型(蓋・身)、懸子、雌型(蓋)
雌型(身)―刻苧+錆で布目摺り。
3.19(金)
雄型(蓋・身)・・・膨らんだのを切り取る。
雌型(身)―荒砥で空研ぎ。
3.20(土)
雄型(蓋・身)・・・空研ぎ。
身の方がおかしいので、更に切り取る。
*まだまだ湿っぽい!雌型(身)―深い凹み1ヶ所に麻布貼り。
3.21(日)
雄型(蓋・身)―空研ぎ。蓋…布の段を刻苧で埋める。
身…乾き不十分なので、リグロインをかけ、拭いてみる。???雌型(身)―空研ぎ。乾き不十分。
*乾かないと仕事は止まるし、乾いてもグラグラ動く。
乾漆の仕事に迷いが出て来た。
3.22(月)
雄型(蓋)―空研ぎ。乾き悪い。
(身)―空研ぎ。もう一度リグロインを流し、拭き取る。布の段を刻苧(+錆少々)で埋める。雌型(身)―貼り直した部分2箇所…刻苧(+錆少々)で布目摺り。
3.23(火)
雄型(蓋)―空研ぎ。高野のカヤ布を甲に貼る。(3枚目になる)
(身)―空研ぎ(朝・夜)。乾き少し悪い。雌型(身)―貼り直した部分2箇所…(全体の空研ぎ)乾き少し悪い。
3.24(水)
雄型(蓋)―空研ぎ。乾き悪い。
(身)―裏底に高野のカヤ布を貼る。(3枚目になる)雌型(身)―深い凹みに布片を貼る。
3.25(木)
雄型(蓋)―布目摺り。
(身)―空研ぎ。乾き悪い。雌型(身)―余分の布を切り取る。空研ぎ。
3.26(金)
〔乾漆03.10〕雄型(蓋)―固く厚めの麻布を甲に貼る。(4枚目になる)
*どの程度の厚みの糊漆が正しいのか、不安はある。
(身)―布目摺り。雌型(身)―布片の布目摺り。凹みを埋める。
3.27(土)
雄型(蓋)―空研ぎ。浮きがある。切り取り、麻布片。
*貼る面がキチンと出来ていなかったせいかもしれない。
(身)―細かい目の麻布を貼る。(4枚目になる)雌型(身)―布片を貼る。凹みを埋める。
3.28(日)
雄型(蓋)―空研ぎ。
(身)―空研ぎ。*音がおかしいので、削ってみるも浮いていない、、、?雌型(身)―空研ぎ。
3.29(月)
雄型(蓋)―布目摺り。
(身)―空研ぎ。*音がおかしいので、また削ってみるも浮いていない、、、?
押してみてもその部分は動かない、しかし音は相変わらずおかしい。
昨日同様の現象。石膏原型か、下地面と、麻布面とが分離しているのかもしれない。
リグロインで拭いてから、布目摺り。雌型(身)―布目摺り、凹みに切り子地。
3.30(火)
雄型(蓋)―(朝)空研ぎ。音が変なので、3.26の麻布を剥ぎ取る。
布貼り、布目摺りだけでも、固い麻布を手で裂くことが出来た!
(夜)また空研ぎすると、音が変。削っていくと、石膏が顔を出す!
穴を糊+木の粉+こくそで埋める。(身)―空研ぎ。音が変なところを削る。
雌型(身)―空研ぎ。凹みを切り子地で埋める。
3.31(水)
雄型(蓋)―穴に布を貼る。
(身)―空研ぎすると、また少し変な音。削り取る。段に刻苧。雌型(身)―空研ぎ。深い穴に麻布片。凹みに切り子地。
4.1(木)
雄型(蓋)―軽く空研ぎ。
(身)―空研ぎ。雌型(身)―空研ぎ。凹みに切り子地。布のところはせず。
4.2(金)
雄型(蓋)―空研ぎ。切り子地で布目摺り。
(身)―空研ぎ。高野漆行のカヤ布を貼る(削った部分に)。
*これだけ失敗を繰り返すと、どうなるか不安になる。
早めに素地が完成する予定だったのに、完全に狂った。雌型(身)―空研ぎ。凹みに切り子地。布のところにも。
4.3(土)
雄型(蓋)―空研ぎ。高野のカヤ布片を貼る。
(身)―空研ぎ。乾きは十分ではない。雌型(身)―空研ぎ。深い穴1ヶ所に麻布片。凹みに切り子地。
4.4(日)
雄型(蓋)―空研ぎ。
(身)―空研ぎ。
*身は布目摺りができないことは無いだろうが、寒いので乾き不足の可能性が無いことは無いので。雌型(身)―空研ぎ。
4.5(月)
雄型(蓋)―布目摺り。
(身)―布目摺り。雌型(身)―凹みを埋める。
*(蓋)昨夕から今朝まで、久し振りに熱処理。今夕からも・・・
4.6(火)
雄型(蓋)―空研ぎ。剥ぐった所に高野のカヤ布を貼る。
(身)―空研ぎ。剥ぐっ所に高野のカヤ布を貼る。
*音に変な感じがあるが、逆側から削るしかないだろう。雌型(身)―空研ぎ。1ヶ所に麻布片を貼る。
4.7(水)
雄型(蓋)―余分の布を切る。空研ぎ。
(身)―余分の布を切る。空研ぎ。雌型(身)―1ヶ所に麻布片を貼っていたつもりが、貼っていなかった!
その布片を貼る。凹みに切り子地。
4.8(木)
雄型(蓋)―軽く空研ぎ。布目摺り。
(身)―軽く空研ぎ。布目摺り。雌型(身)―凹みに切り子地。
*布目摺りはせず。
*蓋―日中は天日で、夜間は投光機で熱処理。
4.9(金)
*米糊を作る。お猪口に米糊を入れ、そこに生漆を足していきながら、大体の比率で糊漆を作る。
10:0、9:1、8:2、7:3、6:4=糊:生漆
麻布・・・高野のカヤ布、増村先生の時の目の細かい方、駕籠などに使った固い布。雄型(蓋)―空研ぎ。甲にカヤ布を貼る(米糊:生漆=7:3ほどで)。(4枚目になる)
(身)―空研ぎ。削ったところにカヤ布を貼る(糊漆のムラを作らない為、今までのものを使う5:5.5)。雌型(身)―空研ぎ。布目摺り。凹みに切り子地。
4.10(土)
*10:0、9:1、8:2、7:3、6:4=糊:生漆
麻布・・・高野のカヤ布、増村先生の時の目の細かい方、駕籠などに使った固い布。
空研ぎ。乾いているものの右半分に布目摺り。雄型(蓋)―空研ぎ。米糊:生漆=7:3ほどだったので乾いていた。布目摺り。
(身)―空研ぎ。糊漆、今までのものを使ったので乾き不十分。
*蓋の切り取った布についている糊漆部分、簡単に裂く事が出来た。どんな比率で良いのか?
空研ぎの感じは、今までの漆分の強い方が、いかにも固く、丈夫な感じがした。雌型(身)―空研ぎ。凹みに切り子地。
4.11(日)
*7:3、6:4の比の、増村先生の時のと駕籠などに使っていたのを空研ぎ。乾いていた。
右半分布目摺り。(前日の布目摺りも空研ぎ)雄型(蓋)―空研ぎ。増村先生の時の目の細かい方を甲に貼る。(5枚目になる)外に近いので、糊漆は通常の5:5.5の比。
(身)―空研ぎ。布目摺り。雌型(身)―荒砥で水研ぎ。 (日中天日干し) 凹みに切り子地。
4.12(月)
*空研ぎ。下半分にリグロインで薄めた生漆を吸わせる。
米糊だけで貼ったままのところへは、よく滲んでいく。雄型(蓋)―空研ぎ。
(身)―空研ぎ。裏底に高野のカヤ布を貼る。(5枚目)雌型(身)―荒砥で水研ぎ。リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
4.13(火)
雄型(蓋)―空研ぎ。布目摺り。
(身)―空研ぎ。雌型(身)―夜、熱処理開始。蓋も熱処理中。
4.14(水)
雄型(蓋)―空研ぎ。一番目の細かい麻布を貼る(通常の混合比5:5.5の糊漆)。(6枚目)
(身)―布目摺り。雌型―夜、熱処理。
4.15(木)
雄型(蓋)―余分な布を切る取る。空研ぎ。
(身)―空研ぎ。低すぎるところに高野カヤ布を貼る。雌型―(昼)天日干し。 夜、熱処理。
4.16(金)
〔乾漆03.10〕雄型(蓋)―空研ぎ。甲、布目摺り。
(身)―余分な布を切る。空研ぎ。雌型―(昼)天日干し。 夜、熱処理。
4.17(土)
雄型(蓋)―空研ぎ。生漆を箆で渡し、時間をおいてから、拭き取る。
(身)―布目摺り。低い感じのところにも切り子地。雌型―(昼)天日干し。曇り勝ちのときもあった。 夜、熱処理。
4.18(日)
雄型(蓋)―午後のみ、天日干し。(夕)甲に切り子地箆付け。
(身)―空研ぎ。手で触ってまだ低いところ3箇所に麻布を貼る。
*高野カヤ布。周囲に向かって布目が斜めになっているように。雌型―(昼)天日干し。 夜、熱処理。
4.19(月)
雄型(蓋)―空研ぎ。甲に錆地箆付け。
(身)―余分の麻布を切る。空研ぎ。雌型―夜、熱処理。
4.20(火)
雄型(蓋)―空研ぎ。リグロインで薄めた生漆を吸わせる。
(身)―布目摺り。雌型―夜、熱処理。
4.21(水)
雄型(蓋)―湿りの中に置く。
(身)―空研ぎ。裏底に中国麻布を貼る。(6枚目)(通常の糊漆)雌型―日中、天日干し。夜、熱処理。
4.22(木)
〔乾漆03.10〕雄型(身)―余分の布を切り取る。空研ぎ。
(蓋)―日中、天日干し。夜、熱処理。雌型―日中、天日干し。夜、熱処理。
4.23(金)
〔乾漆03.10〕雄型(身)―空研ぎ。布目摺り。
(蓋)―夜、熱処理。雌型―夜、熱処理。
4.24(土)
雄型(身)―空研ぎ。錆下地、箆付け。
(蓋)―夜、熱処理。雌型―夜、熱処理。
4.25(日)
雄型(身)―空研ぎすると、腰の辺りが湿った音。
(蓋)―昼、天日干し。夜、熱処理。雌型―昼、天日干し。夜、熱処理。
4.26(月)
雄型(身)―裏底に錆箆付け。
(蓋)―昼、天日干し(途中で曇り)。夜、熱処理。雌型―昼、天日干し(途中で曇り)。夜、熱処理。
4.27(火)
夜、熱処理。
4.28(水)
夜、熱処理。
4.29(木)
日中、天日干し(シートで包んでおく)。 余熱が残った!
夜、熱処理。
4.30(金)
日中、天日干し(シートで包んでおく。半分位は曇り)。 夜、熱処理。
5.1(土)
昼、曇りがちで少しだけ天日干し。 夜、熱処理。
5.2(日)
昼、天日干し(シートで包んでおいたので、保温力抜群)。 夜、熱処理。
5.3(月)
昼、天日干しするも、曇りがち。 夜、熱処理。
5.4(火)
雌型―*4.13に熱処理を開始しているので、夜、水につける。
5.5(水)
〔乾漆03.10〕雌型―石膏原型を壊し、素地を取り出す。
取れ難いところは金箆で削ったりし、洗う。
陰干し。(蓋、身、懸子)
*素地はかなり固まっているようだが、、、*雄型は、好天の日にのみ天日干しをすることにした・・・今日は曇りで中止。
次の作業を始めない限り、暫く記述を中止。*雄型5.6好天になったので、黒い袋に入れ、それを農業用シートで二重に包む。
雨の日も出しっ放しにする予定。
昨年のように、雨が入ってきて素地が反対側に膨らむようなことはないはずだが、、、
5.9(日)
〔雌型〕蓋・身・懸子の端を、擦りガラスに山科地の粉を撒いて、水平に研ぐ。
くっ付いたまま残る石膏を削るが、取り切れない。
端に生漆を渡し、布で拭き取る。
*石膏原型がガタガタなので、下地が入り込み、逆に石膏をくっ付けてくるのだろう。
5.10(月)
〔雌型〕アクリル定規に合わせて、特に中央の入り隅の位置が合うよう研ぐ。
外脇の出過ぎ、甲や裏の凸凹を研ぐ。
*蓋を主にする。身は動く感じなので、少しだけ。
金ブラシ(多分動物用)で、残る石膏を削りまくるが、それでも残る。
リグロインで薄めた生漆を吸わせる。布で拭き取る。
5.11(火)
〔雌型〕身をアクリル定規に合わせ、3箇所ガムテープで固定し、
入り隅を先の尖った丸い砥石で研ぎこむ。
山の足りない部分を錆で作る。凹みの目立つところにも錆。
外に出すぎている素地の内側に麻布片を貼る。
*外に出すぎている対辺、内側に布を貼らざるを得ないとは!動く原因になる。蓋は、凹みの目立つところに錆をつける。
5.13(木)
〔雌型〕蓋をアクリル定規に合わせ、3箇所ガムテープで固定し、入り隅を研ぐ。
一辺ずらして、ガムテープを貼りなおし、足りない山を錆で作る。目立つ凹みも。身の足りない山を錆で作る。
*蓋、身とも辺が外に出すぎの感じ。アクリル定規に合わせるべきか?
5.14(金)
〔雌型〕蓋・身をアクリル定規に合わせ、3箇所ガムテープで固定し、入り隅を研ぐ。
外側に膨らみすぎているので、内側に布を貼る。
*身は全周。蓋は膨らみの目立つ対辺。
凹みに錆・・・石膏原型のガタガタが写ったのか、ひどいものである。
5.15(土)
〔雌型〕端から出ている布を切り取る。
昨日貼った蓋の一部が浮いていたので、麻布片を貼り直す。
5.16(日)
〔雌型〕こくそで布目摺り。
甲などに錆。
5.17(月)
〔雌型〕こくそを空研ぎ。
身の内側の端周りに2cm幅の麻布を貼る。
蓋の内側の端周りの出過ぎの4辺に1.5cm幅の麻布を貼る。
5.18(火)
〔雌型〕布貼り部分を空研ぎ。乾いている気がするが、、、
身の外側のガタガタに錆。
5.19(水)
〔雌型〕布目摺り(錆+こくそ)。