定番フレーズの数々
劇中、あるキャラクター、あるいは種族がよく使うフレーズ、口癖のようなものがありますね。こういったものは、他のキャラクターに口マネされてニヤリとさせられたり、あるキャラクター同士がやっぱり同じ種族なんだと実感させられたりするものです。 つまり、個々の単語に関して訳語を統一させるだけでは不十分で、同じフレーズは同じように訳さないとそのキャラクターの魅力を半減させることにも繋がってしまいます。気をつけたいものですね。
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D
Do it.
お願い
ピカードの「そうしてくれ」に相当する、命令実行を指示する時のジェインウェイの常套句。まぁ、原語台詞的にはなんの変哲もないものなんだけど...
吹替えでは「実行して」なんて無味乾燥なものも多々あるが、「お願い」というのが女性らしく個性的でいいんじゃないかな、と。
【関連】
VGR"EQUINOX, PART I"(邦題:異空生命体を呼ぶ者達(前編)) 、VGR"ENDGAME"(邦題:道は星雲の彼方へ)
E
Engage!
発進。
ピカードのお決まりの台詞。エンタープライズの発艦命令である。MOV"STAR TREK: FIRST CONTACT"(邦題:スター・トレック ファーストコンタクト) で、コクレーンも言ってたんだが吹替えでは違う台詞になっていたため、ライカーたちがニヤリとしている意味がわからなくなっていた。
【関連】
TNG"ENCOUNTER AT FARPOINT"(邦題:未知への飛翔)
PIC"THE END IS THE BEGINNING"(邦題:終わりの始まり)
F
Fascinating.
(定番訳なし)
ノベライズ日本語版では、「魅惑的だ」と(不自然な直訳ながらも)統一されていたが、映像版ではマチマチ。そのためスポックの口癖という認識もあまりされていないのではなかろうか。残念。
【関連】
TOS"THE MAN TRAP"(邦題:惑星M113の吸血獣) 、TNG"UNIFICATION, PART II"(邦題:潜入! ロミュラン帝国(後編)) 、MOV"STAR TREK BEYOND"(邦題:スター・トレック BEYOND)
G
Green-blooded xxx!
緑の血の○○○!
マッコイがスポックに浴びせる(愛ある)罵声。
【関連】
MOV"STAR TREK II: THE WRATH OF KHAN"(邦題:スター・トレックII カーンの逆襲) 、MOV"STAR TREK III: THE SEARCH FOR SPOCK"(邦題:スター・トレックIII ミスター・スポックを探せ!) 、MOV"STAR TREK"(邦題:スター・トレック) 、MOV"STAR TREK BEYOND"(邦題:スター・トレック BEYOND)
H
He's dead, Jim.
死んでいるぞ、ジム。
全く認識してなかったんですが、実はマッコイの定番台詞だそうです(^^)。
【関連】
Memory Alpha によると、TOS"THE MAN TRAP"(邦題:惑星M113の吸血獣) の他、多数の使用例があるとのこと。
備考: なるほど!訳語発見+英語屋さん最後の挨拶 で紹介されていました。
Hit it.
行こう。
パイク(SNW)の発艦命令。
I
I am a doctor, not xxxx.
私は医者だ、○○じゃない。
マッコイお得意のフレーズ。特に「私は医者だ、石屋じゃない」が白眉である。さらにDS9のベシア、VGRのEMHに踏襲されており、ある意味STで最も広く普及しているといえる(^^)。
【関連】
TOS"THE DEVIL IN THE DARK"(邦題:地底怪獣ホルタ) 、DS9"TRIALS AND TRIBBLE-ATIONS"(邦題:伝説の時空へ) 、VGR"MESSAGE IN A BOTTLE"(邦題:プロメテウスの灯を求めて)
I can't change the laws of physics.
物理の法則は変えられません。
チャーリーの十八番(おはこ)。物理の法則は変えられなくとも、所要時間のサバ読みはお手の物である(^^)。
【関連】
TOS"THE NAKED TIME"(邦題:魔の宇宙病) 、TNG"RELICS"(邦題:エンタープライズの面影)
Infinite Diversity in Infinite Combination (IDIC)
無限の組み合わせでの無限の多様性。
バルカン哲学の根幹をなすフレーズ。この訳はENTのもの。VGRでは無限の「相違」となっていた。
【関連】
ENT"THE FORGE"(邦題:狙われた地球大使館) 、VGR"GRAVITY"(邦題:ブラックホールと共に消えた恋) 、TOS"IS THERE IN TRUTH NO BEAUTY?"(邦題:美と真実) 、TAS"THE INFINITE VULCAN"(邦題:惑星ファイロスの巨人)
L
Live long and prosper.
長寿と繁栄を。
有名なバルカン人の挨拶。"Peace and long life." と対にして使われることも。
M
Make it so.
そうしてくれ。
ピカードの常套句。原意としては軍隊用語で「命令を遂行せよ」ぐらいの意味らしい。これは吹替えがだいたい統一されているのだが、日本語としてはあまりにも平凡な台詞なために、口癖として認識されていないのではなかろうか。
【関連】
TNG"THE CHILD"(邦題:光から生まれた生命)
Mr. Vulcan
バルカンの旦那
ニーリックスがトゥボックを呼ぶときの常套句。「バルカン君」「ミスター・バルカン」なども見受けられるが、これが一番しっくりくる感じ。
P
Peace and long life.
平和と永久(とこしえ)の命を。
バルカン人の挨拶。まれにだが、"Live long and prosper." と対になって使われる。先にこちらの言葉を言った後、相手が"Live
long〜"と返すようだ。より丁寧な言い方なのかも。
【関連】
TNG"UNIFICATION, PART I"(邦題:潜入! ロミュラン帝国(前編)) 、
TNG"SAREK"(邦題:英雄症候群) 、
TOS"IS THERE IN TRUTH NO BEAUTY?"(邦題:美と真実) 、
ENT"THE FORGE"(邦題:狙われた地球大使館)
【備考】 初出は無論TOSなのだが訳出されておらず、訳の初出はTNG"UNIFICATION, PART
I"であるため、当サイトとしてはTNGの訳を尊重するものとする。
補足: とはいうものの、"Long life" を「永遠の命」とするのは少々ヤリスギとは感じている。ただ、次に "Live long〜" と命令形で受けるフレーズなので、ENTのように「平和と長寿を」とするのはヒネリがないなぁと思うので...
Please state the nature of medical emergency.
緊急事態の概要を述べたまえ。
EMH起動時の定番フレーズ。
【関連】
VGR"CARETAKER"(邦題:遥かなる地球へ)
Punch it.
発進。
パイク(KT)の発艦命令。
R
Resistance is futile.
抵抗は無意味だ。
ボーグの常套句。日本語らしく「抵抗しても無駄だ」のように訳したくなるが、名詞を使うところにボーグらしい無感情さが良く出ているのである。名訳。
【関連】
TNG"I, BORG"(邦題:ボーグ“ナンバー・スリー”) 、TNG"DESCENT, PART I"(邦題:ボーグ変質の謎(前編)) 、ENT"REGENERATION"(邦題:覚醒する恐怖) 、VGR"DARK FRONTIER"(邦題:ボーグ暗黒フロンティア計画)
T
The needs of the many outweigh the needs of the few.
多数の要求は少数の要求に勝る。
元々ST2で出たスポックの名言だったのだが、ENTでバルカンの格言とされた。
【関連】
MOV"STAR TREK II: THE WRATH OF KHAN"(邦題:スター・トレックII カーンの逆襲) 、MOV"STAR TREK INTO DARKNESS"(邦題:スター・トレック イントゥ・ダークネス) 、VGR"ENDGAME"(邦題:道は星雲の彼方へ) 、ENT"THE COUNCIL"(邦題:評議会の分裂)
Today is a good day to die.
今日は死ぬにはいい日だ。
クリンゴン戦士の定番フレーズ。「いい日」じゃなくて「ふさわしい日」みたいに訳されていたこともあったが、前者の方が無骨さがあってクリンゴンらしい気がする。
【関連】
DS9"BLOOD OATH"(邦題:血の誓い) 、TNG"SINS OF THE FATHER"(邦題:汚名〜クリンゴン戦士として〜) 、DS9"THE WAY OF THE WARRIOR"(邦題:クリンゴンの暴挙) 、DS9"BY INFERNO'S LIGHT"(邦題:敗れざる者(後編)) 、MOV"STAR TREK: FIRST CONTACT"(邦題:スター・トレック ファーストコンタクト) 、DSC"SUCH SWEET SORROW, PART II"(邦題:甘い悲しみ パート2)